著者
天野 要 岡野 大 土屋 卓也 緒方 秀教 杉原 正顕 遠藤 慶一
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

代用電荷法を適用し,非有界な多重連結領域から,(a)平行/共線スリット領域,(b)直線スリット領域,(c)円弧放射スリット領域,という正準スリット領域への数値等角写像の方法を提案し,その有効性を数値実験的に検証した.また,代用電荷法の性質を調べ,周期Stokes方程式に対する基本解法を提案した.これらの研究は理工学への応用上も重要である.本研究の主題に関連の深い特異積分方程式,悪条件連立1次方程式の数値解法についての基礎的研究も進められた.
著者
宇賀 大祐 阿部 洋太 高橋 和宏 浅川 大地 遠藤 康裕 中川 和昌 中澤 理恵 坂本 雅昭
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】群馬スポーツリハビリテーション研究会では,県内の各高校野球大会にて傷害に対するテーピングや応急処置,試合後のクーリングダウン等のメディカルサポートを実施している。筋痙攣は最も多い対応の一つであり,選手交代を余儀なくされることもある。本研究の目的は,メディカルサポートにおける筋痙攣の対応状況を明らかにし,適切な対応策について検討することである。【方法】対象は過去7年の全国高等学校野球選手権群馬大会とし,メディカルサポートの全対応人数・件数,筋痙攣の対応人数・件数,好発部位,各試合日の1試合当たりの発生件数(発生率),発生時間帯,発生イニング,プレー復帰状況を調査した。また,気候の影響を検討するため,気象庁発表の気象データを元に,気温及び湿度,日照時間と発生率について,ピアソンの積率相関係数を用いて検討した。【結果と考察】全対応数は199名・273件であり,そのうち筋痙攣は75名(37.7%)・146件(53.5%)であった。好発部位は下腿及び大腿後面であった。発生率は大会初期の1,2回戦が平均0.37件/試合と最多で,その後は徐々に減少した。時間帯による発生件数はほぼ同様で,イニングは各試合後半の7,8,9回が多かった。気象データと発生率は,いずれも相関は認められなかった。夏季大会の筋痙攣は熱中症症状の一つとして現れることが多いが,気象データとの関連はなく大会初期に多いことから,大会前の練習内容や体調管理等による体温調節能の調節不足が一要因として大きな影響を及ぼし,そこに疲労が加わることで試合後半に多発するのではないかと考えられる。また,プレー復帰状況は,36.8%の選手が選手交代を余儀なくされており,試合の勝敗に影響を与えかねない結果となった。発生予防が重要な課題であり,大会中の応急処置のみでなく,大会前のコンディショニングや試合前や試合中の水分補給方法等の暑さ対策を中心に指導することが重要と考える。
著者
大友 篤 遠藤 雅之 小野寺 真哉 坂上 尚穂 伊達 久
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0196, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】複合性局所疼痛症候群(以下CRPS)は,アロディニア・痛覚過敏・浮腫・異常発汗・運動障害・萎縮性変化などの症状があり,理学療法の施行を困難なものとする。今回,CRPS TypeIに対して,各神経ブロックと理学療法を併用により,痛みが軽減し,身体機能が改善を呈した2症例を報告する。【方法】症例1:19歳女性,平成X年10月専門学校の体育祭で左膝を捻り受傷。その後痛み継続,他院で精査,治療するも増悪,平成X+1年8月に当院入院。主訴左下肢(左膝関節内側中心)の痛み。安静時痛あり。動作時増悪。左下肢知覚障害,アロディニアあり。左下腿浮腫あり。膝関節制限あり,左下肢荷重不可,両松葉使用していた。症例2:28歳女性,平成X年4月に右前十字靱帯,内側側副靱帯損傷。MRI所見では靭帯損傷は軽度。他院で筋力強化を目的とした理学療法を行ったが,痛みで運動が困難であった。症状悪化したためX年8月当院受診。可動域制限なし,右膝関節内側・膝中央に,安静時・アロディニア・荷重時・膝屈伸時に疼痛出現。大腿四頭筋・ハムストリングス筋力低下あり,独歩可能だが,仕事の継続が困難であった。【結果】症例1:入院初日持続硬膜外ブロック施行及び理学療法開始。理学療法は週2回行い,他の日は自主トレーニングとした。7日目左膝関節可動域改善,左下肢部分荷重。14日目左下肢全荷重可能,歩行時両松葉杖使用。17日目持続硬膜外ブロック終了。24日目安静時痛・運動時痛なし,膝内側の圧痛あり階段昇降時痛みあるが,可動域改善・筋力向上・独歩可能にて退院に至った。症例2:平成X年8月22日~平成X+1年8月5日の約12ヶ月の間に,週に1~2回程度,腰部硬膜外ブロックの前後に理学療法を行った。平成X年8月22日,腰部硬膜外ブロックと理学療法を併用した治療開始。平成X+1年4月には痛みが軽減し,持続歩行が可能となる。同年6月から介護職ではないが,社会福祉士の資格を生かした相談役として職場復帰に至った。【結論】CRPSの運動障害としては,患肢を自分の一部と感じない,患肢を動かす為に視覚的に注意を向けないと運動できないといった認知機能異常や,心理学的要因などの症状もあり,様々な要因が混合しあい,痛みを複雑なものとしている。そのため,身体機能の低下を招き,日常生活の制限をきたす。理学療法を施行する際,痛覚過敏・アロディニアまた,心理的要因が関与し,治療に対して受動的になり,理学療法を困難にしている。各神経ブロック併用により,理学療法を促進するなどの,互いの相乗効果により,痛みの軽減が図れたと考える。また,理学療法を施行する上では,CRPS患者は痛みに対する訴えが強く心理的側面の影響も強いため,理学療法を施行する際は,痛みだけでなくすべての訴えに耳をかたむけていく姿勢が必要になると考える。
著者
村上 由佳 渡邊 三津子 古澤 文 遠藤 仁
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018

1.はじめに<br><br> 2004年新潟県中越地震以降、集落の孤立とそれに伴う情報の途絶が、災害のたびに問題になってきた。2017年九州北部豪雨においても、情報の途絶が発生した。また、近年の災害においては、SNSを介して有益な情報がもたらされる一方で、それらがもたらす混乱も新たな問題として浮かび上がってきた。災害時に必要な情報が必要な場所に届けられるにはどのような対応が必要だろうか。発表者が調査を行ってきた2011年台風12号水害(紀伊半島大水害)を例に検討する。<br><br> 紀伊半島熊野川流域は、国内有数の水害常襲地域として知られている。本発表で対象とする和歌山県新宮市は、熊野川河口に位置する。2011年台風において、土砂災害・浸水・河川氾濫等により、死者13人、行方不明者1人、81棟の全壊及び家屋流出を含む2,968棟の住家被害等があり、局地激甚災害に指定された(和歌山県新宮市、2015)。<br><br> また、紀伊半島大水害時には、新宮市内の高田・相賀・南檜杖地区及び熊野川町地域全域が孤立するとともに、電話の不通、テレビ放送等の利用不能(和歌山県新宮市、2015)、防災行政無線の難聴(新宮市議会災害復興対策特別委員会被災地現地調査部会、2012)など、情報の途絶がおこった。<br><br> 本発表では、新宮市議会会議録や地方新聞(熊野新聞等)から、紀伊半島大水害時における情報の送受信に関する問題点を把握し、その対応と課題を整理する。<br><br> <br><br>2. 紀伊半島大水害時における情報伝達の課題<br><br>2.1. 被災時における情報送受信に関する課題<br><br> 被災時における情報の途絶により、被災者に被災状況が伝わらないことが問題であるが、他方で、例えば新宮市熊野川町西敷屋では、「平成23年には、携帯を含めて電話が一切つながらなかった。消防にも連絡がつかず、亡くなった方を自分たちで運び出した」(渡邊ほか、2015)というように、被災者側から必要な情報が伝達できなかったことも大きな課題といえる。<br><br>2.2. 課題に対する行政の対応<br><br>紀伊半島大水害の後に新宮市は、防災行政無線のデジタル化整備事業を実施し(計画は水害以前から存在)、防災行政無線をデジタル化、個別受信機の配備、防災行政無線難聴時に備え、メール配信サービス等を整備した。全国瞬時警報システムJ-ALARTの運用を開始し、津浪や地震などが発生した場合に、消防庁から人工衛星を通じ、防災行政無線を自動起動させて、緊急情報を伝達する仕組みを整えた(「紀南新聞」2015年3月29日)。このように被災者に情報を伝える対策は進んでいる。<br><br>一方で、被災者が被災情報等を伝達する方法については、課題が多い。防災行政無線をデジタル化することにより、情報の双方化が実現しているが、これは、被災者個人からの連絡手段というよりも、行政間、屋外の放送局と双方向で情報をやりとりするというところに主眼を置いた対応である(新宮市議会平成23年3月 定例会3月9日)。現実問題として、被災者は公的避難所ではなく、自宅の2階や、地形的に一段高いところに立地する隣家に身を寄せたりして難を逃れた。本地域では、高齢化が進んでおり、そうした地域において、遠くの公的避難所に避難することが困難な場合は多く、避難の現状に即した、被災者からの情報伝達手段の検討が必要である。<br><br>2.3. 被災者側から情報を伝えるための方法の整備について<br><br> 新宮市議会において、被災時に徒歩で向かうことが困難な集落から外部への連絡手段として、衛星携帯電話の配備が議論されたことがある(平成26年9月定例会)が、実現はしていない。しかしながら、散在した被災者個人から、情報を適宜適切に伝える手段としても、行政がSNS上の雑多な情報に惑わされずに、正確な情報をつかむという意味でも、衛星携帯電話等を整備することが有効であろう。ただしその場合、設置場所、導入コスト、被災時を想定した訓練や、連絡網等を作成する場合などの、個人情報保護との兼ね合い等が課題となる。<br><br> <br>和歌山県新宮市(2015)『紀伊半島大水害 新宮市記録集』/新宮市議会災害復興対策特別委員会被災地現地調査部会(2012)『水害時の避難行動調査からみるこれからの洪水対策 報告書「防災」から「減災」へ』/渡邊三津子ほか(2015)「水害常襲地域における流域社会の変容と災害対応に関する基礎的研究-新宮市熊野川町西敷屋地区を事例に-」、奈良女子大学地理学・地域環境学研究報告、Ⅷ、111-120頁。
著者
遠藤 由美
出版者
日本感情心理学会
雑誌
エモーション・スタディーズ (ISSN:21897425)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.42-49, 2015-10-01 (Released:2017-04-24)
参考文献数
65
被引用文献数
1

Empathy is a source of altruistic behavior by offering kind help for people in distress, and so regarded as a good thing, sometimes a precondition of morality. Empathetic friends and family doubtlessly make us feel warm. It does not follow, however, that empathy is prosocial. Society where we are living now is globalized one big society with a goal of living all together in harmony, including not only people in intimate sphere but dissimilar others from different groups. We would ask how empathy works and what effects of it are in this modern social context. It is discussed that intergroup empathy bias may enlarge conflicts between groups and empathy directed toward in-group victims potentially changes into angry and violence against enemy, even into the vicious cycle of violence.
著者
髙嶺 潮 遠藤 聡志 Kolodziejczyk Jakub 西銘 大喜
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.4I2J204, 2019

<p>機械が現実世界の空間情報を獲得するための重要な手段の一つが単眼深度推定である。人間は深度推定に使用できる情報の種類を増やし、問題領域を分割することで精度の高い深度推定を実現している。これを受け、深度以外の情報をRGB画像から獲得することによって単眼深度推定を改善しようとする試みが幾つか存在する。Semanticラベルを用いた実験では、解釈可能な意味の種類が多いラベルが入力画像の幅を制限することがわかり、人間の主観によって定義された情報の欠点を浮き彫りにした。対して、深度勾配を扱った実験は、推定結果の外れ値の削減に大きく貢献している。これらの結果は、数値的に定義可能なオブジェクト情報が、人間が深度推定を行う際に獲得する冗長性の再現に繋がることを示唆している。本研究は、物体の前後関係情報の推定を行うことで深度推定を分類問題の分野に落とし込み、単眼深度推定の精度向上を狙うものである。Multi-Scale Modelを用いた対照実験により、重なり情報の有効性が証明された。</p>
著者
中川 将吾 六崎 裕高 鎌田 浩史 俣木 優輝 遠藤 悠介 松田 真由美 高橋 一史 岩崎 信明 山崎 正志
出版者
南江堂
雑誌
別冊整形外科 (ISSN:02871645)
巻号頁・発行日
vol.1, no.75, pp.245-248, 2019-04-25

は じ め に 外骨格型の動作支援ロボットであるロボットスーツHybrid Assistive Limb(HAL;Cyberdyne社)を使用した機能回復訓練が脳卒中,脊髄損傷,変形性関節症といったさまざまな運動機能障害患者に対して導入され,その良好な結果が報告されている1~3).HALは関節運動の補助を行うとともに,補助された運動の変化を感覚系が中枢神経にフィードバックし,HAL取りはずし後にもその効果が継続するのではないかと考えられており,interactive bio-feedback仮説と呼ばれ,麻痺症状を呈するさまざまな疾患に対しての効果が期待できる4). HALは,脳性麻痺患者に対しても自立歩行を可能にすると報告されている5).脳性麻痺はさまざまな病型があるが,痙縮型に代表されるように,筋出力のインバランスを伴っている.重症度の分類であるgross motor function classification system(GMFCS)(表1)6)のレベルⅠからⅤに進むに従って重症化し,筋出力のインバランスも強くなってくる.GMFCSレベルⅢやレベルⅣの症例は,歩行訓練を行い,筋出力のインバランスを調整することで歩行能力を維持し,変形を予防し,介助量を減少させることが可能である. われわれのグループでは,運動機能障害を有する脳性麻痺患者に,HALを使用した歩行訓練を外来レベルで単回,また入院して集中的に行っている.本稿では脳性麻痺患者に対してのHALを使用した歩行トレーニング方法と,使用後の効果について報告した.
著者
遠藤 ひとみ
出版者
嘉悦大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.39-60, 2007-10-31

本論分では、情報技術を比較的に進化させている、グーグルについて取り上げる。グーグルは、最も注目すべきグローバル企業の一つである。その事業内容は多岐に渡り、ウェブ検索を始め、ブック検索、グーグルアース、インターネット広告など、ウェブ検索以外のサービスやソフトも続々と提供している。そして、そのサービス内容の多くは、斬新なアイデアで、メディアからの注目も非常に高い。このように多様なサービスを提供し、企業価値を高めているグーグルの強さの一つには、本社と現地法人に共通する組織文化にあると考えられる。そこで、本論分では、従業員の能力を最大限に発揮できる組織文化と経営革新について検討していく。
著者
遠藤 野ゆり
出版者
法政大学キャリアデザイン学部
雑誌
キャリアデザイン学部紀要 (ISSN:13493043)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.131-155, 2013-03

Recently, it has been more and more pointed out that there are somerelevance between school truancy and developmental disorder. However,these studies lack the viewpoint of party which is important for the sake ofproper support for those who have the problem of both school truancy anddevelopmental disorder. This paper tries to elucidate the way of their being,based on the author's experiences in an ordinal school and in a free-school.As a result, this paper reveals the significance of the "being-with". Besides,it clarifies that developmental disorder child who are sensitive to the threatfrom others often can't withstand the publicity of school. It is the atmospherein free-school that supports children which doesn't force them to being withand suffering from the perception of others.
著者
遠藤 謙 菅原 祥平 北野 智士
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.32, no.10, pp.855-858, 2014 (Released:2015-01-15)
参考文献数
22
被引用文献数
1
著者
安藤 孝弘 田中 義照 佐久間 正明 遠藤 久芳 Takahiro ANDO Yoshiteru TANAKA Masaaki SAKUMA Hisayoshi ENDO 国土交通省船舶技術研究所構造強度部 国土交通省船舶技術研究所機関動力部 国土交通省船舶技術研究所構造強度部 国土交通省船舶技術研究所構造強度部
雑誌
船舶技術研究所総合報告資料
巻号頁・発行日
vol.平成12年度, pp.85-112, 2001-03-31 (Released:2017-04-14)

Recently, the extensive use of high-tensile steel for ship hull structures has realized the decrease of plate thickness, under the design condition that no members yield for the design loads. However, the post buckling design as well as air planes is required to aim at the further making the most of high-tensile strength. This study had been performed as a designated study of Ship Research Institute for three years, in order to investigate the applicability of the post buckling design for ship structures assembled by welding. The details are as follows: ・Investigation of buckling analysis methods of panel or stiffened panel ・Model tests and numerical analysis of stiffened panel ・fatigue tests of stiffened panel subjected to pulsating compressive and shear load ・Investigation of the applicability of the post buckling design for ship structures
著者
遠藤 亮 中井 検裕 中西 正彦
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.39.3, pp.319-324, 2004-10-25 (Released:2017-08-02)
参考文献数
7

地方行政の基盤強化や広域的な対応の必要性から、市町村合併に注目が集まっている。行政と住民とが連携してまちづくりを展開していく上で、住民の合併に対する意識を考慮することは重要な課題である。市町村合併のデメリットとして、地名の変更が挙げられている。本研究は、市町村合併による市町村名称変更が住民の地域帰属意識に与える影響を明らかにし、市町村名称変更の形態と地域帰属意識変化との関係を明らかにすることを目的とする。5年前に合併した兵庫県篠山市の住民を対象にアンケート調査を行い、その結果の分析から、旧名称を残す場合と消滅させる場合とで、地域帰属意識の変化に違いが出ることを突き止めた。
著者
金原 寿郎 遠藤 博 瀬賀 節子
出版者
Japan Association for Fire Science and Engineering
雑誌
日本火災学会論文集 (ISSN:05460794)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-4, 1968

In Part II, it was reported that, when smouldering combustion propagates downward through a vertical rod of radius <i>γ</i> with a constant velocity <i>υ</i>, the distribution of temperature <i>T</i> inside the rod is given by<br><i>k</i>(∂<sup>2</sup><i>T</i>/∂x<sup>2</sup>)+<i>cρυ</i>(∂<i>T</i>/∂<i>x</i>)+2(1/<i>γ</i>+<i>Δ</i>/<i>γ</i><sup>2</sup>)((<i>q</i>/<i>T</i><sub>i</sub>-<i>T</i><sub>a</sub>)-<i>h</i>)(<i>T</i>-<i>T</i><sub>a</sub>)=0    (1)<br>when referred to an ordinate <i>Ox</i> moving downward with the propagation. The constants <i>k, c, ρ</i> are respectively the thermal conductivity, the specific heat and the density of the rod ; <i>Δ</i> the thickness of a stagnant boundary layer assumed to exist around the rod ; <i>T</i><sub>i</sub> the ignition temperature ; <i>T</i><sub>a</sub> the ambient temperature ; <i>h</i> the heat transfer coefficient ; and <i>q</i> is a constant depending upon the chemical composition of the rod and the ambient air.<br>The solution of the equation(1) is, in general<br><i>T</i> - <i>T</i><sub>a</sub>=<i>θ</i>=e<i><sup>-αx</sup></i>(<i>A</i>e<sup>-βx</sup>+<i>B</i>e<sup>βx</sup>)    (2)<br>where<br><i>α</i>=<i>cρυ</i>/2k, β=1/2k √<i>c</i><sup>2</sup><i>ρ</i><sup>2</sup><i>υ</i><sup>2</sup>-8k(1/<i>γ</i>+<i>Δ</i>/<i>γ</i><sup>2</sup>)((<i>q</i>/<i>T</i><sub>i</sub>-<i>T</i><sub>a</sub>)-<i>h</i>)<br>and <i>A</i> and <i>B</i> are integration constants. Taking the fire front as the origin of <i>Ox</i>, the boundary condition is<br><i>θ</i>=0,   ∂<i>θ</i>/∂x=0    at  x=0    (3)<br>As was discussed in Part I, there is no solution of (1) which satisfies (3) in a strict sense, but (3) is fulfilled approximately when<br><i>β</i>=0    (4)<br>This gives us not only <i>υ</i> in terms of <i>c</i>, <i>ρ</i>, <i>k</i>, etc. as<br><i>υ</i><sup>2</sup>=8<i>k</i>/<i>c</i><sup>2</sup><i>ρ</i><sup>2</sup>((1/<i>γ</i>)+(<i>Δ</i>/<i>γ</i><sup>2</sup>))((<i>q</i>/<i>T</i><sub>i</sub>-<i>T</i><sub>a</sub>)-<i>h</i>)    (5)<br>but <i>T</i> in the form :<br><i>T</i>-<i>T</i><sub>a</sub>=e<sup>-αx</sup>(<i>C</i>+<i>Dx</i>)    (6)<br>where <i>C</i> and <i>D</i> are integration constants.<br>It was reported in Part II that (5) showed remarkable coincidence with experiments. Now in this report, it will be shown that the equation (6), too, coincides satisfactorily with experimental results showing that our theory has got another strong evidence.
著者
石坂 正大 石川 良太 伊藤 詩峰 遠藤 沙紀 君島 未紗 鯉沼 夢 佐藤 克己 関 健吾 田野 勝也 千明 龍太郎 淵田 悟
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.581-584, 2016 (Released:2016-08-31)
参考文献数
10

〔目的〕コンプレッションウェアの着用が酸素摂取量および心拍数に及ぼす影響を明らかにする.〔対象と方法〕対象は健常男性26名とした.対象者に対しトレッドミルでの心肺運動負荷試験を行い,裸とコンプレッションウェア着用の2つの着衣条件で酸素摂取量,心拍数,呼吸交換比,呼吸数を測定した.〔結果〕心肺運動負荷試験の運動前,中,後の心拍数(回/分)はそれぞれ,裸で84.4±11.8,156.9±12.3,110.2±22.1,着用時で81.2±11.9,151.7±14.7,102.0±10.4となり,後者の着衣条件で有意に低い値を示した.酸素摂取量,呼吸交換比,呼吸数では着衣条件間の有意な差がみられなかった.〔結語〕コンプレッションウェアの着用は酸素摂取量には影響しないが,運動時の心拍数を低下させる.
著者
白土 修 遠藤 達矢
出版者
三輪書店
雑誌
脊椎脊髄ジャーナル (ISSN:09144412)
巻号頁・発行日
vol.28, no.11, pp.957-962, 2015-11-25

はじめに 首下がり症候群(dropped head syndrome:DHS)は,頸部伸筋群の筋力低下が主因である頸部の垂れ下がり症状(chin-on-chest deformity)が発生する後弯変形の特殊病態である1).症状としては,飲み込みの悪さからくる摂食困難や洗面の不自由があり,頸部痛を訴える場合も多い.前方注視困難により歩行に支障が生じるなど日常生活にさまざまな困難をきたし,QOLを大きく低下させる. DHSに関する報告は,1886年Gowersの重症筋無力症例が初めてである.原因疾患として,運動ニューロン疾患,多発性筋炎,筋ジストロフィー,多系統萎縮症,パーキンソン症候群,頸椎症,Machado-Joseph病,甲状腺機能低下症,進行性核上性麻痺,脳梗塞など多岐にわたる5,9,17,21).そのため,DHSを診察する場合,その鑑別を行うことが必要である.背景に治療可能な種々の疾患が存在することを考慮して専門医の判断を仰ぐことも必要である. 原因となる基礎疾患がある場合,その治療が必須である.特に神経内科的疾患の場合,内科的コントロールがとれていることが重要である.外科的介入も報告がみられているが,効果は報告によってさまざまであり,統一した結論に至っていない22).頸椎症によるDHSに対しては,手術療法が有効であったという報告も散見されるが,限界があるという意見も多い.しかし,手術による頸椎alignmentや頸部不安定性の改善は,患者の生活の質の向上に有益である場合もある4,16,18,24). 保存療法・観血的療法のいずれも,リハビリテーション(以下,リハと略す)がADLやQOL向上,姿勢改善に有効である場合がある.本稿では,DHSの報告例を再検討し,病態や姿勢の特徴を踏まえリハの可能性について述べる.