著者
杢谷 友香子 長谷川 順一 三方 彰喜 金 鏞国 川野 潔 根津 理一郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.9, pp.2379-2383, 2011 (Released:2012-03-25)
参考文献数
20

膵十二指腸動脈瘤は稀な疾患であるが,近年の画像診断の進歩とともに発見される機会が増加している.われわれは膵十二指腸動脈瘤に対し腹腔鏡下手術を施行し,良好な経過を得た症例を経験したので報告する.症例は67歳,男性.腎嚢胞および高血圧症にて内科通院中にスクリーニングCTを施行したところ十二指腸近傍に径30mm大の動脈瘤が発見された.3D-CT血管撮影像にて胃十二指腸動脈の末梢側に動脈瘤が確認され,膵十二指腸動脈領域に発生した真性動脈瘤と診断した.治療は低侵襲性と長期成績とを考慮して腹腔鏡下動脈瘤切除術を行った.周術期合併症は認めなかった.術後2年5カ月現在,腹部症状を認めることなく外来で経過観察中である.仮性動脈瘤や破裂例を除く膵十二指腸動脈瘤に対して腹腔鏡下動脈瘤切除術は,安全で効果的な治療法の一選択肢として考えられた.
著者
竹田源著
出版者
中西清和
巻号頁・発行日
1978

1 0 0 0 岩倉今昔

著者
竹田源著
出版者
藤村和正
巻号頁・発行日
1979

1 0 0 0 東郷村誌

出版者
福井県足羽郡東郷村誌編纂会
巻号頁・発行日
1956
著者
服部 ほの花 山田 宮土理 中村 航 畑中 久美子 村本 真
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.88, no.809, pp.2116-2127, 2023-07-01 (Released:2023-07-01)
参考文献数
38

In this paper, interviews and measurements were conducted to clarify the architectural characteristics of earth and stone masonry huts around Mihara City, Hiroshima Prefecture. The results showed that the huts were used for ash burning as a fertilizer for agriculture and for making compost. In many cases, stone pillars were used for fire and decay protection, and horizontal or vertical members were sometimes inserted inside the earth-stone masonry walls. Furthermore, the results were compared with previous studies that investigated the surrounding area to determine the regional characteristics of the plan shape and specifications of the earth-stone masonry walls.
著者
ファーマー ドナR. 脇森 裕夫
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.343-349, 2000-08-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
5
被引用文献数
1

グリホサートの安全性を評価するため各種の毒性試験を実施した. 原体, および各種製剤の急性毒性は低く, いわゆる普通物に相当した.また, 眼に対する刺激性は軽度から中等度であり, 皮膚に対する刺激性は軽度であった. 皮膚感作性は認められなかった.亜急性毒性, 慢性毒性および発がん性試験では, 雄ラットの高用量群において白内障様レンズ変性が, 雌ラットの高用量群において体重増加抑制が認められた. また雄マウスの高用量群において肝細胞肥大および小葉中心性肝細胞壊死が, 雌雄マウスの高用量群に軽微な体重増加抑制が認められたが, いずれの動物種でも催腫瘍性は認められなかった. また, 繁殖試験において繁殖能に対する影響は認められず, 催奇形性試験において催奇形性は認められなかった. 発達毒性が認められたのは母動物に対する毒性の認められた投与量においてのみであった.変異原性は復帰変異, DNA修復, 染色体異常のいずれの試験系においても陰性であった.薬理試験において心臓・循環器系に対する影響を示したが, 極めて高用量の投与の場合に限られており, 通常の使用により本剤による中毒は発現しないと考えられる.グリホサートは1980年9月に除草剤として農薬登録された. 食品衛生法に基づく残留農薬基準が120種以上の作物に設定されている. 一日摂取許容量 (ADI) は0.75mg/kg/day である.
著者
大鋳 史男 鈴木 達也 杉本 一臣
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.67-78, 2002-03-15 (Released:2017-04-08)
参考文献数
7
被引用文献数
1

Several methods that distinguish between a normal and an abnormal time series have been proposed. See Iokibe [3], Kaplan and Glass [4], and Wayland, Bromley, Pickett and Passamante [7]. These methods are algorithmically complicated, and then it is hard to clear the mathematical properties of them. In this paper we propose two simple methods for the problem of classification of time series data, which are called cos analysis method (CAM) and simplified cos analysis method (SCAM). Applying the proposed methods to the artificially produced chaotic time series data and the pressure data of an extruder, we show that we may practically use the methods for checking the strangeness of machines. Furthermore, using ergodic theory, we show that the quantity derived by the simplified cos analysis method equals to -1/2, when the time series data is random.
著者
浦野 雅世 石榑 なつみ 谷 永穂子 中尾 真理 三村 將
出版者
日本神経心理学会
雑誌
神経心理学 (ISSN:09111085)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.188-197, 2017-09-25 (Released:2017-10-11)
参考文献数
29

右半球病変で錯文法を呈した矯正右手利きの症例を報告した.呼称障害はごく軽微でありながら,自由発話/説明発話の別を問わず助詞の誤用が著明であり,脱落は皆無であった.逸脱語順や統語構造の単純化は明らかでなかった.理解面では語義理解は良好に保持されながらも,平易な会話の理解からしばしば困難を呈した.側性化の異なる失文法症例では統語的側面と形態論的側面の障害が共起しているのに対し,本例は形態論的側面のみに障害を呈しており,側性化の異なる失文法とは発現機序が異なると考えられた.本例の錯文法の発現は異常側性化に起因するものとであると推察された.
著者
栁澤 純 宮原 聡 濱武 大輔 今給黎 尚幸 大渕 俊朗 樋口 隆男 吉永 康照 白石 武史 岩崎 昭憲
出版者
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.780-783, 2010-07-15 (Released:2011-02-09)
参考文献数
14

腎癌は血行性転移を来たしやすく,その転移先では肺が多いとされる.腎癌肺転移巣に対し外科的切除を行った症例の治療成績および予後予測因子を検討した.1995年3月~2008年12月までの間に外科的治療を行った転移性肺腫瘍のうち,腎癌からの肺転移症例は14例あった.術式は肺部分切除術が13例に,区域切除術が1例に行われた.肺転移巣切除後のmedian survival time(MST)は40.1ヵ月で5年生存率はそれぞれ35%であった.また,これらのうちdisease free interval(DFI)を2つの群に分け検討したところ,DFIが24ヵ月未満の症例ではMST 40ヵ月,5年生存率17%であった.一方DFIが24ヵ月以上の症例ではMST 69.9ヵ月,5年生存率67%と有意差は認めないが良好な成績であった.腎癌肺転移症例に対して,特にDFIが24ヵ月以上の症例では積極的な外科的治療により,長期予後が期待できると考えられた.
著者
星 宣次 折笠 精一 吉川 和行 鈴木 謙一 石戸谷 滋人 伊藤 明宏 近藤 丘 今井 克忠 木崎 徳 鈴木 康義 加藤 正和
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.46-52, 1997-01-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
20

(背景と目的) 腎癌肺転移切除例を検討し, その有用性と手術適応を明らかにする.(対象と方法) 1981年より1994年末までに腎癌肺転移の切除術を行った17例 (男性14例, 女性3例) を対象とした. 肺転移手術時の年齢は, 45歳から73歳で平均年齢61歳. 原発巣術後に肺転移が出現したのが11例, 6例は腎癌診断時肺転移があり, 3例は肺手術を, 3例は腎摘を先行した. 他臓器転移が4例に見られ, 脳転移摘出, 対側腎転移に対する腎部分切除, 胸壁と肋骨転移部切除, 対側副腎転移の切除がそれぞれ行われた. 肺の片側手術例14例, 両側手術例が3例であり, 12例に肺部分切除が行われ, 5例に肺葉切除術が行われた.(結果) 肺手術後生存期間は10ヵ月から10年9ヵ月で, 肺手術による合併症は認められなかった. 疾患特異的生存率, 無病生存率はそれぞれ5年で55, 48%, 10年で27, 14%であった. 癌なし生存例はすべて10個未満の肺転移例であった.(結論) 腎癌の肺転移切除により長期生存例が得られ, 症例によっては大変有用であった. 肺転移数が10個未満の症例に予後良好例が認められた.
著者
鈴木 多聞
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

戦前から戦後にかけての昭和天皇と宮中を重点的にとりあげ、戦争終結のタイミングや条件の問題と戦後秩序の見通しの問題を明かにした。諸外国での文書館で史料調査を行い、史料を収集することができた。また、『昭和天皇実録』をカレンダー化し、時間の流れを整理することができた。研究成果の一部はすでに「『聖断』 と『終戦』の政治過程」(筒井清忠編『昭和史講義 最新研究てみる戦争への道』(筑摩書房、2015 年) 「鈴木貫太郎と日本の『終戦』」(黄自進・劉建輝・戸部良一編『「日中戦争」とは何だったのか』ミネルヴァ書房、2017年)として発表している。
著者
高橋 征三 藤原 正子 高橋 信行 竹内 和久
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

腎臓病患者の血中のビオチン(ビタミンH)濃度を測定したところ、健常者より高値であることを見出した。腎臓機能の低下した患者はビオチンだけでなくその代謝物を尿に排泄できずに血中に蓄積していることを意味している。この代謝物はビタミンとしての活性がないだけでなく、元のビオチンの活性を妨げることが言われている。腎臓病患者にとって慢性的な代謝物の蓄積は、病態を進行させるなど深刻な影響を与える。そこで活性のある元のビオチンと活性のなくなったビオチン代謝物を区別して測定する方法を開発した。さらにNMR(磁気共鳴)法を用いて慢性患者に特有の代謝を解明することにより、治療への道を拓きたい。
著者
常岡 有希子 長谷川 稜 吉田(田宮) 彩 佐原 利典 横田 和久 野原 千洋子 花岡 希 藤本 嗣人 中村(内山) ふくみ
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.8, pp.1656-1663, 2021-08-10 (Released:2022-08-10)
参考文献数
10

32歳,男性.夏季に近位筋優位の筋痛,筋力低下,握力低下,CK(creatine kinase)高値を認め,対症療法で自然軽快した.発症1週前,同居の娘に上気道症状があったとの病歴を聴取し,パレコウイルスA3型(Parechovirus A3:PeV-A3)感染症を疑った.咽頭ぬぐい液からPeV-A3遺伝子が検出され,PeV-A3感染による流行性筋痛症と確定診断した.本症は夏季に乳幼児のPeV-A3流行に伴って成人に発生する.特徴的な筋症状から本症を疑い,詳細な病歴,特にsick contactの聴取が重要である.
著者
根岸 孝康
出版者
口腔病学会
雑誌
口腔病学会雑誌 (ISSN:03009149)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.364-381, 1978 (Released:2010-10-08)
参考文献数
27

顎口腟機能と密接に関連した舌は, 咀嚼は勿論のこと発音運動においても重要な役割を果たしている。そこで舌の機能的進化の実態を解明する目的で, 舌運動との関連において, ヒトを含む霊長類の舌の筋構築と筋紡錘分布の変遷を比較調査した。ツパイでは, 舌筋構築は比較的単純で, 舌に筋紡錘は存在しない。スローロリスでは, 上縦舌筋が舌の正中部に限局した小線維束として配列し, 筋紡錘が頤舌筋に1個出現した。ニホンザルでは, 舌筋構築はより複雑となる。上縦舌筋の発達は悪いが, 頤舌筋はよく発達している。筋紡錘は, 頤舌筋に94個, 茎突舌筋に8個, 舌骨舌筋に6個と外舌筋に多く分布し, 上縦舌筋には6個, 横舌筋には8個と内舌筋にも出現し, 総数61個の筋紡錘が出現した。ヒトでは舌筋構築はきわめて複雑で, 上縦舌筋は舌背部から舌外側縁に広く発達し, 筋紡錘は上縦舌筋に159個, 横舌筋に79個, 下縦舌筋に22個, 垂直舌筋に8個と内舌筋に268個と多く出現した。頤舌筋には121個, 茎突舌筋には75個, 舌骨舌筋には37個と筋紡錘は外舌筋に233個分布し, 舌全体では501個の筋紡錘が片側で存在した。
著者
小薮 大輔 小林 耕太 福井 大 飛龍 志津子 目黒 史也
出版者
筑波大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2022-10-07

哺乳類の頭蓋骨は種に関わらず同じ数のパーツ(骨要素)によって構成されていることから,進化上極めて保守的な構造であるとされている.しかし応募者は他の哺乳類には見られない新奇な骨が一部の動物の耳にあることを発見した.この骨は従来の比較解剖学の体系上どこにも当てはまらない全く未知の骨である.予察的研究からこの骨は他の哺乳類では舌器の一部に当たる部位が転じて化骨したものであるという仮説を立てている.本仮説の検証を目指し,本研究ではどの部位が分化してこの骨が形成されるのか,どういった遺伝子とゲノム基盤が関わっているのかを解明する.