著者
備前 嘉文 辻 洋右 棟田 雅也
出版者
日本スポーツマネジメント学会
雑誌
スポーツマネジメント研究 (ISSN:18840094)
巻号頁・発行日
pp.2019-001, (Released:2019-07-20)
参考文献数
25
被引用文献数
3

The number of universities with sport management-related departments and courses have rapidly increased throughout the country, and program offerings have diversified. In this present study, we aim to clarify the present situation of sport management education in Japanese universities and examine whether it has changed in the past decade (Matsuoka, 2008). A list of sport management programs was compiled after review of literature (Inoue, 2012; Ishibashi, 2017; Matsuoka, 2008; Ogasawara, 2013). Eighty-four universities were found in this process. A content analysis of program’s websites and syllabi were conducted to identify the unique features of the programs. Results indicate that 44 universities (52.4%) housed the sport management program in the faculty of management and economics. Results also suggest that there were no major changes regarding the proportion (52.4%) as compared to ten years ago. Lastly, the numbers of faculty members were less than two at about 80% of the programs.
著者
菊池 啓 嶋田 亘 伊東 靖宜 辻本 晴俊 岡田 成弘
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.271-278, 2016

<p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;2015年6-7月近畿大学医学部堺病院整形外科外来通院患者の中で承諾の得られた396名に笑いのアンケート調査を行った.笑いを10項目で調査し,各項目に対し,性別,年齢別,疾患別(関節リウマチ:RA,慢性疼痛),地域性(淡路島の別調査RA患者22例)に差異がないかを比較検討した.396例中最も多かった結果は,①対象患者は関節疾患,②笑っていた時期は20-50歳,③笑い方は口を開け小声,④最近大声で笑ったのは数日以内,⑤おかしい時に笑う,⑥会話で笑う,⑦笑いが似合うのは明石家さんま,⑧社会と家族に笑いが必要,⑨主治医にくすぐられたら微笑む,⑩このアンケート調査で微笑む,が各項目の中で最大数であった.各項目を個々に分析すると年齢や性別よりもRAでは社会と家族に笑いが必要と答える患者が多いのに対し,慢性疼痛治療患者では笑いが少なく,医療では看護師や受付に笑いが必要との結果多かった.医師のみならず医療スタッフは患者も取り込んで,笑いを取り入れた治療をすることが全ての疾患に重要であろう.</p>
著者
大平 昌美 岩本 彰太郎 山川 紀子 樋口 和郎 岡村 聡 辻岡 朋大 綿谷 るみ 村山 萌 高橋 悠也 東久保 和希 福喜多 晃平 牧 兼正
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, 2017

はじめに タナトフォリック骨異形成症(TD)罹患児では人工呼吸管理が必須であるため早期に気管切開が行われ、その後に経口摂取可能となる例も少なくない。しかし、生後から長期間の経口気管挿管を経たのちに摂食可能となった症例の報告はなく、特に喉頭蓋欠損を合併した症例に対する摂食嚥下訓練方法は確立されていない。今回、生後から長期間の経口気管挿管を経た無喉頭蓋合併TD罹患児に対して実施した摂食嚥下訓練の取り組みについて報告する。 症例 出生前にTDと診断された9歳女児。出生直後より呼吸障害のため人工呼吸管理されていた。諸事情から経口気管挿管管理が8年5カ月間続いた。その間、経鼻経管で栄養管理され、経口摂取は行われなかった。気管切開施行後、唾液の嚥下を認めたことから摂食嚥下訓練の適応があると判断した。訓練開始にあたり、喉頭内視鏡検査では喉頭蓋欠損を認めたものの声門閉鎖可能であった。嚥下造影検査(VF)では、水分およびミキサー食・まとまり食・ゼリーの形態を10°〜30°のギャッジアップの姿勢で試みたが、誤嚥および喉頭侵入は認めなかった。同結果を受け、週5回、1日1回の頻度でPTによる呼吸リハビリ後、STによる口腔内マッサージおよび経口摂取訓練を実施したところ、約1カ月にはヨーグルト10cc程度の経口摂取が可能となった。 考察 経口摂取開始にあたり、長期間の経口気管挿管に起因する声門閉鎖不全が懸念された。そのためVF前に喉頭内視鏡検査を実施したことで、喉頭蓋欠損を同定することができた。その後のVFでは、喉頭蓋欠損による誤嚥に留意したが問題なく嚥下できていることが確認できた。また、本症例は嚥下機能が比較的保たれており、感覚過敏等による摂食拒否がなかったことがスムーズな経口訓練につながったと考える。今後、経口摂取機能のさらなる 発達を促すにあたり、無喉頭蓋の嚥下機能への影響に関して精査・検討する必要がある。
著者
梅本 奈美子 布施 晶子 杉浦 正美 鈴木 正子 岡見 雪子 辻 とみ子
出版者
The Japan Dietetic Association
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.356-365, 2014

児童養護施設に入所している子どもたち(施設入所児童)が、自立して食生活を営む力を習得するために、実用的で効果的な食育システムの開発と食育プログラムの作成に必要な基礎調査を行った。名古屋市内児童養護施設14施設の施設入所児童(3歳~18歳)を調査対象者とし、食育指導状況調査、身体状況調査、調理実習による技術調査、アンケートによる食意識調査を実施した。食意識調査は、名古屋市内S小学校在籍児童を比較対象者(家庭生活児童)とした。幼児では、食事の姿勢についてのクイズ正解率が95.8%と正しい知識が身に付いていた。小学生低学年では、施設入所児童は家庭生活児童と比較し、野菜の判別クイズ正解率が有意(<i>p</i><0.05)に低く、野菜の名前を知らないことが分かった。また、施設入所児童は「食事の前に手洗いを行う」項目では、83.1%と家庭生活児童の52.7%と比べ有意(<i>p</i><0.05)に高く、施設における指導の効果が表れていた。「ごはんの時間が楽しみ」と答える割合が、幼児96.4%、小学生低学年81.7%、小学生高学年64.7%、中高生50.0%と年齢が上がるにつれて有意(<i>p</i><0.001)に低くなり、食に対する肯定感が低くなることが分かった。しかし、調理の経験が多い子どもは、食に対する肯定感が高くなり、自立後の自炊に対する不安感が少なかった。本研究の結果から、児童養護施設の食育指導においては、幼児から小学生低学年までに食育体験を多くさせることが有効な指導であり、子どもたちが豊かな食経験を会得できる大切な期間と考えられた。また、小学生高学年からは、技術的体験が多い計画を立案することが有効であると考えられた。
著者
稲垣 貴彦 森田 幸代 大川 匡子 辻川 知之 山田 尚登
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.27-32, 2010-01-15

抄録 潰瘍性大腸炎は大腸粘膜の炎症性疾患であるが,粘膜障害の重症度と臨床症状の重症度との間にかい離がみられる場合があり,心理社会的ストレスへの曝露や人格の偏りが臨床症状の重症度や再燃に関与すると考えられている。 我々は,潰瘍性大腸炎の緩解と再燃を繰り返した後に大うつ病性障害を合併し,認知療法を試みたところ,潰瘍性大腸炎の消化器症状の緩解期間の延長が得られた症例を経験した。粘膜病変には変化がないにもかかわらず,それまで再燃を繰り返していた潰瘍性大腸炎が緩解状態を維持していたことから,認知療法的かかわりが潰瘍性大腸炎の消化器症状に対し軽減効果を示したと考えられる。 潰瘍性大腸炎は,併存する精神疾患に対してだけではなく,その身体症状に対しても精神科医が多分に治療的関与するべき疾患であると考えられたので報告する。
著者
東山 文 山田 功治 大家 舞 辻口 裕介 星野 奈央 三谷 健太郎 永田 元康
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.5, pp.216, 2005

本論文では、負荷分散を考慮した非同期データ複製システムについて提案する。我々が提案するデータ複製のプロトコルは、トランザクションのログの利用および同期周期間隔における特定のレプリカサーバから主コピーサーバへのデータ更新情報の反映によって、特徴付けられる。また、ワークフロー管理機能を採用し、クライアント、ワークフローコントローラおよびサーバから構成される3層構造モデルによってトランザクションのスケジューリングを行い、効率よい処理を目指す。さらに、プロトコルの実装について報告する。
著者
福士 賢二 武内 春夫 倉内 博 森井 晶克 辻井 重男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.68, pp.21-26, 2002-07-18
参考文献数
1
被引用文献数
1

インターネットの普及に伴い、Webページ改ざんなどの被害を与える不正アクセスが多発している。侵入検知システムにより不正アクセスは検出できるが、各種被害の検出から、原因の特定、対策の提示までの一連の被害解析は、管理者が関連知識や専門的技術を駆使して実現している。本文では、不正アクセスによる被害の検出、原因の特定、および対策の提示を自動化することにより、管理者の被害解析を支援するシステムを提案する。さらに、そのシステムを試作して評価した結果について考察する。Illegal accesses such as Web page defacing have become frequent as the Internet gains popularity. Intrusion Detecion Systems can dtect illegal sccesses. But, the procedure of damage analysis, from detection of a damage, identification of its cause, to recommendation of countermeasures, are performed by system managers using expertise and knowhow. This article proposes a system which supports system managers in analyzing damages caused by illegal accesses, by automatically detecting a damage, identifying its cause and recommending countermeasures. We implemented and evaluated a prototype. We will examine the results.
著者
小泉 範明 國場 幸均 村山 康利 栗生 宜明 中西 正芳 阪倉 長平 大辻 英吾
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.1632-1638, 2011-12-01 (Released:2011-12-20)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1

症例は52歳の男性で,他院でStage IIの直腸癌に対して低位前方切除術を施行されている.術後1年4か月で血清CEA値の上昇を認め,腹部CTおよびMRIで吻合部周囲に多発する嚢胞性腫瘤を指摘された.大腸内視鏡検査では吻合部の口側に粘膜下腫瘍様の隆起性病変として認められた.FDG-PETでは同部に一致してFDGの集積を伴っていたため局所再発と診断され,当科に紹介となり手術を施行した.病理組織学的検査では悪性所見を認めず,最終的にimplantation cystと診断した.本症は消化管吻合に伴って生じるまれな合併症であるが,いまだ広く認識されておらず,確定診断に苦慮することも多い.器械吻合の普及に伴って増加しており,再発との鑑別に際して念頭に置くべきである.血清CEA値の上昇やFDG-PETで集積を認めた報告は過去になく,本例はまれな1例であると考えられたので,文献的考察を交えて報告する.
著者
辻 盛生 軍司 俊道 江 東 平塚 明
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 = / the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.179-182, 2006-08-31
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

多自然型川づくりにおいて,植生ブロックと覆土によって緑化が行われる事例が多く見られる。岩手県遠野市 (旧宮守村) を流れる宮守川における植生ブロックと覆土による事例を調査した。その結果,水際部の覆土は失われ,定着する植物は陸生の外来種が多い傾向が見られた。水際部の植物群落は,水辺エコトーンとして多様な機能の発揮が期待できるが,そのためには水域に進出し,水との接触が可能な種の定着が必要である。水辺エコトーンの早期形成と,陸生の外来植物優占の回避とのために,現地周辺に自生する水域に進出可能な植物の植栽が一手法として有効であることが明らかになった。
著者
辻 澄子 松村 郁子 中村 優美子 外海 泰秀
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.357-363, 2000-12-25
参考文献数
17
被引用文献数
2 7

食用黄色5号 (Y-5) 中の副成色素, 未反応原料及び反応中間体などの有機性不純物の分離・定量に当たりHPLC条件を検討した. その結果, 0.02mol/L酢酸アンモニウム溶液とアセトニトリル-水混液 (7 : 3) との濃度勾配系を用いるHPLC条件を変化させることにより, 4,4'-(ジアゾアミノ) ジベンゼンスルホン酸=二ナトリウム塩とスルファニル酸アゾG塩色素との分離定量を確立した. 本HPLC条件を用いて平成10年度Y-5製品検査合格品39検体中の有機性不純物の実態調査を行った. その結果, 検体中の副成色素の総量は規制値の五分の一未満であり, 未反応原料及び反応中間体の総量は規制値の半分以下であった.
著者
三木 文雄 生野 善康 INOUE Eiji 村田 哲人 谷澤 伸一 坂元 一夫 田原 旭 斎藤 玲 富沢 磨須美 平賀 洋明 菊地 弘毅 山本 朝子 武部 和夫 中村 光男 宮沢 正 田村 豊一 遠藤 勝美 米田 政志 井戸 康夫 上原 修 岡本 勝博 相楽 衛男 滝島 任 井田 士朗 今野 淳 大泉 耕太郎 青沼 清一 渡辺 彰 佐藤 和男 林 泉 勝 正孝 奥井 津二 河合 美枝子 福井 俊夫 荒川 正昭 和田 光一 森本 隆夫 蒲沢 知子 武田 元 関根 理 薄田 芳丸 青木 信樹 宮原 正 斎藤 篤 嶋田 甚五郎 柴 孝也 池本 秀雄 渡辺 一功 小林 宏行 高村 研二 吉田 雅彦 真下 啓明 山根 至二 富 俊明 可部 順三郎 石橋 弘義 工藤 宏一郎 太田 健 谷本 普一 中谷 龍王 吉村 邦彦 中森 祥隆 蝶名林 直彦 中田 紘一郎 渡辺 健太郎 小山 優 飯島 福生 稲松 孝思 浦山 京子 東 冬彦 船津 雄三 藤森 一平 小林 芳夫 安達 正則 深谷 一太 大久保 隆男 伊藤 章 松本 裕 鈴木 淳一 吉池 保博 綿貫 裕司 小田切 繁樹 千場 純 鈴木 周雄 室橋 光宇 福田 勉 木内 充世 芦刈 靖彦 下方 薫 吉井 才司 高納 修 酒井 秀造 西脇 敬祐 竹浦 茂樹 岸本 広次 佐竹 辰夫 高木 健三 山木 健市 笹本 基秀 佐々木 智康 武内 俊彦 加藤 政仁 加藤 錠一 伊藤 剛 山本 俊幸 鈴木 幹三 山本 和英 足立 暁 大山 馨 鈴木 国功 大谷 信夫 早瀬 満 久世 文幸 辻野 弘之 稲葉 宣雄 池田 宣昭 松原 恒雄 牛田 伸一 網谷 良一 中西 通泰 大久保 滉 上田 良弘 成田 亘啓 澤木 政好 三笠 桂一 安永 幸二郎 米津 精文 飯田 夕 榊原 嘉彦 螺良 英郎 濱田 朝夫 福山 興一 福岡 正博 伊藤 正己 平尾 文男 小松 孝 前川 暢夫 西山 秀樹 鈴木 雄二郎 堀川 禎夫 田村 正和 副島 林造 二木 芳人 安達 倫文 中川 義久 角 優 栗村 統 佐々木 英夫 福原 弘文 森本 忠雄 澤江 義郎 岡田 薫 熊谷 幸雄 重松 信昭 相沢 久道 瀧井 昌英 大堂 孝文 品川 知明 原 耕平 斎藤 厚 広田 正毅 山口 恵三 河野 茂 古賀 宏延 渡辺 講一 藤田 紀代 植田 保子 河野 浩太 松本 慶蔵 永武 毅 力富 直人 那須 勝 後藤 純 後藤 陽一郎 重野 秀昭 田代 隆良
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.914-943, 1987
被引用文献数
2

Clavulanic acid (以下CVAと略す) とticarcillin (以下TIPCと略す) の1: 15の配合剤, BRL28500 (以下BRLと略す) の呼吸器感染症に対する有効性と安全性をpiperacillin (以下PIPCと略す) を対照薬剤として, welI-controlled studyひこより比較検討した.<BR>感染症状明確な15歳以上の慢性呼吸器感染症 (慢性気管支炎, びまん性汎細気管支炎, 感染を伴った気管支拡張症・肺気腫・肺線維症・気管支喘息など) およびその急性増悪, 細菌性肺炎, 肺化膿症を対象とし, BRLは1回1.6g (TIPC1.5g+CVA0.1g) 宛, PIPCは1回2.0g宛, いずれも1日2回, 原則として14日間点滴静注により投与し, 臨床効果, 症状改善度, 細菌学的効果, 副作用・臨床検査値異常化の有無, 有用性について両薬剤投与群間で比較を行い, 以下の成績を得た.<BR>1. 薬剤投与314例 (BRL投与161例, PIPC投与153例) 中, 45例を除外した269例 (BRL投与138例, PIPC投与131例) について有効性の解析を行い, 副作用は293例 (BRL投与148例, PIPC投与145例) について, 臨床検査値異常化は286例 (BRL投与141例, PIPC投与145例) について解析を実施した.<BR>2. 小委員会判定による臨床効果は, 全症例ではBRL投与群78.8%, PIPC投与群79.4%, 肺炎・肺化膿症症例ではBRL投与群 (79例) 82.1%, PIPC投与群 (73例) 79.5%, 慢性気道感染症症例ではBRL投与群 (59例) 74.6%, PIPC投与群 (58例) 79.3%の有効率で, いずれも両薬剤投与群間に有意差を認めなかった.<BR>3. 症状改善度は, 肺炎・肺化膿症症例では赤沈値の14日後の改善度に関してPIPC投与群よりBRL投与群がすぐれ, 慢性気道感染症症例では胸部ラ音, 白血球数, CRPの3日後の改善度に関してBRL投与群よりPIPC投与群がすぐれ, それぞれ両薬剤投与群間に有意差が認められた.<BR>4. 細菌学的効果はBRL投与群68例, PIPC投与群57例について検討を実施し, 全体の除菌率はBRL投与群75.0%, PIPC投与群71.9%と両薬剤投与群間に有意差は認められないが, Klebsiella spp. 感染症においては, BRL投与群の除菌率87.5%, PIPC投与群の除菌率16.7%と両薬剤群間に有意差が認められた. また, 起炎菌のPIPCに対する感受性をMIC50μg/ml以上と50μg/ml未満に層別すると, MIC50μg/ml未満の感性菌感染例ではBRL投与群の除菌率69.6%に対してPIPC投与群の除菌率94.7%とPIPCがすぐれる傾向がみられ, 一方, MIC50μg/ml以上の耐性菌感染例ではPIPC投与群の除菌率12.5%に対して, BRL投与群の除菌率は66.7%と高く, 両薬剤間に有意差が認められた.<BR>5. 副作用解析対象293例中, 何らかの自他覚的副作用の出現例はBRL投与群5例, PIPC投与群11例で, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>6. 臨床検査値異常化解析対象286例中, 何らかの異常化が認められた症例は, BRL投与141例中45例 (31.9%), PIPC投与145例中28例 (19.3%) で, 両薬剤投与群間に有意差が認められた. 臨床検査項目別にみると, GPT上昇がBRL投与140例中26例 (18.6%), PIPC投与140例中14例 (10.0%), BUN上昇がBRL投与128例中0, PIPC投与127例中4例 (3.1%) と, それぞれ両薬剤投与群間での異常化率の差に有意傾向が認められた.<BR>7. 有効性と安全性を勘案して判定した有用性は, 全症例ではBRL投与群の有用率 (極めて有用+有用) 76.3%, PIPC投与群の有用率の74.8%, 肺炎・肺化膿症症例における有用率はBRL投与群81.0%, PIPC投与群75.3%, 慢性気道感染症症例における有用率はBRL投与群70.0%, PIPC投与群74.1%と, いずれも両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>以上の成績より, BRL1日3.2gの投与はPIPC1日4gの投与と略同等の呼吸器感染症に対する有効性と安全性を示し, とくにβ-lactamase産生菌感染症に対しても有効性を示すことが確認され, BRLが呼吸器感染症の治療上有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
榊 裕翔 辻井 優伸 西川 健二郎 河合 邦浩 岡崎 浩司 楢橋 祥一
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成26年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第67回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.402, 2014-09-11 (Released:2016-02-10)

近年,次世代の発電システムとして”宇宙太陽発電計画(SSPS)"が注目を浴びておりJAXA,京都大学を中心に研究開発が行われている.通常,ダイオードが飽和領域で動作する様な高入力電力の場合,高調波成分発生の割合が高くなり変換効率が低下する課題があった.そのため高調波成分を処理する回路を出力側に付加したF級シングルシャント整流回路が広く用いられている.本研究ではより一層の高効率化を実現するため出力フィルタにて反射された反射波成分の一部を多段接続した整流回路に再入射させる5.8GHz帯反射波再利用型シングルシャント整流回路を提案する.