著者
澤井 秀次郎 福田 盛介 坂井 真一郎 櫛木 賢一 荒川 哲人 佐藤 英一 冨木 淳史 道上 啓亮 河野 太郎 岡崎 峻 久木田 明夫 宮澤 優 植田 聡史 戸部 裕史 丸 祐介 下地 治彦 清水 康弘 芝崎 裕介 島田 貞則 横井 貴弘 藪下 剛 佐藤 賢一郎 中村 和行 久原 隆博 高見 剛史 田中 伸彦 古川 克己
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.35-43, 2018 (Released:2018-03-02)
参考文献数
35
被引用文献数
8 7

SLIM (Smart Lander for Investigating Moon) is the Lunar Landing Demonstrator which is under development at ISAS/JAXA. SLIM demonstrates not only so-called Pin-Point Landing Technique to the lunar surface, but also demonstrates the design to make the explorer small and lightweight. Realizing the compact explorer is one of the key points to achieve the frequent lunar and planetary explorations. This paper summarizes the preliminary system design of SLIM, especially the way to reduce the size.
著者
中村 好美 吉村 文貴 田辺 久美子 山口 忍 杉山 陽子 飯田 宏樹
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.107-110, 2019-06-25 (Released:2019-06-28)
参考文献数
6

セロトニン症候群は,中枢および末梢神経シナプス後部のセロトニン過剰刺激によって精神状態の変化,神経・筋症状,自律神経症状を生じ,薬物の過剰摂取だけでなく,薬物の投与または薬物相互作用によって発症する.今回われわれは,慢性疼痛患者に対する少量のデュロキセチンとトラマドールの併用により,セロトニン過剰状態を起こした3症例を経験した.3症例とも併用開始直後に焦燥感があり,発汗過多,動悸,振戦のうちの1つ以上の症状が出現したが,両薬物もしくはデュロキセチンの内服中止直後に症状が改善した.セロトニン症候群の診断基準を満たしていないが,セロトニン過剰状態と考えられ注意が必要であった.デュロキセチンはCYP2D6を阻害するためトラマドールの代謝が抑制され血中濃度が上昇し,セロトニン過剰状態を引き起こしたと考えられた.さらに1症例ではCYP3A4阻害薬であるビカルタミドを内服しており,これもトラマドールの代謝を阻害したと考えられた.慢性痛を有する患者は多剤併用されることが多いが,薬物相互作用をよく理解し副作用の出現に注意が必要である.
著者
中村 獅童
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.2-3, 2023-12-15
著者
胡 思已 坂本 龍一 近藤 正章 中村 宏 新 善文
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2018-OS-144, no.5, pp.1-7, 2018-07-23

Linux 系 の OS は積極的に開発されており,デバイスドライバの実装スピードも早く,最新のデバイスを安定動作させることが可能であることから,様々な機器に搭載される OS として広く用いられている.一方で,NetBSD は安全で高い移植性を備えた OS であり,アプリケーションやプロトコルスタックの実装にも頑健性があるなど優れた点も多い反面,Linux に比べて最新のデイバスをサポートしていないなどの課題もある.そのため,最新のデバイスにおいて NetBSD がサポートする頑健なプロトコルスタックを用いることは容易ではない.そこで,NetBSD のカーネルをユーザレベルのプロセスとして実装し,NetBSD のプロトコルスタックやアプリケーションを Linux から利用するための Rump kernel が開発されている.これまで,Rump kernel 利用時の通信性能については十分に評価がされておらず,また通信性能の改善に関しても十分に検討されてこなかった.そのため,本稿ではまず,Rump kernel 利用時の通信性能を評価した.その結果,ネイティブな Linux の通信性能に比べて非常に低い性能しか得られないことがわかった.そこで,Rump kernel 利用時の通信性能の向上手法を検討し,実装を行った.初期実装版で評価を行ったところ,Rump kernel を利用したデータ送信では,95.9% 程度の性能向上が得られることがわかった.
著者
中村 誠 橋本 敬 東条 敏
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.282-298, 2004 (Released:2007-04-13)
参考文献数
30

Creole is one of the main topics in the fields concerning the language change and evolution, such as sociolinguistics, the developmental psychology of language and so on. Our purpose in this paper is to develop an evolutionary theory of language to study the emergence of creole. We discuss how the emergence of creole is dealt with regard to population dynamics. We modify the language dynamics equations by Komarova et al., so as to include the generation parameter ‘t’. From the viewpoint of the population dynamics, we give the definition of creole as a language, which is predefined by the universal grammar together with pre-existing languages. We show experimental results, in which we could observe the emergence of creole. Furthermore, we analyze the condition of creolization in terms of similarity among languages.
著者
中村 誠一 森島 邦博 西尾 晃
出版者
金沢大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

本国際共同研究はホンジュラスの世界遺産「コパンのマヤ遺跡」において、ミューオン透視という日本発の物理学イノベーションをマヤ文明の神殿ピラミッド内部の探索に利用する新しい発想の考古学調査法により、マヤ碑文に記載されているコパン王墓を世界に先駆けて発見しようとする文理融合研究である。コパン遺跡アクロポリス内の11号神殿をターゲットとして、ミューオン透視法を適用し王墓の可能性がある未知の空間を同定する。可搬式ライダー機器を使った三次元計測によって構築された3Dモデルに発見空間を正確に位置づける。そこへ最短距離で到達できるトンネル経路を設計し11号神殿内部を発掘調査し透視結果を考古学的に検証する。
著者
関本 正直 中村 茂 望月 靖文 戸田 伸一 高原 英明
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.116, no.7, pp.749-757, 1996-06-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
7

Induction motor drive with inverter control, which can reduce the total weight of the system, has been introduced to the Shinkansen trains in order to achieve high speed transportation.The individual-motor-control type 953 train, which is a part of the STAR21 prototype Shinkansen for high speed experimental run, was used for measurement running, in which we observed wheel slip and adjusted re-adhesion control parameters at the speed of 200 to 300km/h. It was found that the slip detection within one percent speed difference from the reference, was possible by adopting sensitive detecting method. Quick torque reduction by sudden reduction of motor current was necessary for re-adhesion control, and one-second waiting time before re-applying current was also inevitable. For re-applying the current, an exponential curve with four-second time constant was proved to be effective.By these tests, high speed performance and re-adhesion characteristics improvement by adjusting control parameters were obtained. To the next step, for example creep control, which utilizes fine continuous slip, should be investigated in order to keep enough torque minimizing current reduction during re-adhesion control.
著者
戸塚 武美 中村 秀明 宮崎 康宜 中村 哲久 鈴木 宏昌
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.248-252, 2020-03-31 (Released:2020-03-31)
参考文献数
5

目的 : 機械的CPR装置 (MCD) が救急救命士の特定行為や予後に与える影響について検証した。方法 : 救急隊が積極的CPRを行った524症例を後方視的に調査し (A) 平均活動時間, (B1) 静脈路確保 (IVA) 試行率と (B2) 成功率, さらにアドレナリン適応123症例の (C) 投与率, (D) 病院前心拍再開率, (E) 予後について, 用手的CPR群 (HCC群) と機械的CPR群 (MCD群) に分け比較検討した。結果 : (A) HCC群13.2分, MCD群13.1分。 (B1) HCC群85.1%, MCD群92.5%。 (B2) HCC群59.6%, MCD群73.8%。 (C) HCC群32.2%, MCD群63.6%。 (D) HCC群13.3%, MCD群30.3%。 (E) 生存退院率はHCC群7.8%, MCD群12.1%。MCD群で有意にIVA試行率 (p<0.05) と成功率 (p<0.01), アドレナリン投与率 (p<0.01), 病院前心拍再開率 (p<0.05) が高かった。生命予後に有意差は認めなかったが, 脳機能良好で退院した7例はすべて病院前心拍再開例であった。まとめ : 現場活動におけるMCDの使用は, 活動時間を延長することなく効率的な蘇生処置を可能にし, 病院前心拍再開率を高めることから, 神経学的機能予後を改善することも期待される。
著者
坪井 貴司 原田 一貴 中村 匠 大須賀 佑里
出版者
Japan Society of Neurovegetative Research
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.226-229, 2022 (Released:2022-07-16)
参考文献数
13

小腸上皮内に存在する小腸内分泌L細胞から分泌されるグルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1: GLP-1)は,インスリン分泌を促進し,食欲を抑制する.このGLP-1分泌は,消化管管腔内の様々な物質や血中に含まれる神経伝達物質やホルモン,さらには腸内細菌叢が産生する様々な代謝物などによって制御されているが,その詳細な制御機構は不明である.そこで本稿では,特にアミノ酸や腸内細菌代謝物などがGLP-1分泌に及ぼす影響について紹介する.
著者
中村 丁次
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.316-319, 2019 (Released:2020-01-30)
参考文献数
8

我が国の栄養療法は、病院給食を起点にて、医療の近代化、疾病構造の変化、さらに臨床栄養学の進歩により形成されてきた。疾病の予防、治療への有効性を追求した食事療法は、歴史の過程で、栄養が治療効果やquality of life(QOL)、さらに医療費や介護費に影響を与えることを明らかにしたことから、栄養状態の改善も目標にするようになった。食事のみならず静脈経腸栄養が発展する中で、栄養療法は包括的概念へと変化した。疾病が複合化する高齢社会では、栄養療法を実践するマネジメントケアによる総合的栄養管理が必要になった。
著者
中村 努
出版者
The Japan Association of Economic Geography
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.210-228, 2016-09-30 (Released:2017-09-30)
参考文献数
36
被引用文献数
1

本稿では,台湾における医療供給体制の空間特性と,公平性の確保に向けた政府の役割を明らかにした.     台湾においては,日本と同様,単一の医療保険制度が採用され,私的医療機関を中心とした医療供給が実現している.台湾では全住民の医療データが電子化されるとともに,それぞれの医療機能に基づいて,センター病院を中心とした階層的な医療供給体制が構築されている.さらに,山間部や島嶼部など僻地においては,遠隔診断の手段としてクラウド医療情報システムが試験的に運用されるなど,医療機関への物理的なアクセシビリティの改善が図られている.     こうした制度設計は,日本統治時代における日本の医療制度を軸とした制度的遺産によるところが大きい.一方,日本の医療供給体制との相違点として,戦後の権威主義的な政府の経済成長を優先した施策が,私的医療機関の都市部への集中と,山間部および島嶼部の医療供給不足という地域格差を生じさせた点が指摘できる.こうして,それぞれの時代における政府の行動に規定されるかたちで,都市部と山間部および島嶼部とで異なる供給空間が重層的に形成されるに至った.現在の医療供給体制の空間的態様は,そうした政府による政策対応と,設立主体ごとの医療機関の立地行動とが繰り返された地理的帰結ととらえられる.
著者
中村 秀明 染谷 泰子 矢島 務 阪本 奈美子 刈間 理介 鈴木 宏昌
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.651-658, 2020-10-31 (Released:2020-10-31)
参考文献数
16

救急救命士が実施する静脈路確保(IVA)における穿刺部皮膚温と実施結果との関係を検討した。方法:BANDO メディカルコントロール協議会所属の茨城西南消防本部において 2018 年8 月1 日〜2019 年3 月31 日に記録された静脈路確保282 症例を対象とした。結果:穿刺部皮膚温が高温群(28.5℃≦)では,低温群(28.5℃>)に比し穿刺静脈の太さ(p<0.05),視認性(p<0.01),触知性(p<0.01)いずれも高く,IVA 所要時間は有意(p<0.05)に短かった。IVA 実施救急救命士の経験年数は高温群が有意に短かった(p<0.05)ものの,成功率は高い(57.6% vs 62.8%)傾向にあった。考察:穿刺部皮膚温が高いほうが穿刺静脈の性状が良好であり,IVA に要する穿刺時間が短縮される。
著者
前野 哲博 中村 明澄 前野 貴美 小崎 真規子 木村 琢磨 富田 絵梨子 笹原 信一朗 松崎 一葉
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.175-182, 2008-06-25 (Released:2010-10-22)
参考文献数
18
被引用文献数
3

研修医はきわめて高いストレスにさらされており, うつ病などのストレス反応を起こして研修を中断せざるを得ない研修医が後を絶たない.研修医が安心して研修に専念できるために必要な方策を検討するために, 研修医のストレスについての実態及び要因について包括的に評価することを目的とする研究を行った.1) 2004年度の1年目研修医41施設568名を対象に, 研修開始時と2か月後に, 自記式質問紙票を用いて研修状況, ストレス要因・緩和要因, ストレス反応等について調査を行った.2) 有効回答者318名のうち, 研修開始2か月後に新たに抑うつ反応を呈した研修医は80名 (25.2%) であった.3) 研修医のストレス特性としては, 高い質的・量的負荷と著しく低い裁量度・達成感が特徴であった.4) 多くの研修医が研修開始後に抑うつ状態に陥っていることが明らかになった.研修環境の改善には, 研修医特有のストレス特性に配慮し, 特にストレス緩和要因を高めることが重要と考えられた.
著者
中村 秀明 中澤 真弓 井上 隆康 田中 幸太郎 刈間 理介 鈴木 宏昌
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.659-664, 2019-10-31 (Released:2019-10-31)
参考文献数
20
被引用文献数
1

目的:二項目の処置拡大により救急救命士の静脈路確保(intravenous approach;IVA)の機会が増加し, このことが手技の成功率に及ぼす影響を明らかにする。方法:茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部の2014年1月1日〜2016年12月31日までの処置拡大二項目の実施記録とウツタインデータから後ろ向きに調査した。結果:処置拡大前後の全IVA成功率は52.2から63.2%に上昇した(p<0.01)。心肺停止例(cardiopulmonary arrest;CPA)に限定しても52.2から63.8%と有意に上昇していた。また,対象別にみたIVA成功率はCPAで58.5%ともっとも低く,低血糖で78.5%と有意に高かった。考察:処置拡大により救急救命士がIVAを実施する機会が増加したことで,全IVAの成功率のみならず,CPAに対するIVA成功率も改善することが示唆された。
著者
平松 和洋 関本 衛 長谷川 洋 中村 隆昭
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.2125-2129, 1993-08-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
21
被引用文献数
1 5

症例は62歳女性,腹痛,嘔気,嘔吐を主訴として入院した.小腸造影では小腸に憩室を思わせる造影剤の貯留を認め, CTでは骨盤内に充実性の腫瘤を認めた.これらの検査所見より小腸憩室由来の腫瘍を疑ったが第4病日に穿孔性腹膜炎を併発したため手術を施行した.回盲部より約70cm口側,腸間膜対側にMeckel憩室が存在し,その先端に鶏卵大の腫瘍を認め,憩室中央には穿孔を認めた.明らかな他臓器転移は無かった. Meckel憩室を含めた小腸部分切除を施行した.腫瘍は病理組織学的には高分化~未分化腺癌よりなる多彩な像を呈していた.憩室内には異所性胃粘膜が存在し腫瘍はこれより発生したものと推察された.化学療法を施行したが術後9ヵ月で癌性腹膜炎により死亡した. Meckel憩室癌の本邦報告例14例の集計を行い若干の考察を加えた.