著者
荒井 観 安川 展之 日野原 誠 木曽 宏顕
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.271-282, 2017-08-25 (Released:2018-12-10)
参考文献数
19

In this paper, we propose a support system for substrate manufacturing workers. This system provides operation instructions on and around a substrate with projection mapping. The purpose of this system is to enable workers to produce substrates faster and more precisely in a product line which many kinds of substrates are produced. The examples of projected instructions are kinds of parts, number of parts and positions to insert parts. The projected instructions from our system change with time. Workers are required to produce a substrate by following the changing instructions. This process is expected to provide easy and rhythmical instructions for achieving faster and more precise manufacturing. To evaluate our system, we have applied the system for six months under actual product circumstance in the factory. The results show that our system reduces 12% of production time without producing reject products. We believe that this is a valuable study case that shows the effects of superimposed information in an actual product line on a long term basis.
著者
熊田 克幸 桑原 清人 柴田 由美 白川 舞 堀田 宏 近澤 豊
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.322, 2008

〈緒言〉近年、オーダリングシステムや電子カルテシステムの導入によってコンピュータ端末がより身近な存在となり、院内ネットワークを利用することで医薬品情報をはじめ様々な情報を共有することが可能になった。しかし、最新の情報を提供するためには、医薬品情報の頻回にわたる更新、膨大な労力と時間、コストの問題からも難しい状況にある。 その配信方法においても医療従事者が必要とする際にはいつでも最新情報を見慣れた形式で閲覧できるシステムを構築し運用することは非常に有用であると思われる。そこで、今回市販データベースソフトウエアのMicrosoft Access 2003を用い、オーダリングシステム端末上で利用可能な院内電子医薬品集とそれにリンクした添付文書参照システムの構築と運用について検討を試みたので報告する。<BR>〈方法〉1.医薬品集の機能・項目の検討<BR>簡便な操作性、必要最小限な機能、シンプルな表示とし薬品検索は医薬品の商品名または一般名の一部を入力することで可能にした。 検索薬品表示後にはワンクリックで情報の印刷や同効薬品の表示および各製薬会社から提供される医薬品添付文書のPDFファイルを表示する。<BR>2.利用可能な端末の検討<BR>医事ネットワーク上のデスクトップ端末103台(オーダリング端末62台、レセプト端末28台、看護システム端末7台、事務用端末6台)。OSはすべてMicrosoft Windows XP Professional SP2である。<BR>3.利用端末における更新方法の検討<BR>各端末における更新は、メンテナンスフリーにするために端末起動時または24時間毎に操作の必要なしで自動に更新されたファイルをダウンロードしサーバーと同期する。<BR>4.医薬品情報の更新・チェック機能の検討<BR>情報更新はサーバー上で随時行い、医薬品添付文書のPDFファイルは、各製薬会社の提供または医薬品医療機器情報提供ホームページよりダウンロードしサーバー上のファイルを更新する。添付文書改訂情報はインフォコム社の医薬品データベースDICSを利用し更新をチェックする。<BR>〈結果〉日常業務の中で検索したい医薬品情報は医薬品集に掲載されている薬品の効能・効果や用法・用量であることが多い為、その内容を短時間で検索し充分理解できることが重要である。また、その内容では不十分な際、より根拠に基づく詳細情報である添付文書の参照が出来るように、電子医薬品集は紙媒体の医薬品集をデータベース化した基本の医薬品情報と医薬品添付文書PDFファイルの2段階とした。また、薬効分類は実務に使用できる分類がないため、当院で細分化し同効薬品の検索および表示に利用した。<BR> 医薬品情報の更新や添付文書の改訂は不定期に案内があるうえ、随時行う必要があり平成19年度は当院採用1,362品目のうち815品目の添付文書改訂があったがチェック機能により更新時期を容易に把握することができた。また、各端末はサーバー上のファイルを参照するのではなく任意にファイルをダウンロードして使用できるため、常時ネットワークに接続していないモバイル端末でも使用可能であり、複数の端末での同時使用やメンテナンス中にも制約を受けることなく使用できる。今後、電子医薬品集の需要も高まることが予想され、電子医薬品集の機能向上を図ることが重要である。
著者
柴田 丸 吉田 玲子 本橋 幸子 福島 正子
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.93, no.12, pp.1660-1667, 1973-12
被引用文献数
8

Crude saikosides did not affect the LD_<50> value of sodium hexobarbital in mice. It also exerted a protective effect on the pylorus-ligated ulcer of the rat with inhibiting gastric secretion. The cure of chronic ulcer produced by the injection of dilute acetic acid into the rat gastric wall was promoted by crude saikosides. Saikogenin A showed a potent effect of decreasing spontaneous motor activities of the mice treated with methamohetamine hydrochloride. It had a significant antitussive, hypothermic, and antipyretic effect, and inhibition of acetic acid-induced writhing responses. In addition, salikogenin A strongly reduced a carrageenin-induced rat paw edema, without any local irritaition by topical application. On the contrary, only analgesic effect was found in the syrupy residue. The significance of these pharmacological results was discussed.
著者
北川 雄一 前川 裕子 三浦 みちえ
出版者
一般社団法人 日本外科感染症学会
雑誌
日本外科感染症学会雑誌 (ISSN:13495755)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.30-35, 2018

<p>当院の血液培養実施状況は,十分なものでなかった。診療報酬で血液培養検査2セット採取が認められるようになった2014年4月から1年間,血液培養適正採取キャンペーンを行った。キャンペーンの成果を集計し成果を報告する。キャンペーン開始前の血液培養検査の外科系診療科ごとの状況を,キャンペーン開始後と比較し,内科系を含む病院全体の状況を,2017年まで集計した。キャンペーン前の病院全体での2セット以上採取率は18.2%,外科系診療科の2セット以上採取率は12.1%,血液培養実施患者数はのべ182人であった。キャンペーン後は,それぞれ67.0%,75.4%,252人と改善した。キャンペーン終了後も一部の介入を行った結果,病院全体での2セット以上採取率は,2015年度86.0%,2016年度89.1%,2017年度91.0%と,高水準を維持している。病院全体として血液培養適正採取キャンペーンを行うことで,血液培養の実施数の増加と,2セット以上採取率向上が得られた。</p>
著者
藤本 貴之
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.450-456, 2015-11-01 (Released:2017-04-13)

情報をわかりやすく編集し,わかりやすく伝達する技術が注目を集めている。情報肥大化社会となっている今日においては,多くの情報がユーザに届くことなく埋没してしまう。そのため,情報それ自身よりも,「わかりやすさ」や「伝わりやすさ」ということが,その価値と有用性を決定する大きな要素になっている。つまり「情報の量」や「情報の質」よりも,むしろ「情報との関係」が大きな価値を生むようになっているのだ。どんな情報も,それがユーザに理解されず,届かなければ意味がないからだ。「情報との関係」に基づき,情報を分かりやすくするデザインである専門領域「情報デザイン」。本稿では「わかりやすさのデザイン」とも言われる情報デザインについて基本的な部分から解説する。
著者
山本 ゆき 山本 達也 ALLEN Twink STANSFIELD Fiona 渡辺 元 永岡 謙太郎 田谷 一善
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第104回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.223, 2011 (Released:2011-09-10)

【背景と目的】ゾウの生殖メカニズムには未解明な点が多く,妊娠維持機構もその一つである。ゾウの妊娠期間は,約22ヶ月間と,陸上哺乳類で最も長く,卵巣には,妊娠期を通して複数の大きな黄体が存在している。アフリカゾウの胎盤では,ステロイドホルモンの合成が行われていないと考えられており,妊娠全期間を通して,プロジェステロン(P)は黄体から分泌されていると推察される。しかし,妊娠期中の黄体を刺激する因子は未だ発見されていない。私共は,ゾウの妊娠後半期に、血中プロラクチン(PRL)濃度が高値を示し、胎盤中にはPRL様物質が含有されていることを明らかにしてきた。本研究では,ゾウの妊娠維持機構の解明を目的として,アフリカゾウの全妊娠期間を通した胎盤中PRL様物質の局在を解析し,P分泌との関連性を検討した。 【材料と方法】南アフリカ共和国およびジンバブエで淘汰された妊娠アフリカゾウ38頭から,妊娠初期から末期にかけての胎盤および子宮内膜を採取し,抗ヒトPRL抗体を用いて免疫組織化学染色を行った。 【結果】着床前の,子宮内膜に接着している栄養膜細胞において,明瞭なPRL様物質の陽性反応が認められ、子宮内膜腺にもわずかに陽性反応が認められた。着床以降の胎盤組織においても,全妊娠期間を通し胎盤の栄養膜細胞に明瞭な陽性反応が認められた。 【考察】これらの結果から,アフリカゾウの妊娠期において,着床前の段階から栄養膜細胞がPRL様物質を分泌していると推察された。今回局在が認められたのが栄養膜細胞であることから,胎盤性ラクトージェン(PL)である可能性が示唆された。ゾウでは,排卵後、血中P濃度は上昇するがその後一時的に低下,着床の起こる妊娠約7週に再度上昇し,分娩まで高値を維持する。これらの結果を総合すると,ゾウでは着床以降,栄養膜細胞のPRL様物質がパラクリン的に黄体に作用し,P分泌を刺激して22ヶ月間の妊娠を維持しているものと推察された。 本研究は,乾太助記念動物科学研究助成基金によって支援された。
著者
Harbuzaru Bogdan Roux Mélanie Paillaud Jean-Louis Porcher Florence Marichal Claire Chézeau Jean-Michel Patarin Joël
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
Chemistry Letters (ISSN:03667022)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.616-617, 2002
被引用文献数
8

X-ray powder diffraction pattern analysis and multinuclear solid state NMR studies performed on the as-synthesised Mu-26 solid, a fluorinated all-silica zeolite with the STF framework topology, have revealed unambiguously a triclinic unit cell and space group P1 for this material.
著者
鹿角 孝男 川村 實 薩摩林 光 西沢 宏 村野 健太郎
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.75-80, 2002-01-10
被引用文献数
3

2000年8月から9月にかけて,関東,中部,東海地方の広い範囲で環境基準を超える高濃度の二酸化硫黄(SO_2)が観測され,異臭騒ぎが発生した。長野県内でも高濃度のSO_2が観測され,9月13日の1時間値の最高濃度は県南部の飯田市で383ppbを記録し,北部の長野市でも76ppbに達した。後方流跡線の解析結果から,これらは活発に活動している三宅島の火山ガスが原因であると考えられた。このような火山ガスの影響を調べるため,長野県北部の長野市,八方尾根および白馬村において4段ろ紙法によるガス・エアロゾルの測定を実施した。その結果,エアロゾル中の硫酸イオン(SO_4^2-)は9月14日10〜14時に長野市で44.4μg/m^3の高濃度が出現し,八方尾根と白馬村でも15日12〜18時に30μg/m^3を超えた。陰イオンの過剰分を水素イオン(H^+)と仮定して算出した3地点の粒子状硫酸(H_2SO_4)の濃度は,長野市,八方尾根,白馬村でそれぞれ21〜33,11〜21,6.8〜18μg/m^3の範囲内にあると推定され,SO_4^2-に占めるH_2SO_4の比率(モル比)は,それぞれ46〜72,34〜65,22〜58%と,濃度,比率とも極めて高い値であったと推定された。
著者
井上 孝
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.87-100, 2018
被引用文献数
5

<p>筆者は,2015年6月に「全国小地域別将来人口推計システム」の試用版を公開した.このシステムは,小地域(町丁・字)別の長期(2015~2060年)にわたる日本全国の推計人口(男女5歳階級別)を,初めてウェブ上に公開したものである.システム構築にあたっては,小地域の人口統計指標を平滑化する新たな手法を提案した.その後,本システムにはさまざまな改良が加えられ,2016年7月に正規版が公開されるに至った.本稿では,まずこのシステム開発の経緯に言及したあと,システムの理論面の根幹である,新しい平滑化法の概要を述べる.つづいて,推計方法と推計精度を中心に本システムの概要を述べたあと,その操作方法について解説し,最後にむすびに代えて今後の展望を示す.</p>