著者
門田 修平 Jeong Hyeonjeong 梶浦 眞由美 中野 陽子 川崎 眞理子 中西 弘 風井 浩志 長谷 尚弥 氏木 道人
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

シャドーイング学習には、第二言語習得に不可欠なメタ認知的モニタリングを促進する効果が仮定できる。この効果を、音声を聞いて意味を理解するリスニングと比較・対照することを通して、①学習者のシャドーイング時のメタ認知的活動(モニタリングおよびコントロール)が、リスニング時と比べて高まるのかどうかについて、特に、大脳前頭前野の活動(血中Hb濃度)を近赤外分光法(NIRS)によって検証し、②シャドーイング及びリスニング後に刺激再生法インタビュー(stimulated recall interview)を実施して、学習者の意識的な内省を指標としたメタ認知的活動の質的分析を行おうとするものである。
著者
中野 繁 夏目 俊二 林田 光祐 奥田 篤志
出版者
北海道大学演習林
雑誌
北海道大学演習林試験年報
巻号頁・発行日
vol.8, pp.14-15, 1991-03

森林の構造(種構成やサイズ構成等)はそこに生息する野生生物群集の種構成や個体数を決定する大きな要因となっている。また、この群集中の様々な種の野生動物が、それぞれ異なったやり方で生息場所としての森林を利用している。よって、森林に生息する野生動物の保護を図るためには、ある森林の持つ構造とそこに生息する動物群集の対応関係を探ると同時に、ある対象とする動物の生活史の様々な側面における森林の利用様式を明らかにしてゆくことが重要である。今回の報告では、代表的な森林棲動物であるエゾモモンガをとりあげ、その森林の利用様式と保護の方向について簡単に述べてみたい。 モモンガは、温帯北部の森林地帯に生息する中型の齧歯類で、わが国では北海道にエゾモモンガ (Pteronys volans orii) が、本州以南にホンシュウモモンガ (P. momonga) が生息する。モモンガの、採餌、休息そして繁殖等の活動はすべて樹上で行われ、その生活は大きく森林に依存している。近年のわが国における急速な森林環境の破壊は典型的な樹上生活者である本種の生息にとって深刻な影響を与えつつあると考えられ(近藤、1988)、破壊の著しい地域においては生息数の激減および絶滅が憂慮されている。本種の保護を図るためには本種の生息場所(森林)の利用様式を明らかにし、その生息に不可欠と考えられる環境条件を保全してゆくことが必要であると考えられる。しかしながら、本邦産のモモンガの生態については、食性や飼育条件下における活動時間などに関する断片的な知見を除いてほとんど明らかにされていない(合田、1957 ; 手塚、1959 ; 藤巻、1963)。
著者
後藤 真孝 吉井 和佳 藤原弘将 Matthias Mauch 中野 倫靖
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1363-1372, 2013-04-15

本論文では,音楽音響信号理解技術によって音楽の聴き方をより豊かにするための能動的音楽鑑賞サービスSongleについて述べる.従来,研究開発段階の音楽インタフェースや技術を,日常生活で人々に使ってもらうのは容易でなかった.Songleでは,Web上で人々に能動的音楽鑑賞インタフェースを体験してもらうことで,音楽鑑賞がより能動的で豊かになる質的な変化を日常生活で起こすことを目指す.そして,Web上の任意の楽曲に対して楽曲構造,階層的なビート構造,メロディライン,コードの4種類の音楽情景記述を自動推定して可視化することで,それを見て再生したユーザの音楽理解が深まることを可能にする.しかし,自動推定では誤りが不可避である.そこで効率的な誤り訂正インタフェースをWeb上で提供し,誤りを人手で自発的に訂正する貢献を促す.そうした不特定多数による訂正がユーザ体験の改善に結び付くことで,Songleのさらなる利用を促していく.
著者
畑野 航琉 中野 眞一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J106-A, no.1, pp.1-4, 2023-01-01

顧客の集合C,施設の集合F,各施設f ∈ Fの開設コストop(f),各顧客c ∈ Cの各施設f ∈ Fへの接続コストco(c, f)があたえられたとき,幾つかの施設を開設し,各顧客を開設施設に割り当て,かつ,各開設施設にr人以上の顧客を割り当てるようにしたい.このとき,全ての開設コストと全ての接続コストの合計が最小の解を計算する問題をmin-sum r-gathering問題という.本論文では,開設コストが0であり,接続コストが三角不等式を満たすとき,各顧客を最も近い開設施設に割り当てるという条件を追加したmin-sum r-gathering問題,すなわち近接条件付きのmin-sum r-gathering問題を解く,近似比3rの近似解を計算する多項式時間アルゴリズムをあたえる.このアルゴリズムは,rが定数のときこの問題を解く初の定数倍近似アルゴリズムである.
著者
馬渡 耕史 春田 弘昭 大野 朗 中野 治
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.304-312, 2012 (Released:2013-09-30)
参考文献数
37

1995年より2005年までに経験した急性大動脈解離92例を対象に, 臨床像と予後を検討した. 男性41例, 女性51例, 平均年齢72±37歳(35~93歳)で, Stanford A型(以下A型)49例, Stanford B型(以下B型)43例, DeBakey I型33例, DeBakey II型16例, DeBakey IIIa型10例, IIIb型32例, 腹部限局1例であった. A型49例のうち少なくとも2例がDeBakey IIIの経過中に逆行性解離をきたした症例であった. 偽腔開存型45例(A型32例, B型13例), 血栓閉塞型47例(A型17例, B型30例)で, A型に偽腔開存型が多かった. 発症後, 来院までは平均1.2±9.0時間(0.5~10.2時間)で, 8例は来院時心肺停止の心タンポナーデ例であった.心タンポナーデ例は全体25例で, 偽腔開存型18例, 血栓閉塞型7例であった. 25例中5例(偽腔開存型1例, 血栓閉塞型4例)で心嚢ドレナージ後の手術で救命できた. 心タンポナーデを呈さなかったが血性心嚢液を認めたのは4例で全例生存している. 1週間以降の合併症として血管径の拡大2例, 瘤破裂5例, 再解離1例, 再交通2例, 脳梗塞1例, 急性心筋梗塞1例, 腹部臓器虚血1例, 下肢虚血1例であった. 手術例は偽腔開存型15例, 血栓閉塞型7例であった. 死亡率は偽腔開存型が血栓閉塞型と比べて高かった(40% vs 0% p=0.049). 急性期の死亡は31例でA型が28例を占めていた. 生存例61例中の慢性期死亡は15例(24.6%)で大動脈解離関連の死亡は再解離と破裂の2例(3.3%)のみであった. 急性大動脈解離は心タンポナーデの危機を乗り越えられれば, その後の予後は比較的良好である.
著者
中野 何必
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.575-578, 2019-03-20 (Released:2019-09-20)
参考文献数
7

Regarding Ryūshiken Ogawa Tazaemon, a publisher of early modern Kyōto, his descendant Ogawa Saburō reported in detail in recent years. So far, this report is the most detailed concerning Ryūshiken. However, it does not deal with Buddhist publications.I am currently researching Ryūshiken as a purveyor to the Sōtō sect. So far, I have researched the publications of Ryūshiken in Komazawa University Library. In this paper, I report in detail on Ryūshiken, with the results of my survey.
著者
坂下 風子 古川 真理江 牧野 州明 中野 聡志 石橋 隆
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2010年年会
巻号頁・発行日
pp.239, 2010 (Released:2011-04-06)

長野県木曽郡南木曽町周辺に分布する苗木-上松花崗岩にはアルカリ長石のひとつである微斜長石の変種であるアマゾナイトが産出する(日本希元素鉱物,長島,1960).本研究では同地区およびアメリカコロラド州に産出するアマゾナイト試料として用い,アマゾナイトの不均質な着色の原因を明らかにすることを目的とした. 研究手法は,顕微分光光度計,偏光顕微鏡および電子顕微鏡観察,X線回折,化学組成分析,赤外線吸収スペクトル法によって苗木花崗岩ペグマタイト中のアマゾナイトの組織と化学成分,カラーリングとの関係を試料の不均質性に対応させて報告する.

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著者
中野 真麻理
雑誌
成城国文学
巻号頁・発行日
no.18, pp.31-49, 2002-03
著者
中野 祥子 田中 共子
出版者
多文化関係学会
雑誌
多文化関係学 (ISSN:13495178)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.59-77, 2017 (Released:2020-09-10)
参考文献数
23

本研究では、日本人とムスリム留学生との関係形成を、日本人側の視点から実証的に探索した。具体的には、ムスリム留学生と親しい関わりを持つ、日本人6名に半構造化面接を行い、交流時の葛藤や戸惑い、関係形成・維持のための工夫を尋ねた。その結果、交流時の葛藤及び戸惑いは、4つにまとめられた「: 宗教的な実践への戸惑い」、「宗教的価値観を用いた応答への戸惑い」、「宗教的な議論への戸惑い」、「宗教的な禁忌への不安」。また、関係形成・維持のための工夫は、5つにまとめられた「: 宗教的実践への配慮」、「宗教的実践への不干渉」、「共通点への注目」、「率直な自己表現」、「積極的な働きかけ」。本研究の日本人ホストは、文化差への戸惑いを抱きつつも、「適度な距離感」を保ちながら場の共有が可能になるよう努めて、交流を楽しんでいた。良好な関係形成・維持を可能にする鍵となる、双方にとっての「適度な距離感」は、最低限でさりげない配慮、過度に干渉しない姿勢、宗教的価値観を受け入れたうえで率直な意見を述べようとする態度のバランスによって創出されるものと考えられた。
著者
中野 潤三 Junzo NAKANO
雑誌
鈴鹿国際大学紀要Campana = Suzuka International University journal campana (ISSN:13428802)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-15, 2015-03-10

The study of security issues during the Cold War era had been centered around national security and on how to protect a nation from external threats using military force. Therefore, the supporters of the current Japanese Constitution and its pacifist ideal have tended to avoid the idea of "national security," which reminds them of the use of military power, and have pitted "pacifism" against it. On the other hand, people who insist Article 9 of the Constitution must be amended, have harshly criticized an absolute pacifism that ignores national security. The pacifism of the Japanese Constitution is a declaration of the renouncement of war, obviously focusing on the classic type of war between states. However, as the concept of security has deepened, I believe that a deeper concept of the Constitution's pacifism should also be developed. If the Constitution were to be amended, I would like to propose adding a statement on "proactive contribution to peace," which would promote human security, to the Preamble to the Constitution. We are faced with a need to improve the entire environment of international security by ensuring a form of human security that helps to prevent terrorism and armed conflicts such as civil war. At the same time, we also need to hold-more than ever-well-balanced discussions dealing with the security of Japan in a practical manner in light of the pacifist ideal of the Japanese Constitution.
著者
金 勲 小林 健一 開原 典子 柳 宇 鍵 直樹 東 賢一 長谷川 兼一 中野 淳太 李 時桓 林 基哉
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 令和2年度大会(オンライン)学術講演論文集 第8巻 性能検証・実態調査 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.293-296, 2020 (Released:2021-10-28)

特定建築物及び中小規模建築24件を対象に、2019年度の冷暖房期に行った温度・湿度・CO2の2週間の連続測定からCO2濃度に関する結果を報告する。平均値としては1000ppmを超える建物は2割程度であったが、1回でも1000ppmを超える割合はほぼ7割あった。また、昨年度とは異なり期間中ずっと1000ppmを下回らない、3000ppmを超える高濃度を示すなど、著しく悪い環境にある物件はなかった。
著者
中野 雄介 脇本 将寛 小林 隆史 鈴木 健二
出版者
一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会
雑誌
Cardiovascular Anesthesia (ISSN:13429132)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.111-117, 2020-08-01 (Released:2020-09-10)
参考文献数
11

症例は63歳の男性,身長165 cm,体重55 kg。大動脈弁閉鎖不全症・僧帽弁閉鎖不全症の再燃に対し手術が予定された。麻酔導入後,完全房室ブロックと血圧低下を来たし,一時胸骨圧迫を要した。気道内圧の上昇と全身性の紅斑を認め,アナフィラキシーショックと診断した。経食道心エコーで全周性の壁運動低下,肺動脈圧の上昇を認めたため,冠攣縮を疑い硝酸薬を投与した。その後速やかに肺動脈圧の低下と心収縮能の改善が得られ,血行動態は安定した。アナフィラキシーまたは急性冠症候群の徴候を認めた際には常にKounis症候群の可能性の考慮と,状況に応じた速やかな治療が求められる。
著者
稲子 翔太 中野 裕司 杉谷 賢一 久保田 真一郎
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2020-CE-154, no.9, pp.1-8, 2020-03-07

我々はブラウザの拡張機能と記録サーバを組み合わせ,学習時に閲覧した Web ページから得た頻出語等を学習履歴として記録するシステムを開発してきた.しかし,集めた頻出単語等は,ダッシュボード上にキーワードとして羅列されるだけにとどまっており,自己学習の振り返りに効果的な可視化ではなかった.自己学習の振り返りにおける効果的な可視化として,知識の変化を自己認識できることが望ましいと考え,本研究ではブラウザの拡張機能により収集した Web ページ内の文章を分析し,Wikipedia の文章をもとにした共起グラフを表示し,キーワード同士の関連性や知識の変化を表現することで,学習者にとって効果的な学習履歴の可視化を目指した.
著者
高橋 伸夫 中野 剛治
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.2, no.10, pp.481-530, 2003-10-25 (Released:2018-03-19)
参考文献数
29
被引用文献数
4

ややもすると特許件数やロイヤルティー収入の額に目が行きがちな大学の技術移転を産学連携の現場の視点から捉え直す。そこは、マーケッタビリティーを機軸とする営業活動の中で、大学と大学に所属する研究者の権利をいかに守るかのせめぎ合いの現場である。真の技術移転とは特許の移転ではない。特許を作り出せるだけの技術をもった人の移転である。研究教育機関としての大学の真価はそこにある。