著者
小野 展克
雑誌
嘉悦大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-17, 2014-10-24

本研究では、昭和金融恐慌を当時の新聞が、どのようなキーワード、キーセンテンスを使用して報じたのかを分析した。具体的には、片岡直温蔵相の失言に端を発した東京渡辺銀行の取り付け騒ぎを東京朝日新聞、読売新聞、中外商業新報がどのようなキーワードを使って記事化したのかを分析した。昭和金融恐慌は、この東京渡辺銀行の取り付け騒ぎ、鈴木商店の経営不振による台湾銀行の信用不安、台湾銀行の休業という3つの波があり、片岡直温蔵相の失言は、その幕開けとなった事件として注目される。また、先行研究として金解禁をめぐる新聞論調の変化を追った中村宗悦や経済報道のゆらぎ現象の増幅効果を指摘した駒橋恵子らの考察を踏まえ、報道が昭和初期の政策決定に与えた影響も考察した。
著者
禹 ハンウル 間所 洋和 佐藤 和人 田村 雄介 山下 淳 淺間 一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.304-309, 2020 (Released:2020-02-13)
参考文献数
18

近年,自動運転の開発が世界的に進んでおり,技術の完成も近づいている.しかし,その途中段階として,人が運転する車と自動運転車が混在する環境が想定される.本研究では,自動運転車の後ろを追従する運転者を推定の対象とし,車両挙動から運転者の操作特性を時系列で推定する手法の構築に取り組む.
著者
阿部 信也 志村 喬
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.24, 2020 (Released:2020-03-30)

1.はじめに:災害は地域的な現象であり,防災教育は地域に根ざした実践が求められる。防災教育が積極的に「自校化」を提唱している理由はここにある。 本研究は,自校化された防災教育の学習構造を,村山(2016)等の先行研究をもとに第1図のように設定している。この学習構造モデルでは,防災教育が「防災学習」(前半)と「防災指導」(後半)に大別される。防災学習の部分では,災害発生のしくみを構造的に整理し,学区を対象とした「素因(自然環境と人間生活)」の事実認識と,一般的な災害発生の仕組みである「誘因→素因→災害」という概念認識を関連付けて生徒は学ぶ。続く後半の防災指導では,防災学習で得た知識をもとに生徒自身が避難訓練計画を立案する。本モデルは,社会科(地理的分野)を中核とすることで,防災学習と防災指導が連携した効果的な防災教育実践がなされることを示しており,実践成果は志村・阿部(2019)で報告した。 本発表では,防災教育の自校化を進めるための本学習構造枠組をふまえて実施した防災教育の小中学校現場実態に関するアンケート調査結果について,主に教員の認識実態に焦点を当てて報告する。2.アンケート調査の概要:新潟県三条市内の全市立小学校・中学校を対象に,2018年2月20日(火)〜2月28日(水)に実施した。回答者は小・中学校ともに,社会科主任を含めた社会科担当2名,理科主任を含めた理科担当2名,(保健)体育科主任1名,家庭科主任1名,防災計画作成者を含めた安全(防災)担当職員2名である。回答者数は,小学校135名,中学校53名で,合計188名であった。3.アンケート調査結果:防災学習では,「自分自身が学区の地域特性を理解していないため,自校化が難しい。」といった課題が多くあげられ,特に素因理解である事実認識の獲得に難しさを抱いていた。しかし,素因を理解する必要性も感じていないことも読み取れた。この背景には,多くの教員が防災教育の目的を災害発生後の対処的なものと考え,予防的な防災教育という意識が低いことがあり,国が目指す防災教育の目的と現場教員が認識している防災教育の目的との違いが明らかとなった。さらに,どの地域でも使える『新潟県防災教育プログラム』に依拠した概念的な防災学習指導が中心となっており,これも学区の素因理解(事実認識)を疎かにしている一因になっていた。 防災指導に関しては,現在実施されている避難訓練での想定災害と,教員が学区で起こる可能性があると考えている災害に違いがあった。避難訓練の内容も防災学習とは関連しておらず,第1図のような学習構造をもった指導とはなっていなかった。さらに,多くの学校では「教員が子どもをどのように避難させるか」といった教員にとっての訓練になっており,子どもが主体的に避難行動を考えるような指導場面はみられなかった。 防災教育全体では,防災教育計画の整備が不十分で,防災教育と教科・領域との関連が不明な学校が多い。各校の防災教育計画は一般・汎用的な計画等を参考に作成されており,教育計画を見るとその内容が似通っている学校も多かった。 以上のような調査結果からは,防災教育が自校化されていない現状とその背景・理由が理解された。 本研究成果の一部はJSPS科研費16H03789(代表:村山良之)による。文献:志村喬・阿部信也 2019.自校化された防災教育の中学校社会科地理的分野での授業実践−新潟県三条市における単元開発と実践成果−.日本地理学会発表要旨集.95:239. 村山良之 2016.学校防災の自校化を推進するために—学校防災支援と教員養成での取組から—.社会科教育研究.128:10-19.
著者
後藤 英一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, 1963-11-15
著者
上田 裕巳 山口 治男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.95, no.393, pp.19-24, 1995-11-27
参考文献数
13

現在の網同期は従属同期方式であり,基準クロック(PRC; Primary Reference Clock)を生成する装置(マスタ)とPRC と同期したクロックを各局で生成するクロック供給装置(スレーブ)およびマスタとスレーブ間のクロック分配網から構成される.クロック分配網は多リンク構成をとっており,クロック分配網のリンク数が多くなり過ぎると同期品質上問題となる.本論文では,同期品質の向上をねらいとしてATM技術を用いたクロック分配法を提案する.本提案方式は既設のATMトランスポートシステムにも適用でき,1リンクのクロック分配網が構成できる.
著者
佐藤 祐介 太田 嘉英 倉林 宏考 佐々木 剛史 伊澤 和三 山崎 浩史
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.149-155, 2010-12-15 (Released:2011-10-20)
参考文献数
29

今回われわれは,頸動脈間隙の高位に発生した頸部迷走神経鞘腫の1例を報告する。症例は,71歳,女性。咽頭部違和感を主訴として来院した。口腔内所見として,左口蓋咽頭弓に約50×60mm大,無痛性腫瘤を認めた。腫瘤は,CTおよびMRにて左頸動脈間隙を占拠していた。また,腫瘤は総頸動脈および内頸静脈を解離させ,頭蓋底まで及んでいた。われわれは,subcutaneous mandibulotomy approachを用いて切除し得た。病理組織学的診断は,神経鞘腫であった。術後,嚥下障害および嗄声を認めたが,リハビリテーションを行い,経口摂取可能な状態まで改善した。術後,約2年経過した現在,再発は認めていない。
著者
藤田 富雄
出版者
宗教哲学会
雑誌
宗教哲学研究 (ISSN:02897105)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-15, 1992

In the religious world today, there are two global movements of enormous vitality. One is conservative Islam, the other conservative Protestantism, notably Pentecostalism. Since Iranian revolution a good deal of attention has been paid to the former, but the latter remains ignored even by the people in Europe and in North America. <br>The explosion of Pentecostalism in Latin America, especially in Brazil, still widely regarded as the largest Roman Catholic country, is the most dramatic case. But in Brazil Pentecostalism has two rivals; Umbanda of Afro-Brazilian religion and the base-communities within Catholicism. They expanded alongside Pentecostalism over roughly the same time-span of modernization, industrialization and urbanization. Comparing the history and contemporary situation of these three groups, I conclude that, while Pentecostals are conservative, Umbandistas are innovative and members of base-communities are progressive. <br>Needless to say, the phenomena vary from country to country both in its religious characteristics and social consequences. At the same time there are striking similarities everywhere. This essay deals with Brazil only and other countries in Latin America, South Korea and South Africa are omitted, because I believe Brazil is a typical case. Spiritual communications of healings and tongues (glossolalia) and other rituals will be treated in my next essay.
著者
岡本 伊作 鎌田 信悦 三浦 弘規 多田 雄一郎 増淵 達夫 伏見 千宙 丸屋 信一郎 武石 越郎 松木 崇
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.116, no.1, pp.27-30, 2013 (Released:2013-03-05)
参考文献数
14
被引用文献数
3 10

副咽頭間隙に発生する腫瘍は全頭頸部腫瘍の0.5%といわれ比較的まれな疾患である. 2005年7月から2011年6月までの6年間, 国際医療福祉大学三田病院頭頸部腫瘍センターで入院加療を行った副咽頭間隙腫瘍76例を経験した. 対象は男性35例, 女性41例, 年齢は15歳から78歳で中央値44歳であった. CTやMRIによる術前画像診断や穿刺吸引細胞診 (FNA: fine needle aspiration) と術後病理組織診断について検討した.病理組織学的診断の内訳は良性腫瘍が69例 (90.8%), 悪性腫瘍が7例 (9.2%) であった. 良性腫瘍では神経鞘腫32例 (42.1%) と多形腺腫28例 (36.8%) で大部分を占めていた. 多形腺腫は茎突前区由来が26例 (93.8%), 神経鞘腫は茎突後区由来が28例 (87.5%), 悪性腫瘍に関しては茎突前区由来が7例 (100%) であった. 術前FNAを施行している症例は55例で正診率は39例/55例 (70.9%) であった.術前画像診断は病理組織を予測する上で非常に有用であると思われた. また茎突前区由来の場合では, 常に悪性腫瘍の可能性を考慮し術前にFNAを施行しておく必要があると思われた. 正診率に関してはFNAの手技を検討することで改善の余地があると考えている.
著者
松木 崇 三浦 弘規 多田 雄一郎 増淵 達夫 伏見 千宙 岡田 拓朗 丹羽 一友 岡本 伊作
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.53-59, 2017-06-30 (Released:2017-08-24)
参考文献数
20
被引用文献数
1

当センターにおける副咽頭間隙多形腺腫45例の手術症例に対して検討を行った。患者背景は男性:女性が17:28,年齢の中央値は47歳,すべて茎突前区由来であった。腫瘍最大径に関わらずすべて経頸部法で摘出できた。手術時間は中央値86分,出血量は中央値50mlであり,術後合併症は顔面神経麻痺が12例で大半が一過性の下顎縁枝不全麻痺,first bite syndromeが11例であった。副咽頭間隙多形腺腫は経頸部法でほとんどが永続的な術後合併症なく摘出可能と考えられた。術前FNAを施行できた35例において97.1%でclass IIIまで,71.4%で多形腺腫と診断できており,FNAは有用と思われた。
著者
Seiya MAEHARA Naoya MATSUMOTO Naoaki TAKIYAMA Yoshiki ITOH Yasunari KITAMURA Kazuto YAMASHITA Tadashi SANO Takaharu ITAMI Norihiko OYAMA Miri HAYASHI Reiko KATO Arisa SHIMODE Arisa MASUKO
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.19-0639, (Released:2020-04-14)
被引用文献数
3

A twenty-year-old male Asiatic black bear (Ursus thibetanus) presented at the Rakuno Gakuen University Animal Medical Center with a 10-year history of bilateral blindness and cataracts. Surgical treatment of bilateral cataracts by extracapsular lensextraction using phacoemulsification and aspiration (PEA) was performed under general anesthesia. An anterior capsulectomy was performed using micro iris scissors and micro anterior lens capsule forceps. The cataract was removed with PEA using the two-handed technique. After surgery, systemic corticosteroids, anti-inflammatory drugs and antibiotics were administered. After cataract removal, the bear had recovered vision, and good quality vision has been maintained to date (15 months). PEA can be a safe and effective treatment for cataracts that impair vision in bears.
著者
野村 価生 勇 松井 永井 香織
出版者
日本建築仕上学会
雑誌
日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集 2012年大会学術講演会研究発表論文集
巻号頁・発行日
pp.30, 2012 (Released:2013-09-03)

本研究は、壁面にスポットライトを照射したときの、壁面仕上げの光と影により凹凸が良く見える照射条件について述べている。8種類の仕上げパターンを施工したフレキシブル板(900×1800㎜)を試験壁とした。試験壁の最上部一箇所にハロゲンランプを設置し、試験壁中央部の照度を100~3500lxの11段階に変えて照射した。写真撮影は、試験体中央部にカメラを設置し、照射時に試験壁全面を撮影した。輝度は、試験体を12分割のユニットに区分し、1ユニット当たり12箇所において測定した。壁面の上部から照射したスポットライトによる壁面各部の輝度分布と凹凸表面の光と影の見え方について分析した。試験の結果は、以下のとおりである。凹凸表面は、500cd/㎡以下では、はっきり見ることができないが、500~1000cd/㎡で最も良く見える。2000cd/㎡を超えると全体が明るくなり見えにくくなる。
著者
田中義麿
雑誌
蚕業試験場報告
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-33, 1921
被引用文献数
2
著者
加藤 雅士 志水 元亨
出版者
日本マイコトキシン学会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
pp.70-2-2, (Released:2020-04-14)
参考文献数
9

2015年の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)が,最近特に注目を集めています.持続可能な世界を実現するための17の目標の内いくつかの目標は,微生物研究が対象とする課題と少なからず関係があると思われます.本稿では,SDGsとの関連を考慮しつつ,糸状菌によるバイオマス分解に関して筆者らの最近の研究について紹介をいたします.
著者
福原 隆志 坂本 雅昭 中澤 理恵 川越 誠 加藤 和夫(MD)
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101862, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】足関節底背屈運動時には,腓骨の回旋運動が伴うとされている.しかしながら,回旋方向についての報告は一定の見解を得ていない.また,先行研究は屍体下肢を用いての報告がほとんどであり,生体を対象にした報告はほとんど行われていない.本研究の目的は,Bモード超音波画像を用い,足関節底背屈運動時の腓骨外果の回旋運動について検討するものである.【方法】対象は,足関節に既往のない健常成人男女5名(24.6±2.5歳)の足関節10肢とした.測定姿位は,長坐位にて膝30°屈曲位とした.超音波画像診断装置(LOGIQ e,GEヘルスケア,リニア型プローブ)を用い,腓骨外果最下端より3cm近位部にて足関節前外方よりプローブを当て,短軸像にて脛腓関節を観察した.被験者は自動運動にて足関節背屈及び底屈運動を行った.足関節最大背屈時及び足関節最大底屈時において,脛骨及び腓骨の運動方向を画像上にて確認した.また脛骨及び腓骨間の距離を画像上にて0.01cm単位で測定した.さらに脛骨及び腓骨の接線を描画し,両者の成す角を0.1°単位で測定した.なお,測定は1肢につき3回行い平均値を測定値とした.なお,測定はすべて同一検者1名で行った.統計学的解析方法として,足関節背屈時と底屈時に得られた測定値についてWilcoxonの符号付順位和検定を用い検討した.解析にはSPSS ver.17を使用し,有意水準を5%とした.【倫理的配慮、説明と同意】対象者全員に対し,研究の趣旨について十分に説明し,書面にて同意を得た.【結果】全ての被験者において,関節背屈時に腓骨の外旋が観察された.また,足関節底屈時には腓骨の内旋が確認された.脛骨及び脛骨間の距離は,底屈時では0.27±0.08cm,背屈時では0.36±0.13cmであり,底屈時と比べ背屈時では有意に距離は開大していた(p<0.01).脛骨及び腓骨の接線の成す角は,底屈時では4.8±5.8°,背屈時では10.0±6.42°であり,底屈時と比べ背屈時では有意に角度は増加していた(p<0.01).【考察】足関節の運動学は理学療法実施上,注目すべき重要なポイントであると考えられる.しかしながら足関節底背屈運動時における腓骨の運動方向について,これまで一定の見解を得ていなかった.今回の結果から足関節の自動運動時において,背屈時には腓骨は脛骨に対し外旋し,底屈時には内旋することが明らかとなった.今回の知見を活かすことで,足関節に対する理学療法実施の際,より適切なアプローチを実施することが可能となると思われる.【理学療法学研究としての意義】本研究は足関節底背屈運動に伴う脛腓関節の運動について明らかにし,適切な理学療法実施のための一助となる研究である.