著者
高橋 清 宗田 良 岸本 卓巳 松岡 孝 前田 昌則 荒木 雅史 谷本 安 河田 典子 木村 郁郎 駒越 春樹 谷崎 勝朗
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.686-692, 1992
被引用文献数
1

自律神経系の機能異常に基づく各種アレルギー性肺疾患病態における肺肥満細胞の役割を解明する目的で, 酵素処理法, percoll遠心法, 付着細胞除去法によって得られた高純度ヒト肺肥満細胞のアセチルコリンに対する反応性を, ヒスタミン遊離率を指標として検討した. その結果, 肥満細胞からのヒスタミン遊離はアセチルコリンの濃度に依存し, 10^<-5>で有意に亢進していた (p<0.05). また, アセチルコリンは抗ヒトIgE家兎血清によるヒスタミン遊離を相対的に増加させた. なお, かかるヒスタミン遊離はアトロピンでは部分的にしか抑制されなかった. 一方, ヒト末梢血好塩基球はかかるアセチルコリンに対する反応性が認められなかった. 以上の結果より, ヒト肺肥満細胞はIgE受容体のみならず, アセチルコリン受容体を介する反応により自律神経系の標的細胞として各種アレルギー性肺疾患の発症機構の一端を担っていることが示唆された.
著者
三好 淳子 井門 敬子 松岡 綾 武市 佳己 山口 巧 岡本 千恵 末丸 克矢 荒木 博陽
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.233-237, 2005-03-10
被引用文献数
10 14

At the Division of Pharmacy in Ehime University Hospital, we conduct drug counseling training for undergraduate students and graduate students aimed at helping them acquire communication skills as well as clinical knowledge. The program relies largely on case-based learning (CBL) procedures and role-play practice using video tape recordings. In the following, we describe the drug counseling training program and report the results of a student evaluation of the program. The training program consists of the following : 1. Explanation of the procedure of the practical training; 2. Presentation of a mock case file-including a patient profile, diagnosis, clinical history, laboratory data and prescription; 3. Explanation of how to collect drug information; 4. Study of individual cases by students, 5. Role-play in providing drug counseling and recording this on video (with a student in the counseling role and a pharmacist in the patient role) and 6. Discussion and review by students and clinical pharmacists (including the person who played the patient role) after watching the video recording. After the training, we conducted a survey of the participating students by questionnaire regarding their opinions of the training program. Almost all of the students considered the practical training to be useful because it enabled them to evaluate their performance in drug counseling and communication skills objectively. They also felt that the guidance they had received from clinical pharmacists had been useful. Our training program on drug counseling using CBL procedures and video recordings is thus a simple method of training students which enables them to improve both their communication skills and clinical knowledge.
著者
荒木 領 小林 直樹 大野 光平 伊丹 誠
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.41-44, 2012-02-17
被引用文献数
1

ワンセグメントサービスは,日本における地上波デジタル放送の移動体向けのサービスである.しかし,使用帯域の狭さからマルチパスによるディップの影響を受けやすくなり,受信特性の劣化する可能性がある.この対策として,アンテナダイバーシティ技術がある.しかし,携帯電話などの小型のワンセグ受信機では,端末内に複数のアンテナを十分なダイバーシティ利得が得られるほど離して配置するのは不可能である.そこで,本稿では3台の受信端末を用いて受信情報を共有する協調受信を提案する.提案方式では,協調受信に用いる受信端末の台数を増やすことでワンセグメントサービスの誤り率特性が改善できることを示す.
著者
陶久 利彦 荒木 修 新井 誠 宮川 基 佐々木 くみ
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

性風俗産業の法的問題性を、憲法・行政法・刑法という個別法分野から分析・検討すると同時に、法を支える感情面や倫理面との関連性を法哲学の見地から研究した。ただ、性風俗に含まれる行為や営業は多様であるから、共同研究者の関心にも沿うような形で専ら売買春と所謂風営法に対象を限定した。フェミニズムに加担するのではなく、かといって実態調査に埋もれるのでもなく、性風俗関連の立法史、特に行政的規制の在り方、そして風営法の憲法論的位置づけなどを検討したことは、性風俗産業への法学的アプローチとして大きな成果を上げた。
著者
荒木 誠一 木村 誠 鈴木 護 藤木 昌俊
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.899-900, 1993-10-15
被引用文献数
1

子豚に活性卵白粉末(AEWP)2mg/kgまたは100mg/kgを1回経口投与すると, 投与1日後に末梢血好中球のラテックス粒子に対する貪食能を充進した. とくに, 100mg/kg投与では貪食活性が5日間持続した. AEWP30mg/kgを1週間経口投与すると, 投与期間中, 貪食能を亢進した. また, 投与中止後10日目の再投与により, 貪食能を亢進した. 以上の成績から, AEWPの経口投与は, 非特異的免疫能の増強効果を有することが明らかになった.
著者
小川 泰右 池田 満 鈴木 斎王 荒木 賢二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.37-46, 2015-01-01 (Released:2015-01-06)
参考文献数
16

PROBLEM is a key concept used in sharing intentions of medical services among health professionals belonging to different domains. PROBLEMs represent the necessity for medical services from each domain. PROBLEMs serve as a reference point for unifying multiple domain knowledge, when health professional team designs services. However, there is confusion on sharing intentions of the medical services using PROBLEMs. The confusion arose from the ambiguity of the role which the PROBLEMs are playing on intention expressions. Hence, the authors developed a media equipped with a function which specifies roles of PROBLEMs, and tried to control of this confusion. The result of the trial use suggests that the media suppresses the confusion and prompts users to externalize intentions of medical services.
著者
"荒木 英彦/間 晃郎/古宮 照雄" 荒木 英彦 間 晃郎
出版者
木更津工業高等専門学校
雑誌
木更津工業高等専門学校紀要 (ISSN:2188921X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.93-98, 2014-03-31

シスルトン・ダイアーの『シェイクスピアのフォークロア』は、シェイクスピア作品を民俗学の視点から解明した画期的な論考であり、劇の背景に織り込まれた民族伝承を研究した先駆的業績である。第3章では亡霊を扱っているが、イギリスでは亡霊に対する関心が特に深く、民間伝承や文学作品に多く登場する。『ハムレット』の父の亡霊は有名だが、シェイクスピアはその他の劇に亡霊を登場させている。また、『十二夜』では霊魂輪廻説も述べられている。
著者
荒木 功平
出版者
山梨大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

土の粒度等の情報を基に土粒子間の微視的な力のつり合いに確率論的考察を加え、降水に伴う土壌侵食の評価手法を開発した。具体的には降雨量から地中浸透量を減じ、表流水量を求め、粒子接点でのつり合いから流出粒子の最大径を導き、粒径加積曲線における通過質量百分率を確率として表層体積に乗じることでリスク値として評価した。一方で国頭マージ土壌について、降雨装置を用いた土壌侵食実験、霧吹きを用いた表層せん断試験を行い、表層粘着力が高いほど抑制効果が大きいこと、表層粘着力は飽和度に依存することを示した。また、沖縄県宜野座村農地での現地実験で土砂流出への種々の適応策を検討し、植生や敷き砂の効果が大きいことを示した。
著者
太田 至 島田 周平 池野 旬 松田 素二 重田 眞義 栗本 英世 高橋 基樹 峯 陽一 遠藤 貢 荒木 美奈子 野元美佐 山越 言 西崎 伸子 大山 修一 阿部 利洋 佐川 徹 伊藤 義将 海野 るみ 武内 進一 武内 進一 海野 るみ
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

現代のアフリカ諸社会は、紛争によって疲弊した社会秩序をいかに再生させるのかという課題に直面している。本研究では、アフリカ社会には人々が紛争の予防や解決のために自ら創造・蓄積し運用してきた知識・制度・実践・価値観(=アフリカ潜在力)が存在すること、それは西欧やイスラーム世界などの外部社会との折衝・交渉のなかで不断に更新されていることを、現地調査をとおして実証的に明らかにした。本研究ではまた、「紛争解決や共生の実現のためには民主主義や人権思想の浸透がもっとも重要である」といった西欧中心的な考え方を脱却し、アフリカ潜在力は、人々の和解や社会修復の実現のために広く活用できることを解明した。
著者
荒木 一視
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.27-46, 2000-01-28
被引用文献数
2 5

本研究は地方都市に位置するスーパーマーケットの青果物調達戦略の検討から,青果物流動の全国体系に言及するものである。その際,愛媛県松山市のスーパーマーケットA社を中心とした検討を行った。同社の調達戦略では,通年での安定供給を目指した品目に関しては地場の卸売市場から多くが入荷した。その一方,高付加価値戦略品目の調達にあたっては,地場の卸売市場に依存しない独自の調達ルートが重要な役割を果たした。独自のルートとは,小規模の契約栽培,大都市や産地市場からの仲卸業者を使った調達などである。その背景には産地の出荷戦略とともに,現代の青果物流動の全国体系のもつ構造的な問題が存在する。すなわち,大口で高値のつく大都市市場へと農産物が集まり,他方,地方都市では潤沢な供給を確保する上で,取引量の少なさに起因する障害がある。こうした状況下,特に地方都市ゆえに小規模な需要しか見込めないという限界の中で,地方都市の卸売市場とスーパーによって,地方都市の安定して多様な青果物供給が維持されていることは評価できる。そこでは大都市の大規模需要を背景にした青果物の調達戦略とは異なる解釈が必要である。
著者
深山 元良 荒木 雅信
出版者
城西国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、サーフレスキューで用いられるボードパドリングの動作分析を行い、救助力や競技力を向上させるための知見を得ることを目的とした。被験者に、室内50mプールにおいて40mのニーリングパドルとストロークパドルを全力で行わせた。ビデオカメラの映像からボード速度、ストローク頻度、ストローク長、および関節・セグメントの角度・角速度を分析した。その結果、(1)熟練者におけるパドリング方法別および性別ストロークパラメータの特徴、(2)競技レベル別ストロークパラメータの特徴、(3)競技レベル別パドリング動作の特徴、および(4)競技用と救助用におけるボード種別ストロークパラメータの特徴が明らかとなった。
著者
荒木 一視
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.52-68, 2010 (Released:2010-04-06)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

中国からの輸入農産物や食品は食の安全性や品質に関わって近年大きな関心を集めている.その反面,中国の農業生産や流通の実態に関する情報や知識は決して十分とはいえない.とくに巨大な国土を持つ中国の農業生産や食品流通は決して一様ではなく,それらの地域的なパターンを認識することが,中国からの輸入農産物・食品に対する理解の上で求められているのではないかと考えた.こうした観点から筆者のこれまでの中国調査で得られた情報の一端を報告する.1960年代以降中国の農業生産は拡大を続けてきたが,とくに果実や野菜,畜産物などで1990年代以降に飛躍的な伸びが認められ,その過程で短期間での新興産地の台頭,首位産地の入れ替わりなど産地の地域的なパターンにも変化が起こっている.これは主食食材や工芸作物での変化が比較的緩慢なこととは対照的である.さらに,農産物・食品の各部門,品目別の国内市場の取引額および輸出額の省別の集計からは,双方の地域的パターンと生産の地域的パターンがそれぞれ異なるものであることが明らかになった.
著者
荒木 義明
出版者
慶應義塾経済学会
雑誌
三田学会雑誌 (ISSN:00266760)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.595(155)-606(166), 1978-08

研究ノートp. 158, 159乱丁
著者
松田 佳紀 堀内 千歌 荒木 卓哉
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学政策研究 (ISSN:2185985X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.121-130, 2011-03-25

中心市街地の衰退は全国各地で問題になっている。本報告書で取り上げた熊本県八代市本町商店街も郊外大型店舗の進出やモータリゼーションの発達により衰退の一途を辿っている。著者らは高校生と成人を対象としたアンケート調査および実地調査、八代市本町商店街関係者からの聞き取り調査を実施し八代市中心市街地の現状を調査した。調査結果から、中心市街地が生活の拠点としての役割を失っており、高校生に対するアンケート調査では「中心市街地がどこにあるか知らない」という意見まで見られた。調査から確認された消費者の需要をもとに八代市中心市街地活性化策を考案した。商店街に新たな役割を付与することを「元気と潤いのあるまちづくり」と定義付けを行い、本論を展開する。最終的に八代市本町商店街関係者とのディスカッションを経て「一口店主制」を提案する。This paper describes the process of the downtown revitalization project in Honmachi shopping street, Yatsushiro city, and Kumamoto prefecture. There are a number of run-down downtowns across Japan including the Honmachi shopping street. We administered a questionnaire and conducted field observations in order to grasp the situation and yield ideas for the revitalization of the shopping street. Based on the results from these research activities, we propose the "Unit storekeeper system."
著者
宮崎 武 荒木 俊輔 上原 聡 今村 恭己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.396, pp.29-33, 2005-11-08

情報セキュリティ技術の様々なシステムにおいて、組み込まれた擬似乱数生成器の乱数出力を攻撃者が予測できないという擬似乱数の安全性はシステム全体の安全性を保つ上で重要である。その安全性を評価する場合、擬似乱数が予測できない値を出力していることを確かめるため、擬似乱数の統計的性質を調べる乱数検定を行うことが一般的である。しかし、統計的性質だけでは擬似乱数の安全性を評価できない。本稿では、擬似乱数の乱数検定とは異なる安全性評価の一つとして、全数探索攻撃に耐性がある乱数種の選択範囲(乱数種長)を考える。攻撃者が想定できる情報を元に、全数探索攻撃によって乱数種を求める計算量を考え、これをブロック暗号の鍵を全数探索攻撃する計算量と比較することで評価する。この実例として、ロジスティック写像による擬似乱数生成器について、短い長さしか持たない乱数種への全数探索攻撃実験を行う。そして、この攻撃に耐性のあるようにするには、乱数種長を最低限どの程度にする必要があるのかを、この結果から推測する。
著者
小川 純子 中村 伸枝 荒木 暁子 遠藤 数江 佐藤 奈保 鈴木 恵理子 伊藤 奈津子 佐藤 奈保 沖 奈津子 遠藤 数江
出版者
淑徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

小児がんの子どもに関わる医療者と患児、さらには家族への調査を実施した。これらの結果を元に専門家会議を実施し、小児がんの子どもが治療を理解し、前向きに治療に向かえるよう看護師が援助するためのCAI(Computer Aided Instruction)を作成した。多くの看護師が利用できるように、血液腫瘍疾患と固形腫瘍の治療過程で行われる処置に関する画像や、日々の看護の中で子どもの主体性を育むかかわりの工夫などをホームページ上に掲載するように準備中である。