著者
奥 俊夫 土岐 昭男 小山 重郎 藤村 建彦
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.331-336, 1979-01-31

北日本における1972年のアワヨトウ第1世代の多発は,被害分布,成虫誘殺調査,広域の気流条件,飛来源となり得る地方での成虫出現期等から判断して,温帯低気圧の移動に伴う連続風により中国江蘇省方面から6月12日夜間に成虫群が飛来したことに起因すると結論された。
著者
新井 洋子 岡村 理栄子 肥田野 信
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.919-919, 1984-09-25

東京女子医科大学学会第267回例会 昭和61年6月12日 東京女子医科大学中央校舎1階会議室
著者
松尾 博哉 丸尾 猛 佐本 崇
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

3種類の絨毛細胞、細胞性栄養膜細胞(cytotrophoblast:C細胞)、合胞体栄養膜細胞(syncytiotrophoblast:S細胞)ならびに絨毛外栄養膜細胞(extravillous trophoblast:EVT)に関して以下の研究成果を得た。1.Bcl-2蛋白はS細胞の機能分化を誘導すると共に、分化したS細胞のアポトーシス抑制を介して妊娠維持に関わると推察され、Bcl-2蛋白発現の障害とPIHの関連が示唆された。2.妊娠時の多価不飽和脂肪酸の上昇はPPARを介して絨毛細胞の増殖能を抑制し、分化機能を誘導することが推察された。また、PPARとRXRとの間にinteractionの存在が示唆された。PIH胎盤では多価不飽和脂肪酸による絨毛細胞の分化誘導が障害され、その結果VLDL-R発現が低下し、これが胎児発育の障害につながる可能性が示唆された。3.部分胞状奇胎、胞状奇胎、絨毛癌の順に増殖能は高く、アポトーシスは抑制されるが、腫瘍性絨毛細胞でのアポトーシス抑制にはBcl-2蛋白は関与しないことが示唆された。4.EVTのアポトーシス発現はFas/Fas-Lとbcl-2 familyにより調節され、脱落膜浅部に比して深部のEVTでアポトーシス発現は高いが、脱落膜深部でtrophoblastic cleftを形成するEVTはBcl-2蛋白発現が著しく強く、例外的にアポトーシスから回避されていることを認めた。PIH胎盤では細胞接着関連因子の発現が抑制され、EVTのアポトーシス発現が高まり、EVTの脱落膜侵入が損なわれる可能性が示唆された。また、甲状腺ホルモンはEVTのアポトーシス抑制とVEGF発現促進を介して妊娠初期の胎盤形成に重要な役割を担うことが推察された。
著者
神原 廣二
出版者
長崎大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

クルーズトリパノソーマの感染哺乳類中の非増殖型トリポマスチゴートは体液中に孤立するため,多くの生残機能を発達させている。一つの手段として筋肉細胞をはじめとする宿主細胞に侵入して増殖型に変化する。したがって侵入は早ければ早い程原虫にとって宿主の攻撃をまぬがれることになるが,種の維持のためには昆虫(サシガメ)に吸血され昆虫内発育をする必要がある。このためには他方で血流中での長期生存機能を発達させねばならない。私達は牛血清アルブミンを含む低pHのMEM中で,トリポマスチゴートがすみやかにアマスチゴートに変化することを認め,この系を用いて形態維持因子を検出しようとした。まず低pH条件で促進される形態変化が原虫にとって生理学的なものであることを証明するため,電子顕微鏡による観察を用い,キネトプラスト構造を中心とする変化が,非増殖型から増殖型に向かう典型的な生理変化であることを示した。さらにイミュノブロッティングを用いて副鞭毛蛋白がこの変化に伴い消失することから,アマスチゴートへの変化であることを示した。トリポマスチゴートは中性条件においても血清または血清アルブミンの共存なしには生残できない。この原因は私達がこれまで考えてきたトリボマスチゴートから分離される細胞膜溶解物質の中和によるのでなく,アルブミンまたは他の血清成分はトリポマスチゴートの膜構成の安定化に必要であるためらしい。いくつかの血清成分の形態維持作用が調べられたが有意な効果を認めない。形態変化に伴いいくつかの蛋白が失われるが,このうちトランスシアリダーゼは早く消失するものの1つである。各種の細胞内情報伝達に影響を与える試薬の形態変化に対する影響を調べてみると,オカダ酸,KT5720に形態変化促進作用がある。このことと形態維持因子がいかにかかわっているのか,果して形態維持因子が特定できるのかは今後の問題である。
著者
山下 良之 山本 達 向井 孝三 吉信 淳 原田 慈久 徳島 高 高田 恭孝 辛 埴 赤木 和人 常行 真司
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.26, no.9, pp.514-517, 2005-09-10 (Released:2008-04-08)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

Understanding the SiO2/Si interface on atomic level is an important subject for fabricating silicon based superior devices. However, despite of many studies on the SiO2/Si interface, the interfacial electronic states have been evaluated as the average, but not specifically with individual states. In the present study, we successfully observed the electronic states of particular atoms at the SiO2/Si interface for the first time, using soft X-ray absorption and emission spectroscopy. The interfacial states are noticeably different from those of the bulk SiO2 and strongly depend on the intermediate oxidation states at the interface. Furthermore, comparing the experimental results to theoretical calculations reveals the local interfacial structures.
著者
佐久間 康夫 木山 裕子 濱田 知宏
出版者
日本医科大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンは脳による生殖内分泌調節の最終共通路であり、上位の脳機構からの支配を受けて、下垂体前葉を調節し性腺からのホルモン分泌調節や配偶子の形成を行っている。上位の脳機構についてはほとんどわかっていない。γ-アミノ酪酸(GABA)A受容体(GABA_AR)を介するGABA、AMPA受容体を介するグルタミン酸、キスペプチンなどのペプチドがGnRHニューロンの活動を調節すると考えられている。本研究では当初、古典的経シナプス性制御に着目し、無毒化した破傷風毒素(TTC)が神経活動依存的に逆行性系シナプス性標識を行うという特徴を活用し、GnRHニューロンに投射しているニューロンをトランスジェニックラットで可視化することを試みた。GnRHプロモーターの下流に蛍光蛋白であるEGFPとTTC遺伝子をつなげた導入遺伝子を用い、4系統のトランスジェニックラットを得、サザンブロット法によりこれらのラットに遺伝子導入が起こっていることを確認し表現型を検討したが、何れの系統においても脳内GnRHニューロンあるいは他のニューロンにEGFP標識が見られなかった。性腺摘除を行ってフィードバック環を開放してGnRHニューロンの過剰な活動を起こしたり、経代を重ねることで目的の表現型が得られるかについても検討したが、計画年度内には成功に至らなかった。一方、蛍光タンパク遣伝子の導入により、可視化したラットGnRHニューロンを対象とする実験では、GnRHニューロンにGABA_ARのα2,β3,γ1またはγ2サブユニットが発現していることをRT-PCR法で確認し、グラミシジン穿孔パッチクランプ法により、GnRHニューロンでは細胞内塩素イオン濃度が高く、成熟後もGABA_ARの活性化が脱分極を起こすこと、低濃度のGABAは活動電位の発生を促すが、高濃度では脱分極ブロックにより、活動電位の発生を抑えることを見いだし報告した(Yin etal.,2008)。gabazineによるGABA_A電流の阻止効果が限定的であったこと、この実験における低濃度のGABAは前脳底部におけるシナプス外GABAの濃度に相当することの2点から、シナプス外のGABA_ARの活性化がGnRHニューロンの調節に大きな役割を果たしていることが示唆され、本実験計画の当初の仮説の妥当性を考え直す契機となった。以上、本研究計画は当初の成果を挙げられなかったが、GnRHニューロン、ひいては視床下部ペプチド作動性ニューロンの調節一般について、古典的考え方にとらわれない新規な発想を導くに至った点で、有益であった。
著者
兒玉 浩明 長田 聡史
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

好中球活性化ペプチドの二量体アナログの開発を目的に、受容体の2つのサブタイプに選択的なアゴニスト及びアンタゴニストの二量体を合成した。合成した二量体アゴニストは、2つのペプチド間の距離が短いほど高い生物活性を示した。また、ヘテロ膜貫通ペプチドとして、3つのFPR サブタイプの第4 膜貫通ドメインをヘテロに架橋した。好中球の活性酸素放出能で評価したところ、活性酸素産生をプライミングすることを見いだした。
著者
青木 圭子 松本 一則 橋本 和夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.208-209, 1997-09-24

近年, 電子化文書の流通が増大し, 大量の文書情報の中から必要なものを検索する必要性が増してきており, 類似性を基準に大量の文書をクラスタリングする技術が重要となってきた。既に, 文書中の語の出現確率を用い, 文書集合をベイジアンクラスタリングする手法が提案されているが, 同手法の場合, 生成中の全クラスタ対においてクラスタどうしを一旦マージする必要があるため, 大量の文書集合を処理することが困難になる。そこで筆者らは, 計算量を削減することを目的とした大量文書向けのクラスタリング手法を提案・実装して, 提案手法と従来手法によるマージ回数の比較を行った。本稿では, 提案手法のマージ回数の推定方法について考察し, 実測値との比較結果を報告する。
著者
赤塚 若樹
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究のテーマは、20世紀のチェコの視覚芸術において発揮されている想像力のあり方を美術史的・文化史的文脈を考慮するだけでなく、歴史的・社会的・政治的状況も視野に入れながら考察することにあった。おもに映画、写真、絵画、グラフィック・デザインといったジャンルをあつかい、その特色が、シュルレアリスムを中心とするアヴァンギャルドの美意識ならびに社会主義体制下の歴史的・社会的状況と密接に結びつきながら独自の発展を遂げてきた点にあることをあきらかにした。
著者
正門 由久 富田 豊
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

転倒予防への基礎研究として以下を調べた(1)立位での外乱に対する反応と年齢による違い、(2)認知課題の歩行への影響と年齢による違い、(3)歩行中外乱に対する杖の影響。成果は以下の通りである(1)外乱へのステップ反応にて高齢者では予測的姿勢調節の有無がバランスに大きく影響している、(2)高齢者では認知課題により左右脚の肢間協調が乱れる、(3)杖はバランスの回復には役に立たず、むしろ転倒の危険を増す。
著者
吉川 左紀子 NORASAKKUNKIT V. NORASAKKUNKIT Vinai
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

昨年度は、ひきこもりの家族関係の役割とメンタルヘルスの状態を調査するためにニート、ひきこもり、そして京都大学の学生を対象に質問紙データの収集を行った。ひきこもりと京都大学の学生のデータには彼等の両親のデータも含まれていた。このデータとそれに関連する調査結果は2010年6月29日に行われた京都大学こころの未来研究センター研究会にて口頭発表、2010年12月18日に行われた京都大学こころの未来研究センター研究報告会2010にてポスター発表を行った。それに加えて、影響力のある査読付き論文集であるJournal of Social Issuesのグローバライゼーションにおける心理学という特別号にニートにおける動機づけのパターンに関する研究についての論文を執筆した。また、収集したデータについて3つの国際学会、7つの国内での会合、5つの招待講演において発表した。現在は、ニートの日本の標準の行動パターンからの逸脱傾向における文化価値の役割について追従、帰属、そして社会的サポートからの知見を検討する実験の準備中である。また、現在社会的不安に関して京都大学こころの未来研究センター内田由紀子准教授と、ミシガン大学心理学部北山忍教授と論文を共同執筆し、その論文はJournal of Cross-Cultural Psychologyに掲載されることが決まっている。
著者
本川 達雄
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

キャッチ結合組織を用いると、筋肉を用いるのに比べ、非常に少ない消費エネルギーで姿勢維持が可能なことを示した。キャッチ結合組織に特異的な神経を発見した。キャッチ結合組織の硬さ変化機構に関わるタンパク質を分離した。
著者
趙 希禄 胡 亜波 萩原 一郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.76, no.769, pp.1131-1138, 2010-09-25
参考文献数
8
被引用文献数
1

As regard to car frontal crash, previous researches have indicated that the front side member plays a major role in energy absorption. For protecting the passengers, the front side member is expected to absorb crash energy as much as possible. In this study, we investigated the crash characteristics of half cut type side member structure by optimal design method to improve energy absorption ability. We developed an automatic optimal design system, in which the analysis meshes are generated with a group of design parameters and shape optimization is carried out automatically, The design variables are side member cross section shape, spot welding pitch length, divisional section numbers and radius difference along the axial direction, and the number of subdivision levels. As the result, the optimal side member structure with half cut type is capable of absorbing 1.44 times (1.29 times per unit mass) more energy than the original rectangular cross sectional side member structure with half cut type which is generally used.
著者
平田 浩一 吉村 直道 河村 泰之
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

学校教育における図形・幾何教育の観点から、最近の折り紙研究の成果の紹介しつつ、折り紙を科学的・数学的にとらえる視点に立った折り紙教材の開発を行った。具体的には、(1)計算幾何学分野での折り紙研究の成果を紹介する教材の製作、(2)折り紙作図を紹介する教材の製作、(3)折り紙作図の特徴を活かした作図問題の収集、(4)折り紙作図シミュレーションソフトウェアの開発、及び(5)折り紙を利用した数学教育の実践、を行った。
著者
野島 武敏
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.68, no.667, pp.1015-1020, 2002-03-25
参考文献数
6
被引用文献数
3

The purpose of this paper is to present foldable tubes or conical shells with such non-circular cross-sections as rectangular ones. The developments of these structures consist of the combinations of two or more kinds of differently shaped structual elements, which form spiral configurations. Several kinds of such foldable tubes as well as conical shells are newly developed. Origami samples of foldable tubes and conical shells have been manufactured and their foldabilities have been checked. It has been assured that all samples are perfectly folded in axial direction.
著者
安野 眞幸
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.89, pp.41-52, 2003-03

本稿は、家督を継いだばかりの信長が、知多郡・篠島の商人を保護し、彼らに対し往来の自由を認めた折紙の分析である。本稿での私の目的は、当文書発給の歴史的な場面を復元することにあるOここで私は、先学が暖味にしてきた「当所守山」を、当時の信長の勢力圏「那吉野・守山間」とし、宛名の「大森平右衛門尉」を守山・大森にあった宿・関と関わった人物で、この折紙により、知多郡・篠島の商人の商人司に任命されたとの考えを提出した。当時交通の自由を妨げていたものは、通説では経済関とされているが、この文書の分析によって明らかになったことは、質取りや喧嘩などで人身の自由が脅かされていたことが大きかったとなろう。
著者
竹内 郁雄
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

(1)相手の行動の観察を、その能力を判定できるエージェントを開発した。これは異種のエージェントが導入されたのに伴い、正しく異種エージェントに対応するために必要である。(2)2人または3人がやや長い時間連携するようなチームプレイを発動する短いかけ声を開発した。これは、これまでの反射的な行動を促すかけ声に対してより高度なチームの協調行動系列を促す、進化したかけ声である。(3)RoboCupサッカーシミュレーションの対外試合等で時折観察される、開発者の意図しないエージェントの不審な行動をどのように修正するかを検討した。その結果、エージェント内に自分の一連の行動を結果として評価するモジュール(エージェント内エージェント)を組み込んで、自己監視または自己評価させる方法を採用し、どの程度の効果が得られるかを確認する予備実験を行なった。エージェントの中にエージェントをもう1個置き、自己の異常行動コマンドを発行直前に検出し、それに対する応急措置を主エージェントに要請するとともに、異常行動をもたらした状況について開発者に詳しくレポートさせた。実験結果から、個々のエージェントの内省と、チームの協調行動としてのいわば群内省に関して、新しい研究方針を固めることができた。(4)3次元サッカーシミュレーションに対応するための研究を行なった。現在球形である選手を、人間のモデルとしてより自然な円柱としてモデル化する検討を行ない、物理シミュレーションと整合させる技法を開発した。
著者
井田 哲雄 南出 靖彦 MARIN Mircea 鈴木 大郎
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

ウェブソフトウェア検証の事例研究として, WebEosの核となる部分の形式化と検証を行った.幾何と代数の基本的な部分にMathematicaの計算結果を援用することで, 効率的な検証が可能となった.文字列解析による検証において, 正規表現マッチングの正確な解析を可能とした.また, データベースとの連携の解析を導入し, 蓄積型XSS脆弱性検査を実現した.ポジションオートマトンを利用した正規表現の貪欲マッチングアルゴリズムの設計と実装を行った.