著者
武田 信幸 西海 弘城
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.364-367, 2000-12-25
被引用文献数
3

畜水産食品中のオキシテトラサイクリン (OTC) をHPLCで分析するために, 0.25%メタリン酸-メタノール-アセトニトリル (6 : 2 : 2) を抽出溶媒とし, 銅イオン負荷金属キレート樹脂を利用した迅速で簡便な前処理法と, 移動相からMg<sup>2+</sup>を除去してOTCピークの消失を視認できる簡易なオンライン確認法を確立した. 食肉類及び水産食品など9種類の試料を用いた添加回収実験 (0.1及び1μg/g) での平均回収率は80%以上, 定量下限は0.02μg/gであった. 市販畜水産食品40試料を分析し, うなぎ浦焼 (0.04μg/g) とえび (0.39μg/g) からOTCを検出した. 陽性試料は開発したオンライン確認法で確認を行った.
著者
小柳津 周 荻原 博和 成瀬 宇平
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.305-311, 1989-12-20
被引用文献数
1

白焼きうなぎの保存性を高める目的で、低温貯蔵における"たれ"と脱酸素剤封入包装の効果について検討した。白焼きうなぎに"たれ"を塗ったものと、"たれ"を塗らないものについて、それぞれKON/PE製の袋に脱酸素剤とともに包装して、2℃および5℃での貯蔵試験を行い、"たれ"を塗らないPE包装のものと微生物学的、理化学的に比較検討し、次のような結果を得た。1)"たれ"と脱酸素剤封入包装を併用した区で、菌の増殖および脂質の酸化に対する抑制効果が認められた。2)大腸菌群の増殖に対し、5℃においては"たれ"と脱酸素剤封入包装の顕著な併用効果が見られなかったが、2℃においては顕著な併用効果が見られた。3)保存温度では、低温の2℃でより顕著な保存効果が認められた。
著者
豊田 恭子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.300-303, 2001-05-01

前回は主に紙媒体のコレクションをどう選んでいくかを考えました。でも今やコレクションは紙だけでは語れませんよね。そう, データベースです。たとえ資料室が小さく, 予算が限られていたとしても, データベースで武装すれば百人力! キーボードをたたいて世界中の情報を一気に手元に集められたら, インフォプロとしての貴方の評判もうなぎ登り!とはいうものの, これが結構くわせもの。まず今回は, データベースにどんなものがあるのか, その全体像をつかみましょう。その中から自分の資料室にあったデータベースを選ぶにはどうすればいいのか, 一緒に考えていきましょう。
著者
西尾 敏
出版者
社団法人 プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.14-17, 2004 (Released:2004-06-16)
参考文献数
13
被引用文献数
1

SiC⁄SiC composite is a promising structural material candidate for fusion power cores and has been considered internationally in several power plant studies. It offers safety advantages arising from it slow induced radioactivity and afterheat, and the possibility of high efficiency of energy conversion through high temperature operation. The latest SiC⁄SiC-based power core design studies are summarized, and the key SiC⁄SiC parameters affecting the performance of power core components are high lighted.
著者
石原 道博 世古 智一
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.27-32, 2007-03-31

表現型可塑性は、昆虫では翅多型や季節型および光周期による休眠誘導などの現象として一般的に知られ、季節適応にきわめて重要な役割を果たしている。これらの可塑性は異なる季節に出現する世代の間で見られ、季節的に変動する環境条件に多化性の昆虫が適応した結果、進化したと考えられている。しかしながら、これまでの研究は、可塑性が生じる生理的メカニズムについて調べたものばかりが目立ち、適応的意義まで厳密に調べた研究は少ない。表現型可塑性に適応的意義があるかどうかを明らかにすることは、表現型可塑性の進化を考えるうえでも重要なことである。この総説では、イチモンジセセリとシャープマメゾウムシの2種の多化性昆虫を対象に、世代間で見られる表現型可塑性が寄主植物のフェノロジーに適応したものであることを紹介する。シャープマメゾウムシでは、春に出現する越冬世代成虫は繁殖よりも寿命を長くする方向に、夏や秋に出現する世代の成虫は寿命よりも繁殖に多くのエネルギーを配分している。イチモンジセセリでは、秋に出現する世代のメス成虫は春および夏に出現する世代のメス成虫に比べてかなり大きな卵を産む。また、この世代が野外で遭遇する日長・温度条件下で幼虫を飼育すると、他の世代のものよりも大卵少産の繁殖配分パターンを示す。これらの表現型可塑性は、世代間で生活史形質問のエネルギー配分量の割合が変化するものであり、寄生植物のフェノロジーおよび寄主植物の質の季節変化に対する適応と考えられる。
著者
宍戸 一郎
出版者
社団法人日本動物学会
雑誌
動物学雑誌 (ISSN:00445118)
巻号頁・発行日
vol.10, no.122, pp.471-480, 1898-12-15
著者
益子 待也
巻号頁・発行日
2005

筑波大学博士 (文学) 学位論文・平成17年5月31日授与 (乙第2126号)
著者
本間 保男 高橋 広治 水野 宏 見里 朝正
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.33-40, 1977-02-20

キュウリうどんこ病菌Sphaerotheca fuligineaを供試し, 本菌の生育過程に及ぼす大豆レシチンの影響を検討した.キュウリ子葉裏面に大豆レシチン2000ppmを処理し, うどんこ病菌分生胞子を接種し, 分生胞子の発芽, 菌糸の伸長, 分生子梗, 分生胞子の形成を経時的に走査電顕により観察した.分生胞子の発芽には著しい抑制はみられなかったが, 無処理区に比し, 発芽管がやや太く, 短くなり, 菌糸の伸長が遅くなる傾向がみられた.もっとも顕著な影響は, 処理区の接種3日目以降の菌糸先端部に現われた.すなわち, 伸長した菌糸の先端部周縁に薄膜が見られ, うなぎ尾状を呈し, 日数の経過とともに膜の部分が拡大することであった.また無処理区に比し, 分生子梗, 分生胞子の形成が遅れ, 数も少なく, とくに分生胞子が分生子鎖から離脱せずに, そのままたれ下がり, 全体的にゼンマイ状を呈するものがみられた.
著者
[編集部]
出版者
社団法人日本動物学会
雑誌
動物学雑誌 (ISSN:00445118)
巻号頁・発行日
vol.6, no.67, pp.190-191, 1894-05-15
著者
前野 まさる
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.113, no.1430, 1998-11-20
著者
アハドアテイクルラハマン 緒方 健人 タンジュークイ 金亨蔓 石川 聖二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.96, pp.55-60, 2007-09-26

本論文は,人動作認識法を提案する.提案法は,従来のモーションヒストリーイメージ法に対し,動作を複数方向に分割して複数のモーションヒストリーイメージを生成することにより動作認識を行う.このため,本法の特徴として,従来法では難しかった複雑な動作の認識が可能である.提案法をラジオ体操の認識に適用した.実験では複数の被験者にラジオ体操を行ってもらい,そのビデオデータから体操の種類を認識した.提案法によれば,演技者の巧拙にかかわらずよい認識率が得られた.提案法をさらに機能強化して知能ロボットに実装すれば,人の生活上のさまざまな動作・活動の認識が可能になり,荷物を持つ,転びそうになったら手を貸すなど,知能ロボットによる人の行動・活動支援も将来可能になる.Motion separation and recognition within a video sequence is one of the most challenging problems. This paper describes a new method of separating simple human motion by employing four-directional motion history images, called DMHI. It also covers human motion recognition utilizing DMHI technique. Four partial motion history images are created by exploiting the concept of Efros et.al.'s motion descriptors. The optical flow is separated into four components based on the four directions, namely, up, down, left and right. Based on this separation, four motion history images are developed and the corresponding brightness-levels are simultaneously integrated to decide the motion separation based on the four direction. The implementation results show that this new approach can separate motion promptly and properly.
著者
寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,触知覚や操作に対するフィードバック感覚を利用して,直感的に情報を伝達するための方策について検討した。具体的には,飲料の種類を識別できる飲料パッケージ用触覚記号や薬剤の種類を示唆するパッケージ用触覚記号を提案することと,押しボタンスイッチの操作感とスイッチの物理特性の関係を解明することを試みた。本研究の結果は以下のように要約できる。1)晴眼者と視覚障害者を対象とした実験によって,内容物に対応した飲料パッケージ用触覚記号の形状と材質を明らかにした。2)薬剤パッケージを対象として,薬効を示唆する触覚記号と容量の異なるパッケージが存在することを伝える触覚記号の具体案を示した。3)押しボタンスイッチを対象として,スイッチの操作感と操作目的,スイッチの物理特性の関係との対応関係を明らかにした。さらに,スイッチの操作感評価においては,時間の要因を考慮する必要があることを示唆した。
著者
久田 友治 原 信之 麻生 博史 矢野 篤次郎 一瀬 幸人 大田 満夫
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.547-550, 1991-08-20
被引用文献数
5

肺癌術後に発症した肺塞栓症の二例を報告した.症例1,pTlN0M0,腺癌.左上葉切除後,6日目に気分不良,頻脈にて発症し肺血流シンチにて診断.ヘパリン投与にて改善.症例2,pT3N2M0,扁平上皮癌.左上葉切除後10日目にショックにて発症し,5時間後に死亡.剖検にて本症と診断した.肺癌に関連した肺塞栓症は,まれではなく,またその診断と治療は複雑であるため,肺癌の臨床においてはより注意すべき病態である.
著者
林田 道昭 土居 悟 井上 寿茂 高松 勇 豊島 協一郎
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1-8, 1993
被引用文献数
8

DSCG吸入やテオフィリンRTC療法でコントロールできない6歳以上の慢性中〜重症喘息児78例に対し, 平均4.2±2.4年 (0.5〜10年) 間BDI療法を行った。有効性は1年後61.1%, 3年後89.5%と経年的に増加した。5年以上の長期投与で身長や副腎皮質機能 (早朝コーチゾール, rapid ACTHテスト) への抑制はみられなかった。しかし, 小児への安全性は, まだ確立されたとはいえない。さらに, 無効例や導入初期の喘息悪化による死亡例がみられ, 更なる治療法の開発が必要である。