著者
水野 石一 村山 徹 大林 千穂 高橋 健太郎 宮田 陽子 安藤 美和 佐藤 倫明 井本 しおん 松井 利充 伊東 宏 千原 和夫
出版者
The Japanese Society of Hematology
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.593-599, 1998-08-30
被引用文献数
3

53歳,女性。51歳の時に肺炎にて近医を受診し,頚部リンパ節腫脹,貧血,高ガンマグロブリン血症を指摘され,multicentric Castleman's disease (MCD)を疑われた。53歳の時に下肢のしびれ感,脱力感を認め,当科入院。多クローン性高ガンマグロブリン血症を認め,リンパ節生検にてリンパ濾胞間に形質細胞の浸潤を認めたため,MCDと診断した。また,胸部CTにてびまん性粒状影,経気管支肺生検にて形質細胞の浸潤を認め,lymphoid interstitial pneumonia (LIP)と診断した。また神経学的所見および神経電気生理検査から多発神経障害の合併と診断した。LIPに対しprednisoloneとcyclophosphamideによる治療を行ったが,一部に線維化が進んでいたためかあまり改善は認められなかった。肺合併症はMCDの予後を左右するため早期の発見と治療が必要である。
著者
原田 直樹 松浦 賢長
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.13-22, 2010

本研究の目的は、発達障害が疑われる学習面や行動面での著しい困難を抱える不登校児童生徒の実態を明らかにし、今後の支援のあり方を検討することにある。そのため、福岡県の全ての小・中学校を対象にアンケート調査を実施し、その人数、きっかけ、どのような支援が有効であったかを分析し、課題を考察した。その結果、不登校児童生徒全体に対する学習面や行動面での著しい困難を抱える不登校児童生徒の割合は20.2%(知的発達の遅れは認められず、行動面の著しい困難もないものの学習面で著しい困難を示す児童生徒7.3%、知的発達の遅れは認められず、学習面での著しい困難もないものの行動面で著しい困難を示す児童生徒8.7%、知的発達の遅れは認められないものの学習面と行動面ともに著しい困難を示す児童生徒数4.2%)であり、通常学級の児童生徒全体を対象とした文部科学省の同様の調査を大きく上回る結果となった。不登校状況が好転したケースにおける支援の内容については、校内外の協働体制の構築が重要であることを示す結果となったが、これらの児童生徒が不登校に至ったきっかけは、社会関係の取り結びの苦手さや環境変化への弱さなど、発達障害に特徴的なものが挙げられる一方で、家庭の中での課題が最も多く挙げられており、今後の学校の不登校支援機能の向上のために、アウトリーチによる継続的な支援が求められる。これら協働体制構築の調整役と家族支援には、教師よりも専門的に関わることができるスクールソーシャルワーカーによる介入の可能性を指摘した。
著者
能勢 育夫
出版者
石川県林業試験場
巻号頁・発行日
no.29, pp.12-13, 1998 (Released:2011-03-05)
著者
鈴木 智大 川口 卓巳 天野 裕子 小林 夕香 森田 達也 長井 薫 新井 信隆 河岸 洋和
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.48, pp.325-330, 2006-09-15

In autumn, 2004, 55 people got poisoned by eating an edible wild mushroom, Pleurocybella porrigens (Sugihiratake in Japanese) and 17 people among them died of acute encephalopathy. We found that mice died by injection of the wter-soluble extracts of the mushroom. We tried the isolation of the toxic principle(s) from the extracts. As a result, a lectin (PPL) and a glycoprotein were purified from the mushroom. PPL is a tetramer of identical subunits without S-S linkage. The lectin specifically bound N-acetylgalactosamine among monosacchrides tested. This lectin showed lethal toxicity against rats. In addition, a glycoprotein was isolated as a lethal toxin against mice and rats. The relation between these substances and acute encephalopathy is now being elucidated.
著者
三島 浩路
出版者
中部大学現代教育学部
雑誌
現代教育学部紀要 = Journal of College of Contemporary Education (ISSN:18833802)
巻号頁・発行日
no.6, pp.25-33, 2014-03

本研究では、中学校を卒業したばかりの子どもをもつ保護者約2,000人を対象に調査を行い、中学生当時の子どもの状況に関する資料を収集した。具体的には、「いじめ」被害、発達障害傾向・中学3年間の欠席日数・携帯電話に対する依存傾向・摂食障害傾向についての資料を収集した。資料を分析した結果、「ASD(autisum spectrum disorders)傾向」を示す生徒ほど、「いじめ」被害を受ける可能性が高いことが示唆された。さらに、「いじめ」被害を受けた生徒は、欠席日数が多く、携帯電話に対する依存傾向や摂食障害傾向が強いことも示唆された。In this study, we conducted a survey with approximately 2,000 participants, the parents of children who had just graduated from junior high school. We collected data about junior high school students' suffering from bullying, their tendency toward developmental disorders, the number of days of absence over the three years of junior high school, their dependence on cell phones, and their tendency toward eating disorders. The results suggested that students who showed a tendency toward autism spectrum disorder (ASD) had a high probability of suffering from bullying. The results also suggested that students who suffered from bullying were absent from school for many days and had a high tendency toward dependence on cell phones and eating disorders.
著者
森 正樹
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.125-131, 2011

【目的】発達障害生徒の教育的支援に必要とされる、学校と家庭間の関係構築に着目し、これを促進する教育相談の視座、及び技法の提言を目的とした。【方法】専門相談機関に来所した発達障害生徒の保護者の相談記録中の、学校や教師との関係に関する相談内容に着目し、エピソード等を収集・解釈した。【結果】教育現場における、家庭から提供された情報の活用、生徒のニーズへの着目と共通理解、特別支援への主体的実践等、これら諸点が教師と保護者間の関係構築に関与していた。【考察】教育相談において、(1)保護者が提供する情報の尊重と有効活用、(2)背景情報と文脈情報の重視、(3)意図・目的を確認し合う相互の対話、(4)相談の目的確認、(5)保護者の要望への適切な対応・応答、(6)教師自身のコミュニケーションの省察、(7)生涯発達支援における情報の価値への気付き、(8)支援仮説の言語化、(9)特別なニーズを有する生徒の支援を、教師の職業的アイデンティティーの中に位置付けることの重要性を提言した。
著者
竹村 洋子
出版者
The Japanese Association of Special Education
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.415-424, 2011
被引用文献数
1

特別支援教育への転換が法的に裏づけられたが、通常学級における発達障害児への教育的対応には課題が山積している。行動論的支援では、「問題行動」への介入について児童と環境との相互作用の視点の重要性が認識されており、本邦では通常学級における介入研究が増加している。本稿では、「問題行動」をめぐる児童と環境との相互作用に視点を置き、発達障害児の学校適応を促進するための課題を明らかにすることを目的に、それらの研究を概観した。児童と教師との接近的相互作用の成立の重要性が指摘されるとともに専門機関や保護者など他者との良好な連携が支援効果を高める条件となるが、環境への介入には課題が多いことが指摘された。「問題行動」をめぐって複数の変数が関連した複雑な相互作用が成立し、その分析と介入の方略が求められている。教師の評価に着目した分析により、「問題行動」をめぐる相互作用について関連要因が明確化され、通常学級における課題を解決するための指針が得られる可能性について言及した。
著者
竹村 洋子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.44-56, 2008-03-30

本研究では,通常学級における「問題行動」をめぐる教師-児童間相互作用について,児童とのかかわりに対する教師の評価に焦点をあて,問題状況に関して検討を行った。研究1では問題性評価尺度及び対処行動評価尺度が調えられた。因子分析の結果,問題性評価尺度は影響性評価・対処可能性評価の2因子9項目,対処行動評価尺度は問題解決志向・支援希求志向・情動軽減志向の3因子16項目の構造として理解することが適当だと考えられた。研究2では2つの尺度の結果についてクラスタ分析を行った。その結果,児童とのかかわりにおいて生じる問題に対する教師の問題性評価は4類型,対処行動評価は5類型に分類可能であることが示された。研究3では,通常学級における「問題行動」をめぐる教師-児童間相互作用への介入を実施し,研究1で作成した尺度を用いて介入に伴う教師の評価の変化についてデータを得た。その結果,教師への介入後に対処行動評価の類型の変化が,フォローアップ期には教師の問題性評価の類型の変化が示された。教師の評価のうち,対処行動評価が教師-児童問相互作用を規定する要因である可能性が示された。
著者
横谷 羊子
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.370, pp.132-134, 2006-05

料理の売れ行きを左右するメニュー写真。自身で撮影すれば安上がりだが、上手に撮れなければ意味がない。手持ちのデジタルカメラで簡単に美味しそうな写真を撮るコツをプロに聞いた。フォトス'Zero 高橋 靖 氏1940年生まれ。1967年から2001年までマガジンハウスにカメラマンとして勤務。「週刊平凡」や「アンアン」で芸能、料理などを撮影。
著者
田野中 恭子
出版者
立命館大学人間科学研究所
雑誌
立命館人間科学研究
巻号頁・発行日
vol.23, pp.75-89, 2011-07
著者
喜多 歳子 池野 多美子 岸 玲子
出版者
北海道公衆衛生学会
雑誌
北海道公衆衛生学雑誌 (ISSN:09142630)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.33-43, 2013

日本では、子どもの相対的貧困率が上昇しているが、就学前の子どもの発達に及ぼす影響は報告されていない。そこで、諸外国で行われた親の社会経済状態(socioeconomic status; SES)と子どもの発達に関する研究に基づき、今後の課題を探った。PubMedを利用し、主に先進国の原著論文の分析を行った。その結果、①SES指標に親の教育歴、所得、職業が多く用いられていた。②発達は、「発達の遅れ」と「問題行動」に大別して報告されていた。③SESと発達の指標は多様であったが、就学前であっても、SESが子どもの「発達の格差」や「問題行動」に影響していた。④その関連に、親の抑うつ、育児ストレス、不適切な養育態度、物的困窮、少ない育児資源などが複雑に関係していた。欧米の研究は、「関連の強さ」から、「効果的な介入」を求める方向に向かっている。本邦の研究課題は、①日本社会にふさわしいSES指標の発見。②親のSESと子どもの発達に関する調査、及び効果的な介入方法の検討である。
著者
久保田 浩
出版者
東京大学文学部宗教学研究室
雑誌
東京大学宗教学年報 (ISSN:2896400)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.37-58, 1992-03-30

Es ist weithin bekannt, daB Exegetik im Pietismus dank ihrer ontologischen Implikation von der heutigen philosophischen Hermeneutik hoch geschatzt wird. Unter diesem philosophisch - hermeneutischen Aspekt konnen allerdings die EigentUmlichkeiten der pietistischen Hermeneutik, insbesondere die religiosen, nicht genugend erschopft werden. Daher wird hier versucht, die Exegetik, d.h. die Ideen uber die Bibelauslegung, zu rekonstruiren und die diese Ideen urspruglich begrundende innere Logik zu erschlieBen. Der fundamentale Unterschied zwischen der Bibelauslegungslehre A.H.Franckes (1663-1727) und der J.A.Bengels (1687-1752) besteht in der unterschiedlichen Auffassung uber den Bibelautor. Die lutherisch - orthodoxe These, daB Gott Autor der Bibel ist, wird von diesen Theologen ganz unterschiedlich aufgenommen. Fur Francke bedeutet diese These, daB Gott einige Menschen mit heiligem Gemlit (Affekt) ausgestattet und diese Menschen zu Autoren der Bibel gemacht hat. Seiner Meinung nach kann man durch ,,Wiedergeburt" dasjenige Gemut, das den schriftlichen Text hervorgebracht hat, erkennen. Fur Bengel wiederum bedeutet die orthodoxe These, daB Gott selbst in der Bibel gegenwartig spricht und daB die Bibel daher eine Wirklichkeit Gottes ist. Deshalb floBt die Bibel dem Ausleger Ehrfurcht vor dem Wort Gottes ein ; bzw. begegnet man Gott in der Bibel selbst. Wie man an dem hier gezeigten Beispiel sieht, hat der protestantische Anspruch der Bibel - bzw. Schriftbeachtung weder einen einfachen noch einheitlichen Gehalt ; d.h. der Unterschied der Rezeptionsmodalitat dieses Anspruches flihrt zur Entstehung dieser ganz unterschiedlichen Ideen.
著者
前田 篤彦 杉山 公造 間瀬 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.33-40, 2002-11-23
被引用文献数
1

玩具が持つ豊かな世界をインタフェースに応用するための系統的なアプローチの一環として、ルービック・キューブ、メガリンクス、ピラミンクスなどの"置換パズル"を一般的に表す抽象モデルを作成し、CGを利用した新しい表現メディア(ラバー・バンド表現など)への変換方式を考案し、置換パズルのジェネレータを試作した。このジェネレータにより置換パズルの多くのバリエーションを生成することを通して、メディア変換の得失についての知見をまとめた。
著者
原田 俊彦
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稻田法學 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.693-732, 2012-03-20