著者
横山 佳裕 森川 太郎 藤井 暁彦 内田 唯史 中西 弘
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.111-117, 2014 (Released:2014-05-10)
参考文献数
28
被引用文献数
2 2

二枚貝類の保全に向けた検討として,有明海等において食害影響を与えているナルトビエイの生態特性を組み込んだ個体群モデルを開発し,有明海で実施されているナルトビエイの駆除による貝類食害量低減の効果を試算した。さらに,食害量低減に効果が高い駆除時期・場所を検討した。その結果,ナルトビエイの生態特性等を考慮した個体群モデルにより計算した来遊期間中の総個体数は,現地調査に基づき推定された総来遊個体数と一致していた。現在,有明海において6~10月に実施されているナルトビエイの駆除は,駆除を行わない場合と比べて,貝類食害量を40%程度低減できていると個体群モデルによる結果から試算された。また,産仔前の6,7月に駆除を行うことにより,貝類食害量低減の効果が高くなることがわかった。さらに,この時期に有明海湾奥部に位置する福岡県・佐賀県海域で駆除を行うと,さらに効果が高まると考えられた。
著者
岡部 弘高
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

カーボンフリー社会を実現するために蓄電池は重要であり、蓄電池の材料としてリチウムを確保することが必要である。陸産リチウム資源は南米に偏っており、日本が将来的にリチウムを確保できるかは不透明である。そこで、海水中に稀薄ながら大量に溶存しているリチウムを回収する新規吸着剤を開発し、リチウム資源の確保手段を確立することが本研究の目標である。
著者
皆川 優喜 森 信一郎
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2023-UBI-79, no.49, pp.1-8, 2023-09-18

昨今,新型コロナウイルスの影響で年々と猫の飼育頭数が増加してきている.その一方で,「2022 年(令和 4 年)全国犬猫飼育実態調査結果」[1] によると飼育者が増加しているが,高齢な飼育者はほかに比べ減少している.また,ヒアリングによる調査を行ったところ飼育者はトイレ周りの事象に関心を示していることが分かった.特に飼育者は掃除にかかる手間や排泄物の匂いといった衛生面において課題がある.このような課題に対してベントナイト系の猫砂は,匂いを抑え込む力が高い.加えて,吸水性が高いため他素材の製品と比較してもより少ない量の猫砂で猫の尿を固めることができる.その為,飼育者の抱える課題に有効である.しかしベントナイト系の猫砂を運用していく上でさまざまな課題があり,その中に重量に課題がある.ベントナイト系の猫砂は鉱物系の為,重量が重い.その為この猫砂を利用場合,飼育者にとって日々の購入行動や猫砂の補充・廃棄が負担となる.そして高齢な飼育者や多頭飼いの飼育者にとって,このベントナイト系猫砂による重量負担はさらに大きくなる.そこで私はこの課題に対して家庭毎の猫砂の消費量を予測し,その結果から飼育環境ごとに最適な量・スケジュールで配送を行うシステムの提案を行う.
著者
梅宮 弘光 矢代 眞己 大川 三雄 土崎 紀子 野沢 正光 堀越 哲美 米山 真理子
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究論文集 (ISSN:18802702)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.265-276, 2007 (Released:2018-01-31)

山越邦彦は,1930年代に設計した2つの実験住宅において,次のような当時における新しい技術を導入した。1)将来の生活変化に対応可能な住宅建築のための乾式構造(トロッケンバウ),2)生理学に基づいた快適環境を実現する輻射熱暖房(床暖房),3)住人を生態系に位置づける循環型住宅諸設備(浄化槽,メタンガス発生装置等)。これらは,生活の快適性を介して人間の生命現象に密接に関係するものであり,その試みは,人間疎外につながる近代化に対してオルタナティブな近代建築像を提示しようとするものだったと考えられる。ここに,山越のアヴァンギャルドとしての姿勢をみることができよう。それはまた,今日さまざまな環境問題に直面している私たちにとって示唆に富む。
著者
Tatsuya Maruhashi Masahiko Ogawa Yasuo Fukunaga Daisaku Kitaura Masato Kajikawa Shinji Kishimoto Yuji Takaeko Takayuki Yamaji Takahiro Harada Yu Hashimoto Yiming Han Aya Mizobuchi Farina Mohamad Yusoff Kazuaki Chayama Ayumu Nakashima Chikara Goto Kenichi Yoshimura Yukiko Nakano Yukihito Higashi
出版者
Japan Society for Vascular Failure
雑誌
Vascular Failure (ISSN:24324477)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.14-19, 2022-12-25 (Released:2023-02-14)
参考文献数
15

Background: Sleep apnea is an independent risk factor for motor vehicle accidents. We investigated the prevalence of sleep-disordered breathing (SDB) among commercial motor vehicle drivers in a transport company. Methods: Among 355 drivers in a transport company, 345 commercial motor vehicle drivers (mean age: 47.0±8.8 years, range: 21-71 years) underwent unattended out-of-center sleep testing using a type IV portable sleep monitor between September 2019 and November 2019.Results: The prevalence of oxygen desaturation index 3% (ODI3) score ≥15 was 17.7%. The prevalence of moderate-to-severe SDB, defined as respiratory event index (REI) score ≥15, was 31.9%. The prevalence of Epworth Sleepiness Scale (ESS) score ≥11 was 15.3%. There was no significant correlation between the ESS score and ODI3 (ρ=−0.05, P=0.40) or REI (ρ=−0.03, P=0.65) score. Multivariate analysis revealed that age (odds ratio [OR]: 1.05, 95% confidence interval [CI]: 1.02-1.09, P=0.002), body mass index (OR: 1.14, 95% CI: 1.05-1.23, P<0.001), and daily alcohol intake (OR: 1.98, 95% CI: 1.10-3.55, P=0.02) were significantly associated with moderate-to-severe SDB in drivers. The ESS score was not significantly associated with moderate-to-severe SDB (OR: 0.98, 95% CI: 0.93-1.05, P=0.70).Conclusions: Objective screening tests for sleep apnea such as unattended out-of-center sleep testing may be necessary to improve the health and safety of commercial motor vehicle drivers, especially middle-aged obese male drivers having daily alcohol intake.
著者
西村 亜佐子 眞田 法子 鈴木 渉太 岡田 浩 芝田 信人
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.117-120, 2023-09-20 (Released:2023-09-22)
参考文献数
14

日本では女性が健康に働き続けるための施策が十分ではない.また,女性自身のヘルスリテラシーが低く,女性特有の心身不調に関する情報へアクセスしづらい問題がある.この現状の中,地域の身近な医療者として薬局薬剤師が,体調に不安を感じる女性のファーストアクセスの場となることが期待される.そこで今回は薬学生を対象に,女性の健康について学ぶ機会を提供するため,女性ヘルスケアカフェを開催したので,これを報告する.
著者
大森 慈子 山田 冨美雄 宮田 洋
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.183-189, 1997-03-31 (Released:2016-12-06)
被引用文献数
7

The purpose of the present study was to investigate the influences of speakers' eyeblink frequency on receivers' impression formation in person perception. One hundred and thirty-four subjects, 96 males and 38 females, participated in this study as the receivers. The speakers were presented on video display, and they blinked either frequently or rarely. Subjects then rated impressions of the speakers on a set of 32 items of SD-scale. A factor analysis of the ratings yielded 3 factors, interpreted as "dynamism", "intimacy", and "sincerity". The frequently blinking speakers were rated less dynamic, intimate, and sincere, than the rarely blinking speakers. The results indicate that frequent eyeblinks had negative influences on impressions.