著者
安仁屋 政武
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究期間の2010 年度から2014 年度までの4年間で氷河後退により面積が8.43km2減少した。最大の後退はサン・キンティン氷河の3.35km2であった。その他顕著な後退をした氷河は、コロニア、シュテフェン、HPN3、フィエロ、ベニートである。一方、サン・ラファエル氷河、グアラス氷河、レイチェル氷河(以上氷原西側)、ピスシス氷河、パレッド・スール氷河、レオン氷河(以上氷原東側)、エクスプロラドーレス氷河(北側)、はほとんど変化しなかった。細かく変動を見ると、2013-15年の1氷河当たりの後退速度は2011-12の1/5、2012-13の約1/3となっており、後退速度が鈍化した。
著者
深道 和明 佐久間 昭正 梅津 理恵 笹尾 和宏 佐々間 昭正
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、非常に高いネール温度を示しGMR, TMR効果を示す多層膜の反強磁性材料として注目されているγ-Mn系合金およびL1_0型Mn系合金の基礎物性と電子状態を実験および理論の両面から調べることを目的としている。得られた成果を以下に示す。1.γ-MnRh系合金に関する研究Mn_3Rh規則相合金ならびに不規則相合金において磁化、電気抵抗、熱膨脹および低温比熱測定ならびにバンド計算を行った。この合金は、電子状態密度においてフェルミ面近傍にディップを形成することで反強磁性状態を安定化し、高いネール温度を実現していることが明らかになった。また、ネール温度の圧力依存性ならびに体積弾性率を詳細に調べた。2.γ-MnIr系合金に関する研究実用材料として注目されているγ-MnIr不規則相合金の磁気相図を明らかにした。磁気構造と格子歪みが密接に関連していることが分かっているが、fct構造からfcc構造への構造相転移温度と2Qから3Qへの磁気転移温度が必ずしも一致しないことを理論および実験の両面から明らかにした。3.L1_0型MhTM (TM=Ni, PdおよびPt)合金に関する研究非常に高いネール温度を有するL1_0型MnTM (TM=Ni, PdおよびPt)合金について磁化、電気抵抗および低温比熱測定、ならびに理論計算を行った。これらの合金系はフェルミ面近傍に擬ギャップを有する非常に特徴的な電子状態を有することが判明した。また、デバイス特性に関わる電気抵抗率の組成依存性を理論計算の結果と併せて、定性的に説明できることを明らかにした。4.L1_0型MnIr合金に関する研究L1_0型MnIr合金の電気抵抗および磁化測定ならびに電子状態に関する研究を行い、他のL1_0型MnTM合金と同様に擬ギャップ型反強磁性体であること、そしてMn系合金のなかで最も高いネール温度を有することを明らかにした。また、この合金系は低温において大きな磁場中冷却効果を示すことが判った。5.交換結合に関する研究γ-MnおよびL1_0型反強磁性合金の交換結合を古典的ハイゼンベルグ模型を用いて解析し、それらの計算結果と実験結果が極めてよい対応を示すことを明らかにした。
著者
中垣 俊之 三枝 徹
出版者
公立はこだて未来大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

生物システムは天与の情報機械であり、その動作原理の解明は、基礎科学として興味深いばかりでなく、また新規情報技術の創成にもつながり社会的にも重要である。本研究では、単細胞生物である粘菌変形体を主なモデル生物として、その情報処理能力、特に時間記憶能の最も基本的なあり方を実験的に評価し、情報処理のアルゴリズムを考察した。細胞レベルで既に周期的なイベントの予測と想起の能力があること、それは代謝反応の多重リズム的な運動から表れることをつきとめた。同様な能力が、原生生物界から動物界、植物界にいたるまで広く共通して見られることを示唆できた。
著者
宗森 純 原田 利宣 吉野 孝 伊藤 淳子
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

絵文字のみで外国人とコミュニケーションをとることを目標とし,日本人と外国人との絵文字アイコンおよびその文章に関する差違を明らかにする研究を行った.その結果,日本人は正解の場合は丸(○)を使うが,外国人はチェックマーク(.)を使うなど,スラングなどを含め,各言語の特徴をそのまま絵文字に引き継いでいることが示唆された.また,日本人は基本的に絵文字でもSOVの文法で記述し,外国人は基本的にSVOの文法で記述するが,日本人でもSVOで記述することがあることが明らかとなった.
著者
山田 昌久 山岡 拓也
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

考古学の研究は、過去の物質資料を観察研究することを基礎として成立している。しかしそこでは、技術を「機能」「用途」として捉えること、その器具や装置の数量を捉えること、その器具や装置の時間別空間別整理をすること、はできても、効力・効果を時間や精度で測ること、資源交渉量をボリュームで測ることは困難である。本研究は、実験考古学という手法により、技術力を数値で提示することと資源利用量や資源の生産量を数値で提示することを目的とした。過去の人類集団が、資源の入手法でのみ整理されるのではなく、それぞれの技術力や交渉資源量をもとに整理されることで、考古学の先史・原始時代研究は個別社会の特性を分離・統合する基準を保有することが可能となる。本研究では、(1)各種土質地の掘削力、各種草本の切削力・各種木本の切削力などを器具や装置ごとに示すことに成功した。(2)狩猟具の衝突圧や精度の数値化・石器・鉄器の形状特性の判断に成功した。(3)水利施設の設置・利用実験により先史・原始期の各種水利構想の特徴を示すことに成功した。
著者
三本松 政之 朝倉 美江 原 史子 大井 智香子 中尾 友紀 新田 さやか 福山 清蔵 永田 理香 門 美由紀
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

日本の外国人移住生活者への政策は総論的な検討に止まり具体的対応は基礎自治体に委ねられており、移住生活者の支援にはデニズンシップとしての実質化という視点が重要となる。韓国では人権をミッションとする市民団体が外国人労働者の労働環境改善、移住女性の生活改善策提案などのための政策担当局との折衝ルート等を活用し、政府への政策形成やデニズンシップの実質化に向けて一定の影響力をもっていることが見い出せた。
著者
中井 泉 阿部 善也 扇谷 依李 和泉 亜理紗
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

我々は、これまでに2台のポータブル粉末X腺回折計を開発し、世界各地で考古化学的分析を行いその有用性を実証してきた。そこで、長年の現場分析の経験と世界の開発状況に基づき、高性能の新しいタイプのポータブル粉末回折計の開発を試みた。特徴は、「ポリキャピラリーハーフレンズ」を通して平行X線を試料に照射することで、絵画のような表面に凹凸のある試料でも、非破壊非接触で正しく測定できる点である。検出器は、SDD(分解能125 eV)を導入することで、同一照射点からX線回折データと蛍光X線スペクトルの両方を高いエネルギー分解能で測定できる装置を試作し、エジプトの壁画の分析に応用して成果を得ることができた。
著者
植村 幸生 薩摩 雅登 小島 直文 尾高 暁子 松村 智郁子 久保 仁志 佐竹 悦子 塚原 康子
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

大学附設の民族音楽アーカイブを拠点とし、地域の邦楽器製作者や販売者らとの協働を前提に、邦楽専門家を擁する拠点大学の地の利を生かして、当該地域の児童生徒や学内学生むけ地域文化プログラムの開発と提案を行った。具体的には、下町の邦楽器製作業者/職人への取材をもとに、楽器製作や技の継承をめぐる今日的課題を明らかにし、これに関する問題意識を次代を担う若い世代に喚起すべく、展示と実演の場を設けた。同時に、邦楽を含む下町の伝統芸能や儀礼について、広義の担い手・上演場所・機会を項目とするデータベースを作成し、邦楽を育んだ土壌を通時的に俯瞰する手だてを、アーカイブから発信する準備を整えた。
著者
高橋 日出男 三上 岳彦 境田 清隆 澤田 康徳 横山 仁 瀬戸 芳一
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では,降水粒子計測,稠密雨量計網やレーダの観測資料を用いた東京圏における短時間強雨の実態把握,並びに稠密気象観測による短時間強雨の予測手法の検証を目的とした.短時間強雨の開始時には,大粒径の雨滴比率が高く,急激に降水強度が増大する.都区部北部から埼玉県南部では,範囲が狭く集中度の高い強雨域の発現が多い.都区部西部では強雨頻度の極大が16時頃と22時頃にあり,日変化する局地風系との関連が示唆された.多数事例の統計的解析から,短時間強雨発生のシグナルとして強雨開始40,50分前から現れる収束量増大の有効性が確認され,予測手法の確立に向けた課題も指摘された.
著者
金子 仁子 標 美奈子 増田 慎也 宮川 祥子 三輪 眞知子 渡邊 輝美 及川 智香子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、青年期の人々が容易に学習機会の得られるインターネットを使用して、子育てをバーチャルに体験しながら、人を世話することの楽しさや人間として成長していくことを実感でき、また人間関係の取り方を学べる子育て学習支援プログラムの開発である。まず、大学生を対象に子育ての経験、子育てのイメージに関する質問紙調査を行った。525名のデータについてクラスター分析を行った結果、子育てに関して5つのタイプに分けられ、学習内容の興味関心もそのタイプによって違いがあった。ドラマ部分の作成は、研究者メンバーの話し合いから導き出した、「12の意図」(子育ての生活のイメージ、子育ての楽しさ・子育ての大変さ、予測していなかったできごとへの対応、子どもの成長を実感(2歳まで)、子どもとのコミュニケーションの取り方、仕事を続けていく母親の子育てについて等)により、その内容を考えさせるものとした。ドラマはフラッシュを用いて漫画を動画化し5話のドラマとしてウェブサイトから配信した。ドラマの配信は平成18年6月から行い平成19年3月までの10ヶ月間のアクセス数は985件で、視聴するための登録者は35名で、うち6割が学生であった。ドラマの内容についてはウェブサイト上のアンケートでは第1話では、仕事との育児の両立を考えながら視聴していることがわかり、また、第2話では結婚・出産・育児についてのことが最も印象に残ったとしていた。このドラマの評価のためのグループインタビューを行った。その中で、学生達は乳児期の育児、仕事と育児の両立について関心が高いことが明らかになった。このドラマを見ることによって、大学生は仕事と育児の両立について具体的にイメージすることができたと考える。登録者同士の交流を図るため掲示板を設けたが記載する人は少なく、登録者を増やすための、ウェブデザインの改良等が必要である。
著者
永宗 喜三郎 川原 史也 アンドラビ ビラル
出版者
国立感染症研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

トキソプラズマにおいて最近「細胞外」原虫でのみ形成され、原虫の細胞外環境適応能力を規定している可能性があるオルガネラ(PLV/VAC)の存在が報告された。申請者らは独立した研究によりこれらと類似のオルガネラを発見し、詳細な解析からこれらのオルガネラが3つのサブコンパートメントに区別できることを見出した。また申請者らは抗マラリア薬として知られているプリマキンが、3つのサブコンパートメントの1つであるPLV2の水素イオンおよびカルシウムイオンを細胞質内に遊離させる作用を持つことも見出し、またプリマキン耐性トキソプラズマ原虫クローンを確立することにより、その責任遺伝子を同定した。
著者
下河辺 美知子 巽 孝之 舌津 智之 日比野 啓
出版者
成蹊大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は19世紀アメリカの拡張運動を牽引したマニフェスト・デスティニーの文化的・政治的意味を検証し、その心理的・精神的効果が情動を操作するナラティブとしていかに機能してきたかを小説、政治言説、大衆文化、映像などを使って分析した。その結果、アメリカ国家の拡張運動を地球規模の中で見るための道筋を得ることができた。19世紀アメリカの政治的無意識への新たな理解は、球体として地球を見直す視点につながり、本研究が21世紀の世界情勢分析に有効であるという見通しを得た。2018年3月に最終シンポジウムを行い、それをもとに、21世紀世界における惑星的共存への提言として2019年3月に成果物出版の予定である。
著者
山村 隆 国下 龍英 大橋 高志 近藤 誉之
出版者
国立精神・神経センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

1.SSCP法によるT細胞抗原受容体レパトアの解析:T細胞レパトア解析の新しい方法論(RT-PCR-SSCP 法)を導入し、多発性硬化症(MS)の脳病変部位、末梢血の病変部位におけるT細胞を解析した。その結果、1)MSの病変ではかなり限られたクローンの増殖がみられることがわかったが、特定のVベータ鎖の優先使用はなく、Vベータ特異的治療の可能性に疑問を投げかけた。2)MS患者末梢血から樹立したMBP82-102特異的、PLP95-116特異的T細胞クローンを対照において患者末梢血をSSCPで解析したところ、同クローンが体内で持続的に活性化状態にあり、増殖していることがはじめて明らかになった。3)慢性炎症性脱髄性ポリニューロパチーの末梢神経においてVB11陽性細胞の特異的な浸潤のあることを明らかにした。2.脳炎惹起性T細胞抗原認識機構の解析:ミエリン塩基性蛋白(MBP)特異的脳炎惹起性T細胞の中に、プロテオリピッド蛋白(PLP)を共認識するものをはじめて見いだした。アナログ・ペプチドによる解析の結果、共認識されるMBP89-101およびPLP136-150ペプチドは、I-A^S結合部位を共有するが、T細胞抗原受容体結合残基はそれぞれ異なることがわかった。すなわちTCRは複数のセットの接触残基を利用して活性化されることがわかった。同クローンはPLP95-116、PLP118-135などにも反応し、polyreactive T細胞と命名されるべきである。polyreactive T細胞の各ペプチド・リガンドに対する反応性は異なり、活性化の結果脳炎を誘導できるペプチドはMBP89-101とPLP136-150に限られていた。
著者
筧 一彦 島田 正治 河原 英紀 竹内 勇剛
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

良好な人間-機械間の対話コミュニケーションの実現には、人間の機械に対する対話の志向性を形成することが重要である。このため対話における非言語情報や環境要因について検討した。1)対話の共感性:非擬人的エージェントであるクリーチャーが、人間の発話の韻律情報を模倣する非言語的応答を返すことによって、エージェントとの共感性が高まることを明らかとした。人間はクリーチャーの発話速度の変化に対して調整的発話をすることや通常より高いピッチレンジの応答に対して相手の強い意図や要求を感じるなどの点が明らかとなった。また、擬人的エージェントに対しては、エージェントの仮想的身体に対して働きかけを行うこと、複数エージェントとの対話環境においては、多数意見を背景にした行動をとることなどが判明した。2)感情音声の高品質処理と知覚特性:STRAIGHTをベースとした音声モーフィング法を完成した。異なる感情発話の間をモーフィングした音声の自然性が心理実験に十分な品質をもつこと、感情音声の心理連続体を構成うることを明らかとした。また、表情の知覚と異なり感情音声の知覚は必ずしもカテゴリカルでないことを示した。また、感情音声は言語の制約をこえて普遍的に知覚されることを示した。3)音源知覚・音環境制御:明確な音源定位知覚を得るのに必要な刺激音の提示時間刺激音の種類について明らかとした。また、ヘッドホン受聴、ステレオ拡声における両耳相加効果を解明した。音環境実現する手法として波面合成法をベースとし、音源推定によって少ない情報で音場再現・制御を可能とする方法を提案し、その実用を示した。また、音源が動くような場合にも適用可能なアルゴリズムを示した。
著者
田中 克典 鈴木 雅一 田中 延亮 松尾 奈緒子 小杉 緑子
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

自然環境下のチークでは、乾季の2014年2月から4月にかけての樹液流が停止、完全に落葉した。散水による湿潤土壌下では、葉が付いた状態での新葉による更新がなく、3月に完全落葉し、樹液流が停止した。2週間後、展葉して蒸散活動を再開した。根系の土壌水分は展葉・落葉現象に最も影響したが、他の要因によって落葉期間が発生することを確認した。幹は自然状況下と散水下とも2014年4月から9月まで成長し、成長期間に違いがなかった。光合成能を示す葉内窒素濃度は土壌水分量の低下に影響を受け、湿潤下のチークのほうが光合成能の低下は遅かった。一定の水消費に対する炭素獲得は、湿潤下のほうが自然状況下よりも低かった。
著者
渡邊 靖志 上原 貞治
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

まず,一方の光子をタグしたπ0中間子の遷移形状因子の測定を行い,BaBarの結果と異なり,よりQCD極限値に近い結果を得て,この問題を落着させた。次にノータグ二光子過程によるK0S中間子対生成反応を閾値付近からの断面積を測定解析し,f2(1270)とa2(1320)の負の干渉,f2’(1525)の二光子幅×分岐比等の高精度の測定が可能となった。現在,一方の光子をタグしたπ0中間子対の微分断面積をQ2=30 GeV2まで測定解析して,論文として投稿準備中である。f2(1270)(ヘリシティ=2,1,0別々)とf0(980)中間子の遷移形状因子をQ2の関数として測定し,理論の予言と比較した。
著者
庄司 学 八木 勇治 永田 茂 丸山 喜久 村尾 修 藤井 雄士郎
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、ライフラインシステムの中でも電力、都市ガス、上水道・下水道、道路網、通信に焦点をあて、東日本大震災のような地震と津波の作用が複合化する「地震津波複合災害」を対象とした上で、ライフラインシステムの物理的及び機能的被害と復旧支障の相互連関を精度よく表現する数理モデルを構築し、被害を受けた後の応急復旧過程の問題構造を定量的に明らかにした。
著者
濱本 卓司
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

地震や台風による自然振動源からの振動と道路・鉄道交通や建設作業などの人工振動源からの振動を建築物の内外で計測するワイヤレス・センサ・ネットワークを構築することを目的に、ワイヤレスMEMS加速度センサの開発とZigBee無線データ転送及び処理方式の検討を行い、都市で発生する振動を広域高密度でモニタリングすることにより、安全で快適な都市の振動環境を評価し管理するための方法を提案した。
著者
福島 忠男 井上 勇介 早川 徹 岡畑 恵雄 土井 豊 武田 昭二 川口 稔 大野 純 豊田 美香
出版者
福岡歯科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

サケ由来DNAとポリカチオン(キトサン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリリジン、プロタミン)からDNA/ポリカチオン複合体を合成し、インジェクション型スキャフォールド材の素材としての有効性を検討した。DNA/キトサンおよびDNA/プロタミン複合体が流動性に優れていた。また、炭酸アパタイトを添加しても流動性があり、骨形成能も示したのでインジェクション型スキャフォールド材の素材として有望と考えられた。
著者
藤井 龍彦 熊井 茂行 加藤 隆浩 友枝 啓泰
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

3年計画の調査の最終年度である本年度の現地調査は、短期間の補充調査にしぼった。調査の中心は、2002年秋に行われた全国的地方選挙に関して、クスコ県の地方都市のケースを具体例として、決起大会にはじまり、政策綱領の策定、選挙終了時の総括、評価、活動記録など、地方における選挙活動の実態に関する録音テープによる記録を分析し、それらのデータに基づいて現地研究協力者と意見を交換した。さらにその他のインタビュー資料も併せて、ペルーの地方政治の実態を分析した。分析結果は、現在まとめつつある、これまの分析で、都市・農村を問わず、住民の政治意識はかなり高いこと、その際の基準はあくまでも自分たちの利益にかなうかどうかであること、つまり、農民の場合、低利の融資、トラクターや肥料・農薬などの安定した供給などであり、都市住民の場合、雇用の確保、道路の建設、公設市場の運営などにある。結果として、前回の選挙もあいかわらず利益誘導型の金権選挙が幅をきかせ、一方で教会を中心とした既成の権力の介入を止めることができなかった。