著者
森下 和広 谷脇 雅史 中畑 新吾 西片 一朗 中尾 和貴 山川 哲生
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

成人T細胞白血病(ATL)のゲノム解析を行い、多数のゲノム異常領域を同定し、白血病関連遺伝子として、TCF8(ZEB1)、NDRG2、TSLC1、BCL11B、EPC1/AXSL2融合遺伝子を同定した。それぞれの機能解析から、TGFbeta抵抗性、細胞接着性の亢進に伴う臓器浸潤、細胞増殖促進等、多彩な性状を同定できた。またTCF8(ZEB1)、NDRG2、TSLC1についてはそれぞれの遺伝子改変マウスがTリンパ腫を中心とした腫瘍発症がみられ、癌遺伝子、癌抑制遺伝子候補として証明できた。HTLV-1感染以降、これらのゲノム異常に依存した多段階発白血病発症機構の端緒が開かれ、新規診断法や治療法の開発につなげることが可能となった。
著者
内田 只房 紀谷 文樹
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.60, no.477, pp.39-46, 1995
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

The purpose of this study is to make clear the fluctuations of water balance and BOD-loading in development areas, where the changing conditions of building's composition and the combination of water reuse systems and rainwater treatment systems. The simulation program, including monthly and weekly fluctuations, is developed to evaluate the fluctuations of water reuse systems. After this, case studies are conducted using this program. The results are as follows. Water reuse systems have large fluctuations when using rainwater treatment system. The fluctuations are leveled where office buildings and hotels exist in the ratio of 40:60 in development areas.
著者
角松 生史
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、「情報処理システムとしての行政」という観点からの都市法の現代的展開に関する分析を目指し、都市空間についての意味/情報の産出/処理過程の行政法的位置づけに重点を置いた。(1)「生成途上の規範意識」:論文「景観保護と司法判断」(矢作弘/小泉秀樹編『成長主義を超えて』所収)において、(i)「審美的判断の主観性」(ii)地域空間の意味の「物語性」などについて論じた。(2)「開かれた社会における財産権」:論文「建築紛争と土地利用規制の制度設計」では、地域空間形成に関する調整・分配ルール」を「権利配分」の動態的具体化過程と捉え、段階モデルによる考察を試みた。論文「まちづくり・環境訴訟における空間の位置づけ」では、「土地所有権=財貨秩序」と「人格秩序」の協働を捉える視点を強調した。財産権のイノベーション的役割を指摘するカール・ハインツ・ラデーア論文を翻訳公表した。(3)「都市空間管理の制度設計」:論文「景観保護と司法判断」および論文「建築紛争と土地利用規制の制度設計」において、利害関係者の情報構造の観点から現行土地利用規制制度を分析した。コース論文の読み直しの上に立って、「事前確定型規制」の過度の重視を批判し、「まちづくりアセスメント」「協議型まちづくり」の重要性を主張した。論文「条例制定の法的課題と政策法務」では、「規範抵触論」的思考枠組を前提として法律と条例の関係を再検討し、自治体の認知的・試行的先導性を活かした創造的まちづくりのための制度設計にも触れた。論文「まちづくり・環境訴訟における空間の位置づけ」「都市計画の司法統制」判例評釈「騒音問題と都市計画事業の適法性-小田急訴訟上告審本案判決」において、都市空間に関わる行政争訟の制度設計を検討した。(4)「都市空間における『公共性』」:このサブ・テーマを直接に論じた公表業績はなかったが、現在住民参加に関する論文を執筆中であり、研究を継続する(論文"Recent Development of Decentralization, Deregulation and Citizens' Participation in Japanese City Planning Law"において既に簡単に触れた)。
著者
浦長瀬 隆
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.190, no.3, pp.19-30, 2004-09

1 0 0 0 OA 宇品築港史 (5)

著者
高橋 衞
出版者
福山大学
雑誌
福山大学経済学論集 (ISSN:02884542)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-26, 2001-06
著者
吉田 克己 田村 善之 長谷川 晃 稗貫 俊文 村上 裕章 曽野 裕夫 松岡 久和 池田 清治 和田 俊憲 山下 龍一 亘理 格 瀬川 信久 秋山 靖浩 潮見 佳男 伊東 研祐
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

公正な競争秩序や良好な自然環境、都市環境を確保するためには、行政機関や市町村だけでなく、市民が能動的な役割を果たすことが重要である。要するに、公私協働が求められるのである。しかし、公私峻別論に立脚する現行の実定法パラダイムは、この要請に充分に応えていない。本研究においては、行政法や民法を始めとする実定法において、どのようにして従来の考え方を克服して新しいパラダイムを構築すべきかの道筋を示した。
著者
等々力 英美 鄭 奎城 大屋 祐輔 佐々木 敏 ウィルコックス クレイグ 鄭 奎城 大屋 祐輔 佐々木 敏 ウィルコックス クレイグ
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

沖縄野菜を主体とした沖縄型食事介入による無作為割付比較試験を行った。対象者は沖縄在住20-60歳代の女性、夫婦、米国人男女、横浜東京在住40-60歳代夫婦、合計700名であった。1)沖縄野菜を豊富に取り入れた伝統的沖縄型食事は、血圧予防に有効である可能性と、2)欧米型DASH食と異なる沖縄の伝統的食事が、同様の効果を示した。3)生活習慣病の予防や治療において、食事パターンへの介入が有効な戦略となりうる。
著者
遠藤 博也
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1-2, pp.459-483, 1985-09-30
著者
平島 崇男 北村 雅夫 下林 典正 中村 大輔 大沢 信二 三宅 亮 小畑 正明 山本 順二
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

地下深部流体活動の実態解明を目指し、顕微ラマン分光分析器を導入し、流体包有物の同定システムを構築した。この機器を用いて、日本や海外の地下深部岩石中の流体包有物の研究を展開した。その結果、三波川変成岩中の石英脈から地下25km付近で岩石中にトラップされた地下深部初生流体を初めて見出すことに成功した(Nishimura et al., 2008)。また、Pseudosection法とモード測定から、塩基性変成岩において、ローソン石の出現・消滅に伴う含水量変化(Matsumoto & Hirajima, 2007)や、硅質変成岩中の含水量を明らかにした(Ubukawa et al., 2007)。
著者
宮中 文子 松岡 知子 五十嵐 稔子 本庄 英雄 北脇 城
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.63-72, 2008
被引用文献数
1

女性の妊娠・出産・育児期において生じるストレスの度合いを,客観的に評価するため尿中ストレス関連物質を測定した.研究方法は,妊娠経過に異常なく,経膣自然分娩した初妊婦8人について,妊娠35〜36週,産後4〜6日,産後3〜4週の3つの時期に,ストレスに関する質問紙調査と尿中ストレス関連物質の測定を行い解析した.その結果,5事例における6場面のストレスの内容は,出産や育児への不安,出産体験の不満,児のリスクへの不安,育児上の不安などの情動であった.その6場面でストレスに一致して,尿中アドレナリン値,ノルアドレナリン値,ドーパミン値,コルチゾール値,17-OHCS,17-KS-Sのすべてで高値が認められたのは2場面で,アドレナリン値,ノルアドレナリン値を含む5項目の高値がみられたのは1場面,4項目の高値は3場面でみられた.出産への不安がストレスだった2事例ではストレスがなくなった出産後も高値を示したことから,生理的側面での,ストレスからの修復が遅れている可能性が考えられた.これらのことから,尿中アドレナリン値とノルアドレナリン値については,妊娠・出産・育児期のストレスを評価できることが示唆された.その他の尿中ストレス関連物質との関係についてはこの事例のみでは明らかにならなかった.今後,事例を重ねて検討していきたい.
著者
市川 裕一 バルトコ ミハエル 加藤 信男 宮内 博之 佐々木 孝基 田中 享二
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.70, no.593, pp.17-24, 2005
参考文献数
8
被引用文献数
4 3

A waterproofing membrane is partially fixed to a substrate by fasteners in mechanically anchored systems. For designing a safer anchored waterproofing system against typhoons, it is needed to make clear the behavior of it under strong wind. Two kinds of full size specimens with a parapet and without one were exposed to high wind speed of a wind tunnel. The behavior of the system was investigated from the three aspects such as wind forces to a membrane, deformation of a membrane and tensile forces of fasteners induced by high wind. Strong wind force was observed in the area close to the windward edge for the roof without a parapet and about 1m on the leeward from a parapet for the roof with a parapet. The membrane was lifted up by wind to about 60mm in maximum height and was extended to about 0.6% in maximum elongation and it oscillated about 5-20Hz in periodic time. The tensile force of more than 160N was observed in some fasteners, depending on the location in the roof.
著者
大山 信義 林 美枝子 森 雅人 玉山 和夫 飯田 俊郎 西脇 裕之
出版者
札幌国際大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

1.〈持続可能な環境〉及び〈コミュニティの創発性〉の条件を探るため平成11年度に引き続き北海道釧路湿原(標茶町・鶴居村・浜中町)、山形県朝日町、宮崎県椎葉村の3地域の調査を実施し、環境保全における地域住民の活動、NPO活動、住民の自然信仰が重要な条件となっていることが明らかになった。2.アイヌ民族の居住地であった釧路湿原では、カムイ伝説や開拓農民のアニミズム信仰が自然環境を保全するうえで重要な意義をもつ。また、自然感性に基づくNPO組織と農民の自主的な活動による保護運動が湿原の生態系を保護する役割を果たしている。3.朝日町ではエコミュージアム建設運動によって地域の歴史的・文化的資源、自然資源の保護するまちづくりを行っている。この運動はナチュラリストの活動と並んでコミュニティが自己組織力を高めながらコミュニティの創発性効果を生み出している。4.椎葉村では過疎化による連帯基盤の弱体化が進んでいるが、山村社会における神木信仰、生活者の土地・環境に対する強いコミットメント(かかわり)が自然環境を守る上で重要な要素となっている。5.地域の環境負荷効果については主観的評価法が有効であり、釧路湿原塘路地区での事例では環境に対する高い価値評価をしている。地元の生活者と観光客とも自然に対する強い共感が価値評価につながっていることが分かった。6.地方のコミュニティは持続的環境を生み出すため生態系保護の要請に応えようとしており、その行動は社会学でいう〈創発的反省〉の精神に立脚しているといえる。
著者
松本 弘子
出版者
武蔵野大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

申請者はこれまで民生委員に対して、在宅精神障害者とどのようなかかわりをもっているのかについてインタビューを行ってきた。これらの結果から、地域で精神障害者に関わったことのある民生委員のうち、対応の困難を抱えていることがわかった。また多くの民生委員が対応に困ったときには役所の担当もしくは、保健師に支援してほしいと考えていることが明らかになった。そこで今年度は、民生委員から精神障害者の対応に関する相談を受けたことがある保健師4名に合計5回のインタビューを行い、民生委員と保健師のかかわりについて情報収集を行った。4名のうち、3名は民生委員とともに精神障害者に関する訪問等の支援を行ったことがあり、1名は民生委員から精神障害者に関する相談を受けたことはあるが、実際に訪問等の支援を行ったことはなかった。保健師がこれまでに民生委員から受けた相談内容としては、「いつもと様子が違うので訪問してほしい」「薬を飲んでいないと本人が言っていたけれど、どうすればよいか」「最近道で会ったときに太っていて心配なので、栄誉指導をしてほしい」等予防的な視点でかかわりを求めるものと、医療的なことに関する疑問等が多くみられた。保健師は自分たちを民生委員がうまく利用してくれるといいと願い、そのためには日ごろからのコミュニケーションや連携の必要があると感じていた。また1度かかわりをもった民生委員とは、見かけたときに声をかけたり、ケース以外のことでも積極的にかかわりをもつことによって、普段から連絡がしやすいような環境を整える努力をしていた。
著者
古郡 規雄
出版者
弘前大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

P糖タンパクは腸管、肝臓、腎臓および血液脳関門に存在し、汲みだしポンプとして作用する薬物輸送トランスポーターである。P糖タンパクをコードするMDR1遺伝子にはいくつかの多型が存在する。この多型が血液脳関門に発現するP糖タンパク機能を規定し、中枢神経薬の脳内濃度の個人差を導き出す可能性がある。そこで申請者は、定型抗精神病薬ブロムペリドールの臨床効果に及ぼす血液脳関門遺伝子MDR1多型の役割について検討した。本研究に対し文書での同意が得られた31例の急性期の未治療あるいは治療中断中の統合失調症患者であった。ブロムペリドール(6-18mg/day)による治療を3週間行い、毎週BPRSとUKU副作用スケールによる臨床評価および血漿薬物濃度測定用の採血を行った。MDR1遺伝子多型であるC3435TとG2677T/AをPCR-RFLP法で同定した。これらの両遺伝子多型、年齢、体重、性別および血漿薬物濃度を独立変数にそれぞれの臨床反応を従属変数に多変量解析を行ったところ、認知障害の改善スコア(β=0.673,p<0.01)においても改善率(β=0.464,p<0.05)においてもC3435T遺伝子型と有意な相関を認めた。副作用はいずれの変数とも差がなかった。今回の結果より、血液脳関門遺伝子MDR1の多型は抗精神病薬の薬効に関与する可能性が示された。今後、脳内薬物濃度を規定する因子を考慮に入れた検討をすることで薬効予測が容易になることが示され、将来の研究に大いに役立つ所見であると考えられた。
著者
上村 博司 里見 佳昭 菅原 敏道 山口 豊明 岸田 健 石橋 克夫 原田 昌興
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.260-267, 1991-02-20

10年以上経過をみた前立腺癌症例70例を対象として, その予後調査を行った. 治療は内分泌療法を施行した. また, 除睾術を70例中54例 (77%) に施行した. 生存10例, 死亡60例で, 癌死は31例と半数を占めた. stageA, Bでは, 癌死は少なく, stageC, Dは癌死が10例と18例で高率にみられた. 一方, 長期生存例は, stageA_1 1例, A_2例, B1例, C4例, D2例とどのstageにおいても存在した. 病理組織別では, 高分化型群に癌死がみられず, またstageA, Bでは高分化・中分化型群に同様に癌死がなかった. ホルモン剤中断例では, 高分化型群で癌死は存在せず, 中分化型群でstageC, Dに癌死がみられた. 低分化型群は予後が悪く, とくに中断後は短期間内に癌死した. 高分化型群では癌死がいないと, stageA, Bでは高分化・中分化型群で癌死はなく, またホルモン剤中断後も癌死がないことより, 除睾術施行後の高分化型腺癌でstageA, Bの症例では, ある一定期間の継続的内分泌療法を施行後に, ホルモン剤の中断・中止の可能性が推察され, 一定の条件下でホルモン剤の中止ができるのではないかということを提唱した.