著者
Taisuke Akimoto Makoto Ohtake Takafumi Kawasaki Shuto Fushimi Wataru Shimohigoshi Hiroshi Manaka Takashi Kawasaki Katsumi Sakata Ichiro Takeuchi Tetsuya Yamamoto
出版者
The Japanese Society for Neuroendovascular Therapy
雑誌
Journal of Neuroendovascular Therapy (ISSN:18824072)
巻号頁・発行日
pp.oa.2022-0043, (Released:2023-01-07)
参考文献数
24

Objective: To identify factors associated with the outcome and prognosis of coil embolization for poor-grade aneurysmal subarachnoid hemorrhage (aSAH).Methods: We retrospectively reviewed 118 patients with World Federation of Neurosurgical Societies (WFNS) grade IV or V subarachnoid hemorrhage at our institute between January 2010 and December 2020. Outcomes were assessed using modified Rankin Scale (mRS) scores at discharge and at six months after aSAH onset. In addition, patient background, aneurysm characteristics, and treatment outcome were compared between patients showing favorable (mRS scores: 0–2) and unfavorable (mRS scores: 3–6) outcomes at six months. Factors for change of mRS during follow-up were explored, and cut off values were calculated for age using the receiver operating characteristic analysis.Results: Endovascular treatment was performed in 51 of the 118 enrolled patients. Data were analyzed for 43 of these patients who underwent coil embolization of ruptured aneurysms and had complete datasets. The mean age was 61.7 years and 24 (55.8%) patients had WFNS grade V aSAH. Coil embolization-related complications were observed in three patients. There were no treatment-related deaths; however, eight patients (18.6%) died at three months. Multivariate analysis showed that the maximum diameter of the aneurysm (p=0.041) and the postoperative dual antiplatelet therapy (DAPT) (p=0.040) were associated with unfavorable and favorable outcomes, respectively. Older age (p=0.033) was independently associated with mRS score deterioration following discharge. Age 72 years and older was the cut off value for mRS deterioration.Conclusion: Aneurysm size and postoperative DAPT might be associated with outcomes at 6 months. Moreover, we identified older age as an independent factor that influences mRS deterioration following discharge; thus, especially in cases of elderly patients over 72 years of age, it is highly likely that long-term care to prevent disuse and regular follow-up on imaging will be necessary.
著者
小枝 達也
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.207-211, 2015 (Released:2015-11-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1

Dyslexiaのおもな病態は, 音韻処理障害という脳機能の障害であると考えられるようになった. DyslexiaはDSM-5では神経発達障害に分類されていて, 読字障害という限局性学習障害の代替的な用語であると記載されている. つまりdyslexiaは一つの臨床的な単位であるとみなされるようになった.  本邦においても診断や治療にかかわる臨床的な研究が進んできている. 我々が開発した音読検査は, dyslexiaの診断に向けた検査として, 診療報酬点数の算定ができるし, 音読困難という症状を緩和する指導法の開発も進んできている. Dyslexiaは教育の問題として考えるだけでなく, 医療の対象とすべき時が来ている.

8 0 0 0 OA PAMPs,DAMPs とPRRs

著者
吉川 恵次
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.247-249, 2014 (Released:2015-04-06)
参考文献数
10
被引用文献数
2
著者
大谷 貴美子 尾崎 彩子 小島 憲治 神田 真由美 南出 隆久 高井 隆三 中島 孝 高畑 宏亮 大谷 晃也
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.356-365, 2001-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
25

We investigated the relationship between the frothing and foam stability of beer and the surface properties of various kinds of drinking vessel (glass mugs and 6 kinds of ceramic mugs), whose size and shape were almost the same. Although the initial bubbles produced when pouring beer into a mug have been thought to depend on the gas created by the mechanical stirring and on the air adsorbed to the surface of the beer mug, we considered that the frothing and foam stability of beer in the mug might also be related to the shape and size of scratches and on the wettability of the surface of the beer mug. The mechanism for continuous bubbling was investigated by a theoretical equation which showed that the size of a bubble produced on the surface of the beer mug was significantly correlated with the wettability and shape of scratches on the surface, and that the place where a bubble was continuously produced was where air remained to form the nucleus of the next bubble after the previous bubble had been released.
著者
吉田 元
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.11, pp.823-828, 2007-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
29

現在清酒は, 台湾, 韓国, 中国, ベトナム, オーストラリア, カナダ, 米国, ブラジルなど多くの国で造られている。本稿によると, 20世紀初めからの台湾における清酒醸造は, これらの先駆けであり四季醸造技術や理研酒など様々な試みが行われている。先人達の努力と経験に学ぶところ, 日本と台湾の深いつながりについて考えさせられるところが多い技術史である。
著者
福本 辰己 皆川 鉄雄 濱根 大輔
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2010年年会
巻号頁・発行日
pp.237, 2010 (Released:2011-04-06)

ブラウン鉱鉱床の脈石として、また、赤色石英片岩の主要構成鉱物として産する緑簾石族鉱物は紅簾石,紅簾石-Sr,マンガニ紅簾石-Sr,マンガニ紅簾石,緑簾石-Sr,緑簾石などを端成分とする複雑な固溶体を形成していると考えられる。本研究では四国三波川帯、秩父帯に分布するブラウン鉱鉱床、赤色石英片岩(いわゆる紅簾片岩)中に主要鉱物として産する緑簾石族鉱物の同定を目的に行った。
著者
常田 貴夫
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
pp.2013-0013, (Released:2014-01-24)
参考文献数
36
被引用文献数
1 1

理論化学の研究対象において金属表面や金属錯体が主要になりつつある現在,相対論的密度汎関数法(RDFT)の重要性は増している.この方法は,多電子系の電子状態を金属を含む大規模系の反応や物性を定量的に取り扱えるため,大規模金属系の理論研究においてもっともすぐれた理論の1つであることは間違いない.RDFTは量子電気力学にもとづく確かな土台をもつ理論であり,化学における相対論的計算の主要理論となっている.本レビューでは,RDFTの基礎を説明した後,最新の2成分RDFTに至るまでの具体的な道筋を明らかにする.さらには,RDFTが将来的に進むであろう道筋も示すことも目的としている.
著者
川角 博
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集 26(2009) (ISSN:24330655)
巻号頁・発行日
pp.62-63, 2009-08-04 (Released:2017-07-20)

ヤモリは壁面や天井を自由に歩くことができるのは、ヤモリの指に無数に生えている毛(電子顕微鏡での写真で見られる)が壁との分子間力により、強く壁に吸着できるからである。テフロン加工フライパン面は、他の物質との相互作用が小さい。従って、このフライパン面上でヤモリが滑りやすいと考えた。実験の結果、ヤモリはテフロン加工フライパン上で滑ることが分かった。ここから、摩擦力についても考えたい。
著者
小川 佳伸
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.98, no.1, pp.90-101,193, 1995-01-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
27
被引用文献数
1

喉頭室原発の癌の発生母地を解明するために肉眼的に喉頭室に病変を認めない22個のヒト摘出喉頭を用いて臨床病理学的な検討を行い以下の結果を得た. 1) 喉頭室のコンピュータグラフィッタス化を行いその複雑な形状を示した. 2) 著者分類の「浅陥凹型」部分は, 喉頭室の中でも特に扁平上皮化生が強く進み, 発癌の準備段階として重要であると思われた. 3) 「浅陥凹型」部分は喉頭室の前後に分布していた. これは喉頭室原発の癌の臨床的な好発部位とよく一致しており, 喉頭室原発の癌の発生母地として重要であると思われた. 4) 喉頭室粘膜上皮も症例によっては, かなりの範囲で扁平上皮化生が起こり, 喫煙や飲酒の影響で高度に進行することも示された.
著者
山下 麗 田中 厚資 高田 秀重
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.51-68, 2016 (Released:2016-06-01)
参考文献数
104
被引用文献数
5

プラスチックの生産量は増加傾向にある一方で、廃棄量も増加しており、適切に処理されないものは最終的に海洋へと流出していく。プラスチックは難分解性であるため長期間にわたって海洋中に存在し、鯨類やウミガメ類など様々な海洋生物に摂食されている。特に、海鳥類では高頻度のプラスチック摂食が確認されている。プラスチック摂食による影響は、物理的な摂食阻害とプラスチック由来の化学物質が体内へ移行して起こる毒性の2 つが考えられる。近年、プラスチックに吸着するポリ塩化ビフェニル(PCBs)と難燃剤として添加されているポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDEs)がプラスチック摂食によって外洋性海鳥の体内に移行する証拠が出された。また、動物プランクトンなどの低次栄養段階の生物にもマイクロプラスチックと呼ばれる微小なプラスチックと化学物質が取り込まれていることが報告され始め、海洋生態系全体に汚染が広がっていることが明らかになってきた。このようにプラスチックが汚染物質のキャリヤーとしてふるまうことから、海洋生物のプラスチック摂食が生態系内での新たな汚染物質の暴露ルートとな。 今後、海洋へのプラスチック流出量の増加に伴って海洋生物への汚染物質の負荷量が大きくなり、海洋生態系全体へ脅威が増すと考えられる。
著者
渥美 一弥
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.504-521, 2016 (Released:2018-02-23)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本稿では、カナダにおける多文化主義政策の先住民への影響について、カナダのブリティッシュ・コロンビア州の先住民族、サーニッチを事例として検討する。そして、現時点において「多文化主義」がカナダ先住民にとって、社会的地位や経済的状態の改善に寄与している状況を評価する立場をとりつつ、先住民集団内においても、その受け取り方は複数存在することを指摘する。サーニッチの場合、多文化主義の政策を活用して経済的な自立をめざす人々と、従来の社会福祉政策に依存した暮らしを望む人々に大きく二分されているように筆者のような部外者には見える。 多文化主義は、「言語」あるいは「アート」を守ってきた先住民に対し経済的後押しをしている。独立し た学校区が生み出され、学校が建設され、教員や職員としての雇用が生まれた。トーテム・ポール等の先住民アートは、非先住民の地域住民を対象に含む市場を創造し、その作品に対する注文は増加し続けている。このような先住民の経済的自立の背景にカナダの多文化主義が存在する。しかし、それは同時に、「言語」や「アート」を身につけた人々と、そうでない人々との間に経済的な「格差」を生む結果となった。 かつて「白人」から銃火器などの「武器」を手に入れた集団と手に入れなかった集団との間で格差が生まれたように、サーニッチの間で「多文化主義」の恩恵を受けることができる人々と受けられない人々の間に格差が生じている。多文化主義においても、結果として主流社会との関係が先住民の運命を左右する決定的要素となっている。 本稿はまずカナダの多文化主義を歴史的に確認する。次に多文化主義が先住民にとって持つ意味を考察する。そして、具体例として、筆者が調査を行っているサーニッチの事例を紹介しながら、多文化主義政策が先住民の人々の間に「格差」を生じさせている状況があることを指摘する。しかし同時に、現在のサーニッチはその「格差」を乗り越えて結束している。最後に、その彼らを結びつけているのは同化教育という名の暴力に対する「記憶」であることを明示する。
著者
村上 仁 神田 未和 中島 玖 澤柳 孝浩 曽我 建太 濱田 憲和 池上 清子
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.49-64, 2020-03-20 (Released:2020-04-02)
参考文献数
54

目的  本研究の目的は、日本でSDGsの保健目標(目標3)とジェンダー目標(目標5)を相乗的に達成していくために日本が取るべき具体的方策を、ジェンダー分析に基づいた日本とイギリスの比較から明確化することである。方法  日本では、ジェンダー平等を目指して活動する機関のジェンダー専門家8名と産婦人科医2名に、イギリスでは、保健とジェンダーの分野に深く関わりのある政府組織、市民社会、アカデミアから9名に、性と生殖に関わる健康・権利ならびにジェンダーに基づく暴力対策の現状につき、詳細面談および文献調査を実施した。テープ起こしをした原稿につき、質的内容分析を実施した。結果  「避妊・人工妊娠中絶」、「性感染症対策」、「性教育」、「婦人科系がん対策」、「ジェンダーに基づく暴力対策」の各項目につき、ジェンダー視点からみた日英の現状を明らかにした。比較の結果、特に「避妊・人工妊娠中絶」、「性教育」、「ジェンダーに基づく暴力対策」につき、両国の取り組みに差が見られた。イギリスではジェンダー・トランスフォーマティブ(女性の状況の改善だけでなく女性の社会的地位を改善し、彼女たちが権利を十分に行使できることを目指す)な取り組みが行われている一方、日本ではそのような取り組みに未だ踏み出していない施策として、1)避妊法の選択肢の確保と費用の低減化(緊急避妊薬へのアクセス改善を含む)、2)人工妊娠中絶を女性の意志のみで実施できるようにすること、3)人間関係を含めた包括的な性教育の体系的な実施、4)ジェンダーに基づく暴力に対応する戦略策定の4点が明らかとなった。結論  結果から導かれた4点を進めることで、日本においてSDGsの目標3と目標5を相乗的に達成していけると思われる。そのためには、政策決定への市民社会の参画の拡大と、女性議員比率の向上が助けになると考えられる。
著者
洲崎 春海 野村 恭也 水野 正浩 川端 五十鈴 田部 浩生 宮川 晃一 坪井 洋 鳥山 稔 飯野 ゆき子 中井 淳仁 市村 恵一 土田 みね子 中村 直也 山口 宏也 深谷 卓 安部 治彦 井上 都子 杉本 正弘 鈴木 康司 佐藤 恒正 大西 信治郎 小林 恵子 伊藤 依子 井上 憲文 小林 武夫 室伏 利久 水野 信一 鳥山 寧二 飯塚 啓介 市川 朝也 森田 守 石井 哲夫 鍋島 みどり 船井 洋光 浅野 恵美子 矢野 純 吉見 健二郎 横川 友久
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.34, no.Supplement7, pp.575-581, 1991-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
9

12歳以上のスギ花粉症患者118例 (男55例, 女63例) にトラニラスト (リザベン ®) を投与し, 予防効果と治療効果について比較, 検討した。投与方法はトラニラストとして1日300mgを原則としてスギ花粉飛散 (20個/cm2/日以上の飛散) の2週間以前から投与し (予防投与), 飛散後4週間継続投与した (治療投与)。改善度判定は,「効果あり」以上は予防投与群32例 (57%), 治療投与群28例 (45%) で,「やや効果あり」以上は予防投与群42例 (75%), 治療投与群49例 (79%) であった。花粉飛散初期において鼻症状, 鼻鏡所見, 眼症状のいずれの程度も治療投与群に比べて予防投与群の方が有意に改善しており, 自覚症状, 他覚所見のいずれもトラニラストの予防効果が認められた。治療投与群においてはくしゃみ, 鼻汁, 鼻鏡所見, 眼のかゆみの程度が投与終了時に有意に改善した。副作用は予防投与群4例 (7.1%) 治療投与群5例 (8.1%) にみられたがいずれも投与中または投与中止により軽快した。以上より, トラニラストの予防投与は有用でかつ合理的な治療法と考えられる。また, 治療投与も有用であることが確認された
著者
生駒 葉子 松井 広
出版者
Japan Society of Neurovegetative Research
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.366-370, 2022 (Released:2022-12-21)
参考文献数
30

迷走神経と言えば中枢から末梢臓器への投射がよく知られているが,実は末梢の情報を中枢に伝える求心性線維の方が割合は多い.この求心性の連絡を刺激する迷走神経刺激療法は,難治性てんかんの緩和療法やうつ病の治療としても用いられている.最近の研究では,脳病態治療効果があるだけではなく,迷走神経刺激が脳内の神経可塑性を生み出し脳内環境に変動を与えることで,学習やリハビリの促進にもつながるとの報告がなされている.このような脳内環境変化に,神経細胞ともにグリア細胞機能も関わっている可能性が示唆されている.末梢からの中枢脳内環境制御の研究は,てんかんに限らず,幅広い脳病態の新たな治療方法として期待されている.