著者
杉山 忠男
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
大学の物理教育 (ISSN:1340993X)
巻号頁・発行日
vol.97, no.2, pp.49-50, 1997-07-15 (Released:2018-04-21)
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
小貫 麻美子 柊元 巌
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

子宮頸癌とその前癌病変の原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)には遺伝子配列の異なるバリアントや準種と呼ばれる突然変異を多数生じる。HPV52/58型は日本人の子宮頸癌および前癌病変で多くみられる型で、これらを次世代シークエンサーで全遺伝子を解析しバリアントの分布が両型で大きく異なることがわかった。HPV16型は子宮頸癌患者から最も多く検出される型で、特定のバリアントで子宮頸癌との関連が強いことがわかった。さらに今までわかっていなかった新たなバリアントを発見できた。また、子宮頸癌や前癌病変患者から採取したHPVに多くみられた遺伝子の塩基配列の変異がアポベック3蛋白と関連がある可能性がある。
著者
石原 康弘 小村 喜久男 大平 徳雄 安田 研 福留 憲浩 岩重 秀一
出版者
鹿児島県畜産試験場
雑誌
鹿児島県畜産試験場研究報告 (ISSN:0389357X)
巻号頁・発行日
no.38, pp.84-88, 2004-12

サツマ2001は平成13年7月に系統豚として認定され,社団法人鹿児島県種豚改良協会で維持されており,ここから肉豚生産種豚(異系統豚同士の交雑種)の増殖を行う増殖センターへ供給している。サツマ2001については性能調査を実施し,造成段階と同様に原種豚の遺伝的能力を調査するとともに,肉豚の産肉能力や肉質についても調査を行っている。今回は平成15年4月から平成16年2月までの繁殖・肥育・枝肉及び肉質の各成績について取りまとめた。1分娩した26頭の産子頭数は235頭,哺育開始頭数は230頭,離乳頭数は202頭であった。2 1日平均増体量は687.0g,飼料要求率は3.9であった。3 枝肉成績については,と体長94.1cm,背腰長II67.5cm,背脂肪の厚さ2.9cm(3部位平均値)となり,昨年度実施した成績とほぼ同等の良好な成績を示した。4 肉・脂肪の理化学的特性についても,色差,脂肪融点など昨年度と同様な成績を示した。5 脂肪酸組成は,飽和脂肪酸含量が51.47%,不飽和脂肪酸含量が46.03%となった。また,ステアリン酸の割合が高く,オレイン酸の割合が低かった。6 平成15年度の血縁係数は20.40%,近交係数は6.70%となり,血縁係数は昨年度より僅かながら上昇した。
著者
嶋田 進 大澤 輝夫 往岸 達也 菊島 義弘 小垣 哲也 川口 浩二 中村 聡志
出版者
一般社団法人 日本風力エネルギー学会
雑誌
風力エネルギー (ISSN:03876217)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.A_29-A_35, 2014

Vertical wind speed profiles near the coast were observed using a Doppler Light Detection and Ranging (LIDAR) system at the Hazaki Oceanographical Research Station (HORS) from September 17 to 26, 2013. In order to investigate the impact of atmospheric stability, wind profiles observed at HORS were compared with a log profile model (theoretical wind profile model), which did not consider atmospheric stability. The wind shear was smaller in the observed profiles when the wind came from sea to land, and larger when it came from land to sea. It was also found that the wind profiles included an obvious diurnal cycle when the wind came from land to sea. The results for this study indicate that atmospheric stability is a significant factor when determining the coastal wind profiles, not only when the wind comes from sea sectors, but also from land sectors.
著者
伊藤 太一
出版者
京都大学農学部附属演習林
雑誌
京都大学農学部演習林報告 (ISSN:0368511X)
巻号頁・発行日
no.65, pp.p310-324, 1993-12
被引用文献数
1

1892年に設置されたニューヨーク州立アディロンダック公園は今日においても6割近く私有地を含む地域制の公園である。約4割を占める州有地は1895年に州憲法で自然状態を保つことが規定された保護林であるが, それ以来その利用をめぐって改憲論議が展開されてきた。その過程を探ることによって, 水源涵養を中心とする功利主義的な保全からレクリエーション空間としての保全へ, さらに生態系のプロセス保全にいたる, 保護林のあり方を巡る人々の考え方の展開が明らかになった。一方, 公園内の私有地は少しづつ買収されていったが, 全部を買収することは当初から断念されていた。私有権の強固なアメリカの伝統を反映して, 私有地においては野外広告以外ほとんど規制されない状態が続いた。その結果, 特に第二次大戦以降, ディベロッパーによって細分化され別荘地として分譲されていくという無秩序な開発が問題となった。この間題に対処すべく1971年にアディロンダック公園事務所が設置され, ゾーニングによる私有地の土地利用基本計画が1973年に定められた。しかし, これは地元住民との対立を生じ, 地元経済の活性化と公園の自然環境保全の共存の道が探られるようになった。
著者
白石 匡 東本 有司 杉谷 竜司 水澤 裕貴 藤田 修平 西山 理 工藤 慎太郎 木村 保 福田 寛二 東田 有智
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.453-459, 2021-06-20 (Released:2021-06-20)
参考文献数
24

【はじめに・目的】呼吸リハビリテーションにおいて,吸気筋トレーニング(IMT)の有効性は確立されつつある.しかし,横隔膜の動きを考慮した適正負荷圧の設定方法は確立されていない.本研究の目的は,横隔膜のトレーニングにおいて最も効果的な,IMTの負荷圧を検証することである.【方法】対象は健常男性20名.クロスオーバーデザインで実施.IMT負荷圧を最大吸気圧(PImax)の30%,50%,70%に無作為割付け,1週間の間隔をあけて異なる負荷圧で計3回IMTを実施.超音波診断装置(M-mode)にて最大吸気位から最大呼気位までの横隔膜移動距離(Maximum Diaphragm excursion: DEmax)を測定した.【結果】30%PImaxによるIMT実施でDEmax(r=0.31,p<0.05),IC(r=0.64,p<0.05)に有意な増加を認めた.50%PImaxにおいてはDEmax(r=0.82,p<0.01),VC(r=0.34,p<0.05),IC(r=0.74,p<0.05)に有意な増加を認めた.【結論】健常者に対するIMTでは,中等度負荷が最も横隔膜に対して効果がある可能性が示唆された.
著者
水原 俊博
出版者
地域ブランド研究会事務局
雑誌
地域ブランド研究 (ISSN:18812155)
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-11, 2015-03-31

本稿は松本市の委託を受けて2014年に信州大学人文学部が実施した多文化共生調査の概要、日本国籍住民調査の結果を検討したものである。本稿ではまず、多文化共生を多文化主義、同化主義と関連させて概念整理する。その上で、松本市による多文化共生の理念、これまでの取り組みを紹介する。続いて、松本市による多文化推進プランの策定、見直しの基礎資料を目的に、信州大学人文学部が地域貢献のひとつとして受託しておこなった多文化共生調査の概要について紹介する。2010年、2014年に実施された本調査は日本国籍住民を対象とした大規模質問紙調査、外国籍住民を対象とした大規模質問紙調査・聴取調査の3つからなる。そして、本稿後半では、2104年調査のうち日本国籍住民調査の概要について説明し、調査結果の検討をおこなう。
著者
大田 裕之 川村 和郎 福留 秀暢 田島 貢 岡部 堅一 池田 圭司 保坂 公彦 籾山 陽一 佐藤 成生 杉井 寿博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.140, pp.115-119, 2008-07-10
参考文献数
9

本論文では新しい歪み技術である不純物閉じ込め層(DCL)をNMOSに、2層のNiフルシリサイド(Ni-FUSI)をPMOSにそれぞれ用いたハイブリッドゲート構造について報告する。DCL技術はIEDM2007において我々が報告した歪印加効果が大きいストレス・メモリー(SMT)に属する手法である。2層Ni-FUISIはFLA(フラッシュ・ランプ・アニール)を用いてPMOSゲートのみに選択的に形成した。結果として、PMOSの実効酸化膜換算膜厚の薄膜化による飽和電流の向上、仕事関数差によるしきい値変動からRoll-off特性の向上が得られた。またNMOSに関してもFLAによる不純物の活性化、実効酸化膜換算膜厚の多少の薄膜化による飽和電流の向上、ハローの不活性化抑制によるRoll-off特性の向上が得られた。性能としては|V_d|=1.0VにおいてnMOSFET、pMOSFETで1255/759μA/μmが得られた。
著者
秋山 清二
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.905-912, 2010-09-15
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

海底に残置された逸失刺網の漁獲継続期間について検討するため,千葉県館山湾の海底に刺網を 2000 日間浸漬し,浸漬時間と羅網個体数の関係を調べた。刺網にはイセエビ 15 個体,イセエビ以外の甲殻類 25 個体,腹足類 8 個体,魚類 5 個体,その他 2 個体の合計 55 個体が羅網した。羅網個体数は実験開始直後に急増し,浸漬 11 日目に最大となった後,減少した。羅網個体数の減少過程は指数関数で表され,漁獲継続期間は 182 日と推定された。漁獲継続期間はイセエビや魚類では短く,イセエビ以外の甲殻類や腹足類ではより長期に及んだ。<br>
著者
後藤 友明
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.1187-1189, 2012-11-15
参考文献数
9
被引用文献数
3

東日本大震災により岩手県地先の沿岸域に放置された底刺網 4 張りを回収し,漁具の状態とゴーストフィッシングの実態を評価した。回収された漁具は,設置位置からの大きな移動は認められなかったが,多くの付着物や網成りの低下が見られていた。回収された刺網によってカレイ類とカジカ類が優占する魚類と甲殻類が合計 10 種 55 個体・8,717 g 採集された。漁具間の罹網個体数に差は認められず,震災からおよそ 3 ヶ月経過した回収時においてもカレイ類やカジカ類を中心とする底魚類の罹網と死亡が繰り返されていることが示唆された。<br>
著者
渡部 俊広 TOSHIHIRO WATANABE (独)水産総合研究センター水産工学研究所漁業生産工学部 Fishing Technology Division National Research Institute of Fisheries Engineering Fisheries Research Agency
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.16-23, 2005-01-15
参考文献数
32
被引用文献数
9 9

隠岐諸島西方の海域で,商業ベニズワイガニ籠と円形脱出口をつけた商業籠による長期浸漬(約 6 ヶ月間)漁獲試験を行い,逸失時の商業籠の漁獲サイズ選択性を推定した.選択性曲線は,多項分布の尤度を用いた SELECT モデルによって求めた.商業籠の 50% 選択甲幅は 100.8 mm,選択性スパンは 3.4 mm であった.甲幅 99 mm 以下の個体は,商業籠から脱出できるため,雌についてはゴーストフィッシングが生じる可能性はない.しかし,籠に入った甲幅 103 mm 以上の雄については,籠内に保持されたまま死亡する可能性がある.<br>
著者
松岡 達郎
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, 1999
著者
北口 博隆
出版者
福山大学
雑誌
福山大学生命工学部研究年報 = Annual report of Faculty of Life Science and Biotechnology, Fukuyama University (ISSN:13473603)
巻号頁・発行日
no.4, pp.21-26, 2005-09

プラスチックは我々の生活に欠かせない素材であるが、廃棄されたプラスチックは、環境中に長期間滞留して様々な問題を引き起こす。海洋においては、ゴーストフィッシングやプラスチックからの化学物質の漏出による海洋生物への影響が懸念されている。このような背景から、生分解性プラスチックの開発が進められており、すでに市場に出回るものも増えている。しかし、生分解性プラスチックの分解性能は、決められた条件における分解性を基準にしており、環境中における生分解の速度はばらつきが大きい。海洋からも生分解性プラスチック分解細菌が分離されているが、海洋では生分解性プラスチックの分解性は比較的低く、数ヶ月から数年の比較的長期間かけて分解すると考えられるため、安易な投棄は避けるべきである。Plastics are indispensable to our life. But, if plastics are once left into environment, they remain for a long time and may cause various problems for organisms and environments. It is well known that fish, birds, and marine mammals are strangled by plastic detritus such as packaging and waste fishing gear. Many people are concerned about leakage of harmful chemical substances from plastics. Biodegradable plastics have been expected to be one of the solutions for such problems. Recently, the development of biodegradable plastics has been further advanced and the market of such plastics is increasing. However, the evaluation of their biodegradability in natural environment has not been well established. The degradability of these plastics is now evaluated under the definite condition, but the great diversity of environmental condition alter the biodegradability in nature. In marine environment, decomposition rate of biodegradable plastics probably be lower than cultivated land. Some data suggest that it takes from several months to several years to decompose biodegradable plastics in seawater. So, easy abandonment of plastics, even if indicated as メ biodegradable モ, should be avoided
著者
仲島 淑子 松岡 達郎
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.728-737, 2004 (Released:2011-03-05)

逸失底刺網のゴーストフィッシング(GF)の経時的変化と死亡数の定量的評価を試みた。模擬逸失網の連続2日の潜水観察で罹網魚/日を調べる実験を当初は毎日、以後は間隔をおいて最長1689日間、計3回行った。網周辺の魚類相の定常性を確認し、罹網数の変化は網のGF能力の変化を代表すると考えた。GF能力低下をその短期・長期的要因による2項の和で近似し、GF継続期間(GF能力が当初の5%になるまで)を142日、総死亡数を455尾と推定した。マダイ、ムロアジはおもに初期の短期間、カワハギは長期間罹網が生じた。
著者
秋山 清二
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.905-912, 2010 (Released:2011-05-27)

海底に残置された逸失刺網の漁獲継続期間について検討するため、千葉県館山湾の海底に刺網を2000日間浸漬し、浸漬時間と羅網個体数の関係を調べた。刺網にはイセエビ15個体、イセエビ以外の甲殻類25個体、腹足類8個体、魚類5個体、その他2個体の合計55個体が羅網した。羅網個体数は実験開始直後に急増し、浸漬11日目に最大となった後、減少した。羅網個体数の減少過程は指数関数で表され、漁獲継続期間は182日と推定された。漁獲継続期間はイセエビや魚類では短く、イセエビ以外の甲殻類や腹足類ではより長期に及んだ。
著者
松下 吉樹 本多 直人 藤田 薫 渡部 俊広
出版者
水産総合研究センター
巻号頁・発行日
no.10, pp.15-17, 2004 (Released:2011-03-05)

3種類の刺網を千葉県館山湾奥部の水域に20~37日間設置した。その後潜水観察を行い、羅網した生物と網成りの変化を記録した。刺網には27個体の魚類と甲殻類が設置後14日以内に羅網し、その後は観察されなかった。網目が展開している網の面積は、いずれの刺網も時間経過とともに減少して0となった。これは刺網が持つ漁獲機能のうち、特定の層を遊泳する生物の通路を遮断する機能と、生物を網目に刺させる機能が無くなったことを意味する。
著者
渡部 俊広
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.16-23, 2005 (Released:2011-03-05)

隠岐諸島西方の海域で、商業ベニズワイガニ籠と円形脱出口をつけた商業籠による長期浸漬(約6ヵ月間)漁業試験を行い、逸失時の商業籠の漁獲サイズ選択性を推定した。選択性曲線は、多項分布の尤度を用いたSELECモデルによって求めた。商業籠の50%選択甲幅は100.8mm、選択性スパンは3.4mmであった。甲幅99mm以下の個体は、商業籠から脱出できるため、雌についてはゴーストフィッシングが生じる可能性はない。しかし、籠に入った甲幅103mm以上の雄については、籠内に保持されたまま死亡する可能性がある。
著者
松岡,達郎
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, 1999-09-15