著者
山田 英一 住吉 浩 山我 義則 岡本 芳晴
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.669-674, 2006-07-25
参考文献数
16
被引用文献数
1 5

犬猫におけるレーザー腸管溶接法を開発した.腸管は本実験用に開発した有窓式鉗子(LW鉗子)ではさみ,2種類の接触型プローブ(先端鈍:レーザー・バイポーラ・デセクター(LBD),先端鋭:スーパー・スカルペル・デセクター(SSD))を用いてLW鉗子の有窓部よりレーザーを照射し,腸管を溶接・切離した.半導体レーザー出力と溶接力の結果より,LBDを用いた場合の至適条件は犬猫ともに回腸では6〜10W,結腸では8〜10Wであった.また,SSDにおいては大の回腸では6〜8W,結腸では8〜10Wであった.一方,猫の回腸では10W,結腸では6〜8Wであった.さらにLBD,SSDともに回腸と結腸の間に溶接力の大きな差は見られなかった.有意差は認められなかったが,同一出力ではLBDの方が溶接力が強い傾向にあった.組織学的に,溶接部は完全に接合されていることが確認された.以上のことより,犬および猫の回腸または結腸のレーザー溶接は,LW鉗子を用い,LBDまたはSSDプローブで半導体レーザーを約8W,50-80秒(400-640J/cm)の条件で行えることがあきらかとなり,生体にも十分臨床応用できるものと思われた.
著者
竹原 卓真 谷尻 豊寿
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.491-495, 2015
被引用文献数
4

Considering the great popularity of amusement machines and contact lens that magnify the iris, it is clear that eyes play a significant role in facial attractiveness. However, there have been few studies that investigated attractiveness using average faces while manipulating the size of the iris and the shape of eyelid. In this study, we generated average female faces with either flat or double eyelids, we also generated four patterns of the size of the iris, and asked participants to rate their attractiveness and how natural or otherwise the faces appeared. The research found a face with flat eyelids and an iris at 125% of normal size was judged more attractive and more natural than faces with double eyelids. These results suggest that females with flat eyelids can readily enhance their facial attractiveness utilizing commodities such as contact lens that magnify the iris.
著者
渡久山 幸功 Tokuyama Yukinori 沖縄大学地域研究所特別研究員 沖縄大学非常勤講師
出版者
沖縄大学地域研究所
雑誌
地域研究 (ISSN:18812082)
巻号頁・発行日
no.11, pp.17-34, 2013-03

ヴァーン・スナイダーが書いた沖縄を舞台にした小説『八月十五夜の茶屋』(1951年)は、ベストセラーになり、その後、戯作家ジョン・パトリックによって舞台化され、3年を超える超ロングランを記録し、後に映画化され大ヒットした。小論では、数少ない先行研究に概観、原作と翻案の比較、その当時の作品と関連する様々な文献(新聞記事、書評、作者自身のインタビュー等)を調査しながら、本作品の解明を試みた。この作品は映画のヒットによって、沖縄の人々の記憶に残っているが、この映画版と原作の小説には大きく異なる点がある。特に、主要人物の芸者(沖縄のジュリ)や沖縄人通訳者の扱い方である。スナイダーの原作では、主人公のアメリカ将校に現地沖縄人からのプレゼントとして芸者を二人用意しているが、これは映画と異なり、アメリカ人将校と芸者との恋愛関係を描いておらず、芸者のイメージの脱セクシャリティ化を企図している。つまり、沖縄文化や沖縄人の等身大の描写を心がけ、ステレオタイプ的な描写を極力抑えられているところに特徴がある。また、軍事植民地沖縄に対するアメリカ軍政府への提言として、東洋人の住民の幸福は欧米的なものではないことを認識することが重要であり、彼らの異文化・習慣を尊重し、アメリカ文化や価値観を温情的に押し付けることがないように示唆している。しかし、それは、単にクリスマスのサンタクロースの様にプレゼントを与えるだけではなく、現地民の自立を促し、真の意味での民主化を提言しているため、在沖米軍(占領政府)にとっては、容認できない「危険な」テキストになっている、と指摘した。
著者
鈴木 美央 アルマザン ホルヘ
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.80, no.709, pp.601-610, 2015
被引用文献数
2

The use of public streets by markets have been legally accepted and provided livelihood for people living nearby all over the world for centuries. The study aims to identify the effects of street markets in London together with the management system which transforms usual streets to market streets. In the result, the effect of markets are classified into three large categories; economy quality of life, environments which coincides with triple bottom line of sustainable development. The result also shows the market operation is formed with two pillars, an institutionalized rule and flexible and prompt actions on site.
著者
岩橋 大希 高木 直行
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.289, 2010

全元素を対象とした天然存在量や核変換効率についてのサーベイを行い、核変換技術を用い豊富で低価値な物質から希少で高価値な物質を生成する有用元素生成の実現可能性を検討した。
著者
北山 太樹
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.65-70, 2002

伊豆諸島神津島において褐藻類相を調査した結果,4科12種を確認した.神津島は暖温帯性のアミジグサ科藻類の豊かな群落と,多年生のコンブ類がみられないことで特徴づけられる.Halopteris filicina (Grateloup) Kutzingカシラザキ(カシラザキ科),Spatoglossum latum J. Tanakaヒロハコモングサ(アミジグサ科),Sargassum crispifolium Yamadaコブクロモク(ホンダワラ科)は神津島新産となる.S. crispifoliumは,神奈川県沿岸の打ち上げ藻や流れ藻として知られているが,神津島に自生することが確認された.
著者
汐崎 順子
出版者
三田図書館・情報学会
雑誌
Library and information science (ISSN:03734447)
巻号頁・発行日
no.60, pp.29-60, 2008

原著論文【目的】 本稿の目的は小河内芳子の経歴と活動を明らかにすること,および小河内が活動した各時代における児童サービス,児童図書館員の動きを示すことである。 【方法】 小河内芳子の経歴を時代別に4区分し,各時代における関連文献を調査収集し,検証した。併せて関係者への聞き取り調査を実施した。 【結果】 小河内は児童図書館員として幸運な経歴を持ち,その立場を活かした活動により児童サービスの動きに影響を与えたことが分かった。その業績のうち評価すべきものは, (1) 組織的な活動とネットワークの形成と, (2) 児童図書館員の専門性の確立および資質の向上である。1970年代には,量を重視して公立図書館の発展をめざす動きの中,質の充実をめざす小河内の活動に対する批判が生まれたが,これは児童サービスに取り組む視点の違いによるものであることが考察された。Purpose: The purpose of this study is to illustrate and define Yoshiko Kogouchi's career and activities, as well as to research and analyze the changes that occurred in library services to children and the activities of children's librarians during her time.Methods: For the purpose of this research, Kogouchi's career was divided into four periods. Various related documents from each period were closely examined and evaluated. In addition, interviews were conducted with people who were acquainted with her activities.Results: Kogouchi's career showed that she had a fortunate career as a children's librarian. Her activities were conducted based on this position which then influenced the movement of library services to children. Her most distinguished contributions were: (1) the approach toconducting systematic activities and creating a network system, and (2) the approach to establishing children's librarianship as a field and developing specialists in that field. In the 1970s, Kogouchi's emphasis on quality was criticized during a time when quantitative expansionof public libraries was the mainstream. Research showed that this was the result of a dfference in opinion on how to provide library services to children.
著者
郡 千寿子
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.99, pp.1-7, 2008-03
被引用文献数
1

2007年2月に文化庁文化審議会国語分科会が「敬語の指針」(答申)を発表した。その内容を手がかりにしながら、従来の敬語教育について再検討し、今後の敬語教育についての留意点や方向性について、考察検討を加えたものである。現時点での教育現場、特に教科書における敬語教育の内容を比較検討し、現状での課題を提示した。また、日本語学分野における敬語論をふまえて考察してみた結果、今後の敬語教育の方向性として、従来の絶対敬語としての敬語教育から、相対敬語、つまり他者への配慮としてのコミュニケーション重視の敬語教育への転換期にあることを論じた。
著者
深田 淳太郎
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.98, 2012

パプアニューギニア、ラバウルで用いられている貝貨の原料となる貝殻は、現在国境を越えてソロモン諸島西部地域から輸入されてきている。本発表では、この貝殻の輸出入のプロセスを辿り、そのネットワークがどのような歴史的な出来事と道具立て、そしてその状況に置かれた人々の実践の偶発的な巡り合わせとして出来上がっているのかを明らかにする。
著者
嶋内 麻佐子
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.79-85, 2002-01-31

武家茶には,その時代の要請が強く反映されている。古田織部によって武家相応の茶の湯が出来上がってゆくが,まだ完成の域には達していない。その弟子である小堀遠州は,大名達の要請を意識しながら,優雅さの中に佗びを表現するという独自の武家茶を完成した。その遠州の茶について考察してみた。
著者
三橋 富子 戸田 貞子 畑江 敬子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.241-247, 2008-08-20
被引用文献数
6

塩化ナトリウム,ショ糖およびクエン酸の検知および認知閾値を測定して,加齢および性差の味覚感受性に及ぼす影響について検討した。また,食物嗜好と味覚感受注の関係についても調べた。被験者は65歳以上の男子22名,女子32名,および20歳前後の男子54名,女子54名である。加齢による味覚への影響は顕著に見られた。高齢者は若者に比べ統計的に有意に高い検知閾値を塩化ナトリウムとクエン酸について示し,認知閾値においてはショ糖とクエン酸について示した。クエン酸については性差も認められ,高齢者男子は高齢者女子よりもクエン酸の感受性が低かった。プロビット法により分析したすべての閾値は,ショ糖の検知閾値を除いて,若年者女子,若年者男子,高齢者女子,高齢者男子の順に高くなっていた。塩化ナトリウムに対する感度の低い人は漬物,あるいは塩辛のような塩辛い食物を感度の良い人よりも好んでいた。味覚感受性と食品嗜好の関係についてはほかには認められなかった。
著者
山口 創
出版者
The Japan Society of Acupuncture and Moxibustion
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.732-741, 2008-11-01
参考文献数
2

本稿では第1に、 身体心理学の立場から、 自己と環境との境界としての皮膚感覚について論じられた。<BR> 第2に、 身体接触が心に与える影響に関する実験について紹介した。実験では、 触れる側、 触れられる側、 自己接触の3群の不安低減効果について検討した結果、触れられる側にのみ心理的変化があることを紹介した。 次いで幼少期の両親との身体接触は、 成人後にも対人関係に影響を与えている事実を紹介し、 皮膚自体が記憶をもつ可能性について示唆し最後に、 鍼灸治療における皮膚の機能や役割について論じた。鍼灸は皮膚へ介入する治療であり、 それが内臓や筋肉などに変化を及ぼし、 さらにその変化が皮膚に反映される。 つまり皮膚は入力と出力の界面である。 そのような視点から皮膚を観ることや、 皮膚に直接接触することの重要性について論じた。
著者
姜 錫祐
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.91-102, 2001-09-30

本研究は官僚社会の一集団である市役所を調査対象に,集団内の上司を話題とする場面からそこで行われる敬語運用の実態について考察したものである.本研究では,敬語運用にかかわる種々の要素について,話し手個々人の心理的側面に密着しながら,要因同士の相関を明らかにした.そのうち,「ウチ・ソト」といった要素の敬語運用上の状況は注目される.「ウチ・ソト」というのは,基本的に集団内部と外部との関係で適用されるものであるが,「身内の者を高めてはいけない」といった規範意識に過剰反応し,その結果,同じ集団内の人間関係にまで適用・拡散される傾向の強いことがわかった.