著者
Soichiro TAKATA
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
Mechanical Engineering Journal (ISSN:21879745)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.22-00002, 2023 (Released:2023-02-15)
参考文献数
12

This paper discusses a new identification method for a linear single-degree-of-freedom system that uses a Gaussian random response and is based on the maximum likelihood estimation (MLE) method. The likelihood function of the proposed method consists of the analytical solution of the Fokker–Planck equation. We have already published a paper on theoretical and numerical considerations. However, in that study, the experimental verification of the proposed identification method was not performed. Therefore, in this study, we conduct an experimental verification of the proposed identification method. First, the identification algorithm is formulated in a spring-mass-damper system subjected to white noise excitation by a moving foundation to correspond to the actual experimental setup. A preliminary experiment in terms of the excitation source is conducted using a vibration speaker. In addition, the experimental modal analysis is performed to confirm the validity of the vibratory system. The fundamental operation test of the identification method is performed using the actual experimental random response data, and a dependency survey of the number of samples is conducted. From the results, the convergence behaviors of the estimation value are observed with an increasing number of samples in the spring constant and the ratio between the diffusion coefficient and the damping constant. In addition, benchmark tests are conducted using the half–power method (HPM) based on spectral analysis and the auto-regressive method (ARM) based on time–series analysis. In the case of spring constant estimation, the behaviors of the estimation value that converge to the true value are observed in all identification methods. In the ratio between the diffusion coefficient and damping constant, the behavior of the estimation value that converges to the true value is observed only in the proposed identification method.
著者
熊本 忠彦
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-5, 2019-01-16

マイクロブログの1つであるTwitterでは,突発的な感情の発露を表すために,「日本が勝ったぁああ」や「それはやめて~~ーー」のような叫喚表現化したツイートを用いることがある.これまでの先行研究では,こういった叫喚ツイートの叫喚表現化された部分を検出し,元の表現(「勝った」や「やめて」)に変換することで,既存の様々な辞書を利用できるようにするための手法やツイートから叫喚ツイートを抽出し,投稿者の感情の大きな変化を検知するという手法が提案されている.しかしながら,抽出される叫喚ツイートの種類についてはあまり深く検討されておらず,比較的単純な正規表現により検索可能な叫喚ツイートのみが抽出されていた.そこで本論文では,先行研究で提案された正規表現を拡張し,より多くの叫喚表現に対応できるようにするともに,提案手法による叫喚ツイートの抽出割合や抽出精度を評価することで,その有効性を検証する.
著者
中堀 謙二
出版者
京都大学埋蔵文化財研究センター
雑誌
京都大学埋蔵文化財調査報告
巻号頁・発行日
vol.3, pp.193-200, 1985-03-30

1 Po地点の試料 [193]
著者
森野 真理
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.261-276, 2014 (Released:2016-07-10)
参考文献数
22
被引用文献数
1

コモンズの「過少利用」では,直接的な資源利用が減少したことで,景観や季節感の喪失,生物相の変化,災害防止機能の低下といった,自然資源の総体(生態系)としての機能低下が問題視されている.本稿では,森林・河川・農地の過少利用の事例をとりあげ,「生態系サービス」という観点から問題の特徴を分析した.その結果,コモンズに期待される受益は,物質資源を供給するサービスから,レクリエーションや景観といった文化的サービス,気候や災害制御といった調節的サービスへと重点が移っていた.期待されるサービスの変化にともない,ステークホルダーの拡張がみられた.
著者
下条 裕 西村 隆宏 粟津 邦男
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.219-227, 2022-01-15 (Released:2022-01-15)
参考文献数
20

本研究では,接触式レーザー前立腺蒸散術用の新規ファイバーであるXCAVATORファイバーによる治療の熱影響を評価するために,ブタ前立腺組織を用いた照射実験にて蒸散深さ,損傷深さ,蒸散幅を既承認のTwisterファイバーと比較することを目的とする.同一光源装置を用いて2つのファイバーから出射される波長980 nmレーザー光の照射対象面での空間分布と光拡がり角を計測し,ブタ前立腺組織を用いて蒸散深さ,損傷深さ,蒸散幅を測定した.Twisterファイバーと比較し,XCAVATORファイバーは出射光数が多く,光拡がり角で36°広範囲に光照射された.蒸散深さ,損傷深さ,蒸散幅の最大値は,それぞれXCAVATORファイバーで 1.9 ± 0.4,4.0 ± 0.7,8.1 ± 1.6 mm,Twisterファイバーで2.7 ± 1.5,4.3 ± 1.5,5.0 ± 1.5 mmであった.XCAVATORファイバーはTwisterファイバーと比較して広くて浅い蒸散をしながら同等な損傷深さとなった.以上より,XCAVATORファイバーを用いた接触式レーザー前立腺蒸散術の熱影響解析を基に,治療におけるXCAVATORファイバーの特性を明らかにした.
著者
太田 静六
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
vol.257, pp.111-117, 1977-07-30 (Released:2017-08-22)

The southern front style of Hachiman shrine was completed at the 1st time structure of Iwashimizu shrine and the connected roof style of three shrines was started at the second time structure of Iwashimizu shrine. Next I discovered that the floor level of the frontrank temple are very lower than the behined temple in Heian and Kamakura Period.
著者
Y. Shimojo T. Nishimura H. Hazama N. Ito K. Awazu
出版者
International Phototherapy Association
雑誌
LASER THERAPY (ISSN:08985901)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.61-72, 2020 (Released:2020-07-17)
参考文献数
59
被引用文献数
7 12

Background and Objectives: Computational clinical trial (CCT) in the field of laser medicine promotes clinical application of novel laser devices, because this trial carried out based on numerical modeling of laser-tissue interactions and simulation of a series of treatment process. To confirm the feasibility of the computational clinical trial of skin treatment with a novel picosecond laser, this paper presents an evaluation method of the safety. Study Design/Materials and Methods: In this method, the light propagation and thermal diffusion process after ultrashort light pulse irradiation to a numerical skin model is calculated and the safety based on the photothermal damage is evaluated by computational modeling and simulation. As an example, the safety of a novel picosecond laser device was examined by comparing with several laser devices approved for clinical use. Results: The ratio of the maximum thermal damage induced by picosecond laser irradiation was 1.2 × 10-2 % at the epidermis, while that caused by approved laser irradiation was 99 % at the capillary vessels. The numerical simulation demonstrated that less thermal damage was observed compared with the approved devices. The results show the safety simulated by photothermal damage calculation was consistent with the reported clinical trials. Conclusions: This computational clinical trial shows the feasibility of applying computational clinical trials for the safety evaluation of novel medical laser devices. In contrast to preclinical and clinical tests, the proposed computational method offers regulatory science for appropriately and quickly predicting and evaluating the safety of a novel laser device.
著者
西村 隆宏 下条 裕 粟津 邦男
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.37-43, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

本稿では,2016年に通知「レーザ医療機器の承認申請の取扱いについて」(薬生機審発0629第4号)が発出されたことを受けて,工学側からみたレーザー治療機器の評価アプローチについて論述する.本通知を安全かつ有効に活用するための方策としての計算機援用レギュラトリーサイエンスによるレーザー治療機器評価を提案し,シミュレーションによるレーザー治療評価に関する取り組みを示す.
著者
西村 隆宏 下条 裕 間 久直 粟津 邦男
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.301-308, 2020-01-15 (Released:2020-01-16)
参考文献数
26

本研究では,新規レーザー治療装置に対する迅速かつ低コストな評価手法として,レーザー治療における計算機臨床試験を提案する.レーザー光照射により生じる生体組織内の光熱伝搬とそれに伴う熱損傷過程をモデル化し,レーザー治療における安全性を数値シミュレーションにより評価する.皮膚良性色素疾患治療用ナノ秒パルスレーザー装置の承認申請機器を対象とし,パルス幅の異なる既承認機器と比較して熱損傷の観点から安全性が同等であることが,計算機臨床試験により評価可能であることを示した.
著者
秋本 福雄
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.43.3, pp.157-162, 2008-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
64

ルイス・マンフォードは人間環境が再建されるべき基本原則を確立しようと試みた。彼は、「都市の文化(1938年)」、「都市開発(1946年)」、「歴史における都市(1961年)」、「都市の展望(1968年)」を刊行している。彼は、都市の機能的理論と規範的理論を統合した都市生活に関する総合理論を打ち立てた数少ない理論家の一人であり、学識の幅広さと深さ、そして独自性を持つ都市の文化の鋭い批判者であった。しかし、著作スタイルの難解さにより、解析的な研究は乏しく、彼の思考は計画家にとって活用すべき資源として残されている。この論文は、パトリック・ゲデスの都市生態学、エベネザー・ハワードの田園都市論の基礎の上に確立された彼の都市・地域計画の基本原則を解明している。
著者
鈴木 敏弘 海野 良輔 山里 一英 小泉 幸道 石川 森夫
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
日本乳酸菌学会誌 (ISSN:1343327X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.129-134, 2020-11-17 (Released:2021-12-11)
参考文献数
20

Marinilactibacillus 属や Alkalibacterium 属などの好塩性・好アルカリ性乳酸菌は塩類の影響を受ける海洋環境からの分離例が多い。一方で、これらはチーズをはじめとする塩分を含む発酵食品にも存在するが、その由来については明らかにされていない。本研究では、同乳酸菌群の分離源の多様性の解明を目的として、発酵食品製造に用いられる可能性が考えられる海水天日塩から好塩性・好アルカリ性乳酸菌の分離を行った。供試した 23 点の海水天日塩のうち、フランス産の 2 点から集積培養によって Alkalibacterium 属乳酸菌を分離した。分離株は海洋環境より分離・報告された好塩性・好アルカリ性乳酸菌 Alkalibacterium putridalgicola と同定され、生理学的性状も類似していた。一方で、分離株は NaCl 20% 以上の耐塩性を有さず、生育に糖類を要求し、天日塩への付着時には増殖はしていない可能性が推察された。これらのことから天日塩には海洋環境で生育する好塩性・好アルカリ性の乳酸菌が付着、増殖はしないものの生存し、天日塩を使用した様々な食品製造環境に伝播している可能性が考えられた。
著者
岡藤 勇希 牧田 昌大 松村 耕平 馬場 惇 中西 惇也
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.366-376, 2023-02-15

近年では,人間の労働力のサポート手段の1つとして,コミュニケーションロボットが積極的に活用され始めている.一方で,公共空間でロボットと対話をする際には恥ずかしさが発生することが知られており,これによりロボットの利用が妨げられる可能性がある.そこで本研究では,公共空間においてロボットの利用を促進させるために,ロボット利用時の恥ずかしさの発生要因と,恥ずかしさがロボット利用に対して与える影響を明らかにすることを目的として,ロボットを利用するサクラを用いた実験を実施した.実験結果より,ロボット利用中に感じる恥ずかしさは,周辺からの注目と周辺からの理解による要因に影響を受けることが示された.また,利用中の恥ずかしさを減少させることにより,ロボットとのインタラクション時間が延びることが示された.
著者
赤塚 由菜 青山 英樹
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2019年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.669-670, 2019-08-20 (Released:2020-02-20)

ファッションデザイナーが衣服をデザインする際、布のドレープが重要である。ファッションデザイナーやパターンメーカーの負担を軽減し、アパレル製品のデザインプロセスにおけるコストと作業時間を節約するために、機械的な布の特性を反映したより正確な着装シミュレーションの開発が求められている。本研究では、現場に導入可能な布の力学特性の簡易測定法、および着装シミュレーションシステムを提案する。
著者
窪田 悟
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.354-356, 1992-03-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
2

液晶ディスプレイの有効視野角 (文字の読取りに差し支えない角度範囲) を主観評価実験により求めた.その結果, 一義的に2 : 1もしくは3 : 1以上のコントラスト比が確保できる角度範囲を視野角とする従来の評価法とは異なる, より視覚系に即した評価法を提案した.すなわち, 法線方向のコントラスト比の平方根以上のコントラスト比が確保できる角度範囲を視野角とする評価法である.
著者
加藤 武雄
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.164, 1971 (Released:2010-10-29)
参考文献数
4
被引用文献数
1

At Daiichi Dam of the Tachiyazawa River, the amount of dissolved oxygen and the water temperature are observed throughout the day. The hourly observation reveals that the linear relationship (negative correlation) is found to exist between the two. Regarding this river, the following equation is obtained:DO=13, 98-0.367 Tw (r=-0.933), where DO is dissolved oxygen in ppm and Tw in °C.
著者
安井 眞奈美
出版者
京都大学ヒマラヤ研究会
雑誌
ヒマラヤ学誌 : Himalayan Study Monographs (ISSN:09148620)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.61-78, 2000-06-30

目次氏名「安井 真奈美」文化人類学を専攻する筆者は, これまで日本やミクロネシア地域を主なフィールドとして, 出産に関する慣習や人々の考え方の変化を明らかにしながら, 文化変容や「近代化Jについて論じてきた. 今回, ブータン王国を訪れる機会を得, 同じく出産というテーマから, ブータン社会の現状に迫りたいと考えた. 出産に注目することは, ブータンの死生観を明らかにする切り口を得るばかりでなく, ブータンの医療の現状を垣間見ることにもつながる. 本稿では, 筆者の現地調査の成果に基づき, ブータンの伝統的な出産の方法や出産に関する慣習を紹介し, あわせてティンプー総合病院にて出産に立ち会った様子の記述を試みた. 90%以上の女性が自宅で分娩している昨今, 出産環境の改善は最重要課題のーっとみなされているが, それと同時に出産に関する儀礼やさまざまな慣習, 人々の出産観を含めた広い視野での学際的な調査研究が待たれる.
著者
辻野 睦 内田 基晴 手塚 尚明 高田 宜武
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.184-195, 2020-05-15 (Released:2020-05-29)
参考文献数
39
被引用文献数
2 2

全国12のアサリ漁場干潟における線虫類の分布と形態的特徴について底質環境およびマクロベントス現存量との関係を調べた。線虫類の生息密度は有機物量が多く粒径が細粒部に偏り,バクテリア生菌数が多く還元的な干潟で高いと言えた。線虫類の体長や体幅は底質の粒度組成および酸化還元電位といった物理化学的な環境と関係していることが示された。線虫類とマクロベントスの湿重量には正の相関関係があり,線虫類の現存量が高いと考えられる底質環境の干潟では,アサリを含むマクロベントス現存量も高くなる傾向が認められた。
著者
大橋 唯太 亀卦川 幸浩 井原 智彦 高根 雄也
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

人口が集中する都市の屋内外環境における急性循環器系疾患の死亡リスクを、気象と都市の数値流体モデルによって高解像でマップ化することが、本研究の主課題である。建物室内での生活、屋外空間での歩行や労働など、個々の活動条件を想定した疾患リスクの定量評価を試みる。この物理モデルで得られた結果をもとに、AI(機械学習)による疾患リスク予測の簡易手法を確立する。また、将来の気候変動によって予想される極端な高温化が、急性循環器系疾患の死亡リスクをどの程度上昇させるかについても、予測評価を試みる。