著者
吉野 貴彦 髙橋 明 古澤 健太 片山 硬
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1204-1211, 2021 (Released:2021-10-22)
参考文献数
4
被引用文献数
2

二輪車はウィーブモードが安定化するように設計するとウォブルモードが不安定になり、ウォブルモードを安定化させるとウィーブモードが不安定になる傾向がある。本稿では、固有ベクトル方程式を用いて、作用している力の大きさの変更が両モードに及ぼす影響を調べ、二つのモードの両立性を左右する要因を推定する。
著者
髙田 勝 田原 岳 天野 卓 野村 こう 高橋 幸水 古川 力 秋篠宮 文仁
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.12-20, 2018-03-09 (Released:2018-06-30)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

琉球豚は中国豚由来であり,黒色を有するアグーと白斑を有するアヨーがある。アグーはバークシャー種との交雑により改良されたと報告されているが,西洋系豚や中国系豚との分子遺伝学的類縁関係は明らかでない。そこで,アグー系とアヨー系を系統内交配により維持している今帰仁アグー集団の繁殖豚AG (B),AG (R),AG (W) とその交雑集団AG (O) およびこれらの祖先集団AG06,AY06,さらに西洋系豚,中国系豚について,マイクロサテライト30座位の遺伝子型を解析することにより,琉球豚の遺伝的多様性とともに西洋系豚,中国系豚との類縁関係および遺伝的構造を明らかにすることを目的とした。有効対立遺伝子数,アレリックリッチネス,多型情報量などの遺伝的多様性の指標値は,いずれもAG (W) が最も小さくAG (O) が最も大きく,AG (O) の多様性は西洋系と同程度であった。今帰仁アグー各系統は西洋系品種に比べてヘテロ接合度の観測値が期待値よりも大きい傾向にあり,FIS は負の値を示して,近親交配を避けた交配が行われていたことが示唆された。品種·系統間の遺伝的関係では,主座標分析から,琉球豚,中国系,西洋系が二次元上にそれぞれのクラスターを形成することが明らかとなった。遺伝的距離にもとづく系統樹からは,AG (B) はAG06と近縁であり,AG (W) はAY06と近縁であることが示され,これらを含む琉球豚は中国系とクラスターを形成した。遺伝的構造の解析からも,琉球豚は中国豚と共通する祖先に由来することが示されたが,AG (B) とAG (R) はバークシャー種と共通する祖先集団由来の遺伝子を有すると推察された。この結果はこれまでの琉球豚の由来の記述を裏付けるものであった。
著者
髙橋 智子
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:24332038)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.137-144, 2021 (Released:2022-03-31)
参考文献数
23

近年,グローバル化社会の中で,国際的に活躍する人材育成のため,自国の伝統や文化についての理解や継承・発展のための教育の在り方が問われている。平成29年には学習指導要領が改訂され,国内の造形・美術教育の在り方を再検討する動きが顕著になっており,造形・美術教育においても伝統や文化の学習の在り方が問われている。本研究の目的は,造形・美術教育における伝統や文化の学習の在り方を探ることである。本稿では,大学生882名を対象に実施した伝統的工芸品に対する意識調査の報告を行う。大学生の伝統的な工芸に対する知識や興味関心等の現状と課題を分析し,造形・美術教育における伝統や文化の学習の在り方の検討に向けて重要となる視点を提示した。その結果,学校教育における学びの重要性や表現と鑑賞を関連させた題材検討の必要性,幅広い分野からの題材設定の重要性の3つの視点が確認できた。
著者
髙橋 純一 行場 次朗
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.161-174, 2021 (Released:2022-11-01)
参考文献数
70

We reviewed the properties of mental imagery in aphantasia—a condition whereby individuals have difficulty in forming mental imagery, although their visual perception is intact. Individuals with aphantasia have demonstrated lower priming effects regarding visual imagery in the binocular rivalry paradigm. However, these individuals can complete visual short-term memory tasks normally via the use of verbal strategies (i.e., nonvisual strategies). Few studies have provided clear evidence regarding its neurological basis. Thus, future research is necessary to obtain evidence thereof. For object and spatial imagery, nearly no differences existed in spatial imagery between individuals with and without aphantasia with regard to the rating scores of imagery questionnaires, although individuals with aphantasia had a dysfunction in object imagery. We review the imagery model and the debate regarding aphantasia for which findings from studies on aphantasia may provide important suggestions for perceptual and imagery studies. We expect a better understanding of aphantasia will be promoted in society by developing studies that apply various approaches—including case studies, psychological tests, brain science, and educational support—following the present review article.
著者
髙野 愛子
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.2-11, 2021-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
14

研究の目的 本研究ではじゃんけんの手に対する勝敗判断課題を用いて、勝敗の判断基準に関する言語教示を与えることなく、伸ばされた指の本数がより多い手を勝ちとする勝敗判断を形成することを通じて、通常のじゃんけんに応じた勝敗判断を維持する強力な刺激性制御を減衰させる変数を探索した。研究計画 提示された2つ、または3つの手から勝ちまたは負けとなる手を選択する課題を用いた。訓練中の反応、および訓練前後に実施したテストにおける反応から訓練の効果を検討した。場面 個別実験として実施し、ノートパソコンを用いた。参加者 大学生8名が参加した。独立変数の操作 3つのじゃんけんの手のうち異なる2つが提示される二択条件と、これら3つ全てが提示される三択条件を導入した。行動の指標 1試行で提示された手のうち、伸ばされた指の本数がより(最も)多い手を勝ち、少ない手を負けとする反応を正反応と定義し、正反応率を測定した。結果 二択条件において、三択条件の導入前は正誤のフィードバックを提示しても正反応率の上昇が見られないか、一度上昇してもテストでは維持されず下降した。一方、三択条件の導入後は正反応率が上昇し、テストにおいても高水準で維持された。結論 じゃんけんに応じた勝敗判断を維持する刺激性制御は強固であるが、3つのじゃんけんの手から勝ちまたは負けの手を1つだけ選択する課題を提示することで、その制御が減衰することが示唆された。
著者
髙瀨 愛理 大山 潤爾
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.9-19, 2022-08-31 (Released:2022-09-23)
参考文献数
20

視覚呈示される単語の発音容易性は,その単語の記憶保持成績に影響することが報告されているが,発音容易性が単語の記銘や符号化といった認知過程から影響を及ぼすのか,その後の記憶保持過程にのみ影響するかは明らかになっていない.実験1では,先行研究の発音容易性で分類した発音容易語と発音困難語と,効果の比較のための非単語を用いて,単語呈示時間の認知閾を比較し,発音容易性の影響を検討した.実験2では,単語の読み上げ課題を行い,発音時間による発音容易性の分類を用いて,実験1と同様の分析を行った.その結果,実験1と2の両方で,発音容易語と発音困難語の間で単語呈示時間の認知閾に有意な差は見られなかった.本研究結果から,視覚呈示された単語の認知過程においては音韻的符号化を用いずに視覚的に単語が認知されることで発音容易性の影響を受けにくく,それ以降の記憶保持過程では音韻ループが利用されることで発音容易性の影響を受ける可能性が示唆された.本研究では,動的な情報における表示時間設計への応用可能性についても検討した.
著者
福岡 範恭 山田 広行 安心院 康彦 池田 尚人 尾方 純一 杉田 学 髙松 純平 中村 光伸 溝端 康光
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.580-586, 2019-08-31 (Released:2019-08-31)
参考文献数
5

救急隊員による病院前救護における疾病の観察・処置の標準化として『PEMECガイドブック2017』が出版されて以降,PEMECコースが開催されている。本稿ではコース概要と開催状況,参加者より得た意識調査結果から今後の課題について考察し報告する。2018年10月までに行われたコース受講者196名に意識調査を実施した結果,184名から有効な回答が得られた。全体的な評価で「よい」と回答した75名(40.7%)を高評価群,「まあよい」「普通」「あまりよくない」と回答した109名(59.2%)を低評価群に分類し,全体の評価に強く影響を与えたコースプログラムの各項目をロジスティック解析により分類した。その結果「アルゴリズムの理解」「インストラクターの知識」「インストラクターの解説」が評価に関連する主要な因子として明らかになった(p<0.05)。コース内容は,概ねよい支持を得ているが,インストラクターの教育技能を向上させること,アルゴリズムの理解を深める指導の必要性が示された。
著者
髙羽 里佳
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.979, 2022 (Released:2022-10-01)
参考文献数
5

最近の報告から,マジックマッシュルームに含まれる幻覚成分であるシロシビンを治療抵抗性うつ病患者に投与したところ,2回の投与で,投与1週間後に患者の抑うつ症状が減少し,この作用は6か月間持続したことから,シロシビンが即効かつ持続的な抗うつ作用を有することが明らかとなった.その結果は,その後の臨床研究からも支持され,アメリカ食品医薬品局は,シロシビンがうつ病の画期的治療薬に成り得ると報告した.シロシビンをはじめとしたセロトニン作動性の幻覚薬が,うつ病のみならずアルコール依存症,不安障害,心的外傷後ストレス障害などに治療効果を示すとして,徐々に注目されはじめている.しかしながら,これらの薬物は,大脳皮質のセロトニン5-HT2A受容体(5-HT2AR)を刺激することにより,幻覚作用も誘発してしまうことがわかっている ため,治療薬としての応用には課題がある.本稿では,Gタンパク質共役型受容体の結晶構造を活用したリガンド探索により,マウスにおいて幻覚作用を示さずに,抗うつ様作用を示すリガンドの合成に成功したことを報告したCaoらの論文を紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Carhart-Harris R. L. et al., Lancet Psychiatry, 3, 619-627(2016).2) U. S. FOOD & DRUG. Breakthrough therapy, 2019年1月4日.3) Michaiel A. M. et al., Cell Rep., 26, 3475-3483(2019).4) Cao D. et al., Science, 375, 403-411(2022).5) Thomas E. A. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 94, 14115-14119(1997).
著者
髙原千紗
雑誌
サイエンスキャッスル2018
巻号頁・発行日
2018-11-21

<考察・展望>ポカリスエットは豆腐を作ることが出来るので、災害時に適している。また、マグネシウムは汗によって体外に出されるので、汗をかいたときにも適する。アクエリアスには必須アミノ酸が含まれていて、運動時のエネルギー源として重要な役割を果たし、疲労回復効果がある。しかし、ポカリスエットにはそれらが含まれていないため、疲労回復にはアクエリアスが適している。スポーツドリンクで作った豆腐は、残念ながら私の口には合わなかった。
著者
杉山 智風 髙田 久美子 伊藤 大輔 大谷 哲弘 高橋 史 石川 利江 小関 俊祐
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
pp.20-047, (Released:2022-09-06)
参考文献数
22

本研究の目的は、高校生を対象に問題解決訓練を実施し、抑うつ、活性化、回避に及ぼす介入効果を明らかにすることであった。あわせて、問題解決訓練の実施前後にかけての活性化/回避の変化によって、抑うつに対する介入効果に差異がみられるか、検討を行った。本研究では、高校生1年生253名を対象として、1回50分の問題解決訓練を実施した。その結果、対象者全体において抑うつ得点、活性化得点、回避得点の有意な変化は示されなかったが、活性化/回避の機能的変容が生じた可能性のある群において、抑うつ得点の有意な低下が示された。このことから、抑うつ低減において、問題解決訓練による問題解決スキルの習得だけではなく、対処行動の促進と強化子の随伴の重要性が示唆された。
著者
堀 天 髙木 祐介 相川 悠貴 福地 かおり 吉川 明里 藤原 紗音 小木曽 洋介 下村 有佳里 家吉 彩夏 枝元 香菜子 関 和俊 堀田 典生
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.761-773, 2022 (Released:2022-09-27)
参考文献数
44

Sudden cardiac death is a common cause of death during hiking activities. Since the exaggerated blood pressure (BP) response to physical activity is known to increase the risk for the development of cardiovascular events, hiking might also induce an excessive BP response and such events. The purpose of this study was to investigate the effects of hiking at around 1,200 m on the circulatory responses to isometric handgrip (IHG) exercise. Five healthy women volunteered to hike and stay at Mt. Ibuki (altitude, 1,377 m; Shiga, Japan) for 2 consecutive days. On the first day, the participants ascended to 1,220 m (Hiking study), and on the second day, they drove to an altitude of 1,260 m where they remained for about 5.5 h (Staying study). The participants performed IHG exercise before (altitude, 220 m), during (altitude, 990 m), and after (altitude, 220 m) hiking in the Hiking study, and before driving (altitude, 160 m), after staying for 5 h (altitude, 1,260 m), and after driving back from an altitude of 1,260 m (altitude, 122 m) in the Staying study. The participants performed IHG exercise at 30% maximum voluntary contraction for 2 min after seated rest. We measured systolic and diastolic BP (SBP and DBP), and pulse rate during the test, and then calculated the double product (DP) from the product of the SBP and pulse rate. In the Hiking study, SBP and DP responses to IHG exercise during hiking were significantly augmented (P < 0.05). Importantly, these responses to IHG exercise during hiking were significantly higher than those before hiking (P < 0.05). On the other hand, in the Staying study, staying at an altitude of 1,260 m for about 5.5 h did not significantly change circulatory responses to IHG exercise. In conclusion, we demonstrated that SBP and DP during IHG exercise were significantly augmented during hiking at an elevation difference of about 1,000 m. This finding suggests that transient increases in BP due to physical activity, which might trigger cardiovascular events, could be enhanced during hiking at a moderate altitude.
著者
西川 雅史 髙橋 朋一 斎藤 英明
出版者
日本経済政策学会
雑誌
経済政策ジャーナル (ISSN:13489232)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.13-22, 2021-04-30 (Released:2021-04-30)
参考文献数
16

経済産業省は、高レベル放射性廃棄物の処分施設の立地先を選定するために「科学的特性マップ」を公表したが、人口密度などの社会的条件を考慮していない。また、画像データであるため第三者による活用が進みがたい。こうした科学的特性マップの欠落を補完するために、私たちはこれをデジタルデータ(シェープファイル)の形で再現したものを公開し、第三者が科学的特性マップ上で社会的特性を考慮できるようにした。
著者
三高 裕 島袋 盛洋 松隈 憲吾 髙木 俊輔 外間 宏人 三原 一雄 近藤 毅
出版者
九州精神神経学会
雑誌
九州神経精神医学 (ISSN:00236144)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.83-87, 2017-08-15 (Released:2020-03-26)
参考文献数
8

CADASIL(cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy)とは皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性遺伝性脳動脈症であり,随伴症状として,抑うつなどの精神症状を来たすことも多い。そのため,精神科受診当初はうつ病や双極性障害などの疾患と誤って診断される可能性も高いため,片頭痛や脳卒中の家族歴など,精神症状以外にCADASILを疑わせる症状や病歴があれば,速やかに頭部MRIを撮影すべきである。その結果,多発性脳梗塞や白質脳症を認めれば,CADASILを積極的に疑い,Notch3変異に関する遺伝子解析や,皮膚/筋生検を行って確定診断に繋げることが望ましい。
著者
髙橋 青天
出版者
日本財政学会
雑誌
財政研究 (ISSN:24363421)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.320-339, 2008 (Released:2022-07-15)
参考文献数
22

Kolm(1970)で用いられた図(「コルムの三角形」)を使うことによって,Foley(1970)やNikaido(1976)で分析された公共財を含む資源配分問題の重要な課題である,①パレート効率性とコア,②リンダール均衡とコア,が平面図のみで図解される。このような分析手法を採ることの利点として,高等数学を一切使うことなく問題の核心を直感的に理解することができる点を挙げることができる。
著者
髙畑 正子 日浅 友裕 奥村 玲子
出版者
日本国際情報学会
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.30-38, 2021-12-25 (Released:2021-12-25)
参考文献数
16

By the spread of Corona disease, some nursing students were forced to take on-campus training, giving up joining trainings on outside clinical scenes. The purpose of this study is to clarify the relationship between the self-efficacy of those nursing students who took on-campus training -- focusing on the change of thinking process occasioned by spread of Corona disease -- and the four sources of Bandura.A questionnaire survey was conducted on 67 students who completed the practice of adult nursing at the Faculty of Nursing, A University.As a result, it has been made clear that achievement of practical goals and vicarious experiences are related to awareness of students’ self-efficacy, "human relationship formation skills," "basic nursing skills," and "assessment skills." Linguistic persuasion and emotional state are associated with "human relationship formation skills," "basic nursing skills," "assessment skills," and "stress tolerance" of students’ self-efficacy.
著者
泉谷 清髙
出版者
日本国際情報学会
雑誌
国際情報研究 (ISSN:18842178)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.3-14, 2020-12-26 (Released:2020-12-28)

In March 2013, the Central Disaster Management Council (Cabinet Office) announced "Damage assumption of Nankai Trough Earthquake (Second Report)", and in May "Measures against Nankai Trough Earthquake (Final Report)". However, in the final report, the only information on tsunamis was "List of maximum tsunami heights by prefecture and municipality (Appendix 1-2)". There was no tsunami forecast data for the addresses (specific areas) of thermal power plants. In April 2002, Geospatial Information Authority of Japan (GSI) started operation of the “hazard map portal site”. In June 2018, the new hazard map portal site "Overlapping Hazard Map" was completed. It has a "risk display by address search" function that displays "power station location" data and "maximum tsunami inundation depth" data.This study consists of four parts. First, analyze the relationship between damage and recovery period of thermal power plants due to earthquake motion and tsunamis in the Great East Japan Earthquake. Second, use the "overlapping hazard map" to predict damage to thermal power plants due to ground motion and tsunamis from Nankai Trough Earthquake. Third, simulate the transition of recovery. Finally, analyze the power supply structure after Great East Japan Earthquake Disaster, which highly adds weight to toward thermal power generation.