著者
中野 和弘 荒木 肇 福山 利範 濱田 智和
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.105-112, 2003 (Released:2013-03-31)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1 4

ムギ類のリビングマルチによる雑草抑制の可能性を調査した.コムギとオオムギの茎葉による地表面での遮光率と被覆率を測定した.リビングマルチとして販売されている緑肥用コムギ(マルチムギ)の7月播種では,播種密度3.2kg/10a以上で播種当初から分げつ数と草丈が大きくなり,遮光率も50%以上の高い値を示した.播種密度3.2kg/10aで5月に播種されたオオムギの分げつ数と草丈は品種間で大きく異なった.マルチムギの遮光率が播種後28日で37.5%であったのに対し,オオムギではそれより大きい品種が多数存在し,特にK027は遮光率74.2%を示した.供試したムギ類をビデオ撮影し,それを画像処理することで地表面被覆率を算出した.マルチムギの地表面被覆率が34.5%であったのに対し,オオムギのそれは25~60%と品種により大きく異なった.地表面被覆率は,分げつ数,草丈,地上部乾物重の地上部生長量を示す形質との間で相関が認められた.遮光率は地表面被覆率との間に高い相関関係(r=0.833)があるものの,地上部乾物重との相関は認められなかった.本研究によりK001, K069およびK027がリビングマルチの資材として有望であると考えられた.
著者
石倉 照之 奥野 龍禎 荒木 克哉 高橋 正紀 渡部 健二 望月 秀樹
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-000757, (Released:2015-10-28)
参考文献数
15
被引用文献数
3

症例は23歳男性である.先行感染後に強直間代性痙攣を発症し,抗てんかん薬による治療にもかかわらず,痙攣発作を繰り返した.ウイルス学的検査や抗神経抗体は検索した範囲では陰性で,原因不明であったことから,new-onset refractory status epilepticus(NORSE)と呼ばれる症候群に合致する臨床像であった.ステロイドパルス療法,免疫吸着療法及び経静脈的免疫グロブリン療法を行い痙攣の頻度が減少したが,意識障害は遷延した.本患者血清を用いてラット脳の免疫染色を行ったところ,海馬神経細胞の核及び細胞質が染色され,自己免疫介在性であることが示唆された.
著者
荒木 勝
出版者
岡山大学法学会
雑誌
岡山大学法学会雑誌 (ISSN:03863050)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.p212-178, 1993-03
著者
村田 雄哉 松宮 直樹 荒木 祐一 吉田 美伽 尾西 恵美菜 関谷 芳明 山田 均
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.536-539, 2015-11-01 (Released:2015-11-06)
参考文献数
14
被引用文献数
1

16歳,男性が縊頸による心肺停止後に自己心拍再開し搬送された。心停止から自己心拍再開までの時間は短くとも18分であり,来院時のGCSは3点であった。入院後,低体温療法を施行し,その後も継続する薬剤抵抗性の高熱と意識障害に対して第49病日よりアマンタジンを投与し,解熱と意識状態の改善が得られた。リハビリテーションを経て,入院後4ヵ月で神経学的に回復し歩行退院した。縊頸による心停止・心拍再開後で予後不良と考えられた症例が,歩行退院という良好な転帰をたどった。
著者
荒木 厚 福島 豊 松本 光弘 佐古 伊康 北 徹
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.111-115, 1990-04-25 (Released:2009-09-03)
参考文献数
20
被引用文献数
2 1

先天性代謝異常症のホモシスチン尿症では, 若年性に動脈硬化, および脳梗塞をきたしやすい。また, 血中ホモシステインの蓄積は, 動脈硬化を惹起するという仮説が提唱されている.ホモシステインの成人における脳梗塞発症に対する関与の可能性を検討する目的で, 慢性期脳梗塞患者42例の血漿総ホモシステイン濃度を測定し, 年齢, 性, および高血圧をマッチさせた対照84例と比較した.両群間のBody mass index, 空腹時血糖値, 血清コレステロール, 中性脂肪, クレアチニン, 尿酸濃度, および喫煙者の割合には, 有意差がなかった.血漿総ホモシステイン濃度 (nmol/ml) は, 脳梗塞群13.2±5.8, 対照群8.5±3.7であり, 脳梗塞群が対照群に比して有意に高かった (p<0.000001).以上の成績は, ホモシステイン仮説を支持し, 血漿ホモシステインの高値が, 脳梗塞の独立な危険因子の一つとなりうることを示唆する。
著者
荒木経惟著
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
1996
著者
北村 智 中原 淳 荒木 淳子
出版者
白桃書房
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.92-103, 2009
被引用文献数
1 2
著者
荒木 伸介
出版者
第一法規出版
雑誌
月刊文化財 (ISSN:00165948)
巻号頁・発行日
no.268, pp.p23-29, 1986-01
著者
荒木 ひさ子
出版者
佛教大学
雑誌
教育学部論集 (ISSN:09163875)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-12, 2004-03-01

幼児期に親から虐待を受けた子どもは,その時の悲しみや怒りなどの感情を抑圧する。このことが後の神経症やその他の問題の原因となり,個人と社会に深刻な影響をもたらす。ヒットラーは子ども時代に父親から深く傷つけられ,抑圧してきた憎悪をユダヤ人に向け,ユダヤ人ホロコーストという惨禍を社会にもたらした。フロイトはヒステリーの病因が幼児期の親による性的虐待にあるという確信を得,それを理論化したが,彼自身の生まれ育った家族の神経症を追求していく中で,その理論の核心部分を修正した。これはその後の精神分析の展開方向に深い刻印を残した。
著者
宇平 幸一 永福 順則 山本 博二 横山 博文 荒木 卓次
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山. 第2集 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.S36-S44, 1984-12-28
被引用文献数
1

A swarm of earthquakes, precursory indication of the eruption, began to be recorded at Miyakejima Weather Station at 1358 on 3 October, 1983, although none was recorded at any other seismic station of JMA until the onset of the eruption. On the other hand, another swarm of earthquakes that resumed after the onset of the eruption was caught by seismographs around Miyakejima. Precursory earthquakes were grouped into two types, i.e., high frequency earthquakes and low frequency ones, according as their predominant frequencies were higher than 2.5 Hz or not. It is unpromissing to try to determine hypocenters of precursory events, but, both the first motions of 5 high frequency earthquakes and the particle motions of 2 low frequency ones in the horizontal plane inidicate that their sources were located to the SW of the seismograph, probably on the island. Gradually increasing continuous tremors started immediately after the earthquake at 1522 which had a predominant frequency of about 1.4 Hz from initial motion through coda. The following continuous tremor had almost the same predominant frequency. Major eruptive activity probably began with this low frequency earthquake. The magnitudes of two large precursory earthquakes were estimated to be about 3.0 by applying the relation between the magnitudes of post-eruption earthquakes and their maximum amplitudes or duration times of vertical component at Miyakejima Weather Station. However, this estimation was not appropriate because earthquakes of such size were large enough to be recorded at seismic stations other than Miyakejima. The seismograph at the sea bottom off Omaezaki (named "TK1OBS" in the seismological bulletin of Japan Meterological Agency), about 180 km W of Miyakejima, detected post-eruption earthquakes of magnitude about larger than 2.5, but did not record any pre-eruption earthquakes. The background noise on 3-4 October had remained at a similar level of 0.02 milikine, which corresponds to the expected maximum velocity of the vertical component on TK1OBS when an earthquake of magnitude 2.4 occurs at Miyakejima. Therefore, precursory earthquakes seem to be of magnitude less than 2.4.
著者
柴田 真理朗 杉山 純一 蔡 佳瓴 蔦 瑞樹 藤田 かおり 粉川 美踏 荒木 徹也
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.196-201, 2011-05-15 (Released:2011-06-30)
参考文献数
12
被引用文献数
6 3 6

糊化させた米のパンの品質への影響を評価するため,小麦粉パン,米粉パンに加え,糊化させた米粉を添加したパン(糊化米粉パン),お粥を加えたパン(お粥パン)を調製し,それぞれの形状,粘弾性係数,および気泡パラメータを計測した.(1) お粥パンが最も膨張し,糊化米粉パンも小麦粉と同等に膨張したことから,糊化処理した米の添加によってパンの膨張が促進されることが分かった.(2) 糊化させた米を添加したパンは,小麦粉,米粉パンより粘弾性が低い,つまり柔らかいことがわかった.(3) 4種類のパン試料の気泡構造は同一であったことから,粘弾性の差は気泡壁(固相)の違いに依るものと推察された.以上より,糊化処理をした米粉または米の配合が15%の場合,グルテンなどの品質改良剤や,特別な前処理なしで従来の小麦粉100%のパン,または米粉パンより膨張性が良く,柔らかい食感を持つパンを調製することが可能であることが確認された.
著者
柿島 佑一 金 ミンジ ティン シーホー 小野 文枝 阪口 啓 荒木 純道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.188, pp.43-49, 2006-07-20

筆者らはMIMOシステムの研究開発を目的とした5GHz帯MIMOソフトウェア無線機を開発した.本無線機はFPGA, DSPといったプログラマブルロジックやCPUを搭載しており,内部プログラムの書き換えにより任意のMIMOシステムの構築が可能である.本稿では,このハードウェアを用いてIEEE802.11nとIEEE802.16eダウンリンク(DL)PUSC(Partial Usage of subchannels)にそれぞれ準拠したMIMO-OFDM固有モード伝送システムのデモンストレータを構築したので報告する.受信機では受信ビームフォーミングの後にZF, MMSE干渉キャンセラを導入することにより,フィードバック遅延に対する伝送特性の改善を実現した.
著者
阪口 啓 ティン シーホー 荒木 純道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.87, no.9, pp.1454-1466, 2004-09-01
被引用文献数
15 5

MIMO固有モード通信システムは,MIMO通信システムの中で最大の通信容量を実現できることが理論的に知られているが,実環境での動作報告はまだ行われていない.本論文では,測定器ベースのMIMO固有モード通信システムを構築し,屋内環境において測定実験を行った.その結果,MIMO固有モード伝送が実現可能であることを実験的に証明することができた.次に,スループット最大規範に基づく固有モードごとの適応変調・適応電力制御を行った.その結果,ビット分配特性・電力分配特性は理論計算値とよく一致したものの,高いスループット特性は得られなかった.本論文では,この問題の原因が特にチャネルの時間変動特性・RF系の不完全性(I/Qのアンバランス)にあることを明らかにし,実用化への課題を示す.
著者
横矢 直和 山澤 一誠 岩佐 英彦 竹村 治雄 荒木 昭一 栄藤 稔 栄籐 稔
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

1.全方位ステレオ画像センサの設計・試作まず最初に、2つの異る回転2葉双曲面を接合した複合双曲面ミラーとビデオカメラからなる全方位ステレオ画像センサStereo HyperOmni Visionの設計・試作を行なった。本センサは、現状のビデオカメラを用いる限り、画像の解像度に問題があり、実用化には超高解像度ビデオカメラの出現が待たれる。次に、この解像度の問題を解決するために、ピラミッド型六角錐ミラーと6台のカメラにより側方360度を撮像し、同じ構造を上下対称に配置することによってステレオ撮像を可能にする全方位ステレオ画像センサPYMSを開発した。2.全方位画像からのパノラマ画像及び任意視線画像の実時間生成試作したセンサは単一視点制約を満たすため、任意形状の投影面への1点中心投影像を計算によって求めることができる。本課題では、この画像変換の実時間処理を実現するために、離散的な点での座標変換とハードウェアによる画像変形を組み合わせた手法を開発した。また、画像提示デバイスとして頭部搭載型画像表示装置(HMD)と全周型景観提示システムを用いたテレプレゼンスシステムのプロトタイプを開発し、提案手法の有効性を実証した。3.時系列全方位画像及びパノラマ画像の高能率符号化時系列全方位画像及びパノラマ画像の特性を活かしたビデオストリームからの動き推定法と高能率圧縮符号化方式を開発するとともに、多地点全方位画像から任意視点画像を生成する手法を開発した。4.全方位ステレオ画像からの3次元情報の抽出本研究で設計・試作した全方位ステレオ画像センサは縦方向の視差を有するため、人間への画像提示の観点からは、横視差をもつステレオ画像への変換が必要である。このため、相関法によるステレオマッチングによりシーンの奥行き情報を抽出する全方位ステレオ視のアルゴリズムを開発した。