著者
木村 彰男 渡辺 孝志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.726-734, 1998-04-25
被引用文献数
16

入力画像からある特定の図形を相似変換不変な形で検出する問題は, 画像認識における基本的な研究課題である.Ballardによって提案された一般化ハフ変換(GHT)は, この種の問題に対処するためのプロトタイプとして知られており, その耐ノイズ性, 処理の柔軟さ, アルゴリズムの簡明さ, といった点で優れた手法である.しかしGHTには, 輪郭点ごとに正確なこう配情報を必要とする, 処理時間がかかる, といった問題点もある.そこで本論文では, これらの問題点に対処可能な新しい手法として, 高速一般化ハフ変換(FGHT:Fast Generalized Hough Transform)を提案する.FGHTでは, チェック点の導入で投票そのものの信頼性を高め, より高精度な図形の検出を実現している.更に, 線分近似を併用することで, 従来手法に比べて大幅な処理速度の向上を実現している.提案手法の有効性を検証するために行った評価実験では, 良好な検出結果が得られた.
著者
鈴木 眞理子
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.21-33, 2007

【目的】女性ソーシャルワーカーのキャリア発達がどのように変化していくか、ライフヒストリーの中から分析考察する。家庭環境や結婚・子育てが職業選択から転職や継続にどのような影響を与えているか、個性がソーシャルワーカーのキャリアにいかに関係するかを比較検証する。【方法】地域、分野、出生の異なる50歳代、3人のベテラン女性ソーシャルワーカーにインタビューを行い、ライフヒストリーを起こし、キャリア発達と家族の特徴、本人の個性やパーソナリテイとの関係を分析した。【結果】1970年前後に就職した世代は、ソーシャルワーカーは一般的職業ではなく、その選択に家族環境が大きく影響している。1人は障害のある弟を庇う正義感と父親への反発から福祉の仕事をライフワークとして目指した。もう一人は英語力を生かして国際的な仕事で転職を繰り返すが、親や弟の介護をきっかけに生涯学習として福祉に出会い、帰郷し地域包括支援センターの相談員となった。3人目は家庭環境が社会事業の中にあり、一族が必要とした看護師となり、法人発展の過程でソーシャルワーカーとなり特養の施設長となった。【考察】3人のうち2人の職業選択において、障害児の兄弟と育ち、両親が世話をすることが社会福祉やソーシャルワーカーに向わせたことが推察される。他の一人は社会事業を興した親のもとで、自然に家業を継ぐように福祉に向った。3人の職業観、結婚と家庭環境、性格によって、一相談員、特別養護老人ホームの施設長、NPOの介護事業経営者と、それぞれの最終ポストは異なった。【結論】ソーシャルワーカーという職業選択は家庭環境に大いに影響されているが、キャリア発展の結果は、本人のパーソナリテイによって大きく影響されることが結論づけられた。
著者
佐藤 文昭
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.69, no.586, pp.73-79, 2004

1.はじめに 今日の都市計画において、行政やプランナーなどの専門家だけではなく、市民との協働により計画を推進することが重要である。しかし、市民と専門家の並列的な関係により、計画が人々のニーズを十分に満たすことができない中で、その過程において個人の意見をどのように反映することができるかが、ひとつの大きな課題となる。本論では、都市計画における市民参加の原点となる近代都市計画家パトリック ゲディス(1854-1932)の理論である「生命の表記」に焦点を当て、その中における市民参加の位置づけを明らかにする。また、ゲディスの考え方を継承した都市計画家であるアーサー グリクソンの理論との比較を通して、近代からポスト近代の計画論において、個人と計画者が引き離されてきた過程について検証する。さらに、現代の都市計画が抱える問題を踏まえ、近代のゲディス理論が今日においで期待される役割とその可能性について検証する。なお、個人と計画者との関係を検討するための基盤として「近代化理論」と「従属理論」を用いて分析を行う。2.パトリック ゲディスの「生命の表記」 ゲディスは、1905年に「生命の表記」と呼ばれる思考機械を発表している。それは、生命の発展過程を示す4つの概念:「行為」(科学に基づく人間の活動の把握)、「事実」(日々の生活における「場所」の個人的な認識)、「夢」(個々の認識を超えた、人々が共感できる世界の構築)、「業績」(「夢」に基づく新たな世界の構築)によって構成される。「事実」では、都市の中での人々の活動を捉えるため、彼は「場所」(地理学)、「仕事」(経済学)、「人」(人類学)を社会学の基礎的概念として位置づけている。それ以降の「事実」「夢」「業績」は、これら3つとその組み合わせによるダイアグラムが徐々に発展していく過程を示している。さらに、この4段階の概念を1サイクルとする過程を繰り返すことにより、都市が進化しながらひとつのゴールへと収束していく。「生命の表記」の中でゲディスが思い描いていたものは、個人による場所の認識から政治的な議論までの道筋を構築することであったと言える。彼は、個人が地域に興味を持ち参加する市民となるよう、感情面での動機付けを行うと同時に、市民を新たな都市づくりを実現するための原動力として、重要な役割を担うよう位置づけていることが分かる。それは、市民とプランナーが、人間と自然との調和という社会が目指すべき共通の目標を抱き、言わば同一の社会観を有していることを前提としている。3.アーサー グリクソンのゲディス理論の解釈 ゲディス以後、生命の表記は、都市計画家であるアーサー グリクソンの理論の中に引用されている。1953年に発表した著書である『地域計画と開発』の中で、彼は独自の地域計画プロセスの枠組みを示している。彼の理論は、ゲディスが定義した4段階の概念のうち、一番初めの「行為」、つまり科学による人間活動の把握のみを用いている。それを含む計画過程として4つのステージ:自然科学の視点による「基本的過去」、社会科学の視点による「歴史的過去」と、それらの統合による「現在の文化的景観」、さらにそれが導き出す「計画的行動を設定している。ゲディスの「場所-仕事-人」は、社会科学の視点による「歴史的過去」として位置づけられており、より基礁的な学問としての自然科学による視点とあわせて、地域の現状を把握しようとしている点では、実証主義に基づくゲディスの理論と共通すると考えられる。しかしながら、ゲディスの生命の表記とグリクソンによる新たなアクションとしての都市計画プロセスとの相違点は、前者が、「行為」、「事実」、「夢」、「業績」からまた「行為」へと戻る循環するプロセスとして記述されているのに対して、後者は、「計画的行動」で終わる1サイクルとして表現されていることである。また、ゲディスの「行為」とグリクソンの「歴史的過去」の過程における「場所」、「仕事」、「人」を比較した場合、グリクソンの定義が、より詳細な専門的調査に基づく科学的データを重視しでいる。4.「近代化理論」としての生命の表記 今日の社会において、プランナーと市民の並列的な関係に基づく計画は、必ずしも人々のニーズを満たすことを保証しているとは限らない。ゲディス以後の都市計画のモデルでは、プランナーと市民の並列した位置づけと視点が明確に示されており、今日の計画理論にも共通して見られることが分かる。ゲディス理論の継承者であるグリクソンが描いた人と自然との調和に基づく地域づくりのプロセスでも、積極的に自らの生活の場を改善しようとする市民の力に依存することはなく、住民は、専門家としてのプランナーの意思決定に消極的に従うものとして位置づけられてしまった。ゲディスが「事実」の中で示した「感覚」、「経験」、「感情」といった日常の言認こよる地域の認識は、すべて専門のプランナーによる技術的な言語による地域の把握に吸収されている。このことは、ゼネラリストとしてのゲディスの理論がスペシャリストによる計画に移行する過程を示す一つの根拠として捉えることが出来る。今日、ゲディスの理論が過小評価されている理由として、市民プランナーの並列的な関係から捉えることができる。都市計画家ジョン・アボットは、近代からポスト近代に至る計画論を、「近代化理論」と「従属理論」として整理している。「近代化理論」では、その主たる目的を経済的、社会的発展と位置づけ、市民はその目的達成のために計画に参加するように位置づけられている。この視点に基づいた場合、ゲディスの理論は、人と自然との調和を目指すことをすべての個人にとっての共通の目的であると前提とすることにより、「行為」から「事実」の過程において、調査に基づく客観的な地域の把握と個人の知覚、経験、感情による主観的な地域の理解とが同一であると考えられており、それが「夢」としての新たな計画を導き出している。しかしながら、この問題点は、仮にこれら2つの認識に差異が生じた場合には、専門性とそれに基づく技術的言語が日常言語による主観的な認識を軽視する傾向にあること、またこうした専門性は、必ずしも複数の異なる住民の地域間のずれを調整する機能を持っていないことである。したがって、現代におけるゲディスの理論は、2つの問題を示していると言える。ひとつは、すべての人々が共有できる都市の姿が存在することを前提とすることはもはや出来ないということ、もうひとつは、プランナーが持つ専門的言語の優位性が、市民を都市計画から遠ざけていることである。5.結論:今日におけるゲディス理論の再評価 「近代化理論」としてのゲディスの理論が目指すプランナーと市民との同一の社会観の構築は、もはや今日の都市計画理論として応用できるものではない。しかしながら、彼が唱える「生命の表記」は、プランナーの価値観のみに依存することなく、個人が地域に対する自らの価値観を構築するための、個人の発展プロセスとして捉えることは可能である。このゲディス理論の解釈は、地域の経済的発展を第一の目的として置かず、その代わりに地域住民の異なる価値観や利益追求が共存できるように地域社会のエンパワーメントを推進し、個人のニーズを満たすための理論として定義することができると考える。このことにより、今日の都市計画の枠組みを、専門家による客観的態度と個人の主観的な自己表示的態度から捉え、その中で、ゲディスの「生命の表記」を、個人が自ら快適な生活の場、仕事の場を追求するためのひとつの手法として位置づけることが可能となる。さらに、より包括的な意味における都市計画には、これら2つの態度とそれぞれの価値規範を超えた公共圏の構築が必要であり、その中で両者の具体的な合意形成を行うことが求められる。
著者
西之園 晴夫 望月 紫帆
出版者
佛教大学
雑誌
教育学部論集 (ISSN:09163875)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.59-67, 2006-03-01

生涯学習社会においては,従来の個人的な教養や資格取得に対応するだけでなく,変動と多様化を迎えて専門職能の育成など高度職業教育を必要としている。この場合,従来の講義方式では多様化に対応できず,ゼミ方式の少人数方式では教育コストの面で多人数教育には望めない。そこで多人数でありながら,協調と自律を目指した自主学習システムを開発しているが,その方法論ならびに佛教大学で276名の多人数授業を実施したときの成果を報告している。
著者
河内 信弘
出版者
駒澤大学
雑誌
論集 (ISSN:03899837)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.73-88, 1975-03
著者
国方 聖司 加藤 良成 永井 信夫 八竹 直
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.p861-865, 1982-07

Seventy-two patients suffering from urethral stricture were treated at our clinic between May 1975 and December 1980. The clinical findings are reported. The common causes of the urethral stricture were trauma and infections, but iatrogenic (postoperative) cases have recently increased. Optical urethrotomy provided greater dilatation of the urethral stricture than the internal urethrotomy done using a Meisonneuve internal urethrotome. Optical urethrotomy is recommended for the treatment of urethral strictures because of the high success rate and safety.
著者
多久島 寛孝 山田 照子 林 智子
出版者
熊本保健科学大学
雑誌
保健科学研究誌 (ISSN:13487043)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-62, 2004-03-15
被引用文献数
1

「お待ちください」という言葉に対する患者・家族,看護師の意識を明らかにすることを目的に,口頭および文書で同意の得られた患者・家族100名および看護師46名に調査を行った。患者・家族には面接による聞き取り調査を,看護師には自記式調査用紙を用いて調査を行った。分析は,患者・家族が「お待ちください」と言われ待てると返答した時間および看護師が「お待ちください」と考える時間については有意差検定を行い,その他の項目については質的に分析した。その結果,1.患者・家族が「お待ちください」と言われ待てる時間は平均12.98分,看護師が「お待ちください」と考える時間は平均4.27分であり有意差があった。2.患者・家族は「お待ちください」と言われ思ったことは,【普通のこと】【すぐに対応してもらえない不満】であった。3.患者・家族は「お待ちください」と言われ不安に思ったことは,【行き場のない怒り】【見通しのつかなさ】【一方的な関係】であった。4.「お待ちください」の後に看護師に望む対応は,【安心感を得たい】【見通し】【信頼を望む】であった。5.待たせる場面での看護師の声かけの仕方は,【見通しのつかない示唆】【見通しのつく示唆】であった。6.看護師は,「お待ちください」をどう思って使用しているかは,【信頼の提供につながる支援】【罪悪感】であった。7.「お待ちください」を患者・家族がどう感じていると思うかは,【不信感への変化】【答えの出ない待ち時間】【我慢の強要】【裏切り】であった。
著者
阿部 新 浅妻 裕
出版者
北海学園大学
雑誌
季刊北海学園大学経済論集 (ISSN:03857263)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.59-84, 2007-12
被引用文献数
1
著者
市川 哲彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.62, pp.201-208, 1994-07-20
被引用文献数
2

純枠な関数型プログラミング言語Haskell向けに,monadを用いた実行順序制御と多重定義関数を基本操作とするデータベース操作インターフェースを設計・実装した.データベース操作はすべてmonadによって制御されているので,参照透過である.また,基本操作をPersistent classに関連付けられた多重定義関数として定義することにより,実装の詳細を隠蔽するデータ独立性を実現し,多様関数と静的型付けの利用とを可能にしている.In this report, we describe the implementation of a simple database manipulation scheme for non-strict purely functional programming language Haskell. Evaluation of database actions is controlled in a monadic way. Hence, all database manipulations are referentially transparent. The primitive operations are defined as overloaded functions associated with a newly introduced class Persistent. The class hides all the implementation details to achieve data independence, and utilizes polymorphic functions and static type checking, which are the major features of the language.
著者
喜連川 優 津高 新一郎 中野 美由紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.1019-1030, 1993-05-15
被引用文献数
2

関係データベースの各種の処理の中で特に2つのリレーションを動的に結合する結合演算は処理負荷が重く、数々のアルゴリズムが開発されてきたが、中でもハッシュ法に基づくアルゴリズムが現時点で最も有望と考えられている。また近年、並列計算機システムが一般化しつつあり、並列アーキテクチャの採用による並列関係データベースシステムの性能向上が注目されている。このような背景から、我々はハッシュに基づく結合演算方式としてGRACEハッシュ結合演算技法を取り上げ、シンメトリS81共有メモリ型マルチプロセッサ上に実装を行い、結合演算の性能評価を詳細に行い、理想的な並列台数効果を確認するとともに、その有効性を明らかにした。本論文ではGRACEハッシュ結合演算技法の並列化手法について検討するとともに、その実装化について考察し、更に実装システムの性能評価により、関係データベースの共有メモリ型並列プロセッサによる性能向上の有効性について明確化する。
著者
田村 孝之 中村 稔 喜連川 優 高木 幹雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.189-190, 1992-09-28

スーパーデータベースコンピュータ(SDC)は,現在我々が開発中の高並列関係データベースサーバである.SDCは,数台(4~6台)のマイクロプロセッサと磁気ディスク装置とを共有バスで密結合して処理モジュールとし,さらに複数の処理モジュールをネットワークで疎結合したハイブリッドアーキテクチャをとる.また,結合演算に対するアルゴリズムとして,"バケット分散GRACEハッシュ"法を採用し,これをハードウェアで支援するために,"バケット平坦化機能"を有するオメガネットワークの提案がなされている.このネットワークは,各スイッチ素子自体が局所的な履歴に基づいて適応的なルーティングを行ない,競合によるスループットの低下と処理モジュール毎の負荷の偏りに起因する性能向上の限界とを同時に解決することを目指したものであり,その有効性はすでにシミュレーションにより確認されている.また,バケット平坦化機能にはこれまでにいくつかの拡張が施されてきたが,処理モジュール数はネットワークの大きさに等しいと仮定され,ネットワークの性質から2^nに限られてきた.しかし,各処理モジュールの故障に対するロバスト性を向上させ,また,処理の規模に応じて徐々にシステムを拡張できるようにするには,任意のモジュール数が許されることが望ましい.そこで今回,これまでの制限を除き,ネットワークの大きさと異なる任意数の処理モジュールの間で負荷分散を可能にするアルゴリズムを開発した.本論文では,この新たなアルゴリズムを用いた時のネットワークの動作特性を,シミュレーションによる解析結果に基づいて述べる.
著者
池田 美桜 松本 学
出版者
国際学院埼玉短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02896850)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.77-81, 2005-03

幼稚園および保育所の多くが,年間を通じてあらゆる行事を計画している。幼稚園教育要領や保育所保育指針では,幼稚園・保育所は数多くの社会的行事や伝統的行事の中から園内行事を「精選」するべきであると,その選択についての重要性を強調している。園内行事は,子ども達の生活を彩るだけでなく,心身の発達にも大きく影響する活動であることはいうまでもない。本研究では,保育現場において,園内行事に合わせて読み開かせ用の絵本が選定されることに着目し,行事絵本の在り方について,七夕行事に焦点を当てて考察した。
著者
平方 純一 高山 成彦 佐々木 晋 松本 通顕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.98, no.353, pp.35-40, 1998-10-22
被引用文献数
1

人間工学的手法によりスーパーTFTモニタの印象評価, CRTモニタとのドットサイズ比較, TN-TFTモニタとの視覚許容範囲の比較を行った。印象評価では広視野角特性により同サイズのTFTモニタに比べ好印象を獲得し, かつ画面サイズは実ドットサイズよりも大きい評価を得た。ドットサイズの比較において文字のポイント数とサイズを変え最適ドットを調べた結果, XGA表示でに17"CRTに相当するLCDは13.9"であった。視覚許容範囲を広くするためには, コントラスト比よりも明るさと色調変化の物理量が重要であり, これらの特性が優れるスーパーTFTモニタは文字, 図形, 自然画の各画像で視覚許容範囲に優位性を示した。
著者
松井 健一 増田 美砂 杉藤 重信 伊藤 太一 渡邉 和男 西川 芳昭
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

環境ガバナンスに資するデータベースの概要を研究代表者が管理するウェブサイトに構築するとともに、伝統知とその法的問題点について査読入り学術図書1冊と当該課題に関する査読入り学術論文を4本出版した。学会発表は7回行った。また、毎年著名な研究者を筑波大学と国連大学高等研究所へ招へいし、シンポジュウムと研究者交流を行い、オーストラリア、カナダ、アメリカ、ドイツ、インド、ブラジルの研究者との共同研究へとつなげることができた。当該課題に関する修士論文を3本主査として指導した。
著者
川村 洋次
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、まず、様々な演出・編集技法操作を行った映像ショットを撮影し、新たに撮影した映像ショットにインデックスを付加した映像データベースを整備した。次に、映像データベースを基に演出技法・映像修辞を操作した広告映像を生成し、その効果について視聴実験した。そして、演出技法・映像修辞の操作と効果の関係を分析し、広告映像のクリエイティブ・ノウハウの抽出・体系化を図った。
著者
三浦 香苗 太田 亨 深川 美帆
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

学生によるビデオ会議(日本語使用)を,タイ,トルコ,豪州の協定校と,1 対1及び多地点同時通信で行った。その結果(1)1対1の方が多地点より議論が円滑であった。(2)会議のturn数を日:豪,日:タイ,日:トルコで比較すると,日:豪が有意に多かった。(3)「結婚」「職業」などは異文化会議を進めやすいトピックである。(4)国によっては,サブトピックより更に下位の話題が活発に出た以上の結果の原因が文化差か,グループの傾向か等は未だ特定できない。