著者
鈴木 雅光
出版者
東洋大学大学院
雑誌
東洋大学大学院紀要 = Bulletin of the Graduate School, Toyo University (ISSN:02890445)
巻号頁・発行日
no.50(文学(英コミ)), pp.263-272, 2014-03-15
著者
鈴木 光太郎
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、実験心理学における空間知覚の諸問題の歴史をたどり、西洋の近世哲学の問題意識が、近・現代の実験心理学にどのように引き継がれたのかを明らかにすることを目的とした。研究では、17・18世紀の哲学者が「モリヌー問題」や「倒立網膜像問題」などの問題をどのようにとらえていたかを明らかにした上で、そこで措定された問題に答える形で、実験心理学者が「先天盲の開眼手術」の研究、「逆さメガネ」や「顔面視」の実験を行なったという経緯を明らかにした。
著者
山本 恭子 鈴木 直人
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-9, 2007

Previous studies have suggested that the expression of smiles while viewing an emotionally loaded stimulus is facilitated by the presence of friends. This effect seems to be mediated by communication motives. If smiles had a communicative function, a person in front of friends would smile not only during the stimulus presentation period but also after it. In the current study, pairs of friends or strangers were videotaped during and after they viewed film clips, which were expected to elicit positive or negative affects; the control group did not have partners. We measured the duration and the frequency of smiles, frowning, and looking at their partners. Smiles were facilitated by the presence of a friend rather than that of a stranger or than being alone. In the post stimulus presentation period, pairs of friends and strangers smiled a lot, but not lone participants. Gazing also occurred during the post stimulus presentation period. These results suggested that the expression of smiles and gazing could be classified as affiliation behavior with partners.
著者
鈴木 泉
出版者
The Philosophical Association of Japan
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.63, pp.25-44_L3, 2012

Cet essai se propose d'éclaircir la structure élémentaire du corps humain à travers notre expérience fondamentale après le «3.11» : la Terre en tant qu'archeoriginaire et «le sol de notre expérience» se peut mouvoir. Cet expérience, n'est pas un simple fait quotidien, qui se répète dans l'histoire humaine et peut tomber dans l'oubli, mais une occasion privilégiée et inoubliable, qui nous permet d'éveiller notre condition primordiale de la vie humaine et nous force à penser philosophiquement le caractère à la fois fondamental et vulnàrable de trois sortes de positions existentielles basées sur la structure élémentaire du corps humain : la station verticale, la position horizontale et la position assise. C'est une tradition philosophique tenace concernant l'usage philosophique d'une série de métaphores autour de «la Terre» et la thématisation phénomenologique de «la main» qui cachent le caractère mouvant de la Terre et la vulnérabilité et la plasticité éventuelle de notre condition humaine.<br>L'expérience fondamentale de la vulnérabilité de notre condition humaine ne demande pas nécessairement le rétablissement de la foi en la Terre, mais pourrait ouvrir la voie à une nouvelle pensée authentiquement philosophique sur la «demeure» et une transformaton inexpérimentée de la structure élémentaire du corps humain.
著者
鈴木 亜夕帆 渡邊 智子 渡邊 令子 中路 和子 満田 浩子 井上 小百合 山岡 近子 西牟田 守 宮崎 秀夫
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTEGRATED STUDY OF DIETARY HABITS
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.259-269, 2015
被引用文献数
1

自立した生活をしている81歳の男女58名の3日間の食事秤量調査を行い,食生活の実態について検討した。1) 血液検査値,体位およびBMIは,それぞれ正常範囲内であった。2) 男女とも嗜好飲料類の摂取量が一番多く,次いで,穀類の摂取量であった。穀類摂取量の変動係数は,食品群の中一番低く,藻類および菓子類は,男女で摂取量の個人差の違いが異なる食品群であり,女性は男性に比べ,菓子類の摂取量が多く,そのばらつきも少なかった。3) エネルギー摂取量は,男性2,077kcal,女性1,761kcalで男女とも適正であった。エネルギー産生栄養素比率は,たんぱく質:男性15.4%,女性15.2%,脂質:男性23.9%,女性24.1%,炭水化物:男性56.6%,女性59.9%,アルコール:男性4.1%,女性0.7%であった。4) イコサトリエン酸およびアラキドン酸で男性が女性よりも有意に多く摂取していた。エイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸の合計摂取量は,1.1g (男性1.2g,女性1.0g) であった。5) グルタミン酸,次いでアスパラギン酸が多く摂取されていた。6) ショ糖,次いでぶどう糖および果糖が多く摂取されていた。7) 日本人の食事摂取基準2010年版から対象者の個人別必要エネルギーを算出した値と,実摂取量とを比較すると,男女ともに1%以内の相違にすぎなかった。 これらのことから,自立して生活している高齢者のエネルギー摂取量および栄養素別エネルギー摂取比率は食事摂取基準の適正範囲内であったが,食品群別摂取量を見ると男女別に特徴があることがわかった。
著者
竹渕瑛一 鈴木浩 服部哲 速水治夫
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2013-GN-86, no.24, pp.1-5, 2013-01-09

近年,投稿されたコンテンツに対して利用者が自由にタグを付けられるサービスが増加している.それに伴い,コンテンツに付けられたタグ群を自動分類する研究も盛んになっている.自動分類の一つとしてタグの階層化が挙げられる.タグの親子関係を構築することにより,検索の利便性を向上させる研究である.一方で,現状の研究では不特定のタグを階層化するため,目的のタグが見つからない問題がある.本論文は Pixiv を対象に,二次創作イラストに付けられるジャンルタグを自動分類する手法 (ジャンルタグ分類法) について述べる.ジャンルとは, 2 次創作における原作を意味している.ジャンルタグ分類法とは,対象のイラストのタグ群から,対象のイラストと同様なタグを付けたイラストとの相互関係によりジャンルタグの推定を行う手法である.ジャンルタグの分類を行うことによって,階層化されたタグのうち,どの階層にジャンルタグが存在するか特定できるようになる.
著者
肥田 典子 手塚 美紀 熊坂 光香 三邉 武彦 鈴木 立紀 龍 家圭 山崎 太義 廣澤 槙子 田中 明彦 大田 進 相良 博典 小林 真一 内田 直樹
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.542-550, 2015

気管支喘息 (喘息) は気道の慢性炎症,可逆性のある気流制限,気道過敏性亢進と繰り返し起こる咳,喘鳴,呼吸困難で特徴づけられる閉塞性呼吸器疾患である.喘息予防・管理ガイドライン2012では吸入ステロイドが長期管理薬の中心に位置づけられ,治療目標として健常人と変わらない日常生活が送れること,喘息発作が起こらないこと,非可逆的な気道リモデリングへの進展を防ぐこと等が掲げられており,ガイドライン導入後の喘息死は確実に減少している.しかし,アドヒアランス不良による喘息発作による救急外来受診は少なからず存在し,入院治療を要する例もある.これまでに長期間の喘息治療薬の休薬が呼吸機能検査に及ぼす影響を検討した報告は多くあるが,短期間休薬の影響については検討が不十分である.今回,症状安定期の喘息患者において喘息治療薬を短期間休薬し,休薬前後での呼吸機能の変化を検討したので報告する.健康成人15名および喘息患者20名についての呼吸機能検査 (forced vital capacity; FVC,forced expiratory volume in one second; FEV1.0,forced expiratory volume % in one second;FEV1.0%,percent predicted forced expiratory volume in one second; %FEV1.0,V25,V50,peak expiratory flow; PEF) 結果を,2014年4月から7月に昭和大学臨床薬理研究所にて実施した治験のデータより抜粋して解析を行った.喘息患者では吸入ステロイドのみ継続し,治療薬の種類によって中止期間を指示した.長時間作用性β2刺激薬は48時間前から,ロイコトリエン受容体拮抗薬は24時間前から,抗アレルギー薬は72時間前からの休薬とした.各呼吸機能検査値について比較検討した.健康成人では2回目来院時ではFEV1.0%,V50,V25値の有意な増加を認めた.一方喘息患者では2回目の来院時のPEFが有意に低下した.特に喘息治療薬として吸入ステロイド/長時間作用性β2刺激薬配合剤を使用している症例では休薬によるPEF低下率が大きかった.喘息患者では,短期間の治療薬休薬によって自覚症状の増悪がなくてもPEF低下がみられることが確認された.短期休薬によるPEF低下と長期休薬による喘息コントロールの悪化との関連について今後の検討が必要であり,喘息コントロール良好を維持するためには,アドヒアランス向上を目的とした患者教育が重要と考えられた.
著者
三好 哲也 中易 秀敏 鈴木 大介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第22回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.139, 2006 (Released:2007-05-30)

本研究では、まず自動車運転時に運転状況に応じて眼球運動が変化しているかどうかを確認し、自動車運転時の眼球運動特性を明らかにする。そして、眼球運動と視野画像の関連性を分析することで、眼球運動を誘発する条件や環境を明らかにする。視野画像全体を特徴づける指標として、視野画像のフレーム間の各画素のRGB値の差の総和を取り上げ、眼球運動特性との関係性を考察する。
著者
鈴木 毅彦 斎藤 はるか 笠原 天生 栗山 悦宏 今泉 俊文
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.1-16, 2016-02-01 (Released:2016-03-15)
参考文献数
39
被引用文献数
6

東北日本弧南部,福島県会津坂下町で得た3本のボーリングコアからテフラを検出し,これらの認定を行い会津盆地中西部地下のテフラ層序を確立した.また放射性炭素年代測定も実施し,それらの結果と合わせて盆地堆積物の年代と堆積速度を求めた.地下約100m以浅の堆積物はシルト・泥炭・砂を主体とし,ところにより礫層やテフラを挟む.認定したテフラは上位からNm-NM(5.4ka),AT(30ka),DKP(55~66ka),Nm-KN,Ag-OK(<85.1ka),TG(129ka),Sn-MT(180~260ka)である.最長コアから得た堆積速度は,地表/DKP間で0.46~0.55m/kyrs, DKP/TG間で0.19~0.23m/kyrsである.
著者
鈴木 将司 宮内 俊幸 水野 佑哉 石川 徳久
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.33-38, 2016-01-05 (Released:2016-02-06)
参考文献数
21

ケナフ中のセルロースを濃塩酸で加水分解し,生成した還元性末端基(アルデヒド基)を過マンガン酸カリウムで酸化することによってカルボキシル基を有する弱酸性型陽イオン交換体を得た.このイオン交換体の交換容量は2.80 Cu(II) meq g-1– Rと高く,吸着速度も速く30分以内で吸着平衡に達した.また,金属イオンの吸着はpH=2.5以上から始まり,従来のカルボキシル基型イオン交換体と比較し低pH領域からの吸着が認められた.カラム法を用いて本交換体に対する銅イオン及び白金族金属イオンの吸着挙動を調べたところ,銅(II),ルテニウム(III),ロジウム(III)及びパラジウム(II)は吸着するが,他の白金族金属イオン,すなわちイリジウム(III),オスニウム(IV)及び白金(IV)は吸着しない.また,カラム内に保持された白金族金属イオンは塩酸溶離液でCu(II) – Pd(II) – Ru(III)及びCu(II) – Rh(III) – Ru(III)の三元分離ができた.さらにノートパソコン基板を王水処理し,その中に存在する銅(II)及び白金族金属イオンの回収について検討した.
著者
元川 竜平 遠藤 仁 横山 信吾 西辻 祥太郎 矢板 毅 小林 徹 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2015年度日本地球化学会第62回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.190, 2015 (Released:2015-09-03)

福島第一原子力発電所の事故により環境中へ放出された放射性セシウムが、福島県を中心に広範な地域に対して環境汚染をもたらした。放射性セシウムは、水を介して拡散し、土壌に吸着しているが、その中でも特に風化黒雲母・バーミキュライトといった特定の粘土鉱物に濃縮され、強くとり込まれることが明らかにされている。そこで我々は、X線小角散乱(SAXS)法を用いて、バーミキュライト・風化黒雲母/セシウム懸濁液の構造解析を行い、セシウムイオンの吸着に伴う粘土鉱物の構造変化を明らかにした。
著者
鈴木 信孝
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:13478397)
巻号頁・発行日
vol.131, no.4, pp.252-257, 2008-04-01
被引用文献数
2 5

欧米の先進諸国において,補完代替医療(CAM)の利用頻度は近年急速な増加傾向にある.また,わが国でも,患者自身の治療選択における自己決定意識の高まりに加え,インターネットの普及などから,実際の医療現場でもCAMの利用者が急速に増加していることが指摘されている.このような背景のもとに,2001年に厚生労働省がん研究助成金による研究班が組織され,わが国におけるがんの補完代替医療の利用実態調査が全国規模で行われた.そして,がん患者の44.6%(1382/3100名)が,1種類以上の代替療法を利用していることが明らかになった.さらに,利用されているCAMの種類としては,健康食品・サプリメント(漢方・ビタミンを含む)が96.2%と群を抜いて多いことや,使用頻度の高いものとしてアガリクス(60.6%),プロポリス(28.8%),AHCC(7.4%),漢方薬:OTC(7.1%)などがあることもわかった.また,半分以上の患者が,十分な情報を得ずにCAMを利用していることや,患者と医師の間にCAMの利用に関して十分なコミュニケーションがとれていないことも判明した.たしかに,サプリメントが薬理学的に高い効果を示すかどうかは懐疑的である.しかし,患者側の立場としては,たとえわずかであっても効果が認められるものがあれば取り入れたいと思うのは当然であろう.今後,氾濫するサプリメントの情報の中で,科学的に的確なものを見極め,総合的な医療としてサプリメントなども利用した健康管理も必要となろう.本稿では,まずCAMを概説し,わが国における食品の分類,サプリメントの安全性や米国で進む植物性医薬品(Botanical Drug)の研究・開発についても解説する.<br>
著者
浜島 幸司 鈴木 夕佳 岡部 晋典 ハマジマ コウジ スズキ ユカ オカベ ユキノリ
出版者
同志社大学学習支援・教育開発センター
雑誌
同志社大学学習支援・教育開発センター年報 = Doshisha University annual report of Center for Learning Support and Faculty Development
巻号頁・発行日
no.6, pp.3-27, 2015-10-23

第一部研究論文・文献紹介<研究論文>本稿では同志社大学良心館ラーニング・コモンズ(LC)のヘビーユーザー(高頻度利用者)へのインタビュー調査から、彼らの利用実態と学習特性を明らかにした。LC全体および一部エリアの利用統計を確認後、学生の利用目的、学習内容、自覚する学習成果といった特徴を抽出した。LC内での学習行動パターンを確認した。これらの知見をもとに授業外学習施設が果たす意義と今後の学習支援の方向性を論じた。
著者
湯木 正史 鈴木 清美 杉本 典子 樋口 貴志 鈴木 秀典 石川 勝行
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.721-724, 2004-11-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
11

免疫介在性溶血性貧血 (Immune-mediated hemolytic anemia: IMHA) と診断した犬2例に対し, プレドニゾロン, シクロスポリン, アザチオプリン, ヒト免疫グロブリン製剤, 輸血などによる治療を行ったが, 貧血の改善が得られなかった. そこでシクロスポリンの10~100倍の免疫抑制作用を持つとされるタクロリムス (FK506) を併用したところ, 1例では貧血の著明な改善が, 他の1例ではPCVの維持が認められた.
著者
岩田 泰士 鈴木 育男 山本 雅人 古川 正志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.2752-2759, 2009-11-15

ネットワーク可視化技術は,ネットワークを大域的に俯瞰することで,その構造的特徴をとらえ,ノード間のリンク関係だけでは見えにくい新たな情報を見つけ出すうえで有用な技術である.本研究ではネットワークの可視化に対して,自己組織化マップ(SOM)の学習機構を利用した可視化方法を適用する.従来のSOMに基づくグラフレイアウト方法であるISOM(Inverted Self-Organizing Map)は,従来の力学的手法に比べ非常に高速であり,隣接ノードどうしが近い位置に配置されるという利点により,ある程度の意味を持つ結果が出力可能である.しかし,一方で可視化結果が信号領域で歪められる現象が起こる問題点を持つ.本研究ではこの問題点を解決する方法としてDSSOM(Dynamically-Signaling Self-Organizing Map)を提案し,その有用性を検証する.
著者
鈴木金輔 編
出版者
大川屋書店[ほか]
巻号頁・発行日
1896
著者
城戸 健一 鈴木 英男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.186, pp.25-30, 2007-08-02

本文では瞬時周波数を波形の瞬時位相の時間微分として,その性質について考察する。瞬時位相を求めるためには,その波形と直交する(位相がπ/2遅れる)波形が必要であるが,それはスペクトルの正の周波数範囲に-jを,負の周波数範囲にjを乗じてフーリエ逆変換することでつくられる。これは波形から解析信号をつくることと同じである。数列で波形が表されているときには,時間による微分の代わりに差分を用いるので,サンプリング周波数を十分に高くすることと,偏りが生じないように両側差分を用いることが必要である。波形が高調波を含むときには,それによって瞬時周波数が負になることもある。本文ではその理由をベクトル図によってわかりやすく説明する。振幅変調波形あるいはFM波形の瞬時周波数について興味深い現象が生じることを述べ、最後に,正弦波の瞬時周波数は時間にかかわらず一定であるのに,ある時点で急に始まる正弦波の瞬時周波数がその時点で2倍になることを計算例によって示す。