著者
渡辺 恵子
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、国立大学事務職員のキャリア形成の在り方とモチベーションを明らかにすることにより、今後の人材育成につながる示唆を得ることを目的とする。具体的には、次の2つの研究を行う。1.特定の大学で採用された職員のキャリアツリーを作成し、昇進構造を明らかにする。2.生え抜き職員を対象にインタビューや質問紙調査を行うことなどにより、それらの職員のモチベーションの内容や、能力発揮状況や能力開発とモチベーションとの関連などを分析する。
著者
西川 純 岩田 亮
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.1-8, 1999
被引用文献数
2

本研究では2つの調査を行った。第一調査では,4種類の調査問題を作成した。理科A問題は,単位を付けたオームの計算問題である。理科B問題は,数学では使わない記号E,R,I)を使ったオームの計算問題である。理科C問題は,単位を付け,数学では使わない記号を使ったオームの計算問題である。数学問題は,以上の理科問題で用いた計算を含んだ問題である。それぞれの問題の解答行動における文脈依存性を比較した。その結果,理科の計算が難しい原因は単位であることが明らかになった。第二の調査では,3種類の調査問題を作成した。数学問題は,分数に関する問題である。理科問題は,分数計算を含んだ,オームの計算問題である。社会問題は,分数計算を含んだ人口密度の問題である。それぞれの問題における文脈依存性を比較した。その結果,各教科における認識の文脈依存性は,内容と個人特性に依存することが明らかとなった。
著者
戸村 理
出版者
國學院大學
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では近現代日本における大学学長職の地位・役割・動態について、歴史社会学的に考察する。具体的には近現代日本の学長職に関する政策及び機関内での地位と役割の変遷を、経営と教学の点から考察する。そしてどのような人物が学長職にあったのか、個人属性とキャリアパスに注目し、分析期間内における学長職の動態を明らかにする。学長職の大学経営に関する言説分析も行うことで、大学学長職の日本的構造を解明する。
著者
阿久津 智
出版者
拓殖大学言語文化研究所
雑誌
拓殖大学語学研究 = Takushoku language studies (ISSN:13488384)
巻号頁・発行日
no.140, pp.1-34, 2019-03-29

古典読解に係り結びを生かす方法を考えるため,『土佐日記』に係り結び(係助詞)がどのように現れているかを調べた。とくに,地の文における,「強意」を表す係助詞「ぞ」,「なむ」を含む係り結びの用法を探った。その結果,「ぞ」と「なむ」には,ともに,係助詞の用法として,⑴限定・対比・排他的な意味を表す用法(卓立強調),⑵感情の焦点を表す用法(情緒的な強調)が見られたほか,係り結びの談話的な機能として,⑶話に区切りをつける用法が見られた。このうちの⑶などは,文章構成を把握するのに役に立つものであり,古典の読解に活用できるものと思われる。
著者
角田 篤泰 松浦 好治 外山 勝彦 小川 泰弘
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

e-Legislation(電子立法)の方法論の研究とこれに基づく支援システムの提供を行った。その結果として、条例・規則(=例規)のデータベース・システムを開発・提供し、全国の約半数の自治体で利用されるようになった。これによって自治体の立法作業に役立つことができた。このデータベースは我が国で初めての大規模な例規データベースであり、実際にその統計情報なども発表して、例規を定量分析できる学問的基盤を与えることにもなった。このシステムにはスーパーコンピュータを利用した例規分類機能や立法作業の支援機能も装備されている。さらに、この研究過程で法政策の形式的記述方法や定義条項の執筆方法論も提案した。
著者
松本 洋一郎 德永 保 吉川 潔 辰巳 敬 真壁 利明 橋本 周司 松尾 豊 坂田 一郎 上山 隆大 浦島 邦子
出版者
東京大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2014-04-01

シンガポールは一人当たりGDPではわが国を超え、大学ランキングでも台頭しているが、わが国における政策研究は限られていた。本研究では、シンガポールの科学技術政策(特にバイオメディカル推進策)について、文献調査や現地での専門家への聞き取り等によって明らかにした。シンガポールでは産業政策のために科学技術政策が実施されているといっても過言ではない。著名研究者を大量に誘致するなどし、旧来から行われてきた多国籍企業誘致を先端科学分野の研究開発へ拡充する形で、成功を収めてきている。大学政策においては、テニュア制度や会計、財務など、モデルとする米国の事例から徹底的に学ぶ姿勢が見られた。
著者
後藤 真千子
出版者
日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液・がん学会雑誌 (ISSN:2187011X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.413-418, 2016 (Released:2017-03-18)
参考文献数
3

ホスピタル・プレイ士(以下HP士と記載)がプレパレーションをすることによって,恐怖心から処置や検査,治療を行うことが困難な患児に対し,処置や治療,検査がスムーズに行われることが可能となることがある.まず,本人と保護者の話をよく聞き,児が処置/検査/治療の意味や必要性を理解しているか,何が不安なのか,親の思いはどうか,を確認する.その後,処置/検査/治療がどういうものかを患児の認知に合わせて説明し,必要があれば,事前に機械,機器を見たり,触れたり,遊んだりするなどして,児の不安を一つずつ取り除いて,児が大丈夫と思えるまで関わる.分離不安がある場合は,HP士と仲良くなることにより,処置/検査/治療にHP士が一緒に入って支えながら乗り切っている.処置/検査/治療が度重なる恐怖体験になり,トラウマになって,体に変調を来すようなときも,不安の原因を一つ一つ解きほぐしながら,患児と一緒に乗り越えるための対処戦略を考え,乗り切っていく.その際に,様々な段階において,各部署のスタッフと連携し,綿密に段取りを決めて,患児の恐怖を最小限にし,乗り越えるためのモチベーションを上げるように工夫している.そのような関わりが,効果的であった症例について,具体的な経過を報告し,HP士と他職種の連携によるプレパレーションの意義について考察したい.
著者
浜野 正浩
出版者
三田哲學會
雑誌
哲学 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
no.104, pp.33-44, 1999-12

投稿論文1. はじめに2. Kirby-ParisのHydra Game3. GentzenのPAのためのcut除去法4. cut除去法による定理1の証明5. まとめWe give a direct independence proof of Kirby-Paris' Hydra Game [9] from Peano Arithmetic (PA). This is done by giving a relationship between Gentzen's consistency proof [5] for PA and the Hydra Game. Compared with Kirby-Paris' and Cichon's [3] proofs, our proof is direct in that we do not use any finite characterization theorem of the PA-provably recursive functions. We prove that one step reduction of Kirby-Paris' Hydra Game corresponds to finite steps of Gentzen's proof reduction. With the help of Godel's Incompleteness Theorem, Kirby-Paris' unprovability result follows.

2 0 0 0 OA 三国通覧図説

著者
林子平 著
出版者
裳華房
巻号頁・発行日
1923
著者
大澤 史伸
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.382-391, 2013-03

厚生労働省では,「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以下,障害者雇用促進法と記述する。)に基づき,1人以上の身体障害者又は知的障害者を雇用することを義務づけている事業主等から,毎年6月1日現在における身体障害者,知的障害者及び精神障害者の雇用状況について報告を求めている。2012年11月14日現在における同報告では雇用障害者数は,38万2,363人と過去最高を更新した。このことを受けて,小宮山洋子厚生労働大臣は,2012年5月23日,現行の法定雇用率1.8%から2.0%に引き上げる案を労働政策審議会の分科会に諮問した。分科会は同日,妥当と答申し,6月中にも政令改正を閣議決定し,2013年度から新しい雇用率が適用される見通しになった。しかし,民間企業(56人以上規模の企業)をみると,法定雇用率1.8%に対して実雇用率が1.69%であり,法定雇用率未達成企業は,53.2%と依然,民間企業における障害者雇用は進んでいるとはいえない状況である。
著者
蒲池 みゆき 加藤 隆 赤松 茂 赤松 茂
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.38, pp.59-64, 1996
参考文献数
2
被引用文献数
1

ある人物の顔を見て性別を判定する際には, 顔のもつ様々な情報の中で, どの情報が有効に利用されているのであろうか.男女各16名のモデルを使った本研究の実験では, 顔の持つ色情報が, 性別を判断される際に男女を問わず必要であることが分かった.また, 性別を判断する際の視点依存性について, 男性の場合は左90°の横顔, 女性の顔は右90°の横顔が性別を誤って判断されやすく, その判断に対する被験者の確信度も低いことが明らかとなった.つまり, 性別判断の視点依存性には男女の顔で非対称性があることが示唆された.
著者
西田 健次 田中 敏雄 新田 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.76, pp.161-166, 1997-08-20
参考文献数
4

人間の記憶は、次々と新しい事例を記憶し、それを失うことなく類似の事例をまとめて概念化していくことができる。そして、頻繁に利用される記憶は想起しやすくなるなどの優れた機能を持っている。また、人間の記憶には、嬉しかった事悲しかった事など、何らかの感情を伴った事例は記憶されやすいという特徴がある。本稿では、感情の記憶における働きに着目し、感情を記憶に対する制御信号と捉えた感情記憶システムを提案する。感情記憶システムでは、感情の活性化により記憶事例の獲得や記憶の概念化が実現でき、学習により頻繁にアクセスされる記憶は想起しやすくなるなど、人間の記憶機能をうまく再現できる。In this paper we propose a memory system which employs emotion as a control signal for memory. This Emotional Memory system can learn concepts without losing memory instances, and frequently accessed memories become easily associated.
著者
本田 仁昭 赤坂 謙 神山 五郎 岡本 途也 永田 三郎
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-5, 1977

A portable electromotive Kana-typewriter was developed as a communication method for dysarthric patients. As the size of this machine is 215×90×30mm, it is easy to carry in the pocket or bag. This machine has 50 keys (Kana-letters) with a thermal print system. Using this typewriter, the dysarthric patients who had almost no speech output and showed only a gesture of“yes”or“no”reaction, could express their ideas correctly and communicate actively with other people. It was believed that the device was very helpful for the dysarthric patients. But the effectiveness of this machine was greatly dependent on their intelligences, vocations and their motivations and so on. Other technical problems are the sharpness of the printed letters and the size of the apparatus to be carried more conveniently. By improving these technical points, utility of this Kana-typewriter will be multiplied and it will be useful as an aid of communication for severe dysarthric patients.
著者
浦野 紘平
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水質汚濁研究 (ISSN:03872025)
巻号頁・発行日
vol.11, no.10, pp.623-627, 1988-10-10 (Released:2009-09-10)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1
著者
Atsushi HIRAGA Shigeru SUGANO
出版者
Japanese Society of Equine Science
雑誌
Journal of Equine Science (ISSN:13403516)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-13, 2015 (Released:2015-03-31)
参考文献数
84
被引用文献数
2 8

Since the first recording of electrocardiograms (ECGs) of a horse in Japan was carried out in 1944, studies on ECGs have been performed intensively. During the early stages of research from the 1950s to 1960s, leads to use for ECG recording were evaluated using several different approaches including unipolar leads, bipolar limb leads, and bipolar chest leads. Based on these studies, the AB lead, which is oriented along the long axis of the heart, became the standard reference method in Japan. Electrodes of the AB lead are placed on the upper 1/4th point along a straight line between the withers and the left shoulder blade (base: B), and 10 cm posterior to the left olecranon (apex: A). The incidence of equine arrhythmias among racehorses has been surveyed, and details of the electrocardiographic characteristics of several arrhythmias have been investigated. In particular, atrial fibrillation (AF) has been extensively studied, and papers have reported findings such as that paroxysmal AF occurs during racing and described electrocardiographic changes that occur at the onset of AF during exercise. Development of a radiotelemetry system for ECG recording enabled the first recording of equine ECGs during galloping in 1964, the detection of arrhythmias, and calculation of heart rate during exercise. Studies on comparative and developmental changes of ECGs have described characteristics of the equine ECGs. Future research on changes in cardiac function, including autonomic function, that occur with aging may lead to new developments in equine electrocardiography and contribute to improving the health and welfare of the horse.
著者
田中 吉史 山住 賢司 大山 正 市原 茂
出版者
日本官能評価学会
雑誌
日本官能評価学会誌 (ISSN:1342906X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1-2, pp.24-29, 2007-04-15 (Released:2012-12-28)
参考文献数
9

A test pattern consisting of 1 to 15 dots was presented for 50 ms on a computer screen. Each of fifteen college students was asked to report orally the number of dots displayed as quickly as possible. In the experimental condition, the subject was presented short sentences successively via headset during the dot-counting task. Half of the experimental subjects judged the gender of the voice reading each sentence, and the other half judged truth of the sentence. In the control condition, the subject conducted only the dot-counting task. The results showed that the span of attention (the upper limit for 50% correct numerosity judgment) was not influenced by the concurrent task, but the reaction time to dot-counting under the concurrent task was longer than that under the control condition.