著者
海野 徹也 清家 暁 大竹 二雄 西山 文隆 柴田 恭宏 中川 平介
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.647-657, 2001-07-15
参考文献数
40
被引用文献数
6 14

広島県太田川で捕獲されたサツキマス27個体の回遊履歴を耳石Sr/Ca比を用いて推定した。調査に用いた27個体中26尾が降海型サツキマスであり, そのうち2尾が汽水域を主な生活領域にしていた。太田川の大部分のサツキマスは1月中旬に汽水域に移動し, 2月中旬から6月中旬まで沿岸域を回遊することが判明した。

2 0 0 0 OA 近世偉人百話

著者
中川克一 編
出版者
至誠堂
巻号頁・発行日
vol.続, 1912
著者
中川 剛 糸川 高史 中島 康晴 山本 卓明 馬渡 太郎 本村 悟朗 大石 正信 秋山 美緒 岩本 幸英
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.217-219, 2013-03-25 (Released:2013-06-11)
参考文献数
12

人工股関節全置換術(THA)後の脱臼は最も頻度の高い合併症の一つであり,多くの因子の関与が報告されている.そのうち,骨頭径は最も大きなインプラント因子であることとされている.32mm骨頭径の脱臼予防効果を明らかにする目的で,1998年以降の初回THA症例で1年以上経過観察し得た923症例1033関節の脱臼率を調査した.各骨頭径における脱臼率は22mm:194関節中9関節(4.6%),26mm:717関節中15関節(2.09%),32mm:110関節中0関節(0%)であり,Pearson単変量解析にて3群間に有意差を認めた.32mm径骨頭は有意にTHA後脱臼を減少させた.
著者
鷲巣 力 加國 尚志 小関 素明 中川 成美 樋口 陽一 三浦 信孝 桜井 均 湯浅 俊彦 渡辺 公三
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究の課題は戦後日本を代表する国際的知識人加藤周一の思想を戦後思想史のなかに位置づけることである。本研究の基礎作業が加藤の「手稿ノート」の研究とその成果としてデジタルアーカイブ化して公表することである。本年度は《Journal Intime 1948-1949》《Journal Intime 1950-1951》の二冊について、デジタルアーカイブ化して公開した。昨年公開した8冊の「青春ノート」の抄録を刊行するべく、編集校閲作業を進めた。さらに『加藤周一 その青春と戦争』(共著)の編集執筆も進めた。加藤と丸山眞男との比較研究は、東京女子大学の丸山眞男記念比較思想研究センターと本研究を支える加藤周一現代思想研究センターとの間で研究提携の協定書を締結した。丸山研究センターの川口雄一氏は加藤研究センターの客員協力研究員についてもらい、研究会にて丸山眞男研究の推移について報告した。また『丸山記念研究センター報告』(第13号)に「加藤周一文庫と加藤周一の方法」を寄稿した。さらに山口昌男文庫をもつ札幌大学の公開講座に、本研究の研究者代表である鷲巣と川口雄一氏が参加して、研究報告を行なった。加藤と林達夫との比較研究では、鷲巣が中心となり林達夫研究を進め、成果として『イタリア図書』に「林達夫への精神史的逍遥」の連載を続けた。加藤は生涯を通して反戦を貫き、反戦小説も著わしたが、研究分担者の中川成美は他の戦争文学との比較のために『戦争を読む』(岩波新書)を刊行した。加藤周一記念講演会には、フランス哲学の浅田彰氏を招聘して「普遍的知識人の時代は終わったのか」と題した講演を行なって、加藤がもつ現代的意義について論じてもらった。研究会では、上記の川口氏の報告のほか、猪原透協力研究員の「科学し研究と加藤周一」と題した報告、石塚純一協力研究員の「網野善彦、山口昌男、加藤周一」と題した報告を受けた。
著者
土井 礼子 北野 庸子 中川 雅文
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
Audiology Japan (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.679-691, 2012-12-28
参考文献数
17

聴覚障害児と家族に対する支援として, 情報通信技術 (Information and Communication Technology: 以下ICT) を活用し, 遠隔支援プログラムサイトを構築した。聴覚障害児の親と言語聴覚士 (以下ST) を対象に遠隔支援プログラムサイトの評価を行った。各対象者にはサイトに接続してもらい, プログラムのわかりやすさ, 資料や映像のダウンロードなどの機能の使いやすさ, 映像内容, 指導内容, 遠隔支援の有効性について回答してもらった。肯定的な回答と否定的な回答に分けて二項検定を行ったところ, 聴覚障害児の親は48/53の, 言語聴覚士は47/53の質問項目において肯定的な評価が過半数以上であることが有意に示された。今後, 利用者のICTへの精通度, 対面の個別言語指導との併用などの検討が必要と思われたが, 遠隔地や海外滞在者を対象に支援を行う際に, 有効に活用できる可能性が示唆された。
著者
玉木 直文 松尾 亮 水野 昭彦 正木 文浩 中川 徹 鈴木 雅博 福井 誠 谷口 隆司 三宅 達郎 伊藤 博夫
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.316-321, 2016 (Released:2016-06-10)
参考文献数
19

糖尿病や腎機能と歯周病との関連についての研究は数多く行われてきたが,これらの疾患のバイオマーカーと歯肉溝液中の炎症関連バイオマーカーとの関連についての研究は少ない.本研究では,歯肉溝液中の炎症関連バイオマーカーと糖尿病・腎機能マーカーとの関連性について検討を行うことを目的とした. 市民健診参加者と糖尿病治療の患者を対象とした.対象者の歯肉溝液を採取し,アンチトリプシンとラクトフェリン濃度を測定した.また,糖尿病コントロール指標として糖化ヘモグロビン(HbA1c),腎機能マーカーとしてクレアチニンと推算糸給体濾過量(eGFR)を測定し,これらを従属変数とした重回帰分析を用いて,それぞれの関連性を検討した. その結果,炎症関連歯肉溝バイオマーカーと血清のすべての検査項目において,年齢・性別調整後の平均値は市民健診受診者と糖尿病患者の間で統計学的な有意差があった(p<0.001).また,糖尿病などに強く関連する交絡因子である年齢や性別などの調整後でも,歯肉溝中の炎症関連バイオマーカーは糖尿病・腎機能マーカーとも関連することが認められた.本研究の結果から,客観的に評価された歯肉溝バイオマーカーと糖尿病や腎機能マーカーとの間には有意な関連があることが示され,医科−歯科連携における健診ツールとして,歯肉溝液中のバイオマーカーの測定の有用性が示唆された.
著者
中川 将司 堀江 健生
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.101-109, 2009 (Released:2009-11-06)
参考文献数
50

動物の眼は多種多様である。しかし,脊椎動物内ではその器官の構造,視細胞の形態,そして視細胞内信号伝達系等の性質は,最も下等な円口類からヒトまで殆ど同じである。脊椎動物の眼の体制が進化の過程でどのように確立されてきたのか,まだ殆ど分かっていない。ホヤは脊椎動物の最も近縁な現生動物で,その幼生は脊索をもち,神経管から神経系が発生する等,脊椎動物の基本的特徴を備えている。ホヤは脊椎動物型眼の進化を解く鍵になると期待される。筆者らは,ホヤ幼生から視細胞特異的遺伝子を単離し,それらの遺伝子産物に対する抗体によってホヤ幼生の視細胞の形態を明らかにしてきた。本稿では,ホヤ幼生の光に対する行動とその視細胞の形態を基に,脊椎動物の原始的な眼と,脊椎動物の眼や松果体との関連性について考察する。
著者
中川 明博
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.9, pp.73-96, 2011-03-28

「三宅剛一差出・田辺元宛書簡」は、昭和期を代表する哲学者三宅剛一(1895 ~ 1982 年)が、母校京都大学の恩師田辺元(1885 ~ 1962 年)に宛てた書簡を、ご遺族の了解の上翻刻し、必要な校訂を加えたものである。書簡は1924 年から田辺の死の3 年前の1959 年までの間に投函されたもので、それは三宅の東北帝国大学助教授時代から、ドイツ留学、戦後の京都大学教授時代を経て、昭和30 年代の学習院大学教授時代に及ぶ。 これらの書簡は、東京教育大学教授、学習院大学教授を歴任した哲学者下村寅太郎博士(1902 ~ 1995 年)が生前保管していたものである。下村の膨大な遺品に含まれていた多数の田辺元宛書簡類のうち、三宅剛一差出の全15 通が本書簡である。 本書簡を通じて、私たちは日本を代表する二人の哲学者の間に育まれた知的交流の一端を伺い知ることができるだけでなく、時に率直に師の意見を求め、忌憚なく師の思想を批判する文面から、三宅剛一における哲学的態度のあり方を見て取ることができるだろう。
著者
八神 寿徳 小玉 一徳 中川 勝吾
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

近年,大学ブランドの確立と価値向上において重要な取組みの一つとして,多くの大学が大学ブランドを活用した商品開発・販売による情報発信を実践しており,大学ブランド商品が増加している。しかしながら,商標法等から大学ブランド商品に関する企業・大学間の契約形態には制限が生じており,その契約形態・内容は各大学が独自の手法を採っている。効果的な手法として標準的なモデルは確立・公表等されていない。そこで本研究では「大学が有する商標権」と「契約形態・内容」の実態調査と分析を通じて,「戦略的な商標出願と契約形態を軸にした社会的・経済的に価値ある大学ブランド商品の展開を支援する手法の開発」を行う。
著者
高澤 円 須澤 満 奥脇 淳夫 中川 優子 永嶋 康夫 笹森 斉 笹森 典雄
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.602-607, 2015 (Released:2015-12-22)
参考文献数
12

目的:血管迷走神経反応(vaso-vagal reaction:以下,VVR)は,採血副作用のなかでは発症頻度が高いため,採血現場では万全な予防対策や適正な事後処置が求められる.今回,我々は,当健診センターで経験したVVR症例の現状を調査した.方法:2012年12月~2014年9月の期間中,当施設で採血を行った男性41,076人(45.7±11.3歳),女性22,217人(44.0±12.3歳)のうち,VVRを発症した男性29人(34.8±10.2歳),女性18人(33.4±11.8歳)を対象とし,年齢,性差,BMI,睡眠時間,VVR重症度,回復までの対応について調査した.結果:29歳以下の若年層で発症したVVRは19例(発症頻度0.30%)であった.また,VVRは女性や低体重者に多く発症し,睡眠時間が短い受診者がリスクとして認められた.VVR重症度は,軽症例が多かったため,回復までの対応は安静臥床・下肢拳上で改善が可能であった.結論:VVR発症低減に向け採血環境の整備は重要であり,さらに,睡眠不足を含む高リスク群の受診者には特に注意を払い,臥床採血を勧め,積極的に不安を取り除くような声掛けが必要である.
著者
宇賀 大祐 阿部 洋太 高橋 和宏 浅川 大地 遠藤 康裕 中川 和昌 中澤 理恵 坂本 雅昭
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】群馬スポーツリハビリテーション研究会では,県内の各高校野球大会にて傷害に対するテーピングや応急処置,試合後のクーリングダウン等のメディカルサポートを実施している。筋痙攣は最も多い対応の一つであり,選手交代を余儀なくされることもある。本研究の目的は,メディカルサポートにおける筋痙攣の対応状況を明らかにし,適切な対応策について検討することである。【方法】対象は過去7年の全国高等学校野球選手権群馬大会とし,メディカルサポートの全対応人数・件数,筋痙攣の対応人数・件数,好発部位,各試合日の1試合当たりの発生件数(発生率),発生時間帯,発生イニング,プレー復帰状況を調査した。また,気候の影響を検討するため,気象庁発表の気象データを元に,気温及び湿度,日照時間と発生率について,ピアソンの積率相関係数を用いて検討した。【結果と考察】全対応数は199名・273件であり,そのうち筋痙攣は75名(37.7%)・146件(53.5%)であった。好発部位は下腿及び大腿後面であった。発生率は大会初期の1,2回戦が平均0.37件/試合と最多で,その後は徐々に減少した。時間帯による発生件数はほぼ同様で,イニングは各試合後半の7,8,9回が多かった。気象データと発生率は,いずれも相関は認められなかった。夏季大会の筋痙攣は熱中症症状の一つとして現れることが多いが,気象データとの関連はなく大会初期に多いことから,大会前の練習内容や体調管理等による体温調節能の調節不足が一要因として大きな影響を及ぼし,そこに疲労が加わることで試合後半に多発するのではないかと考えられる。また,プレー復帰状況は,36.8%の選手が選手交代を余儀なくされており,試合の勝敗に影響を与えかねない結果となった。発生予防が重要な課題であり,大会中の応急処置のみでなく,大会前のコンディショニングや試合前や試合中の水分補給方法等の暑さ対策を中心に指導することが重要と考える。
著者
渡辺 研一 高橋 誠 中川 雅弘 太田 健吾 佐藤 純 堀田 卓朗
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.255-263, 2006-09-20
被引用文献数
1

2-フェノキシエタノールの麻酔剤としての効果を、9種の主要な増養殖対象種(ブリ、マダイ、マアジ、カンパチ、シマアジ、ヒラメ、トラフグ、メバル、クロソイ)について、水産用医薬品であるFA100と比較、検討した。網で掬っても魚が暴れない程度に麻酔が罹り、麻酔後清水に移して一晩経過後に死亡個体が認められない2-フェノキシエタノール濃度は、おおむね200~1,000μl/l であった。一方、FA100の効果的で安全な濃度はおおむね100~500μl/l であり、2-フェノキシエタノールの場合と比較して範囲が狭かった。2-フェノキシエタノールで麻酔すると、FA100の場合より麻酔からの覚醒時間が短く、麻酔翌日の生残状況が優れた。さらに、2-フェノキシエタノールでは観察されなかった麻酔液表面の泡立ちがFA100で観察された。以上のことから、2-フェノキシエタノールは増養殖における麻酔剤として優れていることが示唆された。
著者
後藤 幸生 中川 隆 重見 研司
出版者
日本循環制御医学会
雑誌
循環制御 (ISSN:03891844)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.180-189, 2018

大脳皮質が損なわれ意識がなくても、その皮質下の脳内情報中継基地としての視床や各種の核といった箇所からの下行性伝達情報は心臓にも反映している。そこで、重篤状態で終末期を迎えた患者で、生命が燃え尽きる寸前に一時的に高まる生命反応を分析するため、それぞれ特殊性を有する4 つの「バランス指数」を用いて、各々の角度から、これを通常の睡眠REM 期の夢みる状態や全身麻酔中の無意識状態を分析した場合と比較し検討してみた。まず、その測定分析法として、自然界の '1/f ゆらぎ音波' が我々の体内にあるゆらぎ現象に同期すると 'こころ' が癒され '心地よい気分' になるという音響学的理論をヒントに、脳中枢から心臓へ伝達されている情報に注目し、そこで生命そのものである心臓の '心拍リズムのゆらぎ変動' に隠された情動因子を検出し 'こころ' の面を分析することを考えた。その目的で、小型メモリー心拍計で1 ms という微細な時間単位で検出したゆらぎの時系列数値データをパソコンに取り込み、一定のソフトによる1/f-like spectrum analysis 法によってエクセル化した時系列数値を一定の手順で処理し、生命調節力を示す指標としての4 つの「バランス指数」を算出した。その結果、従来からの交感、副交感神経機能という2つの指標でみた反応では不明確であったが、この4つのバランス指数の中の一つSV-Bal-I(Sympatho-Vagal-Balance index)値が死直前になると急激に高まり、同時に情動反応を意味するAs-Bal-I(All-spectrum-band-Balance index)値もSV-Bal-I 値の上昇をしばしば急激に大きく上回り、情動反応が大いに高まっていることを示すものと考えられた。また、この現象が睡眠REM 期の夢現象によく似た反応であること、このAs-Bal-I 値が1.5 以下でかつ低目のSV-Bal-I値を示していた場合は平穏な終末を迎えたこと、他方SV-Bal-I 値も高くかつAs-Bal-I 値が2.0 以上と高まっていたものは、何らかの苦痛を伴う幻想を抱いての終末だった可能性が推測された。この様に、「バランス指数」は錐体外路系情報をも含む幅広い脳中枢全体からの情報を分析するための有意義な指標となると考えられた。