著者
川又 俊則 武笠 俊一 板井 正斉 磯岡 哲也
出版者
鈴鹿短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の成果の概要は、以下の通りである。①過疎地域の宗教集団は一定の機能を有し、今後も地域のネットワークとして機能する可能性が十分ある。②老年期の宗教指導者は、教団等地域外とのコミュニケーションツールを持ち、地域住民に、外と内をつなぐネットワークの結節点となっていた。③老年期にUターンや初めての土地で宗教指導者となる選択をする人もいる。彼ら・彼女らの例から、老年期の多様な生き方のモデルが見出された。④過去の調査および、10年、20年を経た後の再調査の重要性を再認識した。
著者
林 清忠
出版者
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

LCA(ライフサイクルアセスメント)に基づく土地利用の影響評価手法を発展させるため、文献調査と現地調査により評価構造を明確化するとともに、土地利用および土地利用変化に関するモデル作成の際の留意点を明らかにした。また、収集したデータを加工することにより、これまでに開発したインベントリデータベースを拡張する形でデータベース化を行い、土地利用に関わる直接的・間接的影響を評価する方法論を検討した。以上を踏まえ、持続可能な食料・エネルギー生産システムがどのように設計できるかを考察した。
著者
高橋 みや子 岡山 寧子 福本 惠 大平 政子
出版者
京都橘大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

目的:京都における近代から戦間期までの看護歴史の文献史料、写真を含む資料の発掘収集と利用可能な基礎的データの作成。研究方法:(1)京都看病婦学校(2)京都市立看護短期大学(3)看護史研究者故亀山美知子氏の業績・収集史料の整理とCD保存(4)京都府・市の看護関係、特に産婆、看護婦、保健婦の史料収集とPDF保存、(1)~(4)を分担し分担毎に研究を進めた。結果:原著、学会発表、CD・PDF作成を行い公表した。また、史史料の発掘・収集を行った。
著者
金森 修
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

フーコーが1970年代に模索的に使用した生政治・生権力という概念は、その後生物学・医学の急速な進展による日常生活の変化に伴い、新たな含意を獲得するに至った。本研究はその事実を背景に、アメリカ的な生命倫理学をメタ的に対象化して現代的な特質や偏向を探るという目標を掲げた。当初は比較的理論的な問題設定、クローンや臓器移植などの問題群への注視を想定していた。だがこの研究期間中思いがけずに福島第一原発の大事故が勃発したので、放射線障害の多寡や、それを巡る日本社会の多様な政治的・思想的発言の分析に思いの他重点が置かれることになった。人間の生命をどうしても二次的に捉えがちな我が国の政治風土の剔抉ができた。
著者
三野 博司
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

アルベール・カミュは、二つの世界大戦をもたらした激動の時代である20世紀を生きた。彼は、人間を襲う暴力的なるもの(病気、死、災禍、テロ、戦争、全体主義)に対抗して、一貫して超越的価値(キリスト教や左翼革命思想)を拒否し、人間の地平にとどまって生の意味を探し求めた。この観点から、カミュが生きた時代状況をつぶさに検討し、作家の全作品を読み直し、その特性を明らかにした。その成果は、2016年6月に刊行した単著『カミュを読む―評伝と全作品』、日本語およびフランス語によって研究誌に発表した論文として結実した。
著者
門平 睦代 織田 銑一 酒井 健夫
出版者
帯広畜産大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

2年間の研究期間中の研究対象地域は、1)愛知県(名古屋大学農学部付属農場周辺)、2)千葉県(農業共済家畜診療部門管轄地域、3)北海道(十勝支庁周辺)の3箇所であった。研究最終目的は、生産から販売までの「食の安全」の輪を、農家(生産者)レベルで確実なものとするための家畜飼養管理基準の構築である。しかし、農家毎に問題の種類も程度も異なるので、一律な家畜飼養管理基準での現場への対応は実践的ではない。そこで、この課題では、パイロット研究として、生産者のニーズを的確に把握し、その解決策を家畜保健所などの公共機関の職員(外部者)と農家が一緒になって探る過程が、問題の解決、ひいては生産性の向上へとつながることを提示することが重要な役割を持つ。共同研究者である堀北氏が所属する千葉県農業共済家畜診療部門との連携が十分に機能し、数々の事例を分析することができた。具体的には、2年目の後半に取り組んだ家畜保健所・コンサルタント事業を利用した活動では、参加型手法を使い、従業員全員で問題点を明確にし、解決策を提案し実践したところ、2ヶ月間という短期間に、搾乳頭数が増加し乳量が目的に達成したのに搾乳時間,は短くなり、乳房炎などの疾病発生数が減少し、仕事の連携が改善したという事例を生み出した。薬などの有害物質や資金を使わずに、農場内のコミュニケーション不足、獣医学的知見の一方的な指導、関係機関間の不十分な連携という問題点を改善したことによる成果である。つまり、「食の安全」に関連した健康的な管理飼養問題の解決方法の一例が提示できたわけである。千葉農業共済では上記の活動を平成18年度より正式な業務と認めた。今後は、堀北氏を中心にさらなる事例研究を全国レベルに拡大する。「ポジテイブ制度」など規制が増える昨今、生産者との協力関係を軸とした飼養管理基準の構築が急がれる。
著者
守村 敏史 井上 健
出版者
滋賀医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

多くの神経変性疾患では、細胞内に構造不良な蛋白質(ミスフォールド蛋白質)の蓄積する共通した病理像が認められる。オートファジーの活性化はミスフォールド蛋白質の除去に有望な治療法として注目されている。私は安全性の点から食品成分中のオートファジー誘導成分を検索し、治療に用いる試みを進め、オートファジー誘導可能な新規の食品成分3種類を同定した。また、カレーの有効成分でオートファジー誘導効果のあるクルクミンが小胞体ストレスによる疾患の一つPMDに有効である事、またオートファジ阻害薬として知られている抗マラリア剤のクロロキンが、蛋白質合成を止める事により同じ疾患に対して有効に働く事を報告した。
著者
中野 毅 粟津 賢太
出版者
創価大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

連合国の対日政策や占領に関する日本で公刊・発掘された最新の史資料を多数収集し、米国および英国、沖縄、韓国の各公文書館所蔵の日本占領関連文書の所在確認と再調査を行なった。米国では、宗教政党「第三文明党」の設立(1948年)に関する文書を発掘し、それが戦後初の伝統諸教団による宗教政党であった事実、また沖縄でも戦前の「宗教団体法」が本土復帰するまで存続していた事実、戦没者の遺骨収集が沖縄本島中心部で現在も続けられている事実など、新たな知見および研究法を獲得できた。
著者
宮島 美花
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、、社会調査における質的調査(聞き取り調査)の技法を用いた、中国朝鮮族の跨境生活に関する研究である。国境を含む行政区界の境界を跨いだ生活(跨境生活)には、行政区界ごとに社会保障システムが成り立っていることに起因する不便や不利益が伴う。彼らの跨境生活のありよう、特に彼らが日常的に直面する困難やその解決方法を明らかにすることを通じて、国家や地方自治体のような行政区界内のガバナンスと、そのような行政区界の境界に収まりきらない跨境生活空間におけるガバナンスとのズレを問い、民族ネットワークがその調整のために果たす役割を明らかにする。
著者
田邊 玲子 トラウデン ディーター クラヴィッター アルネ
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

この間「身体」が頻繁に議論されてきたが、非身体的なものの側面、とりわけ身体的なものと非身体的なものが交錯する領域が見逃されてきた。本研究は、ドイツ文学における身体と非身体との関連を研究した。キリスト教神学における身体と魂との関連、古代から現代の西欧哲学における模倣と身体存在についての言説、18世紀のヴィンケルマン、ヴィーラント、ゲーテ、そしてシルエットと影絵芝居の流行の美的内包について検討し、さらに、声、とくに1920年代の現代オペラにおける非主体化について考察した。本研究の成果は、身体的なものの不在といった、現代文化の特徴的な状況の解析に寄与するだろう。
著者
村松 潤一
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、これまでのマーケティング研究があまり関心を寄せてこなかった交換後の顧客の消費プロセスに焦点をあて、そこで展開される企業のマーケティングを価値共創という視点から解明した。具体的には、サービス業、小売業、消費財製造業、生産財製造業について調査し、企業は顧客と直接的な相互作用を通じて顧客にとっての価値を共創していることが示された。これらの事実は、これまで見落とされてきたものであり、今後のマーケティング研究にとって新たな知見となる。
著者
山口 和彦
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

現代アメリカ文学における「ボーダーランド」表象や言説の複合的編成について、コーマック・マッカーシーの小説のアーカイヴ資料の分析を中心に据え、追究した。とりわけ、人種的・階級的・性差的・宗教的・言語的・地理的・生物学的な「越境」を鍵概念にみると、そこには西洋白人男性中心主義的な幻想に支えられた「西部」起源のアメリカ性が転覆され、冷戦期アメリカにおけるアメリカ的自己と多文化共生主義との関係性が問い直されるなど、高度かつ複雑な「倫理」性が認められることを明らかにした。
著者
水野 知昭 下田 立行
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

平成11年度:北欧神話に登場する「馬に乗る神々」に焦点を絞り、オージンを筆頭とする「異境より来往する神々」の原態に探りを入れた。イェーアト国(スウェーデン南西)のベーオウルフは、デンマークにおける怪物退治の報酬として首飾りや胴鎧、その他の贈物を与えられて故国に帰参する勇者であるが、既存の秩序の混乱を招く「恐るべき異人」の側面を露呈している。と同時に、みずからが王に即位して長期の平和を確立し、「幸もたらすマレビト」としての特性を兼ね備えている。また、荒ぶる軍勢を統べ治める神オージンについて、「来訪する死霊神」と「豊饒をもたらすマレビト」という両義的な側面から、その本性を解明した。平成12年度:「海原を渡り来るおさな君」が士地の者に養育され、成長した後に、王に推挙され、平和と豊饒の時代を切り拓くという、北欧の類話を比較考察した。海上の島より来往するニョルズ神と豊饒神フレイにまつわる「古北欧のマレビト」の信仰基盤がその背景に横たわっている。また、中世北欧の教会建立の伝説について、「海からの異人」と「山からの異人」の対立抗争のテーマが隠されていることを、比較神話学・伝承学の見地から実証した。その根底には、アースガルズ塁壁造成神話のみならず、古代トロイアの城塞構築の伝説にも共通する「異人」(異神)来訪のモチーフがひそんでいる。平成13年度:フレイとバルドルは、「双生神」として密接不可分な関係にあり、「異族」の襲来から神界の境域を守護する戦士の役割りを負わせられていた、という新解釈を提示した。また、ヴォルスング王家のシグルズ、デンマークの王子ラグナル・ロズブローク、およびベーオウルフなどの勇者や雷神ソールの群像にスポットを定め、「異人」による「聖戦」(vig)として竜蛇退治の伝説を捉えなおした。また「北欧のマレビト」の代表格ともくされるニョルズの原姿に、航海・遠征からの生還をつかさどり、人々を危難から「救出する」神の側面を認めた。ニョルズの神観念の成立は後期青銅器時代にさかのぼるが、古代ギリシアのネストール(Nestor)の特性との共通性も見えてきた。これらの見地が、今後、異人・マレビト考を深化させてゆくための導きの糸になるであろうことは疑いもない。下田立行は、ギリシア喜劇断片の解読に従事し、ヘーリオドーロス『エティオピア物語』の翻訳を続行中である。前者のギリシア喜劇の中には、市民と非市民、あるいは市民と客人との地位の格差について触れた箇所がある。後者の『エティオピア物語』は、ギリシア・エジプト・エティオピアおよびペルシアなどの広範囲な地域におよぶ散文作品であり、異文化接触の記述が散見される。平成14年度中に刊行される予定である
著者
青木 敏 竹村 彰通 日比 孝之 大杉 英史
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

多項式環のグレブナー基底の理論を,統計学の様々な問題の解決に応用するという研究分野(計算代数統計学)は,1990年代に誕生し,主に分割表の枠組みにおいて,研究が進められてきた.本研究は,統計学の重要な応用分野のひとつである,実験計画法において,計算代数手法を使った新たな統計手法を開発することを目標とした.従来,実験計画法では,正規性の仮定を前提にした直交表の利用などに主眼が置かれていたが,本研究では,非正規性を有する観測値に対する統計手法として,多項式環のイデアルの構造から得られる新たな統計モデルの提案や,統計モデルの代数的特徴づけなどの結果を得た.
著者
佐々木 隆 高崎 金久 小竹 悟
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

数多くの厳密に解ける一次元量子力学系を具体的に構成し,その持つ量子対称性と可解性の関係を明らかにした.元の固有関数系に離散対称性を作用させ,(擬)仮想状態解を作り,それらを種解として用いた多重変形によって,数多くの可解量子力学系を得た.仮想状態解からは,例外型および多添え字直交多項式系を得た.擬仮想状態解を用いたものからは,多くのロンスキアン・カソラティアン恒等式を導出した.調和(放射)振動子,ポッシェル・テラー,モース,エッカート,クーロンポテンシャル,ウィルソン,アスキー・ウィルソン多項式,(q-)ラカー多項式等の変形を論じた.高い見かけの特異異性を持つポテンシャルと固有関数系も構成した.
著者
宮崎 哲次 井濱 容子
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では減圧障害の診断基準を確立することを目的とした.非肥満ラットと肥満ラットを用いて生前減圧群(AD)死後減圧群(PD)対照群の3群に分け,それぞれの群における血管内気泡と組織学的所見を比較した.特に肺の気腫性変化は画像処理ソフトを用いて定量評価した.血管内気泡はADとPD両方に確認された.AD群では,高圧負荷時間とともに血管内気泡と肺の気腫性変化が高度になり,死亡群ならびに肥満ラットにおいて変化がより著明となった.本研究では肺の気腫性変化の定量評価によって生前減圧と死後減圧を鑑別できる可能性を示した.本結果は,実際に減圧障害を含むダイビング関連死亡の剖検診断に役立つと考えている.
著者
小田 俊明 石川 昌紀
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,日本とケニアの長距離選手を対象に,下肢における筋と腱両組織の形態,ならびに力学特性を計測し,それらと競技パフォーマンスとの関連について検討することを目的とした.ケニア選手と日本選手の比較や,日本選手の中で競技力の異なる群の比較を行った結果,長距離走の競技力と,下肢や腱組織の形状,筋の硬さ,ならびに腱の柔らかさとが関連する可能性が示唆された.特に,足関節の受動トルク,ならびに筋のstiffnessはケニア選手で日本選手よりもそれぞれ52%,181%と非常に大きな差を示した.また,これらのパラメータは日本選手における競技力と高い正相関(それぞれR=0.58, 0.53)を示した.
著者
柴田 克己
出版者
滋賀県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

(1) DemozらのアシルCoA測定方法を参考にして,移動相,カラム,検出波長,流速,カラム温度を検討し,分離能が高くて機器に負担をかけない測定条件を検討した.分離用カラムとして, Tosoh TSK-GEL ODS-100Vを,移動相として100mmol/L NaH_2PO_4-75 mmol/L CH_3COONa(pHはH_3PO_4で4. 6に調整)-acetonitrile(94 : 6, v/v)を用いて,流速1. 0 ml/分で流すことで, CoA,アセチルCoA,デホスホCoAの分離に成功した.各々の定量限界は同じで,すべて10 pmolであった.測定時間は25分であった。(2)開発した方法を用いて,仮想酵素であるパンテテインアデニリルトランスフェラーゼ(パンテテイン+ATP→デホスホCoA+Pi)の検索を行ったが, in vitroでは酵素活性を検出することはできなかった(3)開発した方法が実際に生体試料に実用できるかを,パントテン酸欠乏動物と正常動物中の種々の臓器・組織中のCoA,アセチルCoA,デホスホCoA含量を測定したところ,小腸を除く他のすべてにおいて測定が可能であることがわかった.(4)幼若ラットをパントテン酸欠乏食で47日間飼育し,パントテン酸欠乏ラットを作成した.この欠乏ラットをパントテン酸含有食あるいはパンテチン(パンテテインが2分子結合した化合物)含有食を投与し,回復速度を比較した.その結果,種々のパントテン酸栄養状態を示す指標は,パントテン酸含有食とパンテチン含有食と差異は認められず,パントテン酸はパンテチンと同等の生体有効性を持つということが明らかになった.
著者
島根 哲哉
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

大学への出願行動を,入学による期待効用を最大化する受験生の離散選択問題として定式化する.また,大学側の受験機会の変更や教育内容の変更がこうした出願校および入学校選択に及ぼす影響を明らかにする.また,実際の出願数を計量的に分析することを通じて,受験生の大学への選好を明らかにし,受験生から見た大学の評価がどのような観点からなされているかを明らかにする.またこの結果を用いて,近年見られる大学の合併や学部組織の改組を,厚生の観点から評価する.
著者
内田 照久 大津 起夫 伊藤 圭 内田 千春
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

近年,世界的なグローバル化が進む社会情勢の中で,直接的な対話のためのコミュニケーション能力が問われるようになってきた。そこで,対話場面で必要とされる能力を検証し,音声コミュニケーション能力の教育測定のためのテスト開発に係わる研究を行った。本研究期間中は,(1)大学入試センター試験へのリスニングテストの導入に至る歴史的経緯と評価,(2)音声の韻律的特徴と話し方の評価・話者の性格印象の関係性の定量的モデル化,(3)声質変換音声を用いた英語リスニングテストの評価実験,を行った。