1 0 0 0 OA 孤独な群衆

著者
阿部 周造
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1_2, pp.1_2_23-1_2_32, 2021-03-31 (Released:2022-01-22)

1 0 0 0 母の認知

著者
福里 盛雄
出版者
沖縄大学
雑誌
沖大論叢 (ISSN:03871630)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.31-50, 1965-10-15
著者
小嶌 健一
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
no.142, pp.155-168, 2020-03

マット型睡眠計を介護施設に設置し,要介護高齢者の睡眠状態について1 週間にわたって計測した.また施設に入所している要介護高齢者の睡眠状態と認知症に併発する行動心理症状Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia(BPSD)との関係性についても検討した. 分析対象者は1 週間連続してデータ収集ができた26 名であった.対象者の属性については,平均年齢は85.4±6.1 歳,性別は男性3 名,女性23 名,入所期間の平均は225.7±313.9 日.要介護度の平均は2.9±1.1 であった.医学的情報については,認知症をはじめとする中枢神経疾患17 名,整形外科疾患8 名,内科系疾患1 名であった. 睡眠状態については,タニタ社製睡眠計スリープスキャンSL-511 を活用した.居室のベッドに敷かれたマットレスの下に設置して被検者の呼吸,心拍,体動による振動を検知して睡眠測定をおこなった.次いで,BPSD 症状についてはNeuropsychiatric Inventory Nursing Home Version(NPI-NH)を用いて測定した. 本調査の結果から以下の2 点が明らかとなった.第1 に,介護施設に入所する要介護者は1 日のうち半日分にあたる約12 時間をベッド上で毎日過ごしていることがわかった.ベッドに臥床しつつも目が覚めている状態を示す覚醒時間の平均では約2.6 時間,次いで眠っている時間を示す睡眠時間の平均が約9.5 時間,睡眠効率の平均が79%,睡眠回数の平均は2.2 回であった. 第2 に,睡眠状態とBPSD との関係性については,NPI-NH の結果からBPSD 所見の有無2 群間と,睡眠状態を計測した覚醒時間,睡眠時間,就寝時間,睡眠効率,睡眠回数の5 項目について検討したところ,BPSD 所見がみられた群が所見のみられなかった群と比べて1 週間のうち日曜・月曜・火曜・金曜・土曜日のそれぞれにおいて1 日あたりの平均した睡眠回数が約1 回少なかったことかわかった.BPSD 所見がみられた群は当該曜日ごとに1 日の睡眠回数の平均が約2 回,一方,BPSD 所見のみられなかった群では平均が約3 回であった. 介護施設に入所する要介護高齢者の睡眠状態については,対象とした多くの方において就寝時間の延伸した状態が明らかとなった.またBPSD 所見がみられる方は所見がみられない方と比べて睡眠の質が低下している可能性の高いことが示唆された.
著者
千田 昇 白木 守 松村 一良 松田 時彦 下山 正一
出版者
一般社団法人 日本活断層学会
雑誌
活断層研究 (ISSN:09181024)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.25, pp.129-133, 2005-06-30 (Released:2012-11-13)
参考文献数
4

Trench investigation at Shindo relics excavated to clarify geological activity records of Senbonsugi fault which is one of the faults constituting westernmost part of Minoh fault system. Senbonsugi fault had actived at AD679, and wide cracks generated in the ground. These cracks had described in“Nihonshoki (Chronicles of Japan)”as width was about 7 meters.
著者
沖本 天太 西村 一輝 平山 勝敏
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.3J4J104, 2019

<p>スポーツ・スケジューリングは人工知能やオペレーションズ・リサーチ分野における応用問題として広く研究されている.この問題は,チーム,対戦日,開催場所等の集合に対して,与えられた制約条件を満たすように対戦表を作成する組合せ最適化問題である.日本バスケットボール協会 (JBA)は都道府県内でのリーグ戦の実施を2018年度より開始した.本論文では,移動距離最小化問題のフレームワークを用いて,ミニバスケットボールにおけるリーグ戦作成問題を定義する.実験では,2018年度に兵庫県下で実施されたミニバスケットボールU12の後期Aリーグ(女子)の実データを用いて,与えられた制約条件を満たし,かつ,各チームの移動距離の総和が最小となるようなリーグ戦及び,移動距離の最大値を最小化するようなリーグ戦をそれぞれ作成し,実際に用いられたリーグ戦と比較評価する.</p>
著者
佐藤 忠雄
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.745-748, 1957-07-01 (Released:2009-05-26)
参考文献数
5
被引用文献数
1

Recently the heat resisting alloys have made remarkable developments. There are few differences in the essential consideration of chemical constituents, but the aging time has been so prolonged that the stability of structure and strength at elevated temperature much increased. In heat-resisting alloys, some phenomena such as creep and fatigue take place under repeated stresses during practical use.The transformation and precipitation of the alloys are accelerated by these repeated stresses so that there occurs a change of the volume and a decrease in the creep or the fatigue strength.Further, a systematic research on these problems is needed. It is also presumed neccessary that new manufacturing techniques, for example, vacuum-melting, vacuum-casting and hotextrusion should be introduced for further improvements in heat resisting alloys.
著者
安岡 良訓 梅本 安則 児嶋 大介 木下 利喜生 星合 敬介 大古 拓史 坪井 宏幸 谷名 英章 橋崎 孝賢 森木 貴司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Aa0126, 2012

【はじめに】 運動負荷が糖代謝,脂質代謝へ影響を与える機序として,骨格筋の収縮により産生されるインターロイキン-6(IL-6)が重要な役割を果たしていると報告されている.IL-6はこれまで炎症性サイトカインとして知られていたが,運動によるIL-6上昇は,TNF-αなどの炎症性サイトカインの上昇なしに,IL-1raやIL-10等の抗炎症サイトカインの上昇を導くことが報告されている. これまで,健常者ではランニング,自転車エルゴメーターや膝伸展運動で血中IL-6濃度が上昇したと報告され,IL-6の骨格筋からの分泌には,ある程度の運動時間と強度が必要とされている. 運動を連続して行うためにはスポーツへの関与が望ましく,その中でもゴルフは長時間の運動が可能であり,歩行を中心とした中等度の活動量が得られることが報告されている.この事からゴルフによる運動でIL-6上昇が予測されるが,これまでゴルフラウンドによるIL-6動態に関する報告はない.そこで我々は,18ホールのゴルフラウンドが血中IL-6濃度に変化を与えるがどうかを検証する目的で実験を行った.【方法】 被検者は健常者9名(平均年齢31.1±4歳,平均±SD)とし,除外基準は糖尿病の既往,心疾患,進行性の疾患,骨関節疾患を有する者とした.被検者は実験室に到着した後,心拍数をモニターする為の無線測定器を装着し,30分の安静座位をとった.その後,血中IL-6濃度,血中TNF-α濃度,hsCRP,ミオグロビン,CK,アドレナリン,白血球分画,HCTを測定するため採血を行った.採血後,被検者はこちらで用意した朝食を摂取した. その後,被検者は18ホールのゴルフラウンドを行った.ラウンド中,被検者は歩いて移動し,ゴルフバック,クラブ等は電動カートを使用し搬送した.ラウンド中の飲食はこちらで用意したスポーツドリンクのみとした.ラウンド終了後,直ちに採血を行った.その後,安静座位をとり,1時間後に再び採血を行い実験を終了した.統計学的検討には,ANOVAを行い,post hocテストとしてSheffe's testを用い,有意水準5%未満を有意差ありとした.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は倫理委員会の承認を得た上で行った.被験者には実験の目的,方法および危険性を書面と口頭で十分に説明し,実験参加の同意を得て実験を行った.【結果】 全被検者は18ホールのゴルフラウンドを終了し,所要時間は303±4.3分であった.ラウンド中の平均心拍数は安静時と比較して有意な上昇を認め,回復1時間後で安静レベルへ戻った.血中IL-6濃度は安静時と比較し,ラウンド終了後で有意に上昇し,回復1時間後でもその上昇は維持した.ミオグロビン,CK濃度もラウンド終了後に有意な上昇を認め,回復1時間後で上昇を維持した.血中TNF-α濃度,hsCRP濃度に変化はなかった.白血球,単球数はラウンド終了後に有意な上昇を認め,ラウンド1時間後もその上昇は維持された.アドレナリンは実験を通して変化はなかった.HCTはラウンド終了後に変化はなく,回復1時間後で低下した.【考察】 IL-6濃度が上昇した要因に関して,本実験ではミオグロビン,CK濃度に上昇が認められるものの,TNF-α,CRP濃度に変化を認めなかった.この事から炎症性カスケードによるIL-6上昇の可能性は低いと考えられる.またアドレナリン濃度が変化しなかった事から,骨格筋のアドレナリン刺激によるIL-6mRNA転写促進の可能性も低いと考えられた.さらに,単球数の上昇を認めているが,先行研究において運動による末梢血単球数の上昇はIL-6濃度に関与しないことが報告されており,IL-6濃度の上昇が単球由来である可能性も否定的である.よって,本実験のIL-6濃度の上昇は,骨格筋の収縮によって誘発されるといった過去の報告を支持する. 筋収縮に由来する血中IL-6濃度の上昇は,運動強度と時間,活動筋肉量に関連があると言われている.ゴルフは18ホールのラウンドで約7km歩き,その歩数は10,000歩以上になると報告されている.我々の知る限り,歩行を運動方法としたIL-6濃度の上昇は,運動後変化しないか上昇しても約1.5倍程度である.今回,ラウンド終了後の血中IL-6濃度は安静時の約7倍の濃度を認めた.これは18ホールのゴルフラウンドが,骨格筋からIL-6を誘発するには十分な時間と強度であった事が考えられる. 本実験により,18ホールのゴルフラウンドを行うことで,TNF-αの上昇なしに血中IL-6濃度が上昇することが証明された.ゴルフラウンドはIL-6上昇の観点から,炎症を誘発せずに行うことが出来る有益な運動方法であることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】 運動が身体に及ぼす影響を科学的に調査し,新たな知見を得ることは,健康の維持・増進に関して、リハビリテーション医学の貢献に寄与するもだと考える.
著者
高橋 清
出版者
学校法人 天満学園 太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.91-95, 2011

本研究は2009年8月から10月まで開催された関西学生バスケットボールリーグ戦5部Aリーグの上位4チームの対戦した12試合を対象とし,オフェンスの攻撃形態が試合にどのような影響を及ぼすのかを,ファースト・ブレイク,セット・オフェンスについてそれぞれ比較し,分析を試みたものである。その結果、対象4チームにおいてファースト・ブレイクの試行回数が多く,成功の割合が高い数値を示し準成功率が低い数値を示した場合,試合の勝敗に影響を及ぼすことが認められた。セット・オフェンスにおいては,攻撃形態を5種類の動作に分類し集計した結果,各チームの特徴がみられた。太成学院大学は他の3チームよりも身長の優位差を生かしたプレイが多くみられ,パスを受けたらシュートする「shot」,リバウンドをとってシュートする「rebound」が多かった。この結果は,太成学院大学の競技レベルを把握できるとともに,今後の練習プログラムの設定やコーチングに役立つと考えられる。
著者
嶋田 隆一 石井 良和 ボンジェ ペイター 塩路 理恵子
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.581-590, 2021-10-15

要旨:作業療法士(以下,OTR)とクライエント(以下,CL)が,治療関係構築時の経験をどう意味づけているかを理解するために解釈学的現象学による質的研究を行った.回復期病棟入院中のCLとOTR 3組に参与観察と面接を実施した.その結果,治療関係構築の意味づけとして,CLでは6つ,OTRでは5つのテーマが明らかになった.OTRとCLの間には,関係構築のための関わり,経験の共有を通したOTRとCLの関わり,関係の帰結に向けての関わりがあると示唆された.治療関係構築についてOTRは〈思いを汲み取ろうという態度〉と意味づけており,CLは〈改善の兆候の実感〉や〈いまの自分を知ってくれている存在〉と意味づけていた.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケーション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.441, pp.49-55, 2005-07-01

130年の歴史を持ち各国で数千万人が使う「電話網」が今,その姿を変えようとしている。交換機を捨てIPネットワークに移行することは世界的なトレンドなのか。光アクセスはブロードバンドの主流になるか。世界をリードするメガキャリア4社の首脳に,電話網の未来を議論してもらう。BTとNTTは電話交換機を捨て,固定電話網をIP化する計画を打ち出した。なぜ今,電話網をIP化するのか。
著者
前野 紀一
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.98, no.6, pp.761-767, 1989-12-05 (Released:2009-11-12)
参考文献数
22
著者
高木 強治 小林 宏康 浪平 篤
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会論文集 (ISSN:03872335)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.226, pp.531-542, 2003-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
15

遺構「鼻ぐり井手」は, 加藤清正が新田開発のため, 慶長13年 (旦608年) に開削した延長390mの用水路である.鼻ぐり井手では, ヨナと呼ばれる阿蘇火山灰が水路底に堆積しないよう, 底部に穿孔を有する隔壁を一定の間隔で残したまま水路を開削し, 土砂の掃流力を高めたといい伝えられている.本研究では, 鼻ぐり井手の現況および過去に存在したと考えられる隔壁を模型に再現し, 水理実験によってそれらの通水機能, 掃砂機能および流れの構造を明らかにした.その結果, 鼻ぐり井手では, 連続する隔壁を通過する流れが常に噴流状態にあり, 掃砂機能が通常の開水路より格段に強化されていること, さらにこの掃砂機能に係わる流速の増加が穿孔面積を縮めることによってもたらされ, 掃砂機能と通水機能がトレードオフの関係になっていることを明らかにした.
著者
牧野 友洋 高塚 佳代子 関口 敏 上村 涼子 久保田 真一郎 山場 久昭 岡崎 直宣
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.353-354, 2014

地域経済に甚大な影響を及ぼす家畜伝染病が流行した場合、適切な感染抑止策が何かを判断し与えることが重要であり、そのためには、対象の振舞い(伝染過程)を的確に表現できるモデルの存在が重要である。この種のモデルは部分的には開発されており、中でも防疫対策上特に有用と考えられるものとして「各農場が各時点でどの程度感染の危険にさらされているかを定量的に評価できる数理モデル」がある。しかし、このモデルの活用方法は、感染事例の解析を行うに留まっている。本研究では、当該モデルを防疫対策に活かすことを目的とし、数理モデルよりも表現力の高い"形式モデル"により伝染過程の振る舞いをモデル化する方法を考案する。
著者
福田 由紀
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.348-354, 1991-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
19
被引用文献数
1

The purpose of this study was to investigate the developmental relationship between the image operation in three-mountain task and mental rotation task in terms of ability of a point-of-view operating. Subjects were 17 first graders, 18 third graders, 13 fifth graders and 31 university students. Subjects were asked to solve both three-mountain task and mental rotation task. The results showed a different shape of developmental performances in both tasks. In a three-mountain task, first and third graders could not perform satisfactorily, whereas in a mental rotation task, they could make good scores. Moreover, both patterns of errors and RT according to the rotated angles were also proved different between tasks.
著者
服部 剛
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.9, pp.387-393, 2010-09-20 (Released:2010-12-20)
参考文献数
9
被引用文献数
3 4

カーボンナノチューブやフラレーンの発見以降,炭素はこの20年間で最も研究された材料であり,ナノテクノロジーを牽引してきた。これらの研究に端を発してカーボンブラックにおいても新規表面モデルの提唱や生成メカニズムの解析が進んだ。一方で,カーボンブラックは本質的にナノ構造をもった炭素そのものであり,そのことが認知される遙か昔から使われてきた。そのため,その歴史の中で市場の要求に合わせて無意識のうちにナノ構造を制御することで各用途に適応してきた。これらの成果は,ゴム,塗料,印刷インキ等の各分野の協会誌や専門書で確認することができる。ここでは,これらを踏まえ,カーボンブラックの製造方法,物理的&化学的特性,用途について解説した。また,できるだけカーボンブラック選択の指針についても加えた。このわずかな内容でカーボンブラックのすべてを紹介できるとは思ってもいないが,少しでも理解の一助となれば幸いである。
著者
鈴木 猛
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.212-214, 1951-11-15

長い間進歩が停滯していた殺虫剤の領域も第二次大戰を契機に,DDT,BHCのように微量で卓效ある有機合成剤があらわれ,一時は,昆虫と人間の闘爭も終末に近づいたかの觀があつた。しかし出現當時オールマイティのように思われたDDTも,その後の廣範綿密な實験によれば,ある種の害虫には效果が必ずしも十分でなく,又昆虫のDDTに對する抵抗性獲得という問題も最近漸くとりあげられてきている。一方,更に新しくChlordane,Aldrin,Dieldain TEPP,Parathionなど,鹽素,燐,硫黄を含む新有機殺虫剤が次々と發見され,まだまだ今後に意想外の強力な藥剤が見出されないとはいえない。しかし現在では,DDT,BHCは依然として衞生殺虫剤の中心をなすものであり,その長所短所を知つて,これを適切に應用することは,衞生害虫防除の上から甚だ重要なことであろう。 DDT,BHCは何れも白色結晶状の有機鹽素化合物であり,昆虫には喰毒と接觸毒の兩方の作用を持つている。その外BHCは蒸氣壓がかなり大きいため,呼吸毒としても作用するようである。