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著者
沈 在宇 鈴木 敬夫
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.441-468, 1994-03-31
著者
森谷 公俊 鈴木 革
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

紀元前329年から326年までのアレクサンドロス大王遠征路の実地調査を行った。ウズベキスタン(古代ソグディアナ)では、アムダリヤ川の渡河点および正妃ロクサネの故郷とされるクズルテパ遺跡を調査した。最大の課題は地元住民が立てこもった3つの岩砦の特定であったが、現地の状況により登山は不可能で、完全な実証には至らなかった。パキスタン(古代インド)では北西辺境州において、スワート地方の住民が立てこもったピールサル(古代アオルノス)へ2度の日帰り登山を行い、現場を精査して戦闘状況を復元できた。またインダス川下りの行程を可能な限りたどった。大王の遠征地域がいかに豊かな多様性を持っていたかが認識できた。
著者
鈴木 陽一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
巻号頁・発行日
pp.27-32, 2012-10-30 (Released:2017-09-21)
参考文献数
25

情報通信技術の進歩に伴い,マルチメディア情報通信技術の高次化への期待が高まっている。その方向の一つは,より自然でリアルなコミュニケーションシステムの実現であろう。そのためには,情報の受け手である人を意識し,臨場感や迫真性,自然性など高度感性情報の創出技術及びその評価技術を確立していく必要がある。本稿では,まず,従来用いられてきた感性情報である臨場感を取り上げ,質問紙調査から得られたデータに基づき,臨場感の本質とは何かについて議論を行う。次に,背景的・空間的な「場」の本物らしさに関係すると考えられる臨場感に対して,前景情報を中心とした本物らしさに関連すると考えられる感性印象である「迫真性」を取り上げ,両者の相違について論じ,今後の感性評価に対して,提案を行う。
著者
鈴木 裕子 堀江 良一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.822-826, 2007-09-01

サマリー 慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia,CLL)は,低悪性度成熟B細胞腫瘍の一つである.CLLは,欧米では65歳以上の白血病の40%を占め,1年に10万人当たり3人の発症がみられるが,わが国では20~30分の1以下と稀である.CLL細胞の形態は,通常のリンパ球とは見分けがつかない.定義上は,大きさが赤血球の2倍以下の成熟した小型リンパ球で,細胞質に乏しく,核クロマチンが凝集し,核小体は見られない.CLLの約10%に経過の早いリンパ腫へと変化するものがあり,報告者の名前にちなんでリヒター症候群(Richter's syndrome,RS)と呼ばれる.一般に,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫へと変化することが多いが,ホジキンリンパ腫(Hodgkin's lymphoma,HL)へと変化するものもある.RSの場合,それぞれの組織型に応じた治療が選択されるが,治療への反応が悪く通常1年以内に死亡する例が多い.化学療法での治療強度を上げても,寛解率の上昇にはつながらないとされる.治療後に部分寛解以上になったときに,造血幹細胞移植を行うことが最も長期生存が望めると報告されているが,わが国でのまとまった報告はない.
著者
鈴木 圭 鳥居 春己
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.199-205, 2016 (Released:2017-02-07)
参考文献数
29

本報では静岡県浜松市における,2種の外来リス(クリハラリスCallosciurus erythraeusおよびフィンレイソンリスC. finlaysonii)の分布拡大状況を報告する.これまで浜松市では,これらの外来リスの分布域は東名高速道路の南側の緑地に接しており,東名高速道路が外来リスの分布拡大を遅らせる障壁となっていると考えられていた.しかし本調査の結果,外来リスの分布域はすでに東名高速道路を越えて北側まで広がっていることがわかった.その分布域は東名高速道路から北側に約2 km離れた緑地にまで拡大していた.本調査で明らかにされた分布の最前線から連続した山塊まではわずか7 kmしか離れておらず,それらの間に緑地や小さな林が点在していることから,外来リスの分布域は容易に拡大しそうであり,今後山塊に到達する可能性が高い.山塊における外来リスの根絶は困難になることが予測されるため,分布域がこれ以上広がる前に早急な対応が必要である.
著者
石上 裕 鈴木 茂 滝沢 靖臣
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.331-336, 1995-06-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

クルクミンは, 多年草ショウガ科ウコン (Curcuma Longa) の根茎から抽出される橙黄色の天然色素で蛍光を発し蛋白質膜に染着しやすい性質がある。著者らは, この特異な性質と構造に着目し, 両親媒性の新規な蛍光プローブを得る目的で, クルクミンと各種のアルキルアミン, 塩基性アミノ酸 (アルギニンなど) の中和塩を調製しその性質を調べた。その結果, クルクミンの有機アミン塩は, 表面張力低下作用を示すとともに, 臨界ミセル濃度 (cmc) を持っ界面活性剤となり, また有機アミン塩に誘導することにより, クルクミン水溶液の蛍光が増大し, 変褪色を抑えることを見い出した。また, これらのクルクミン誘導体の蛋白質膜に対する相互作用では, その表面の微視的環境を測定できる (環境プローブ) 可能性が示唆された。さらに, クルクミンのフェノール骨格は, 抗酸化能を持っているので, 選ばれたメチルチオメチル基を導入し, 大きな抗酸化機能を持たせることに成功した。
著者
鈴木 彰容 三戸部 佑太 田中 仁 Volker ROEBER
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_661-I_666, 2017 (Released:2017-10-17)
参考文献数
12

近年UAV (Unmanned Aerial Vehicle)による写真測量技術が発達し,海浜地形測量への適用が始められている.UAVは他の手法と比較してコストが小さいため容易に広範囲かつ高頻度のモニタリングが可能である.本研究ではUAVを用いて約1週間間隔という高頻度かつ継続的な海浜モニタリングを行うことで,より詳細な海浜変形過程を議論することを目的とした.取得された画像に対して汀線解析を実施したところ,日常的に十メートル程度の汀線変動が発生していることが分かった.また撮影期間中の2016年11月22日に福島県沖で発生した津波が対象地域を越流したことを受け,津波による詳細な地形応答を分析するために津波後1,3,5日後に追加で撮影を実施した.津波前後の画像に対して三次元解析を実施したところ,津波によって砂浜表面が平滑化することが分かった.
著者
鈴木 仁之 田中 啓三 金光 真治 徳井 俊也
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.764-767, 2006-07-15 (Released:2008-03-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1 2

Basedow病に胸腺過形成が合併する原因については,いまだ明らかにはされていないが,甲状腺機能亢進症により二次的に胸腺過形成が生じるという説や,ある種の免疫機構の関与を示唆する説がある.今回我々は,Basedow病に合併した胸腺過形成の2例を経験したので報告する.1例は甲状腺機能亢進症の遷延と,胸腺については腫瘍性病変の存在が否定できなかったために,甲状腺亜全摘と胸腺摘出術が施行された.もう1例では甲状腺機能は徐々に正常化したが,腫瘍の縮小を認めないため,生検が施行された.2例とも腫瘍性病変は認めず,胸腺過形成と診断された.しかし組織学的にはリンパ様過形成と真性過形成との違いが確認され,両者における胸腺過形成の背景因子ないし発生メカニズムの違いが示唆された.
著者
大石 如香 丹治 和世 斎藤 尚宏 鈴木 匡子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.370-378, 2015-09-30 (Released:2017-01-03)
参考文献数
17

左頭頂葉梗塞によって生じた非流暢な伝導失語例の発話の特徴について検討した。症例は 81 歳右利き男性, 発話障害と右手指脱力で発症した。接近行為を伴った頻発する音韻性錯語や重度の復唱障害といった伝導失語でみられる特徴的な症状を認めた一方で, 発話速度の低下やプロソディ異常といった伝導失語では通常認められない非流暢性発話を呈した。発話に現れる音の誤り方について分析を行ったところ, 課題によらず音の歪みがみられること, 音韻性錯語の出現率に呼称と復唱で差がないこと, 子音の誤りは置換が多く, 転置が少ないことが明らかとなり, 中心前回損傷でみられる発話特徴に近似していた。病巣は左縁上回から中心後回の皮質下に及んでおり, 中心後回と中心前回は密な機能連合があることから, 中心後回の皮質下の損傷が本例の非流暢な発話に関連していることが示唆された。
著者
鈴木 秀和 遠藤 健司 松岡 佑嗣 西村 浩輔 関 健 堀江 真司 前川 麻人 小西 隆允 山本 謙吾
出版者
三輪書店
雑誌
脊椎脊髄ジャーナル (ISSN:09144412)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.265-269, 2017-04-25

はじめに 成人脊柱変形患者は社会の高齢化に伴い増加し,脊椎矢状面アライメントに関する知見の重要性は増している.加齢による姿勢変化は,胸椎が後弯化し頸椎前弯が増強する傾向にあり,頸椎症の発症に大きく関与することが知られているが1,2,13),骨盤を含めた全脊椎アライメントと頸椎アライメントに関する定量的解析は多くなされていない.頸椎形態は,直線状,S字状,すべりの存在など多様性があり,頸椎前弯の計測法にもさまざまなものがある6).C2-7角は,途中の形態が不明となり前弯の形成の程度が不明となるため,C2-7角で頸椎矢状面アライメントを述べることにも問題があるといわれてきた9).また,頸椎矢状面アライメントは年齢,性差や個体差があるため,正常の定義,病的アライメントの解釈を明確に決めることは難しい11).1968年,石原8)は頸椎弯曲指数(石原指数)を用いて頸椎アライメントの性差,年代による変化があることを述べた7,8)が,徐々に,全脊椎矢状面アライメントとの関連が明らかになり,頸椎アライメントの概念は変化しつつある.近年,日本人を対象にYukawaらは626人の性別,年代別に全脊椎矢状面アライメント計測と,1,200人の頸椎矢状面アライメントと頸椎可動域(range of motion:ROM)を示した11,12).頸椎前弯の消失や後弯発生は,C2-7sagittal vertical axis(SVA)やT1椎体の傾斜と大きな関連があり,頸椎症発生は隣接脊椎のアライメントに強く影響を受ける2,4).本稿では,日本人のデータより得られた健常人の頸椎矢状面アライメントと全脊椎矢状面アライメントとの関係について述べる.
著者
荒川 歩 鈴木 直人
出版者
JAPAN SOCIETY FOR RESEARCH ON EMOTIONS
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.56-64, 2004-01-31 (Released:2009-04-07)
参考文献数
19
被引用文献数
16 11

Categorical theory (e. g. Ekman, 1971) and dimensional theory (e. g. Russell, 1980) are popularly used to describe feelings and emotions. However these two theories have been largely ignored in gesture studies. One reason appears to be that the research has been based on of facial expressions and words, as such as not been applied to other studies.This research examined the relationships between feelings and hand movements. 106 students (53 pairs) participated in the experiment, where they talked to each other about various emotional themes, and then filled in questionnaires on their feelings. Their conversations were videotaped. The cumulative duration of self-adaptors and gestures, as well as the velocity, size, smoothness and accent of the gestures was rated by 3 coders. The results indicated that some feelings do have an affect on self-adaptors and gestures, while other feelings, however, were different that the theoretical underpinnings would have suggested.
著者
髙橋 正弥 上野 瞳 佐藤 直人 鈴木 香澄 稲葉 洋美 澁谷 顕一
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.136-141, 2018 (Released:2018-03-09)
参考文献数
16

The purpose of the present study was to estimate the minimal food cost based on the dietary reference intake for Japanese people. For this purpose, we calculated the minimal food cost using mathematical optimization. To calculate a food plan for each age-gender group, 68 mathematical optimization models for each of the food plan groups were employed. For the calculation of mathematical optimization models, we used data based on the dietary reference intake for Japanese people and a retail price survey by the Statistics Bureau of the Japanese Government. We established four categories (25%, 50%, 75% and 85% for standard food intake). From these restrictions, we calculated the minimal food cost using mathematical optimization. The normal food cost per month for adult males (18-29 years) was 41,865 Yen, and for adult females (18-29 years) was 26,037 Yen. Based on these results, we were able to estimate the minimal food cost for families in order to prevent lifestyle related diseases. In this study we used computed ingredients instead of food to calculate optimal combinations, so it has not been verified whether these combinations can be realized in practice. In order to put the results of this study into practice, it is necessary to verify the results of the calculation and the connection between cooking and menu planning.
著者
庄 莉莉 村上 かおり 鈴木 明子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.42, 2017 (Released:2017-07-08)

【目的】現在,ブラジャーは女性の生活必需品となっており,その装着が適切であるかどうかは女性の心身に大きな影響を与えているため,ブラジャーを着け始める思春期から,正しい知識をもってブラジャーを装着することが求められる。本研究では思春期の女子のブラジャー装着の現状や課題,またその第二次性徴に関わる下着教育の必要性や課題を明らかにすることを目的とした。  【方法】ワコール及びグンゼなどの調査資料に基づき,思春期の女子のブラジャー装着の現状や課題を追究した。また,歴史,教育,被服衛生などに関する先行研究を整理し,日本におけるブラジャーの普及や変遷の歴史的背景を踏まえ,家庭,学校や下着メーカーでの下着教育の現状や課題を分析した。 【結果】バストの発達やブラジャーの装着に悩みを抱え,その正しい知識を持たないままブラジャーを着け始める思春期の女子が多いため,早い時期にバスト発達に関する知識とブラジャー装着の指導が求められることが明らかになった。一方,下着教育の重要な場である家庭では,その教育が機能せず,学校教育でもほとんど行われていない。下着メーカーは思春期向けのブラジャーの開発や下着教育を積極的に行っているが,いずれも大都市圏だけに限定されている。また,学校での下着教育については約20年前のデーターしか見られない。以上から,思春期の女子及びその親の下着教育に関する認識の実態を明らかにする必要性が認められた。