著者
小畑 修一 西川 俊 高橋 秀知
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.1-11, 1985
被引用文献数
2

テレビ画面への字幕挿入に際しての文字量や表示時間は、番組の性格や見る人によって異なるものと言われる。現在、聴覚障害者のための文字多重放送では、画面や電子技術上の制約もあって台詞は要約で提示されている。しかし、台詞に忠実な字幕挿入は原作の意図を一層忠実に反映するばかりでなく、口形の動きとの対応が出来ることや字幕挿入の自動化が目ざせること等から極めて重要である。このため、先きに開発した簡便で文字量の調整出来る字幕挿入装置の改良と、各種番組の文字量や表示時間の分析に基づく字幕挿入の数量的範囲の検討とによって、台詞に忠実に字幕が挿入されたビデオを作成して効果を測定することにした。その結果、文字量は画面当り16字2行(32字)で、秒当り4.8字以下を目安とすることが示唆されたので、NHKドラマ「おしん」に字幕を忠実に挿入したビデオを作成し、聾学校専攻科生に提示した所、要約挿入を上まわる成果を得た。
著者
近藤 昌和 高橋 幸則
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.283-297, 2009-03

魚類は、両生類、爬虫類、哺乳類などと同列の一つの動物群であると考えられてきた。しかし、単系統群ごとに分類群を認識する分岐分類学では、魚類だけからなる分類群を認めず、脊椎動物のうち両性類から始まる四肢動物を除いた残りのグループ、すなわち側系統群であるとされる。したがって、魚類とは分類群ではなく、鰭を有し、鰓呼吸をする魚形の脊椎動物の総称ということになる。現在、魚類は無顎上綱(メクラウナギ綱、頭甲綱)と顎口上綱に大別され、顎口上綱には、軟骨魚綱(全頭亜綱、板鰓亜綱)、肉鰭綱(シーラカンス亜綱、肺魚亜綱)および条鰭綱(腕鰭亜綱、軟質亜綱、新鰭亜綱)が含まれる。また、四肢動物は、肉鰭綱の四肢動物亜綱に分類される。著者らは真骨魚類(条鰭綱新鰭亜綱ハレコストム区真骨亜区)について、好中球内顆粒の種類数の違いから、少なくとも以下の3群に大別されることを明らかにした。本研究では、真骨魚類における各種好中球顆粒の起源を明らかにするために、ポリプテルス目に属するポリプテルス エンドリケリーについて、好中球のRomanowsky型染色性を調べるとともに、細胞化学的特微を明らかにし、これまでに報告した各種真骨魚類と比較した。

1 0 0 0 OA 海洋審美論

著者
高橋鉄太郎 著
出版者
文明堂
巻号頁・発行日
1903
著者
高橋 惇太 葛 甬生 楠本 勝子 西村 隆司
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.357, 2020 (Released:2020-11-30)

近年開発・実用化が進められている嫌気性アンモニア酸化反応による窒素除去は、特にBOD/Nが低い廃水に対し、従来の循環式硝化脱窒法と比べ省エネルギー、低コストな処理であることから、浸出水中のアンモニア性窒素の除去方法として期待されている。本稿では、焼却残渣や汚泥の埋立て処分を中心とする産業廃棄物最終処分場にて2018年度8月から稼働中の、部分亜硝酸化と嫌気性アンモニア酸化から成る2槽型の窒素除去プロセスDENIMOX®について、運転経過を報告する。 2018年度8月〜2020年度6月までの運転経過により、浸出水のNH4-N濃度の変動や処理水量の増加に対し、部分亜硝酸化、嫌気性アンモニア酸化ともに安定的に維持されていることが確認された。本結果より、浸出水処理において嫌気性アンモニア酸化により安定した窒素除去が可能であることが示された。
著者
高橋 春樹 中川 隆雄 仁科 雅良 須賀 弘泰 西浦 輝浩 出ロ 善純 小林 尊志 澁谷 美穂子 佐藤 隆幸 西久保 俊士
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.50-55, 2008 (Released:2013-03-14)
参考文献数
17

Content We investigated 76 cases during the 6-year period from 1999 to 2005 in which a patient who developed a consciousness disorder while bathing was brought to the Emergency and Critical Care Center of Tokyo Women's Medical University Medical Center East. In. 86% of the cases the patient was in cardiopulmonary arrest, and they had a group of diseases with a poor prognosis in which the outcome was death, even the 6% of the patients who were resuscitated.The most common age group was the 70-to 79-year group, which contained 46% of the patients, and those 70 years of age and older accounted for 70% of the total.  Examination was possible in 16 cases, and the most common category, in 10 of them, was “drowning/suspicion of transient ischemic attack”. Adequate examinations were not performed on the patients who died in the outpatient department. Moreover, because the autopsy rate was low, it was impossible to make a definitive etiological diagnosis. However, the fact that “many were elderly persons whose autonomic nervous system's regulatory function is reduced” and that “the incidence was highest during the winter (53% during the 3 months from December to February)” suggests involvement of cardiovascular and cerebrovascular diseases secondary to changes in blood pressure. Many preventive measures have been described in the literature, and improvement in the resuscitation rate is expected as a result of becoming familiar with. and thoroughly implementing them. All 10 cases that occurred in public baths, where the time before discovery should have been short, were cases of cardiopulmonary arrest, and it is impossible to clearly explain why resuseitation attempts failed in all 10 of them. In order to identify the causative diseases we think it would be worthwhile to consider 1) performing a whole-body CT examination after confirming death, and 2) perforrning open-chest cardiac massage (only in patients brought to the hospital within a short time).
著者
植木 雄志 高橋 剛史 太田 久幸 正道 隆介 山崎 恵介 梅津 哉 堀井 新
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.55-59, 2020 (Released:2020-06-16)
参考文献数
14

【症例】71歳女性。骨粗鬆症で加療を受けていたが高カルシウム血症を指摘され,当院に紹介となった。FDG-PETで副甲状腺腫瘍と骨への多数の集積を認め,99mTc-MIBIシンチグラフィでは左下副甲状腺への強い集積と,骨病変への弱い集積を認めた。シナカルセトを投与するも高カルシウム血症が改善しないため腫瘍摘出術を施行したところ,病理診断は副甲状腺癌であった。術後血清カルシウム,PTH-intactは正常化した。術後1年経過した時点でFDG-PET再検したところ,骨病変の集積は消退し,硬化性変化が進行していたため,Brown tumorの合併であったと判断した。【まとめ】副甲状腺癌とBrown tumorの合併はきわめて稀であるが,副甲状腺腫瘍に骨病変を伴う場合はBrown tumorを念頭に置き原発巣切除後の画像検査で骨病変の評価を行うことで,侵襲的な検査・治療を回避できる可能性が考えられた。
著者
高橋 広夫 佐々木 博己
出版者
金沢大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

本研究では、国立がん研究センター独自の細胞バンクから、生体内分子の網羅情報であるオミクスと抗がん剤感受性情報を得て、その関係を機械学習でモデル化し、難治胃がんの精密医療(Precision Medicine)を目指す。そのために、web上で公開されている各がん細胞株のオミクス情報と薬剤感受性情報の関係を機械学習し、転移学習による再最適化に基づき、胃がんの薬剤感受性予測モデルの構築を行う。
著者
林 洋一郎 高橋 潔
出版者
経営行動科学学会
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.15-24, 2002-07-31 (Released:2011-01-27)
参考文献数
16

The purpose of the present study was to examine the relationships between several personnel practices that were employed for implementing the merit basedtreatment and the perception of fairness in performance evaluation. This study shed light on three personnel practices: performance appraisals, Management by Objectives (MBO), and the annual “salary system.” Because all three were, in part, utilized in the attempt of realizing the idea of merit treatment in work settings, their effects on the perception of fair treatment were subject to scientific investigation. Hence, the study examined empirically whether three personnel practices improve perceived fairness of performance evaluation. Survey results of the data collected from 1, 823 Japanese employees showed that only the annual “salary plan” was positively related to perceived fairness. In addition, the study investigated if the competitive climates moderate the relationships between three practices and employees' perception of fairness. Hierarchical regression analyses indicated that the relationships between these practices and employees' perception of fairness varied by the degree of competitiveness in the workplace. Implications of the study findings were discussed.
著者
中屋 愼 北村 進一 水野 淨子 庄條 愛子 藤原 永年 小谷口 美也子 高橋 良輔
出版者
大阪府立大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2017-08-25

葉菜類であるクレソンはさまざまな健康増進効果をもつことが知られているが、そのメカニズムなど科学的根拠が明確には示されていない。我々はクレソンがもつ食品の3次機能(健康機能性)を調べ、クレソンが脂質代謝改善効果を示すことを動物実験により明らかにし、さらにこの改善効果をもたらす機能性成分を調べた。その結果、フェネチルイソチオシアネートおよび1,3-ジフェネチルウレアである可能性が高いことが分かった。特に、1,3-ジフェネチルウレアは、微量でありながら強い改善効果を示したことから、クレソンに含まれる主要かつ新規な機能性成分であると考察している。
著者
高橋 正弘 金子 精一
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医科学と統計利用
巻号頁・発行日
vol.1981, no.6, pp.21-25, 1981

「全国食中毒事件録」 (厚生省) に記載されている東京都および神奈川県の食中毒事例のうち, 原因食品, 原因物質, 原因施設および摂食場所の要因ならびに患者および死者数を用い, 各要因の相互関連を数量化理論第III類により解析した。検討した期間は1973~1977年の5年間である。原因食品は15, 原因物質は9, 原因施設は12, 摂食場所は8のカテゴリーにそれぞれ分け, 計4アイテム・44カテゴリーを解析に用いた。<BR>数量化理論第III類による解析では, 1973~1974年の各カテゴリーは腸炎ビブリオ系, それ以外の細菌性食中毒系, 不明系の3つの類似性をもった群に大別され, 食中毒の発生状況が異常であった1975~1976年は, 3群に明確に区別されないなど, 両者で異なる構造をもつことが推察された。<BR>つぎに, 患者数および死者数の増加に関与するアイテム・カテゴリーを数量化理論第I類で推定したところ, 患者数は, アイテムでは原因施設, 摂食場所, カテゴリーでは学校, 仕出し屋が強く関与し, 死者数は, アイテムでは原因物質, 原因食品, カテゴリーではボツリヌス菌, 自然毒, 野菜類がそれぞれ強く関与していることが明らかになった。<BR>このように, 数量化理論の応用は, 食中毒要因の相互関連を計量的に把握することを可能にし, その中から患者数・死者数を減少させるための行政対策を立案することができた。
著者
森永 直樹 内ヶ島 美岐子 Mohammad Abdur RAHIM 大西 一聡 高橋 和文 小杉 善雄
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.3, pp.467-469, 2002 (Released:2004-03-05)
参考文献数
15
被引用文献数
2

The carboxylation of m-aminophenol with potassium hydrogencarbonate in aqueous solutions has been studied kinetically. The formation of 4-hydroxyanthranilic acid (4HAA) has been found for the first time in the carboxylation of m-aminophenol which gives only p-aminosalicylic acid (pAS) in the usual Kolbe-Schmitt reaction. Since 4HAA was easily decarboxylated, the product was removed from the reaction mixture after the carboxylation for 1 h at 60 °C. This method was repeated three times and 4HAA was obtained as a major product in 30.2% yield.
著者
佐藤 信 大場 俊輝 高橋 康次郎 蓼沼 誠
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.593-599, 1976-08-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
2

清酒をもろみの汲水の全部または一部にして使用し醸酵させて造る新しいタイプの清酒, いわゆる貴醸酒について, それの製法, お酒の特微, 開発に致る経過をくわしく解説していただいた。醸造技術者にとって新製晶開発は1つの大きな仕事であリ, また願望でもある。しかし, それは単にアイデアのみで生まれるものではない。本誌には著者の長年にわたる清酒成分に関する研究の成果を基とした多様化の設計の手法, 新製品開発までのステップと新製品に与えるイメージ, 製造法の緻密な検討が紹介されている。是非一読をすすめたい。
著者
高橋 大輔 鈴木 隆 加藤 良一
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要 教育科学 (ISSN:05134668)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-20, 2010-02

要旨 : 植物性食品の抗菌性を簡便に調べることができる実験教材として、(A)YEB寒天培地又はPYG寒天培地の中央に直径10mmの穴を開け、腐葉土からの2倍希釈の上澄み液を培地表面に0.5ml塗布し、その中央の穴に抗菌性食品を約0.3g入れ、それらをシャーレで24時間培養する方法、(B)YEB寒天培地又はPYG寒天培地の中央に直径10mmの穴を開け、納豆からの5倍希釈の上澄み液を培地表面に0.5ml塗布し、その中央の穴に抗菌性食品を約0.3g入れ、それらをシャーレで24時間培養する方法、及び(C)6枚切り又は8枚切りの食パンの耳の部分を切り落とし、さらに1枚の食パンをほぼ均等に4つの四角形の切片にし、その切片の片面のみ腐葉土からの5倍希釈の濾液に浸し、その切片の中央に約0.3gの抗菌性食品を置き、それらを密封容器で5日間培養する方法の3つが簡便で分かりやすいものとして示された。
著者
高橋 憲一
出版者
九州大学大学院比較社会文化学府
雑誌
比較社会文化 (ISSN:13411659)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.23-32, 2008

Today scientists, in their research, are not or less concerned with religious belief. But today's common senseis not simply true for those who were engaged in scientific research at the early phase of the Scientific Revolution. Especially as for the motives of their study of the universe, we can detect religious motives and their reflections in their theoretical contents. In this essay the author takes up representative cases -- Copernicus, Bruno, Kepler and Galileo -- and tries to investigate relationships between their theoretical setups and the creation doctrine of the Bible. For all of them it was, so to speak, the major premise that the universe was a work of God the creator. Consequently the scientific personality of each scientist may be clarified by looking at where to find God's hands of creation in this universe, or in other wordsm, at what aspect of God's attributions was to be emphasized: for instance, His beauty, infinity, trinity, or His mathematical intellect.
著者
砂川 文 山口 さやか 深井 恭子 山本 雄一 粟澤 剛 内原 潤之介 高橋 健造
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.130, no.12, pp.2567-2571, 2020

<p>症例1は35歳男性,5年前より好酸球増多症に対してプレドニゾロンやシクロスポリンで加療していたが,誘因なく四肢に紫斑と腫脹が出現した.症例2は36歳女性,誘因なく左下腿と足関節部に紫斑が出現した.2例ともAPTT延長,第VIII因子活性低下,第VIII因子インヒビター力価上昇があり,後天性血友病Aと診断し,プレドニゾロン内服を開始した.いずれの症例も治療に反応し,第VIII因子インヒビターは陰性化した.後天性血友病Aは出血による死亡例もあり,誘因なく突然出現した斑状出血の場合,本症を念頭に入れる必要がある.</p>
著者
河合 伸昭 菅谷 啓之 高橋 憲正 戸野塚 久紘 中島 亮 寺谷 威 真鍋 博規 安藤 晃 森石 丈二
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.903-906, 2011 (Released:2011-12-21)
参考文献数
14
被引用文献数
2

Primary frozen shoulder is believed to be a self-limited disease. However, many patients complain of prolonged symptoms such as night pain and refractory stiffness. The purpose of this study is to estimate the efficacy of steroid injection to the glenohumeral joint for primary stiff shoulder associated with night pain. Subjects consisted of 115 consecutive patients, including 37 males and 72 females with an average age of 59.4 years old, who were diagnosed as having primary frozen shoulder at the shoulder clinic in our institute from May to November, 2009. Our treatment principles are as follows: we recommend patients who complain of night pain to keep their arm at rest and carry out trunk and scapular exercises, in addition to steroid injection to the glenohumeral joint once a week until the night pain subsides. Then, physiotherapy is initiated of the hand of therapists. Range of motion at the first visit and at the time when the night pain disappeared was evaluated, as well as that at the final follow-up which was 5.8 months on average.The mean forward flexion, external and internal rotation significantly improved when the night pain disappeared, which was 4.8 weeks on average, from 97.5, 9.2°, and S level to 117.5, 17.4°, and L4 level. The range of motion at the final follow-up was 144 degrees in flexion, 31 in external rotation, and L2 level in internal rotation.Steroid injection to the glenohumeral joint was effective for pain relief for patients with primary frozen shoulder associated with night pain. Removing inflammation at the glenohumeral joint is a key factor when treating such patients and this also enables patients to proceed with effective physiotherapy.