著者
上野 将敬
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

葛藤解決行動は、動物が社会的文脈において発揮する認知能力(社会的知性)を明らかにする上で、非常に興味深い研究対象である。対立する2者間で、目的を調和させ、争いをうまく調整する行動は、ヒトを含む社会的動物において、普遍的に存在し、多くの類似性を持つ。そこで本研究では、ニホンザルを対象として、協力的関係を築くための、葛藤解決メカニズムを明らかにすることを目指す。ニホンザルは、気温が低くなると2個体以上の個体がお互いの胴体を接触させてハドルを形成して暖を取る(Hanya et al. 2007)。一方の個体がハドル形成を望んでいるときに、もう一方の個体も同じくハドル形成を望んでいるとは限らない。そこで本研究では、昨年度勝山ニホンザル集団(岡山県真庭市)を観察して得られたデータを分析して、ニホンザルが、成体メスに毛づくろいを行うことによって、個体間の葛藤を少なくしてハドル形成という利益を得ているのかどうかを検討した。成体メス同士でハドルを形成するときには、毛づくろい交渉後にハドルを形成することが多かった。そして、成体メス同士でハドルを形成するときには、毛づくろいを行い、そして相手からお返しの毛づくろいを受けていない時に、ハドルを形成することが多くなっていた。以上の結果から、ニホンザルがけつくろいによって葛藤を解決し、ハドル形成という利益を得ていたことが示された。この研究成果は、ハドル形成に伴う葛藤をどのように解決しているのかを示した初めての研究である。
著者
上野 正博
出版者
京都大学フィールド科学教育研究センター
雑誌
時計台対話集会
巻号頁・発行日
vol.7, pp.51-58, 2011-02-28

第7回時計台対話集会「森里海をつなぐ人づくり」, 京都大学百周年時計台記念館百周年記念ホール, 2010/11/20
著者
上野 淳子
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要 (ISSN:18833497)
巻号頁・発行日
no.57, pp.195-205, 2013
著者
上野 雄己 鈴木 平 清水 安夫
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.20-34, 2014
被引用文献数
1

This study aimed to develop a psychological resilience model for university athletes (PRMUA). University athletes (<i>N</i>=377; 188 men and 189 women, Mean age=19.70 years, <i>SD</i>=1.20) participated in the study. They completed a questionnaire comprising of socio-demographic questions and questions on resilience, resilience efficacy, stressors, stress response, and self-esteem. Structural equation modeling was used to examine the hypothetical mediation model of PRMUA, which indicated that fit indices of the model satisfied statistical requirements (GFI=.99, AGFI=.94, CFI=.99, RMSEA=.08, AIC=48.32, BCC=48.93). Moreover, each path of PRMUA had a significant influence on each variable. Findings of this study partially supported our hypotheses regarding PRMUA. Further research is needed to clarify the nature of resilience. Moreover, longitudinal research is needed to develop practical uses for the model, such as increasing and predicting the resilience of athletic club members.
著者
北本 尚子 上野 真義 津村 義彦 鷲谷 いづみ 大澤 良
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.47-51, 2005-06-30
被引用文献数
1 1

絶滅危惧植物であるサクラソウの自然個体群内における遺伝的多様性と花粉流動の実態を明らかにするために, 私たちは3組のマイクロサテライトマーカーを開発した.これらのマーカーを用いて, 八ヶ岳演習林内に自生するサクラソウ52個体の遺伝子型を決定したところ, いずれのマーカーも多型性が高く, 1遺伝子座あたりの対立遺伝子数は8〜12, ヘテロ接合度の観察値は0.77〜0.94であった.開発した3組のマーカーとIsagi et al. (2001)によってすでに開発されている7組のマーカーを組み合わせたときの父性排除率は, 0.997と推定され, 偽の花粉親候補を偶然選ぶ確率が84%から7%へと大幅に改善した.したがって, 今回開発したマイクロサテライトマーカーを併用すれば, 自然個体群内の花粉流動を把握することができると考えられる.
著者
石黒 正晃 猿楽 祐樹 上野 宗孝
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集 日本惑星科学会2007年秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
pp.1, 2007 (Released:2008-04-28)

9つの木星族彗星を地上望遠鏡で撮像し、そのチリ雲の輝度分布から質量放出量の推定を行ないました。その結果、これらの彗星は毎秒23kg/sの割合で惑星間空間にチリを供給していることがわかりました。このことから、木星族彗星が惑星間ダストの主要な起源であると推測することができます。更に、放出されるチリの最大径が日心距離に依存しているという傾向も見えてきました。地球軌道付近では最大で約1cmのチリが、0.3AUまで太陽に近づくエンケ彗星の場合、10cm以上のチリが放出されていると推定されます。
著者
上野 直樹 茂呂 雄二
出版者
国立教育研究所
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

平成2年度からの3年間の科研費による研究において、学校における算数に関する"言語ゲーム"のあり方の調査、実験を行った。その結果、多くの小学生が、意味のない算数の問題を何ら疑問なくといてしまうこと、あるいは、非現実的な問題に「これは算数の問題だから変ではない、解ける。」と答えることなどが示された。以上の調査から、小学生は、与えられた問題の現実性・意味についてモニターしないこと、算数理解のあり方が手続き指向的であること、算数の問題は「算数」である以上、現実的である必要はないと積極的に判断していること、などが明らかになった。こうした諸事実は、学校の算数が何を指向しているか、つまり算数という「ゲーム」が学校においてどの様な運営のされ方をしているかを示している。さらに申請者がトヨタ財団研究助成によって行っているネパールにおける日常生活における算数の調査によれば、商人や農民の算数という「ゲーム」のあり方は、以上に示される様な学校算数と対照的である。例えば、「水牛1頭18円で3頭でいくら」というような非現実的な問題に皆笑いだす。また、ネパールの商人や農民の算数の問題解決は、協同的である。例えば、個人に、問題を与えてみても、自然と人が集まり、互いにいろいろ教えあったり、計算に関してコメントすることが頻繁にあった。つまり、ネパールの人々にとっては、個人的に算数の問題を解くこと自体がむしろ不自然な事態であると考えられる。さらに、そのストリート算数の背景に、歴史的に構築されてきた様々な手続き、道具があり、そうした算数の道具が学校とは異なった形で発展し、又洗練されていることが明らかにされた。以上の事実から、算数認知は、特定の活動のコミュニティ(学校・バザール等)に参加し、メンバーとして文化・歴史的状況との相互交渉を行うことを通して社会的に構成されるものであることが明らかにされた。
著者
上野 俊彦
出版者
渋沢栄一記念財団
雑誌
青淵 (ISSN:09123210)
巻号頁・発行日
no.785, pp.16-18, 2014-08
著者
上野 孝行
出版者
鹿児島工業高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

研究目的多くの高専において"ものづくり"が教育目標として掲げられており,もの作りの教育方法について講義や実習などで多角的に検討されている.本校においても,学生のモチベーションをいかに向上させ,維持させるかということが問題視されている.近年,学生の成長過程での周辺環境がIT技術の発展により劇的に変化している.このような背景から,日常生活環境から機械装置が電子装置に置き換わりメカニカルな装置が身の回りにないため,分解してメカニズムを知る楽しみを知らない学生が増えてきている.機械工学科の学生にいたっても,そのようなことに興味を持たない学生も少なからず存在する.このことは創造力の養成に対する動機にも影響している.そこで4輪バギーの操舵部分を対象とした分解組み立ての実習を取り入れる.実用車であるため機械工学科の学生の興味を惹く題材を用いることで,その教育効果を検討する.研究方法(1)現有の4輪バギーを分解し,構造について特にサスペンションのアライメントの理論を学習するための方案を洗練するとともに,他の教科との関連や実習の効果を検討する.(2)また,学生への動機付けの成否を,アンケートや実習を通した学生からの聞き取りで行う.(3)効率よく実習を行うために,実習用のバギーを1台追加する(購入申請).(4)毎実習終了後にアンケートを取り,実習の内容の改善点についてフィードバックを行いながら更に適したテキスト,サブノート,教材の開発を行う.(5)その教育効果をさらに高めるために,補助教材の製作を行う.(6)以上に加えて学生の意識調査を聞き取り方式で行い,実習方案の完成度を高めていく.研究成果(1)4輪バギー保有台数が増えたことにより少人数教育を行うことができた.(2)(1)の結果,実習時間にゆとりが生まれ,新たな分野について授業で取り上げることができた.(3)学生からの聞き取り調査により、すべてにおいて教育効果が高まったことが確認できた.
著者
里村 雄彦 林 泰一 安成 哲三 松本 淳 寺尾 徹 上野 健一
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

2004年7月および2005年3月の2回にわたりカトマンズ(ネパール)のネパール水文気象局本局を訪問し,既存の気象・気候データの所在,保存方法・形態,デジタル化の手順や収集の可能性について調査を行った。また,2004年10月7日には,第1回の現地調査の結果をふまえてアクロス福岡にて国内打合せ会議を開き,第2回現地調査項目および将来の国際共同研究計画への戦略について議論を行った。これらの内容は以下の通り:1)国内会議・南アジア(特にネパール・バングラとインド北部)における雨とそれに関わる大気状態の観測に取り組む必要がある。世界的に見て顕著な降水がある領域であるが、観測・データの制約、研究の少なさのために、まだ基本的な事実自体が十分に解明されていない状況にある。改めて降水の実態把握にこだわる意味は大きい。また,降水量予測もターゲットにするべきであろう。・新しい測器・データの利用と、特別観測、更た新しい研究ツールとしての数値モデルを有効に活用することを通じて、南アジアの降水メカニズムに関する知見を深めていくことを重視すべきである。2)現地調査・地上観測点は多いが,高層観測は全く行っていない。24時間観測をしているのはカトマンズ空港1地点のみであり,他は夜間の観測を行っていない。多くの観測点は日平均値,最大・最小のみの報告を行っている。・最新の自動気象観測装置が数点入っているが、試験導入という位置づけであり,機器の維持・整備の状況に差が大きい。カトマンズ市内の機器を調査した結果,カトマンズ空港以外のデータは研究に利用できない可能性が高い。・高層観測を今後の共同研究で実施する重要度は大きいが,技術的な困難も大きい。・DHMのShrestha長官と面談し、低緯度モンスーン地帯の急峻山脈南山麓という世界的に特殊な環境に起因する気象擾乱や災害について情報交換を行った。また、今後の国際共同研究に向けて具体的な観測項目、そのための事務的な準備などについても打ち合わせた。なお,これらの結果をふまえて実際の国際共同研究を行うため,平成17年度科学研究費基盤Aの申請を行った。
著者
大橋 晃太 横山 明弘 籠尾 壽哉 細田 亮 山本 隆介 米田 美栄 工藤 昌尚 朴 載源 上野 博則 矢野 尊啓
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.670-674, 2013 (Released:2013-08-02)
参考文献数
15

症例は53歳男性,2006年11月にPOEMS症候群と診断され,翌年2月に自家末梢血幹細胞移植(ASCT)を受けた。2011年7月に両側胸水貯留による呼吸困難と,全身性浮腫が出現した。血漿vascular endothelial growth factor (VEGF)およびM蛋白が増加し再発と診断された。lenalidomide/低用量dexamethasone (Ld)療法により体液貯留は速やかに改善し,11コース実施後も増悪なく経過している。ADLは全介助から軽介助立位可能なレベルまで改善した。最近lenalidomideの本疾患への使用報告が増加しているが,浮腫の改善だけでなく溢水症状が急速に改善した報告はない。水分貯留傾向が著明なPOEMS症候群においてLd療法は有効な治療選択肢である。
著者
鈴木 清一 小山内 康人 上野 禎一
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

2年度に渡り国内各地の軟体動物を主とする化石産地10数箇所を調査し,既存データを含めて続成作用に伴う炭酸塩化石硬組織の保存状態の変化を検討した.初生鉱物がアラレ石のものと方解石(低Mg方解石)のものとの間で保存状態が異なり,有孔虫殻など高Mg方解石のものはそのいずれとも相違する.最も安定なのは方解石で下部白亜系でも初生内部構造が残存することが確認された.次いで安定なのは高Mg方解石で,3者中で最も溶解し易いという一般的見解とは異なる結果を得た.これは埋没段階の極めて早期の低Mg方解石化に起因すると思われる.アラレ石は最も不安定であるが,方解石化により殻体自身は保存されることが多い.ただし,内部構造は消失する.方解石化は第四系でも生ずる一方で,上部白亜系に未変質で残存することもあり,母岩の状況に左右される.一般に未変質アラレ石は,泥岩のような細粒砕屑岩類や方解石セメントが粗粒化した砂岩に含まれる.これらの岩相では間隙水の流動性が低いとみなされる.炭酸塩化石の他鉱物による交代現象は極めて多様であり,とくにアラレ石質殻体の選択的な交代により,内部構造を保存することが,珪化,緑泥石化,海緑石化,黄鉄鉱化で確認された.珪化は様々な地質時代と地域を通じて普遍的に生じている.この種の珪化はアラレ石の方解石化以前の埋没早期に行われており,化石内容や産出層準,方解石セメント中の微量元素なども含めて判断すると,埋没環境として沿岸域における「海水-淡水混合帯」を想定できる.なお,一部では方解石化後にも珪化が生じ,2段階の交代作用が認められた.この他,アンケライト,菱鉄鉱,重晶石,方沸石の晶出例があったが,交代か溶脱後の充填か不明である.また,カソードルミネッサンス像観察により,方解石の再結晶化に伴う化石とセメントの同化段階が識別され,続成変質の進行を従来より詳しく検討できることが判明した.
著者
松浦 純平 喜田 加奈子 上野 栄一
出版者
富山大学看護学会編集委員会
雑誌
富山大学看護学会誌 (ISSN:1882191X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.9-18, 2012-03

The purpose of this research to clarify the cause of delirium appearance of disease factors which is supposed by veteran nurses working at the surgery ward of head and neck.A total of five nurses was interviewed.The semi-structured interview that contains seven cross method was performed to examine the cause of delirium appearance of the disease factors. The interviews were translated transcripts using the content analysis of K. Krippendorff.As a result, the following categories were generalized by content analysis; "individual characteristic", "the long rest", "aged", "insomnia", "male" "solitude". Seven cross method showed that the strongest delirium appearance of the disease factors was seven factors as follows, "insomnia", "advanced age", "long operation", "anxiety before the operative". Seven cross method showed that the strongest delirium appearance of the disease factors was seven factors as follows, "insomnia", "individual characteristic", "aged", "long operation", "amount of bleeding during the operation", "the effect of sleeping drug" "anxiety before the operative". Categories included in both the content analysis and seven cross method showed four categories of "aged", "insomnia", "individual characteristic".It was suggested that it is very important to perform the nursing practice of the delirium after operation.本研究の目的は,頭頸部外科病棟に勤務する経験豊富な看護師が考える術後せん妄発症要因は何かを明らかにして,臨床での術後せん妄発症患者に対する看護実践への示唆を得ることである.対象は,A大学医学部附属病院頭頸部外科病棟に勤務する頭頸部外科勤務経験5年以上の看護師5名とした.術後せん妄発症要因について半構成的面接を実施,結果はK.Krippendorffの内容分析手法およびセブン・クロス法にて分析した.内容分析の結果から【性格特性】,【理解力不足】,【長期安静】,【高齢】,【不眠】,【男性】,【独居】の7つのカテゴリーが生成された.セブン・クロス法の結果から,優先順位が高い順に【不眠】,【性格特性】,【高齢】,【長時間手術】,【術中出血量】,【眠剤の影響】,【術前不安】の7つのカテゴリーが生成された.内容分析とセブン・クロス法の両方に含まれていたのは,【高齢】,【不眠】,【個人特性】の3つのカテゴリーであった.この結果から今後の術後せん妄看護についての示唆を得た.
著者
松本 健義 西野 範夫 佐藤 公治 上野 直樹 布川 和彦 茂呂 雄二 西阪 仰 松本 健義
出版者
上越教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

現在の子どもの根源的な危機は,学力低下にあるのではなく,<学ぶことの根拠>である<生>の低下,すなわち,他者と共にアクチュアルに生きる機会の激減にあるという認識にたち,以下のように研究を進めた。(1)感じ・考え・行う身体の論理と筋道を働かせて,子どもがもの,こと,人に働きかけ働きかけられて<学び合い・生き合う>ことを通して,根源的な<学び-知>が生成され成りたつ過程を明らかにする。(2)現象学的心理学,状況的学習論,談話心理学,相互作用・相互行為分析の視点と方法を取り入れた学びの過程の臨床的分析と教育実践の構想実践を行い,学びの過程に対応するカリキュラムと教育実践の総合的在り方を明らかにする。その結果,以下のような成果を得た。1.子どもの<学び-知>は,自己の行為の論理を働かせた,もの,こと,人との相互作用・相互行為の過程で,記号や道具を媒介にして,子どもともの,こと,人とのあいだに<できごと世界<関係=意味)>を,状況的・相互的・協働的に生成し,世界,行為,他者,<私>の意味を同時に生成する過程であることを明らかにした。また,意味生成としての子どもの学びの過程をとらえるあり方を学習臨床学として明らかにした。2.子どもの行為の論理による<できごと世界>の生成としての学びの過程が生起し,その過程で,過去の経験や活動といまここで未来へと向かいつくられる活動との関係,他者やできごととの関係を,子どもが新たにつくりつくり変えて自己の<生>と,世界,行為,他者,<私>の意味とを共に新たに生成することを支える教育実践のあり方を,学習臨床カウンセリングとして明らかにした。3.他者と共に<生きる-学ぶ>ことにより子どもが、<知>を生成する過程を通して,あらゆる教科の学びの基礎・基本となる子ども<生>の論理に対応した学習過程の臨床的カリキュラムが構成されることを明らかにすることができた。
著者
木島 隆康 桐野 文良 山梨 絵美子 林 洋子 上野 勝久 佐藤 一郎
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

迎賓館赤坂離宮(平成21年、国宝に指定される)は明治42年に建設され、わが国最大の面積を誇る天井画を持つ(15部屋)。天井画はカンバスに描かれた油彩画である。過去に大修復が行われているが、その後も劣化が進行し著しく損傷している。本研究プロジェクトは、天井画に生じた損傷と劣化原因を調査し、その損傷原因が過去の粗悪な設置環境と過去の不適切な修復処置、さらにカンバスが貼られた木摺に主な原因があることがわかった。さらに、天井画の由来はフランスで制作され輸入されたものであることを突きとめた。