著者
高宮 正貴 児島 博紀 生澤 繁樹 橋本 憲幸 室井 麗子 森岡 次郎 杉田 浩崇 虎岩 朋加 平石 晃樹 鵜海 未祐子 関根 宏朗 岸本 智典 市川 秀之 田中 智輝
出版者
大阪体育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

これまで、教育学と政治学の接合の仕方は、①教育政策を政治学の方法で分析すること、②シティズンシップ教育として政治「を」教育すること、の2点に止まっていた。しかし本研究では、教育の規範を問う観点から、上記の接合の仕方とは異なった以下の3つのあり方を探究する。【1A】教育政策をいかに正当化すべきか(教育の分配的正義)【1B】教育は人々の生にどのように作用し、いかに包摂と排除を可能にしているのか(教育の生政治)【2】統治の対象かつ主体でもある人間は、いかにして形成されるのか(政治的主体の育成)これらの探究を通して、正義論、権力分析、市民性教育論を統合することで、規範的教育学の再構築を行う。
著者
山本 達郎 野中 崇広 篠崎 友哉
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

プレガバリン・ガバペンチンの作用部位であると考えられているα2δ-1の発現を、青斑核と中脳水道周辺灰白質で検討した。青斑核ではα2δ-1は発現せず、近傍にある三叉神経中脳核に発現していることが分かった。坐骨神経切断によりα2δ-1の発現に大きな変化はないことが示された。中脳水道周辺灰白質では、α2δ-1の発現はほとんど見られなかった。プレガバリン・ガバペンチンが青斑核を介して鎮痛効果を発揮していることが報告されてきたが、青斑核ではなく近傍の三叉神経中脳核に作用し、その結果として青斑核を活性化し鎮痛効果を発揮する可能性が示唆された。
著者
谷 明生 中川 智行 三井 亮司 NURETTIN Sahin
出版者
岡山大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

植物に多く共生するMethylobacterium属細菌の系統分類に関しては四株について新種提唱を行った。生育促進に関わる植物ホルモンについて分析し、サイトカイニンが最も重要であることを示唆する結果を得た。メタノール脱水素酵素(MDH)の補酵素が気孔を開く活性を持っており、その作用機構として活性酸素の除去にあることを見いだしている。MDHのホモログの中に希土類元素を要求するものを見いだし、機能解析を行った。イネをモデルとして本属細菌の種レベルでの同定を行い、イネの種子に含まれる本属細菌の種は、イネの遺伝型よりも栽培条件に影響されていることを示唆する結果を得た。
著者
小林 秀行
出版者
東邦大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ヒトの代替え種での研究を行なうためにまずは、マイクロミニピッグのiPS細胞の誘導を試みたが、完全なiPS細胞は樹立することはできなかった。そのため、生殖細胞への分化の実験は断念した。2016年の年末に電気工事の影響で、-80℃の冷凍庫が故障したため、それまでに冷凍庫内に保管していたTESEおよびmicro-TESEにて採取した精巣組織や、マイクロミニピッグの組織や細胞、その他試薬などすべてを失った。そのため、実験継続はできず、予定していた実験は施行できなかった。
著者
豊福 誠 佐藤 一郎 大西 博 滝 次陽 植本 誠一郎 小杉 弘明
出版者
東京芸術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ラピス・ラズリ原石の選別と粉砕、粉砕粉から高純度青色顔料の抽出を初年度に行った。同時に始めた粉砕粉による陶磁器素地への焼き付け試験と分析の試験結果を踏まえ、釉薬としての発色維持の可能性を22、23年度にかけて探った。その結果、高火度釉への応用は出来なかったが、低火度釉薬として安定した釉調と発色の釉薬を完成し、最終年度に陶磁器作品への展開と成果報告展として研究を締め括った。
著者
千葉 浩彦
出版者
淑徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

被虐待経験によるPTSD症状に有効とされる、感情コントロール訓練を含むTF-CBT等は、児童福祉職5年未満の初心者専門家期に普及させるには時間コストが大きい。そこで、感情コントロール訓練の研修だけで、彼らの臨床スキルがどの程度向上し、PTSD症状のある子ども等のPTSD症状にどの程度効果的かを検討する。基本研修段階では、児童相談所において支援マニュアルに従った研修を行い、その臨床スキル向上を検討する(研究1)。感情コントロール訓練では、研修修了後の人材が所属機関で感情コントロール訓練を行い、PTSD症状等への効果を検証し(研究2)、児童福祉現場における研修時間の算定根拠となることを目指す。
著者
眞溪 歩
出版者
東京大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

近年,脳機能を解明するための研究が盛んになってきており,その一例に脳神経活動の副産物として発生する磁界を多点で計測する脳磁界計測(以下,MEG,Magnetoencephalography)がある.MEGの目的のひとつは,逆問題を解き,脳神経活動を時間空間的に同定することである.この逆問題は不良設定問題であり,従来から行われている最適化による解法や,近年登場した統計的処理による解法では,それぞれ局所解に陥る,部分解能が悪いなどの問題を抱える.このような状況下で,本研究では2種類の手法を提案し,評価を行った.主な実績は,それぞれ下記のとおりである.1)ビームフォーミングによって,できるだけ高分解能に,空間的に離散化した脳内の各点の電気的活動を推定する.この段階での分解能は高くないが,各点の活動は時系列データとして得られるため,時系列間の相関をもとにクラスタリングを行い,同期して活動を行った部位ごとに表示することにする.聴覚野と運動野が時間帯をオーバーラップさせ活動するMEGデータに対し本手法を適用し,従来法では不可能であったそれぞれの活動の分離に成功した.2)必ずしも脳内の活動源推定に還元することなく,データどおしを比較し,その類似性を評価する手法としてバーチャルビームフォーミングを提案する.これは,脳内の具体的部位ではなく,特定のMEG活動のような抽象的なものをターゲットするビームフォーミングである.バーチャルビームフォーミングは,心理評価などの意識の介在する評価と異なり,MEGデータのみから脳内処理の類似性などを定量評価できる.音像定位関連MEGに対し,本手法を適用し,音源の移動幅が大きくなるにつれ,音源の出現・消失の反応と近くなることが確認された.
著者
西田 圭吾
出版者
鈴鹿医療科学大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

マスト細胞の顆粒中には亜鉛が豊富に含まれていることが報告されており、脱顆粒に伴って細胞外に放出されることが知られている。しかし、その役割とメカニズムについては明らかにされていなかった。そこで、マスト細胞顆粒中へ亜鉛を取り込む機構、そして細胞外に放出された亜鉛の役割解明を目的とした。本研究においてマスト細胞における顆粒内への亜鉛取り込みに関与している分子として亜鉛トランスポーターZnT2の同定に成功した。ZnT2欠損マスト細胞では刺激依存的な放出亜鉛が観察されず、またZnT2KOマウスでは皮膚創傷治癒の遅延が生じた。以上、本研究によりマスト細胞から放出される亜鉛の生理的意義を初めて示した。
著者
辻 かおる 小澤 理香 高林 純示
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、(1)花形質の雌雄差の解明の研究を雌雄異株植物ヒサカキを用いて行い、匂いと蜜成分について新知見を得た。また、(2)送粉者の観察と行動実験から、送粉者の反応が雌雄の花で異なることが明らかになった。具体的には、匂いの主成分のイオン強度(匂いの強さ)に有意な雌雄差はなかったが、微量成分は雄花で多く放出されていた。一方、花蜜に含まれる糖の主成分の濃度は雌花で有意に高かった。さらに、送粉者を用いた行動実験では、送粉者の花での滞在時間は雄花より雌花で長くなっていた。これらの結果から、花の雌雄差とそれに対応する送粉者の行動が新たに明らかになった。
著者
高田 寛子 大牟禮 治人 永山 邦宏 宮脇 正一
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

健康な男性患者に対して、咀嚼が消化管ホルモンの血中濃度や胃の活動(胃排出能、胃電図)、自律神経機能に与える影響を調べることとした。消化管ホルモンの項目はグルコース、インスリン、ガストリン、グレリン、CCK, GLP-1とした。5時間かけてデータの採取を経時的に行い、採決済シリンジは各ホルモンに応じて処理を行い、実験終了後にすべての資料はサンプルボックスに入れて保管し、データ解析を行った。4人の被験者に対して、咀嚼ありなしの条件で、これらの実験を行ったが血中ホルモン濃度に有意な差は認められなかった。今後、被験者を増やすと同時に咀嚼筋障害を持つ患者に対しても調べる予定である。
著者
田村 恵子 西山 知佳 星野 明子 平井 啓 森田 達也 清原 康介 本間 なほ
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、地域社会で病いとともに生きる人々や家族、市民と専門職で創るケアリングコミュニティにおける対話プログラムの効果検証を目的とする。CBPR(Community-Based Participatory Research)を主軸に、ケアリングに基づく対話パターンの実践知の共有、世代を越えた人々とのケアする対話の場づくりの検討、病いとともに生きる意味を探求するスピリチュアルケアガイドの作成を行う。地域社会における対話プログラムの効果を検討することで、今後の少子高齢・人口減少を向かえるわが国において、病いとともに生きる人々と市民が支え合い、主体的に生き抜くための地域共生社会実現への貢献を目指す。
著者
中村 肇
出版者
成城大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本年度は、自律的規範と他律的規範の関係につき、まず、合同行為に相当する団体法に関連して、組合員の組合からの脱退を制限する合意の効力が問題となった事案について、判例評釈を行った。かかる判断は、組合の団結権の保障よりも個々の組合員の団体選択の自由を保障することを優先するものであり、本研究テーマにとって興味深い。契約関係に関するものとしては、第71回日本私法学会において、「事情変更の顧慮とその妥当性」という表題で個別報告を行った。従来から行ってきた事情変更の原則論の淵源理論たるclausula rebus sic stantibus理論の展開につき、18世紀の法典編纂の時代の立法内容、それに関する学説・実務の展開を中心にして検討した。さらに、現在のドイツ法との比較を行うことで、古典的なclausula理論の中での議論が現在の議論と同様の問題意識を持っていたこと、そこでの議論が現在の視座にとっても有益であることをあきらかにすることを試みた。ほかに、山田卓生先生の古稀記念論文集に提出した論説において、ドイツの2002年債務法改正に際して立法化が見送られた「一時的不能」の問題について検討を加えた。一時的不能という給付障害法は、わが国でも従来議論されておらず、自律的決定の限界問題の一つとして、位置づけることが可能である。ドイツ法は、改正の際に当初は一時的不能の明文化を試みていたところ、議論の末、従来通り学説、判例に取扱いをゆだねることになっている。わが国での債務法改正の議論においても、同様の問題が起こる可能性があり、ドイツでの議論は参照に値しよう。その他に、自賠法に関して、自賠法に規定された支払基準の損害算定に際しての拘束力が問題となった事案について判例評釈を行ったこと、利息制限法違反の過払い利息の返還に関連する判例評釈を行ったことを付け加える。いずれも特別法に関連する事案であるが、特別法上の規定の解釈が問題となった場面であって、本研究テーマと関係するものである。
著者
杉田 和成
出版者
産業医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

我々はナイアシンアンタゴニストおよびナイアシン欠乏食を用いて、ペラグラモデルマウスの作成を試みた。ナイアシンアンタゴニスト投与下でマウスに紫外線を照射すると、皮膚炎症が増強し、ドップラーエコーにより皮膚血流増加が観察された。興味深いことに、紫外線皮膚炎の増強に加え、体重減少と下痢も認めたことから、我々のマウスモデルはペラグラに特徴的な症状を伴った有用なモデルと考えられた。
著者
中川 光
出版者
京都大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

1) シカの個体数増加による森林生態系への悪影響が日本全国において問題となっている。2) 集水域森林においてシカ害が生じた河川生態系において、なにを、どのように調べれば適切な影響評価が行えるのかという手法は確立されていない。3) 様々な要因が同時に影響しうる河川生態系において、シカ害の影響を検証するため、本研究では多地点比較によるアプローチを行う。4) 生態系モニタリングを多地点で効率よく行うため、環境DNAメタバーコーディングによる生物観測を導入する。5) 本研究により、シカ害の影響について多地点における迅速な河川生態系への環境影響評価の実施が可能となる。
著者
臺丸谷 美幸
出版者
国立研究開発法人水産研究・教育機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

アメリカ合衆国市民として朝鮮戦争へ従軍した日系アメリカ人二世に焦点をあて、従軍が彼らの社会生活へもたらした影響をジェンダーとエスニシティの視点から解明した。カリフォルニア州出身者を対象とし、日系新聞の分析、退役軍人へのインタビュー調査、朝鮮戦争記念碑建設などにみる従軍経験の再記憶化の考察を行った。日系二世たちにとって従軍経験は退役後の社会参入を促し、進学や就職へ直結する生活基盤を築く契機となったが、この背景には1950年代の冷戦対立と国内の人種政策が密接に絡んでおり、これは合衆国における移民の排除と包摂を巡るポリティクスとして捉えることが可能であることを示した。
著者
城 憲秀
出版者
京都大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2019-08-30

病原体やがんに対して中心的役割を果たす「T細胞」の産生臓器「胸腺」は、思春期以降に退縮する。このため、末梢T細胞は加齢の影響を受けやすく、増殖能低下・炎症性サイトカイン産生能の上昇など様々な機能的変容を来す。この現象は「T細胞老化」と呼ばれ、多くの加齢関連疾患の基礎をなすことが明らかになってきた。申請者らは加齢に伴いT細胞のミトコンドリア量と膜電位が低下することを見出した。本研究では、1)胸腺退縮に伴いT細胞のミトコンドリア障害を誘導する機構、および2)ミトコンドリア変化がT細胞老化の機能的特徴に果たす役割を解明し、3)T細胞老化を正常化する介入法を探索することを目的とする。
著者
山本 武利
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

CCDはコミュニケーションの監視とインテリジェンスにつながる情報の獲得を目的としていた。監視の目的は、軍事的な安全の確保と治安を乱すコミュニケーションの排除であった。日本政府の降伏条件への服従の度合いを探る工作を行った。とくに日本の民主化に注視していた。そのために郵便、電信、メディアの検閲に力を入れた。そのために多数の日本人を採用して検閲者にした。能力のある日本人を現場で教育し、役に立つものは抜擢し、能力がないと見た者は整理した。日本人は次第に協力的になり、検閲者として重宝されるようになった。とくに日本人女性の能力を評価し、管理職DACに採用した。日本での検閲は成功したとGHQは判断した。

1 0 0 0 OA 検閲と日本人

著者
山本 武利
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

GHQは1945年9月1日から1949年11月31日まで検閲を行った。CCDとCIEを使って巧みに日本人を統治した。郵便など通信やメディアの検閲で日本人の諜報活動を把握した。CCDの雇用者は日本人であったが、検閲の存在の公表を許さなかった。そうしながら、日本では新憲法で言論の自由が保証されているといった巧みな戦術・戦略を実行した。左翼メディアや少数の右翼メディアは巧妙な検閲体制に批判しが、多くのメディアは軍事裁判、発行禁止、没収、、パージ、用紙統制のしたがった。こうして日本人とメディアを使った日本のアメリカ化が促された。
著者
木下 正史 木村 茂光 木村 茂光
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

日本では、本格的な尺度の導入は6世紀末の飛鳥寺造営時に、百済から高麗尺を導入した時に始まる。7世紀中頃に至り、百済大寺や難波宮、水落遺跡など宮都中枢施設の造営に際して唐大尺が導入され、史料上は大宝令によって制度化されたとされる大尺・小尺制が成立した。一方、権衡制は隋制が導入され、平城京時代まで、その骨格として継承された。こうした度量衡制の展開は飛鳥への宮都の定着、そして京制の成立、都づくりの本格化と相関する。
著者
工藤 雅樹 樋口 知志 熊田 亮介 辻 秀人 榎森 進 甘粕 健 村越 潔
出版者
福島大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1993

(1) この研究を推進するために岩手県岩手郡岩手町の横田館遺跡と西根町の子飼沢山遺跡、暮坪遺跡の発掘調査を実施した。その結果横田館遺跡は周囲に多重の土塁をめぐらすこと、発掘した2基の竪穴住居の構造や集落全体の構造から、常時居住した集落ではなく、13世紀以後の防御性の高い集落であろうとの結論を得た。子飼沢山遺跡は海抜500メートルを越える高地の尾根上に存在する。大型と小型の竪穴住居各1基を発掘調査し、土師器、多量の鉄器、炭化した穀物粒などが出土した。遺跡の年代は土師器の形態から10世紀後半ころと考えられる。暮坪遺跡は海抜430メートルの暮坪山の頂上一帯に広がる遺跡で、集落の主要部は堀と土手に囲まれている。住居跡二基を発掘した結果、集落は大形と小形の二つのタイプがあることが確認された。遺跡の年代は出土した土師器から考えて10世紀後半ころのものである。(2) 実地踏査の結果によれば、東北北部には学界に知られていない多くの平安時代高地性集落が存在する。それらは立地や構造などによりa,平地との比高差数十メートル以上の高地に立地し、特に濠や土塁などを持たないもの、b,丘陵の突端部に存在し、基部が濠で切断されているもの、c,周囲に濠や土塁をめぐらすもの、などに大別される。また年代ではそしてこのような特徴を有する集落は、低地に立地し、濠や土塁を有しない一般の集落とはことなる、きわめて防御的色彩の濃い集落であると考えられる。平安時代高地性集落の研究をさらに推進できることで、北海道のチャシとの関係も明らかとなるであろうし、防御的色彩の濃い集落を生み出した古代蝦夷社会の性格にもせまることができるであろう。