著者
関 喜一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.58, pp.87-90, 2011-05-13

電子情報技術を活用した視覚障害者のための歩行支援技術の変遷を概説する.1960年代より,電子技術を活用した歩行補助装置なるものの開発が始まった.この時代の歩行補助装置は主に超音波センサを用いた障害物探知機であった.これらの機器は視覚障害リハビリテーションへの導入が試みられたが,やがて下火になった.その後,障害物探知機ではなく,視覚障害者のナビゲーションシステムがさかんに開発された.やがて,互換性のないナビゲーション技術が乱立する状態になった.現在,これらの技術の標準化が進められている.
著者
後藤 仁志 関野 秀男 墨 智成 市川 周一
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は大きく分けて(1)マルチ分子オブジェクト法のための分子計算プラットフォームの構築、(2)階層化分子シミュレーションのための分子計算技術の開発、(3)不均一計算タスクの負荷分散アルゴリズムの開発、の3つの部分からなる。それぞれに関する研究実績の概要を以下に示す。(1)マルチ分子オブジェクト法による並列化効率と計算精度の向上を目指し,大規模系の結晶シミュレーション技術の開発を行った。その結果,分子間相互作用エネルギー和で14桁までの精度保障を実現すると伴に,およそ4億原子で構成された直径0.1μmもの分子性結晶計算に成功した.また、実用化レベルで結晶多形間の相転移シミュレーションによる熱力学解析法の開発に成功した.(2)マルチウェーブレット基底を用いたTDHF/TDDFT時間依存シュレディンガー方程式の解法や超分極率の算定法などの開発を行なった.これらは,現時点では大規模系への適用は容易ではないが,今後,不均一系に対する密度汎関数理論の開発へ展開することが大いに期待できる結果となった.(3)分子シミュレーションの計算タスクに対して演算性能が不十分なヘテロ分散計算環境では,実践的な負荷分散アルゴリズムは困難であることが分かった.そこで,分子シミュレーションに利用されることが多いマルチコアCPUをクラスター化したヘテロ分散環境を想定し,マルチコア/マルチスレッドシステムの負荷分散アルゴリズムめ開発に着手した.
著者
紅野 謙介 藤森 清 関 礼子
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究は、近代日本において女性/男性の差異と境界が文学言説においていかに構成されたかを探る動態的なジェンダー研究を目的としてスタートし、そこでわたしたちは共時的な観測をおこなうとともに通時的な観点からの考察を行ってきた。最終年度の研究成果は以下のようになっている。藤森清は、1910年前後の文芸雑誌や文芸記事を精査するかたわら、男性作家が女性を表象する際のバイアス、また男性ジェンダーの構成のありようを探り、具体的には夏目漱石や森鴎外の小説を分析することを通して同性愛嫌悪と女性嫌悪の痕跡を見いだした。また関礼子は、1890年から1910年にかけての女性表現者の文体を調査するかたわら、草創期『青鞜』を細かく分析することを通して、擬古文から言文一致にいたる文体にあらわれた「ジェンダーの闘争」を摘出した。紅野謙介は、1920年前後の雑誌メディアを調査し、なかでも与謝野晶子の批評活動をとらえ、その批評にジェンダーの枠組みを越える可能性を発見するとともに、菊池寛とは異なる「文学の社会化」のコースを見いだした。また本研究の研究協力者である金井景子によって、教科書教材に見られるジェンダー偏差が指摘され、ジェンダー規範からの解放を目指す教育の方法論が提起された。補助金の支出に際しては、ひきつづき図書資料の購入や各種図書館・文学館での貴重資料のコピーのデータ整理を行った。また数回にわたり、収集と整理の結果を報告する研究会を都内で開催した。研究会にはほかに常時10入程度の研究者の参加があった。3年間の研究をへて、近代文学研究とジェンダー研究のクロスする領域がはっきりと見えてきた。これらの成果をふまえ、2001年5月には日本近代文学会春季大会において「ヘテロセクシズムの機構」と題されたシンポジウムが開催され、藤森清が司会を、金井景子が発表を担当し、ほかにも本研究会の参加メンバーが運営に関わった。その内容は岩波書店から刊行された「文学」2002年2月号に掲載されている。
著者
寺田 崇寿 小黒 伸也 鎌田 一雄 関 宣正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.273, pp.1-6, 2007-10-12
被引用文献数
1

全日本ろうあ連盟編纂の「わたしたちの手話」を対象として、コンピュータなどで簡単に検索ができる手話記述方法について、検討を進めている.本稿では、掲載手話(総数4,122語)の中から、構成が単純な手話を除いた複合的な手話(総数1,660語)を対象として、語構成について検討している.まず、先に報告した手話の要素抽出結果を利用して、複合的な手話の構造的特性について分析している.この結果、複合的な手話はほとんどが2つの構成要素(平均要素数は2.13)からなり、その結合の形態はほとんどが逐次的な形態(97.7%)であることがわかる.手話の特徴である同時的な結合は、対象とした辞書(わたしたちの手話)に掲載されている手話の2.3%にすぎない.また、複合的な手話を構成する要素の平均的な使用頻度が2.67と低いことがわかる.次に、複合的な手話の構成の意味的な側面を、手話の見出し語(日本語)について検討した結果も述べている.
著者
関川 泰寛
出版者
The Japan Society of Christian Studies
雑誌
日本の神学 (ISSN:02854848)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.30, pp.46-62, 1991-09-05 (Released:2009-10-23)
参考文献数
47
被引用文献数
1
著者
山内 敏正 神谷 英紀 宇都宮 一典 綿田 裕孝 川浪 大治 佐藤 淳子 北田 宗弘 古家 大祐 原田 範雄 幣 憲一郎 城尾 恵里奈 鈴木 亮 坊内 良太郎 太田 康晴 近藤 龍也 日本糖尿病学会コンセンサスステートメント策定に関する委員会
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.91-109, 2020-03-30 (Released:2020-03-30)
参考文献数
158
被引用文献数
1

「糖尿病診療ガイドライン」は,エビデンスに基づく糖尿病診療の推進と糖尿病診療の均てん化を目的とし,3年ごとに改訂され刊行されている.「糖尿病診療ガイドライン」の策定は然るべきプロセスを踏まえる必要があり,糖尿病診療に必要なアップデート事項を毎年ガイドラインとして刊行することは困難である.そこで,日本糖尿病学会として,今後はアップデート事項を適宜コンセンサスステートメントとして刊行していくことを決定した.そのため,日本糖尿病学会理事会の下に,事務局長,事務局長代行並びに幹事からなる「コンセンサスステートメント策定に関する委員会」を設置し,本委員会が中心となって,アップデートの必要なテーマの選択とその執筆者を選び,理事会の承認を得た後に執筆を行った.本コンセンサスステートメントについては,全理事が査読者を務めた.また,他学会ガイドラインとの整合性の観点から,関連学会に外部評価もお願いした.本コンセンサスステートメントは,我が国における糖尿病診療に関する考え方について,テーマごとにできうる限り新しいエビデンスを含め,我が国の専門家間でのコンセンサスが得られた見解を取り纏めたものとご理解いただき,最善の糖尿病診療を行う上で活用していただきたい.糖尿病患者数は世界のどこよりも急速にアジア地域で増加しており,世界の糖尿病人口の3分の1はこの地域に集中していることから,我が国からコンセンサスステートメントをタイムリーに示していくことは,極めて重要な意義を有することと考えられる.今後,英語版の刊行も予定している.今回は,その第1報として,「糖尿病患者の栄養食事指導」をテーマにコンセンサスステートメントを作成した.我が国における糖尿病患者に対する栄養食事指導の考え方やその指導について,アップデートが必要なフォーカスすべき4つの内容(目標体重および総エネルギー摂取量の設定,炭水化物の摂取量,タンパク質の摂取量,管理栄養士による栄養食事指導)で構成している.主に糖尿病の管理を目的としたものであるが,タンパク質の摂取量においては,糖尿病性腎症やサルコペニア,高齢者の場合に関しても言及している.コンセンサスステートメントは,今後も糖尿病診療について適宜アップデートが必要なテーマを選び,できうる限り最新のエビデンスを盛り込みながら定期的に刊行していく.コンセンサスステートメントが,我が国での糖尿病診療の向上に貢献することを期待するとともに,新しいエビデンスを加えながら,より良いものに進化し続けていくことを願っている.
著者
櫻井 陽奈子 笹尾 健一郎 菅原 洋子 入野 志保 武部 元次郎 土屋 悠海 関根 和彦
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.307-310, 2018-12-31 (Released:2018-12-28)
参考文献数
5

症例は67歳独居男性。肺扁平上皮癌に対する左肺全摘除術後の II 型呼吸不全のため在宅酸素療法導入中であった。居室で倒れているところを知人に発見されて救急搬送となり, 深昏睡のため緊急気管挿管後に原因を検索した。トライエージ DOA®でtetrahydrocannabinol (THC) 反応陽性を認めたが, 特定のトキシドロームはなく, II 型呼吸不全急性増悪による意識障害と判断された。支持療法のみで速やかに呼吸不全から離脱し, 覚醒後に患者は大麻の使用歴を否定した。廃用萎縮の進行により入院中の大麻使用は不可能であったが, 退院前 (第100病日) のトライエージ DOA®でもTHC反応が陽性を呈した。入院中もHIV感染に対してエファビレンツ内服が継続されたが, エファビレンツの内服により簡易型尿中薬物検出キットでTHC偽陽性を示すことが文献で報告されていることから, 偽陽性が考えられた。
著者
関根 聡 乾 健太郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.3-5, 2015-12-15

本稿では,2014年春から2015年春にかけて自然言語処理の研究者らによって行われたProject Next NLPというプロジェクトを紹介する.本プロジェクトではエラー分析を通じて自然言語処理技術の方向性を考える目的で,ボランティアベースで100名を超える研究者が参加して行われた.自然言語処理で重要な基礎技術,要素技術,応用技術について18個の技術に分け,それぞれの研究している研究者を集い,協調的にそれぞれの分野の技術の分析を行った.分析の方法は各グループに委ねたところ,さまざまな方法での分析が行われ,エラー分析の方法論の研究という側面も持っている.本プロジェクトの紹介により,自然言語処理以外の情報処理分野に対して,エラー分析を通した研究やグループによるエラー分析の重要性が伝わると存外の喜びである.
著者
浅野 涼太 増井 勝弘 大野 彦栄 大関 佑弥 三浦 弘毅
出版者
日本湿地学会
雑誌
湿地研究 (ISSN:21854238)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.89-96, 2022 (Released:2022-11-10)
参考文献数
40

ウシガエルは1918 年に食用を目的とした養殖のため持ち込まれたものである.1932 年からは海外への輸出がはじまり,当時の日本では重要な水産資源であったが1969 年にアメリカ合衆国に輸出されたウシガエルから農薬汚染が発覚し,アメリカ合衆国への輸出が停止となった.現在では在来生物を脅かす厄介者として駆除の対象となっている.我々は実際に鳥屋野潟で行われていたウシガエル漁の再現を試みた.
著者
関澤 純
出版者
一般社団法人 日本リスク学会
雑誌
リスク学研究 (ISSN:24358428)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.31-42, 2022-09-15 (Released:2022-09-23)
参考文献数
73

Recently attention is focused on the disposal of treated radioactively polluted water to the ocean from collapsed Fukushima nuclear power plant. Japanese government claiming safety of the treated water, is trying to mitigate “reputational damages” of Fukushima fishery people. However, there are real risks with the damaged plant, such as lowering of water level in the reactor vessel by a big earthquake early 2021. After the plant accident, Japanese government forced the Fukushima residents to leave their home towns by setting difficult-to-return zones, etc. Besides, Japanese government set new strict rules on radioactive pollution of foods. These regulations have caused difficult situations in living conditions of Fukushima people through long time evacuation and superfluous testing of many foods etc. Consequently, based on these critical governmental regulations, not only “reputational damages”, but real serious damages, are brought about to many people. Rules must be based on basic safe sciences and be reasonable in minimizing possible risks to people and the society. This paper is dedicated to the Ukrainian who suffer from unjustifiable war crime.
著者
内野 克喜 山村 喜一 齋藤 侑也 磯崎 貞夫 田村 善藏 中川 冨士雄 関根 一雄 小島 至
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.104, no.10, pp.1101-1107, 1984-10-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

We developed a simultaneous detection method of 9 kinds of diuretics in the urine by using thin-layer chromatographic (TLC) method and/or high-performance liquid chromatographic (HPLC) method. The diuretic drugs were extracted from the urine according to modified Tisdall et al. method by use of 1M phosphate buffer and ethylacetate. The TLC method was performed with a commercially available chromatographic plate containing mixed fluorescent substance and isopropyl alcohol-ammonia mixture as a development solvent. The HPLC method was accomplished with UV detection at 271nm. To examine the limit of detection of the methods, normal subjects were individually administered with commercially available tablets of 11 kinds of diuretics, 9 drugs were detected from 24 h urine of normal subjects. However, 2 drugs were not detected. By applying these methods to urine samples of female patients with hypokalemia, furosemide (FD) and trichlormethiazide (TCT) were detected. The chromatographic peak of FD on HPLC method was further assigned by mass spectrometry. The quantitative determination of TCT in the urine was also developed by HPLC method, and the urine concentration in a patient with self-administration of TCT was 0.80μg/ml.
著者
古関 一則 吉川 憲一 前沢 孝之 浅川 育世 水上 昌文
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.271-279, 2015-06-20 (Released:2017-06-09)
被引用文献数
1

【目的】リハビリテーション病院(以下,リハ病院)入院時点の身体状況から,脊髄不全損傷者の歩行獲得に影響を及ぼす因子および予後予測のアルゴリズムを明らかにすること。【方法】脊髄損傷者87名を対象に診療録より後方視的に調査した。調査項目は入院時の基本情報,神経学的情報,動作能力等を含む14項目とし,退院時の歩行自立度を従属変数としたロジスティック回帰分析を行った。【結果】自立歩行獲得にはASIA Impairment Scale・寝返り・Functional Independence Measure認知合計・Walking Index for Spinal Cord Injury IIが,屋外歩行獲得には受傷年齢・立位が予測因子として挙げられた。【結論】リハ病院において使用可能な客観的予後予測の指標を作成できたことは,計画的かつ効率のよい介入内容の選択や目標の統一を図るうえで大きな意義がある。

4 0 0 0 星學捷徑

著者
関藤成緒訳
出版者
文部省
巻号頁・発行日
1874
著者
井関 竜也
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.1_267-1_291, 2020 (Released:2021-06-16)
参考文献数
42

中央政府と地方政府の対立を憲法裁判所が規律する制度は広く採用されている。そのような制度の下で、いつ、なぜ、国は地方政府を相手どって訴訟を提起するのだろうか。本論は、国は党派性の異なる州政府に対する選挙戦略、具体的にはネガティブキャンペーンとして訴訟を提起していることを論証する。憲法裁判所の一例であり、国による訴えが認められる割合が低いにもかかわらず、国が州政府に対して多くの訴訟を提起していたイタリア憲法裁判所を事例にタイムシリーズ・クロスセクション重回帰分析を行ったところ、以下の結果が得られた。第一に、国は党派性の異なる州政府に対して、より多くの訴訟を提起している。第二に、党派性の異なる州政府に対する訴訟提起は、訴訟提起が地方選挙に及ぼす影響が大きくなると考えられる州議会選挙直前期に増加している。以上の結果は、たとえ憲法裁判所が中央政府の意向に反した行動をとりうるとしても、憲法裁判所への訴訟提起自体が、中央政府によって選挙戦略として活用されうることを示唆している。
著者
高野 武男 関田山脈団体研究グループ
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.117, no.5, pp.901-918, 2008-10-25 (Released:2010-04-27)
参考文献数
49

We studied the morphogenetic movements associated with the formation of the Sekita Mountains and Iiyama Basin situated at the boundary between the Niigata and Nagano prefectures in central Japan. As a result, we obtained following conclusions. (1) The morphogenetic movement of the Sekita Mountains is a semicylindrical upwarping originating from faulting at both sides of the mountains. The origin was an inclined thrust of a basal block. In addition, it is assumed that the upheaval of the mountains due to a change in isostasy caused by erosion resulted in the four-thousand meter thick strata that constitutes the mountains, and erosion originated from a fold in the strata occurring in the middle Pleistocene. (2) The morphogenetic movement constituting the Iiyama Basin is a reverse fault, which originated from tilting and drawing of the basal crust as a result of a semicylindrical upwarping of the Kato Mountains situated at the east side of the Iiyama Basin. The upwarping was caused by magma ascending from a deep part of the crust. Therefore, the Iiyama Basin was formed as a fault-angle basin. The mountain body of Kenasi Volcano tilted toward the west through the process of forming the Iiyama Basin. We think the Iiyama Basin continued to subside at the rate of about one millimeter a year in the Holocene, based on radiocarbon dating of drilling core samples collected from sediments in the alluvial lowlands.
著者
糖尿病診断基準に関する調査検討委員会 清野 裕 南條 輝志男 田嶼 尚子 門脇 孝 柏木 厚典 荒木 栄一 伊藤 千賀子 稲垣 暢也 岩本 安彦 春日 雅人 花房 俊昭 羽田 勝計 植木 浩二郎
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.450-467, 2010 (Released:2010-08-18)
参考文献数
54
被引用文献数
11

概念:糖尿病は,インスリン作用の不足による慢性高血糖を主徴とし,種々の特徴的な代謝異常を伴う疾患群である.その発症には遺伝因子と環境因子がともに関与する.代謝異常の長期間にわたる持続は特有の合併症を来たしやすく,動脈硬化症をも促進する.代謝異常の程度によって,無症状からケトアシドーシスや昏睡に至る幅広い病態を示す.