著者
武藤 芳照 若吉 浩二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

水泳競技(競泳)のレースには、ストローク局面、スタート局面、ターン局面及びフィニッシュ局面が存在し、競技力向上にはこれらの要素をより客観的に評価していく必要がある。そこで、我々は、1987年より、ビデオ映像を用いた競泳のレース分析に関する研究を開始し、レース中における各要素を客観的に評価して、それらのデータを選手や指導者にフィードバックすることを試行してきた。そこで、本研究の目的では、1)大幅なハードウェアの改良により、分析時間の短縮及び分析データの精度を高めること、2)システムアップとソフトウェアの開発により、自動データ入力を試みること、3)個人データベースのネットワーク化及び個人のデータの数年間の比較を瞬時に行えるようにすること、4)レース分析結果より、競技力向上に活用可能な研究成果を得ることを目的に行ったものである。その結果、レース分析の実験システムにおけるハードウェア及びソフトウェアの開発により、分析データの即時フィードバックを実現することができた。また、過去5年間のレース分析結果の個人別データベースを作成し、インターネット上で閲覧可能なデータベースシステムとしての構築に成功した。これらのデータは、個人名、種目、大会等のキーワード入力により、個人データの数年間の比較または選手間の比較を瞬時に行えるようにした。さらに、これまでのデータを活用することで、スタート、ターン及びフィニッシュタイムから、それらの技能の能力を評価することも可能となった。
著者
若月 光夫 富田 悦次 西野 哲朗
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

決定性プッシュダウン変換器のスタック記号を1 種類に限定した決定性限定ワンカウンタ変換器について,それが空スタック受理式及び実時間最終状態受理式の場合,その等価性判定が多項式時間で行えることを証明した.また,決定性限定ワンカウンタオートマトンのある部分クラス等が,正例から多項式時間で極限同定可能なことを証明した.更に,正則言語の部分クラスに対する正例からの極限同定を利用した,ジュウシマツの歌文法の解析手法を改良し,自動化を図った.
著者
富田 悦次 高橋 治久 西野 哲朗 若月 光夫 垂井 淳
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

最大クリークを抽出する新しいアルゴリズムMCSを開発し,格段に高速であることを明らかにした.これにより,従来では100日以上かかっても解けなかった幾つかの問題を100秒以内で解くことに成功した.最大クリーク問題が多項式時間的に可解となる基本的結果も確立した.また,最大クリーク抽出アルゴリズムがハイパーグラフにおいても効率的に稼働する様に拡張した.更に,これらのアルゴリズムをデータマイニングなどの実問題に応用して有効な結果を得た.
著者
山田 仁一郎 山下 勝 若林 直樹
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、現代日本映画産業における全体的な製作提携の構造と業績の関連について、2000年代の製作委員会のネットワーク分析を通じて明らかにすることを目的とする。映像コンテンツの制作に際し、製作委員会と呼ばれる時限ネットワーク組織を分析の対象とする。製作委員会には、多様な企業が自社の事業利用を目的として参画する。これらの企業群は従来の映画産業にない独特な製作手法や著作権ビジネスのスキーム等のノウハウを持ち込み、日本の映画産業の復興に大きく寄与した。近年では、アニメーション映画の製作経験を蓄積してきた出版社の影響力が増しつつある
著者
菊地 勝一 近藤 寿郎 生田 真一 飯田 洋也 相原 司 安井 智明 柳 秀憲 光信 正夫 覚野 綾子 中正 恵二 山中 若樹
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.626-633, 2009 (Released:2009-12-10)
参考文献数
21
被引用文献数
2 3

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を背景肝とした肝細胞癌(HCC)の発癌病態を検討するため,当施設で治療を行ったHCC症例中,非B非C型で,背景肝がNASHと診断された10例についてその臨床病理像や背景因子を検討した.【対象.方法】当施設で肝切除(173例)又はablation(216例)を行ったHCC 389症例中,HBs抗原・HCV抗体ともに陰性であったのは29例(7.5%)であった.そのうち臨床病理学的にNASHと診断された症例10例(2.6%)を対象とし,宿主因子,背景肝病理組織,血液検査所見,背景肝機能,腫瘍因子について検討した.【成績】(1)性・年齢は,男性7例,女性3例,平均年齢70.9±8.1歳であった.(2)Body Mass Index(BMI)が25 Kg/m2以上の肥満者は6例(60%)であったが,生活習慣病の合併率は,糖尿病6例(60%),高脂血症2例(20%),高血圧7例(70%)であった.(3)背景肝病理組織は10例中4例(40%)が肝硬変,6例(60%)が脂肪肝炎であった.また脂肪肝炎のstageはBruntの分類でS1:2:3=1:2:3と,線維化の程度が軽度から中等度の例が半数を占めた.(4)肝予備能を反映する血清アルブミン(Alb)値とプロトロンビン(PT)活性は肝硬変群においても,それぞれ4.1±0.5 g/dl,79.0±8.2%と正常であった.さらに肝硬変群をChild-Pughで分類するとAが3例,Bが1例であった.一方ICG R15は肝硬変群が31.8±25.0%であったが,慢性肝炎群においても20.5±16.5%と高値であった.(5)腫瘍因子に関しては2個以上の多結節病変を有する症例が9例(90%)で,このうちいずれかの結節が高分化型HCCであった多中心性発生は6例(67%)であった.【まとめ】NASH由来と診断されたHCCは,高齢で生活習慣病の合併率が高頻度であった.背景肝組織は肝硬変を合併しない脂肪肝炎からの発癌が多く,多中心性発生が高頻度であった.【結語】NASHに合併したHCCの背景肝は60%が脂肪肝炎であり,67%が多中心性発癌であった.また,脂肪肝炎例においては線維化が軽度の症例も認められ,HCCの合併を考慮した厳重なフォローが必要と考えられた.
著者
若子 倫菜 上條 正義 白井 汪芳 松本 陽一 諸岡 英雄 田中 宏典
出版者
一般社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.T41-T47, 2005 (Released:2006-02-15)
参考文献数
18
被引用文献数
5 5

To improve the aesthetic appeal of pantyhose fabric, a new product was designed and developed and a wear experiment were conducted. We examined the gradational effects of lightness and visual impression of circular plain knitted fabrics made from novel single covered yarn composed of color polyurethane core yarn and uncolored nylon covering yarn with and without dyeing. The results indicate that, in terms of sheerness and gradation of lightness, for pantyhose samples made from single covered yarn, a combination of a coarser color polyurethane core yarn and a finer nylon covering yarn is preferable to that of a finer color polyurethane core yarn and a coarser nylon covering yarn. The gradational effects of lightness on the aesthetic appeal of legs clad in pantyhose are greatly influenced by the size and color of both core and covering yarns in the single covered yarn. Color polyurethane core yarn is useful for improving the distribution of lightness difference between legs with and without the pantyhose fabric on the entire leg wearing pantyhose. It was found that not only the sheerness but also the gradational effects of lightness for three-dimensional appeal of pantyhose is an important aesthetic property in beautifying legs clad in them.
著者
若曽根 健治
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

(1)ドイツの13世紀から18世紀におよぶ長い歴史をもつウァフェーデ(Urfehde[報復放棄の誓約])とその制度は、大きく三つの形態と段階を経てきた。(a)「騎士的ウァフェーデ」は貴族領主層相互のフェーデ(権利の要求を掲げた敵対関係とこれに伴う実力の行使)の過程で捕らえられた騎士が報復放棄の誓約を捕らえた側におこなった。(b)「騎士的市民的ウァフェーデ」は、市民勢力の興隆の中で騎士と市民とのフェーデ終結において交わされた。(c)「市民的ウァフェーデ(市民的都市司直的ウァフェーデ)」は、都市司直(都市参事会)にとって望ましくない行為のゆえに司直に捕らえられた市民が司直に交わした、復讐断念の誓約である。また市民的ウァフェーデにおいては、包括的抽象的に言い表わされた理由(例えば「逸脱」・「違反」等)によって捕捉され、ウァフェーデが誓約された。とりわけ市民的ウァフェーデは14、15世紀に広く展開し、都市・市民の社会的規律化に著しく寄与した。(2)この市民的都市司直的ウァフェーデの盛行は、市民の正当な告訴行為を妨げることが少なからずあった。このことが、カール五世刑事裁判令(カロリーナ・1532年)20条からわかる。都市司直もしくは裁判官から被った拷問によって受けた損害(「恥辱、苦痛、経費および損失」)の賠償を市民が裁判所に訴え出ようとするときに、司直もしく裁判官は、市民に、「ウァフェーデに助力」することによって妨害してはならない、と。帝国の裁判所は皇帝法(ローマ法)に基づく裁判制度の改革によって、裁量と恣意による都市刑事司法の弊害に対応しようしとしていた。
著者
若木 太一 高山 百合子 不破 浩子
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

唐通事・異国通詞および周辺の唐話学者(稗官の徒、小説家)たちが編纂した唐話辞書の探索、書誌的調査、及び翻訳語彙の分析えを通して、日本近世文学・語学に及ぼした日中言語文化の顕著な相互影響を解明を目的とした4年間(平成9年度〜同12年度)の研究成果は次の通りである。1)唐話辞書、唐話学書の所在調査・書誌調査など基礎調査をカード化した。唐通事の諸家において編纂された唐話辞書、及び出版された唐話学書、あるいは翻訳書等の所在調査を行い、書誌をとり目録化した。(国文学研究資料館、東京大学図書館、慶応大学図書館、松平文庫、長崎県立図書館その他)2)「唐話辞書・通俗書略年表」をまとめた。「唐話辞書類従」(長沢規矩也解題)などに収載する唐話辞書・通俗書よび唐話学関係の文献・データなど既存の基礎目録を確認し、国文学研究資料館、国会図書館、国立公文書館等の唐話辞書の調査を基礎に、新資料を加えた目録「唐話辞書・通俗書略年表」を作成した。3)唐話辞書の語彙・内容の分析研究分担者の協力をえて辞書の翻刻、語彙の分析などを行い、索引を制作した。*『訳詞長短話』巻一の翻刻と解題*『東京異詞相雑解』の総合語彙索引4)『唐話辞書と翻訳語彙の研究-日中言語文化交渉史-』の報告書を制作した。これまで資料の発掘や収集の基礎調査と各辞書の図書館・文庫所蔵の唐話辞書、通俗書などの調査をふまえた「唐話辞書・通俗書略年表」、『訳詞長短話』の翻刻、『東京異詞相雑解』の総合語彙索引、唐通事の生活と文事等を収載。
著者
日吉 英司 篠田 豊 赤津 隆 若井 史博
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi (ISSN:18821022)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1312, pp.661-664, 2004-12-01

The distribution and the morphology of glass phase in polycrystals are affected by the dihedral angle and the volume fraction of the glass phase. The effects of temperature and chemical composition of intergranular glass on dihedral angle of glass-doped 3-mol%-yttria-stabilized tetragonal zirconia polycrystals (3Y-TZP) were studied by transmission electron microscopy (TEM). The intergranular glass was either SiO_2 (melting point of 1700℃) or Y_2O_3-Al_2O_3-SiO_2 eutectic glass (YAS glass: melting point of 1350℃). The average dihedral angles of SiO2-doped and YAS-doped 3Y-TZP, which were sintered at 1300℃, were found to be 70℃ and 50℃, respectively. The dihedral angle in YAS-doped 3Y-TZP decreased to 25℃ after annealing at 1500℃, whereas that in SiO_2-doped 3Y-TZP remained constant. From the relationship between the dihedral angle and the ratio of grain boundary energy to solid/glass interface energy (γSS/γSL) > it was suggested that XSS/^SL increased at elevated temperatures higher than the melting point of glass.
著者
難波 陽介 中務 桂佑 説田 章平 大石 真也 藤井 信孝 若林 嘉浩 岡村 裕昭 上野山 賀久 束村 博子 前多 敬一郎 大蔵 聡
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第103回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.54, 2010 (Released:2010-08-25)

【目的】キスペプチンは,Kiss1遺伝子にコードされ,性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)分泌刺激因子として注目されている神経ペプチドである。我々はウシKiss1遺伝子のcDNA塩基配列を同定し,ウシ型キスペプチンが53アミノ酸残基からなると推定した(第101回日本繁殖生物学会大会)。また,黒毛和種成熟雌ウシにおいて,ウシ型キスペプチンC末端部分ペプチドの末梢投与が黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を刺激することを示した(第102回日本繁殖生物学会大会)。本研究では,ウシにおけるキスペプチンの生理作用についてさらなる知見を得るため,全長ウシ型キスペプチン(bKp-53)の末梢投与によるLHおよびFSH分泌に対する効果と,第1卵胞発育波における主席卵胞の発育刺激効果を検討した。【方法】動物は黒毛和種成熟雌ウシを供試した(n=5)。プロスタグランジンF2α投与により誘起した発情日をDay 0とした。Day 5に,bKp-53 (0.2 nmol/kg)またはGnRH (0.2 nmol/kg)を静脈内投与した。投与前4時間から投与後6時間まで10分間隔で採血し,血漿中LHおよびFSH分泌動態を調べた。また,実験期間を通じて毎日,主席卵胞の直径を超音波診断装置により測定した。【結果】bKp-53の静脈内投与により,LHおよびFSH分泌の一過性の亢進がみられたが、主席卵胞は排卵しなかった。一方,GnRHの静脈内投与により,LHおよびFSH分泌は顕著に亢進し、投与後30時間から42時間までに主席卵胞の排卵を確認した。以上より,GnRHによる強力な性腺刺激ホルモン分泌刺激効果とは異なり、ウシにおいてキスペプチンはLHおよびFSH分泌を緩やかに亢進させる可能性が示唆された。本研究は生研センター「新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業」の一部として実施した。
著者
梶田 将司 太田 芳博 若松 進 林 能成 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.38, pp.65-70, 2007-05-10
被引用文献数
4

現在,我々は,巨大地震などの大規模災害時において,大学構成員の安否確認を信憑性高くかつ迅速に行うためのシステム開発を行っている.特に,災害発生直後の人命救助等を目的とした安否確認ではなく,講義の再開など,大学における教育研究活動等の事業活動の再開を判断するための安否情報の取得を目指している.そのための必要な要件としては,(1)ユーザ認証を必須とすることで信憑性の高い安否情報の収集が可能であること,(2)使用する情報システムの稼働が災害時においても保証されること,(3)災害時にしか使用しないシステムではなく,継続的にいつでも利用できるシステムであること,(4)学務などの他の情報サービスとの連携も可能であること,が重要であると考えている.そこで,我々は,情報・サービスの統合的な提供を目指し構築している名古屋大学ポータルを利用した安否確認システムを構築し,2006年10月の地震防災訓練から試験運用を開始した.本報告では,構築した安否確認システムについて述べるとともに,安否確認訓練を通じて得られた知見・経験を述べる.This paper describes a Survivor Confirmation and Management Services through Nagoya University Portal (MyNU), which is intended to confirm who is alive after a major disaster crisis like a large-scale earthquake, and manages the data for recovery planning. In the area of central Japan, a periodical large-scale earthquake with a magnitude of 8 could happen anytime within 10 years, and a huge damages including from 9,200 to 4,500 deaths is estimated in the area. After initial search and rescue activities, it is crucial for Nagoya University to make a recovery plan that determines when and how our teaching, learning and research activities are going to be resumed. Getting the latest and reliable status from individuals like faculty, staff and students is the base line for the recovery planning. In our proto system development, we realized that (1) survivors can input their latest status using PC-based Web browser and Cellular phone-based Web browser with LDAP based-user authentication through HTTPS, (2) administrative staff can manage the latest status and make the list in Excel format, (3) MyNU servers are load-balanced between Nagoya and Kyoto by DNS Round Robin to attain fault tolerant in a wide area.
著者
内田 九州男 竹川 郁雄 寺内 浩 山川 広司 加藤 好文 川岡 勉 加藤 国安 小嶋 博巳 河合 真澄 関 哲行 弘末 雅士 稲田 道彦 大稔 哲也 野崎 賢也 伊地知 紀子 松原 弘宣 西 耕生 田村 憲治 神楽岡 幼子 黒木 幹夫 菅谷 成子 若江 賢三 藤田 勝久 高橋 弘臣 吉田 正広 木下 卓 矢澤 知行 岡村 茂 石川 重雄
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

シンポジウム・研究集会を3年開き31本の報告を実現、各発表は報告書に掲載した。巡礼の諸相の解明では、日本の四国遍路、熊野参詣、西国巡礼、海外では10巡礼地を調査し、キリスト教世界(古代東部地中海、中世ヨーロッパ、スペイン中近世、イギリス中世・現代)、古代ギリシア、アジア(中国中世、韓国現代、モンゴル中世、エジプト中世、ジャワ中世)の巡礼で実施。国際比較では、日本の巡礼とキリスト教巡礼での共通性は中近世では来世での霊的救済と現世利益の実現を願うことであることを示した。
著者
松良 俊明 三上 由記 若林 陽子 山崎 一夫
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.59-65, 2006-08-07
被引用文献数
1

京都府南部を流れる木津川の中流域には多数の砂州が形成され,多様な地表性昆虫が生息している.砂州を構成する基質はシルト,砂,礫など多様であり,各微地形に応じて生息している地表性昆虫も異なっていると推測される.本研究は,砂州内の様々な微環境(水際,礫地,砂地,堤防斜面の草地)に生息している地表性昆虫に焦点をあて,微環境間で構成種がどのように違うかを調べたものである.2000年5月から11月にかけ,月に1度の割でピットフォール・トラップを各環境ごとに10本埋め,1日後に回収した.トラップあたり平均捕獲数(183.6個体)の約7割はトビムシ目が占めた.これを除いて環境間で比較すると,草地ではアリ類が最も多くを占め,他の環境ではコウチュウ目が半数を占めていた.捕獲数の多かったコウチュウ目について分析したところ,属レベルで見たとき,最も多様な環境は「草地」であり,続いて水際>礫地>砂地となった.水際ではハネカクシ類が,その他の環境ではオサムシ科が多数を占めていた.
著者
菊地 郁 金山 喜則 若本 由加里 金浜 耕基
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.446-448, 2000-07-15
被引用文献数
3 7

デルフィニウムの抽だいと花序の品質に及ぼす苗齢の影響を調べるため, 展開葉数2∿3, 4∿5, 6∿7枚の苗を, 8および24時間日長下で栽培した.抽だいまでの日数は長日下で短くなったが, 苗齢による一定の傾向はみられなかった.小花数は, 長日下では展開葉数2∿3枚の苗を用いた場合, 20花程度と少なかった.一方, 短日下での小花数は苗齢にかかわらず40あるいはそれ以上となった.次に, 抽だいおよび花序の品質に及ぼす温度と日長の組み合わせ処理の影響を調べた.温度・日長処理は昼温/夜温が24/19および17/12℃に設定されたファイトトロン内で, 8∿24時間日長下において18週間行った.抽だいと開花までの期間, 抽だい時の葉数はいずれの温度区においても短日下で増加したが, 日長の影響は24/19℃に比べて17/12℃において著しかった.24/19℃では16時間以上の日長下で抽だい率が100%に達した.一方, 17/12℃では16時間日長による抽だい率は50%にとどまったが, 20時間以上の長日下では100%に達した.16∿20時間の日長下で, 小花数においては日長の影響は小さかったが, いずれの日長でも24/19℃に比べて17/12℃で多かった.
著者
若松 正夫
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.66-67, 1995-04-03
被引用文献数
1

1994年の猛暑によって, ササニシキの品質は著しく低下した. 猛暑による品質の低下の少ない品質を知るとともに品質低下と形質及び食味値との関係も検討した.
著者
竹内 由美 若林 信一
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.T99-T106, 1990-07-05
被引用文献数
1

タングステンメタライズ-アルミナ界面のガラス相の選択分析法について検討した.試料のタングステンメタライズをはく離し, ガラス相を露出させた後, (1+5)硫酸により200℃, 1.5時間の加圧酸分解を行うことによりガラス相のみの選択溶解が可能であった.そこで試料と同一濃度の硫酸及び標準的な試料に含まれるAl, Si, Mg, Caを加えた標準液を用いてICP-AESで分析を行った.その結果溶出量としてサンプル当たり±0.1mg, 組成比としてAl_2O_3,SiO_2が±1wt%, MgO, CaOが±0.5wt%の精度でメタライズ中に浸透したガラス量及び組成の評価が可能となった.
著者
若原 俊彦 日渡 裕也 庵 博文 鄭 自力 柴田 宗久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.66, pp.59-64, 2005-07-08

最近、インターネットのホームページを活用し、Web日記をベースとしてMovable Typeなどのツールを用いて構築されるブログシステムや、多数のメンバ間で情報共有や知識共有を行うWikiなどのサービスの他、mixiやGREEなどの会員制でソシアルネットワーキングサービスが急激に普及している。これらは、それぞれのサーバを導入してサーバ/クライアントにより構築する手法が一般的である。本報告では、携帯電話などのモバイル端末も対象に、ブログやTV電話などリアルタイム通信機能などの機能を有するコミュニティサービス構築ツールとして、サーバを意識せずに、簡易に通常のノートパソコンなどで実現するシステム構築法について述べ、これを具体的に提供するYourServerのプロトタイプについて述べる。Recently,the community services,such as weblog services based on the web diary which are constructed by Movable Type and SNS(Social Networking Services) based on the bulletin board system have been widespread in the Internet. These systems are based on the server/client models. This paper presents the new community support system,YourServer,which can provide weblog services,photo album service,TV telephone and chat services,remote control and CGI-Proxy services and so on. As this system is simple and its program can be packed in the USB flash memory,users can carry it and operate the community services at anywhere by connecting it to the PC. The prototype system is constructed and the operation is confirmed.
著者
岸本 直樹 若原 俊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.277, pp.59-64, 2009-11-05
被引用文献数
1

近年、インターネットの爆発的な普及と共に、誰もが気軽にパソコンや携帯電話から様々なサイトにアクセスすることが可能となった。最近ではSNSやBlog・動画投稿サイト等の数多くのコミュニティサイトが運営されており、その中でも「mixi」や「Youtube」などのサイトは社会現象にもなり、インターネット利用者では知らない人の方が少ないくらいである。さらに、「twitter」など新しいサービス・機能を組み込んだコミュニティサイトも次々と運営・開発され、今後も更なる発展が予想される。本論文では、オープンソースのSNSソフトウェア"OpenPNE"上に"空間情報"と"時間情報"をメタデータとして連携させる機能を付加し、日記や掲示板などを利用してコミュニティのメンバ間で地図情報を連携させる新しいサービスを提供するコミュニティシステムを提案してプロトタイプ実験を行い、この機能の導入前後でどの程度コミュニティサイトが活性化するか検討した結果を報告する。
著者
若原 俊彦 日渡 裕也 庵 博文 鄭 自力 柴田 宗久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.164, pp.59-64, 2005-06-30
被引用文献数
2

最近, インターネットのホームページを活用し、Web日記をベースとしてMovable Typeなどのツールを用いて構築されるブログシステムや, 多数のメンバ間で情報共有や知識共有を行うWikiなどのサービスの他、mixiやGREEなどの会員制でソシアルネットワーキングサービスが急激に普及している.これらは、それぞれのサーバを導入してサーバ/クライアントにより構築する手法が一般的である.本報告では, 携帯電話などのモバイル端末も対象に, ブログやTV電話などリアルタイム通信機能などの機能を有するコミュニティサービス構築ツールとして、サーバを意識せずに, 簡易に通常のノートパソコンなどで実現するシステム構築法について述べ、これを具体的に提供するYourServerのプロトタイプについて述べる.