著者
刈間 文俊 若林 正丈 村田 雄二郎 クリスティーン ラマール 生越 直樹 伊藤 徳也 代田 智明 瀬地山 角 高橋 満 古田 元夫 若林 正丈 黒住 真 代田 智明 深川 由紀子 生越 直樹 クリスティーン ラマール 高見澤 磨 楊 凱栄 谷垣 真理子 伊藤 徳也 瀬地山 角 田原 史起 有田 伸 岩月 純一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

中国では、漢字が、簡略化や教育によって、血肉化され、作家達も、前近代的なものを凝視し続けた.戦前の日中関係では、日本の漢学者と漢字紙が大きな役割を果たした.戦後韓国は、漢字を駆逐する一方、伝統的な同姓不婚制度を再構築させ、台湾は、漢字を簡略化せず、80 年代以降には、多文化主義的な社会統合理念を形成した.それに対して、中国大陸では今や、漢字文化からも消費文化からも疎遠な農村が、自律と国家による制御の間で揺れ動いている.本研究は以上を実証的に解明した.
著者
若林 功
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.5-32, 2009-03-30

発達障害者の就労支援に関する応用行動分析学的な手法を用いた研究に関する文献レビューはわが国ではあまり見られない。本稿では、米国における発達障害者の職業に関するスキル習得の報告を中心に、まず70年代から90年代中盤までの研究の流れを概観した。続いて、1998年以降の応用行動分析学に基づいた発達障害者への就労支援に関する研究について概観し、「作業技能(正確性・効率)」「作業技能(作業の自発的開始・課題従事・終了)」「対人生活技能」「問題行動低減」「就労支援者への指導」に分け内容を述べた。そして、米国の研究報告では、十分にエビデンスレベルが確保されているとは言えないまでも、有効な支援方法を開発しようとする流れが確かにあることを確認した。一方で、軽度発達障害者への取り組みや職業相談・職業評価等に関してはあまり応用行動分析学に基づいた研究が行なわれていないことも示された。また、なぜ応用行動分析学が発達障害者の障害者就労支援に有効なのか考察した。
著者
若田 宣雄 里吉 営二郎 木下 真男 高沢 靖紀
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.1399-1404, 1975

症例: 19才女子,会社員. 17才頃,ソフトボールの試合中,休んでいたら右上下肢の脱力が出現,約1日で回復したが,その後,運動後休息中によく脱力発作が起きるようになり,また,スイカを食べて少ししても起きるようになつた.父親も同じようにスイカを食べると脱力発作が生じるという.入院時,四肢近位筋のごく軽度の脱力と,わずかな叩打後筋不随意収縮を認めた. KCI5g経口投与により,血清カリウムは最高7.5mEq/<i>l</i>に達し,腰がふちつき,歩行困難となつた.また, 30分間,自転車をこいだのち休息していると,血清カリウムは3.7から4.7までしか上昇しなかつたが,やはり脱力発作が出現した.一方,ブドウ糖およびインスリン負荷試験では,血清カリウムは4.7から3.6まで変化したが,脱力発作は見られなかつた. acetazolamide 1g/日連続投与でも麻痺は起こらず,これらの結果から,家族性高カリウム血性四肢麻痺と診断した.しかし,麻痺は高カリウム血の時にのみ起きるとは限らず,過去にも,正カリウム血性として報告されたものが,のちに高カリウム血性として再報告されたこともあり,両者の区別は必ずしも本質的ではないと考えた.また, acetazolamideに対する態度などから,低カリウム性のものとも一部には共通点を有する面もあり,血清カリウム濃度の相違からのみ,周期性四肢麻痺の発現機序を論じることは正しくないのではないかと考えた.
著者
若松 大樹
出版者
日本中東学会
雑誌
日本中東学会年報 (ISSN:09137858)
巻号頁・発行日
no.24, pp.29-59, 2009-02-25

Nevruz is a spring festival celebrated the world over and particularly in Eastern Muslim countries, including Iran and Turkey. It was for a long time commemorated by Ottoman society as a regular cultural festival, but the practice gradually changed since the late 1980s, when Kurdish nationalist movements arose. To put it briefly, the Nevruz festival, which was a normal cultural festival until then, was now transformed into a battlefield of ethnic self-assertion in Turkey. In this article I intend discussing the practical aspects of Nevruz in contemporary Turkey by utilizing primary sources like daily newspapers, by the observation of the Nevruz practices, and through interviews that I conducted during my field research
著者
若林 源一郎 山西 弘城 杉浦 紳之 伊藤 哲夫 堀口 哲男 芳原 新也 稲垣 昌代 小島 清 村田 祥之 古川 道郎
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2011年秋の大会
巻号頁・発行日
pp.832, 2011 (Released:2011-10-19)

福島県川俣町で環境放射線調査を行なった。学校の校庭や広場においてNaI(Tl)シンチレーションサーベイメータを用いた空間線量率の測定を行って線量の分布を把握した後、地表から約5 mmの表土を除去することにより、空間線量率の低減効果を調べた。学校校庭では半径2 m及び5 m、広場では半径2.4 mの表土を除去した結果、表土を除去した領域の中心で線量率は70~80%に減少した。
著者
伊藤 哲夫 古川 道郎 杉浦 紳之 山西 弘城 堀口 哲男 芳原 新也 若林 源一郎 稲垣 昌代 小島 清 村田 祥之
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2011年秋の大会
巻号頁・発行日
pp.831, 2011 (Released:2011-10-19)

福島県川俣町で環境放射線調査を行なった。NaI(Tl)シンチレーションサーベイメータを用いて空間線量率の状況を把握するとともに、空間線量率の成因を分析するために、土壌を深さ毎に採取した。土壌試料について、ガンマスペクトロメトリで放射性物質濃度を定量した。その主な成分はCs-134とCs-137で、ほぼ同濃度であり、全量の90%以上が、地表面から1cmまで深さにあった。表土除去による空間線量率の低減効果についても確認した。
著者
若狭 智嗣
出版者
大阪大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

相対論的重イオン衝突によりクオーク・グルーオン・プラズマ(QGP)が形成されるモデルにおいて、QGPにおける相転移温度では核子核子間で交換される中間子の質量が減少する事が示唆されている。中間エネルギーの(P^^→,P^^→1))反応等の偏極観測量の測定から、通常の核物質密度でも前駆現象(中間子の質量変化)の観測が可能との指摘がある。実験的には、核反応及び核構造の取扱いの不定性から、はっきりとした結論を得るに至っていない。本研究では、構造の不定性の小さい^<16>O(P^^→,P^^→1)^<16>O(0^-,T=0,1)反応の偏極観測量の測定を目指した。運動量分散整合の手法を適用し、更にビームのエミッタンスを小さくする事により、最終的にエネルギー分解能40keVを達成し、低バックグラウンド下での0^-状態の分離・測定に成功した。この0^+→0^-遷移は、パイ中間子の量子数0^-と同じ量子数変化であり、純粋にパイ中間子起因のスピン縦モードが励起される。引力のパイ中間子交換力により、スピン縦モードに於いてはその強度が増大する事が示唆されており、パイ中間子凝縮の前駆現象や、核内でのパイ中間子密度の増大といった現象とも密接にかかわっている。今回得られた0^-状態の断面積の角度分布を、理論計算と比較した結果、・無限系の核物質に対する計算で示唆される。高運動量移行領域での異常な増大(前駆現象)は認められない・原子核の有限性を考慮した計算とは無矛盾との知見を得た。
著者
泉 邦彦 小沢 俊 堺 拓之 若月 英三
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.96-112, 1982-03-20 (Released:2010-10-28)
参考文献数
8
被引用文献数
3

顎舌骨筋の起始部である顎舌骨筋線は一般に知られているように, 歯科臨床学上重要である。そこで, 筆者らは, インド人成人下顎骨体内面の石膏模型を作製して, モアレ縞等高線を応用しその形態を観察及び計測した。さらにX線を撮影し顎舌骨筋線と歯根尖との位置的関係をも併せて計測し, 比較検討した。今回, モアレ縞で観察した後大部の顎舌骨筋線は, 後端がM3の遠心または後方で直線的に経過するものが多く, 前端はP2の付近で終るのが半数をしめる。さらに, 顎舌骨筋線の最大豊隆部の位置は大部分がM3付近にあり, この部位の外形は点状及び線状形が多く, 梨形もみられる。X線による顎舌骨筋線と歯根尖の位置的関係は, 顎舌骨筋線と根尖とが一致するM1を中心として, P2とその前方歯では, この筋線より上方に, M2とその後方歯では, この筋線より下方に位置する。そして, この一致点は, 日本人ではM2でありインド人では少し前方にある
著者
北島 正樹 若吉 浩二 高橋 篤史 高橋 繁浩 野村 照夫 荻田 太
出版者
日本水泳・水中運動学会
雑誌
水泳水中運動科学 (ISSN:18806937)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.31-38, 2006 (Released:2007-04-25)
参考文献数
28

The purpose of this study was to determine the critical combination of all four elements which expressed the threshold of fatigue in interval training by using the critical swimming velocity that was an effective index when we set training strength, and to make a model that we could use as an indicator when we prescribed the training menu that accepted an individual. Only for 50m at repeated distance, we set a different rest time in three phases of different swimming velocity each and performed a test to let subjects repeat exercise up to fatigue. In addition, we measured the maximum repetitions that could repeat exercise. As a result, it became clear that the maximum repetitions that could repeat interval training without reaching fatigue in a certain swimming velocity was in proportion to the total rest time. And then, we were able to see the relations with the repetitions and the rest time in three phases of different swimming velocity. Furthermore, we were able to get relations with the rest time and the swimming velocity which expressed the threshold of fatigue in the arbitrary repetitions by fixing the repetitions. It was concluded that we were able to determine the critical combination from the above-mentioned by this study.
著者
若本 夏美
出版者
同志社女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究を通して、外国語環境下にある日本人英語学習者のための新たなストラテジー・トレーニング・モデルの理論的及び実践的基礎の構築を試みた。具体的には、研究の知見に基づきつつ(1)外向性・内向性という学習スタイルに注視し、(2)学習者同士のインターラクションを組み込み、これまでにない新たなストラテジー・トレーニング・モデルの初期モデルを構築することができた。
著者
小泉 令三 若杉 大輔
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.546-557, 2006-12-30
被引用文献数
1

多動傾向のある小学2年生男児Aの立ち歩く,突然衝動的な行動を起こす,トイレに引きこもる,遊びの邪魔をするなどの問題行動を改善させるために,個別指導とクラス対象の社会的スキルトレーニング(CSST)を組み合わせた5回の授業を,1週間に1回ずつ5週間にわたって実施した。その結果,CSST終了後,授業中の児童Aの問題行動はほぼ見られなくなり,休み時間にも友だちと一緒に遊ぶことができるようになった。児童Aの観察者評定,ソシオメトリック指名法による社会測定地位指数,教師評定,そして自宅での保護者評定の得点が上昇した。多動傾向のある児童の教育的支援に関して,個別対応のみならず,クラス集団内での相互作用を考慮した介入を行うことの有効性を示すことができた。なお,実施に当たっては担任教師だけでなく,補助者の必要性を確認することとなった。
著者
原 政之 日下 博幸 木村 富士男 若月 泰孝
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.353-361, 2010-10-25
被引用文献数
1

過去100年間における全球平均の地上気温上昇は0.66℃である一方,東京の地上気温上昇は約3℃である.この違いの原因は,この間に顕著になった都市ヒートアイランドによる影響が大きい.都市ヒートアイランドによる地上気温の上昇は,冬季に最大となる.本研究では,都市キャノピーモデルを含む高解像度領域気候モデルWRFを用いて過去気候の再現実験を実施し,さらに擬似温暖化手法を用いて,SRES A2における2070年代を想定した将来気候実験を行った.これらから全球規模の気候変動が冬の東京都市圏における都市ヒートアイランド強度(Urban Heat Island Intensity;UHII)に与える影響を評価した.その結果,気候変動によって,夜間のUHIIは約20%以上強まることが示唆された.