著者
水谷 俊亮 久保田 真弓
出版者
多文化関係学会
雑誌
多文化関係学 (ISSN:13495178)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.117-132, 2013 (Released:2017-03-28)

本研究では、ある目標に向けて協働すべき異文化の集団や組織をつなぎ、その目標達成に寄与する力、すなわち「文化媒介力」(松田, 2013)を参照し、バングラデシュでストリートチルドレンの支援活動を行うNGO・Eが、日本の支援団体NPO・Sを受け入れ実施した5日間の訪問ツアーを対象に、NGO・Eの日本人スタッフ2名に焦点をあて、媒介者としての働きを明らかにする。日本人スタッフの一人はNGO・Eで1年間インターンとして働き、5日間の訪問ツアーを参与観察しフィールドノートを取った。本研究では、このフィールドノートをデータとしKJ法(川喜田, 1967)で分類し、カテゴリー名をつけ分析した。その結果、最終的に19種類のカテゴリーが抽出された。それらを対日本人訪問者への項目と対バングラデシュ人スタッフや子どもへの項目に分けて解説した。次に特筆すべき3つのエピソードをカテゴリー項目を用いて再構成し提示した。これらの分析結果をもとに、NGO・Eの日本人スタッフ2名による媒介者としての働きを「文化媒介力」を援用して議論した。本研究の意義は、「文化媒介力」について実際のデータを元に提示した点、イスラム文化を背景とするバングラデシュで活動する現地のNGOの視点から議論した点、特に農村における場面を扱っている点である。
著者
大久保 滉 岡本 緩子 呉 京修 右馬 文彦 上田 良弘 前原 敬悟 牧野 純子
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.337-345, 1978

Cefoxitin, an antibiotic developed from the cephamycin family, was examined as to its <I>in vitro</I> activity against clinically isolated bacteria, its serum level and urinary excretion after intramuscular or intravenous injection, tissue concentration in rats as well as its effectiveness in clinical cases. The results obtained were as follows:<BR>1) Antibacterial activity: Cefoxitin (CFX) was found to be more active against most of <I>E. coli, Klebsiella</I> and <I>Proteus vulgaris</I> strains than cephalothin and cephaloridine. The MICs of CFX against those bacteria were lowered when the inoculum concentration was reduced to 10<SUP>6</SUP> cell/ml.<BR>2) Serum level and urinary excretion in human: The drug showed a serum peak level as high as 148μg/ml 30 minutes after 1μg/ml injection, followed by a steep decline. The urinary excretion rate was about 80%.<BR>3) Distribution into rat organs: The highest tissue concentration of CFX in rat organs after i.m. administration was found in kidneys, followed by liver, blood, lungs, muscles and spleen. This distribution pattern was similar to that of cefazolin, though CFX showed higher peak concentrations and a steeper decline than the latter. No remarkable inactivation of CFX was observed after overnight storage in the icebox mixed with rat organ homogenates.<BR>4) Clinical trials: Six clinical cases (pneumonia, sepsis, purulent arthritis, perityphlitis, pyelonephritis and fever of unknown origin all of them having underlying diseases) were treated with CFX intravenously or by drip infusion. All of the patients responded favorably to the treatment. No side effects were observed.
著者
大久保 滉 岡本 緩子 呉 京修 右馬 文彦 上田 良弘 前原 敬悟 牧野 純子
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.260-271, 1979

新Cephalosporin系抗生物質であるCefamandoleについて基礎的・臨床的検討を行なった。<BR>CefamandoleはCEZ, CFX, CET, CERなど他のCephalosporin系抗生剤と比べて, <I>E. coli. Proteus mimbilis</I>に対し特に優れめ抗菌力を示し, ラットでの臓器内不活性化も少なく, 十分な臓器内濃度, 胆汁中排泄が得られた。<BR>Cefamandoleの1回1~2gを1日2~3回点滴あるいは静注で臨床例8例 (肺炎2例, 胆道感染2例, 尿路感染2例。副鼻腔炎1例, 腹膜炎1例) に使用し, 効果不明例および不適当例を除くと6例中4例に有効 (有効率67%) であった。副作用ないし臨床検査異常値としては好酸球増多 (1%-11%) 1例のみであった。
著者
井上 真 長尾 智己 迫 秀則 大久保 浩一 佐藤 博
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.219-226, 2015 (Released:2016-02-25)
参考文献数
20

手術後も消化管機能が保たれる心臓手術の術後は,経口摂取による栄養管理が早期に開始となる.経口摂取による栄養管理は患者の「食べようとする意志」に左右されるため,その摂取量には個人差が認められる.さらに,術後は多くの症例で食欲の低下を認め,必要と考えられている摂取量を充足していないケースも見受けられる.一方,手術技術の進歩により,体力的に難しかった心臓手術を80歳以上の高齢者も受けることが可能になってきた現在において,これまであまり気にされることがなかった心臓手術の術後の栄養管理にも目を向けていく必要が生じてきている.すなわち,術後の早期回復を目指し,経口で効率的に栄養を摂取してもらうための最適な食事内容を検討,評価していくことが今後の重要な課題である.
著者
北原 拓也 久保 恭仁 吉澤 海 安部 宏 会澤 亮一 松岡 美佳 相澤 良夫 砂川 恵伸 高山 忠利 幕内 雅敏
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.229-237, 2009 (Released:2009-06-03)
参考文献数
14
被引用文献数
3 3

Peliosis hepatis(肝紫斑病)は,類洞の拡張と肝内に多発する血液の貯留腔を認めるまれな疾患で,WHOの肝腫瘍の組織学的分類では腫瘍類似病変に分類されている.本邦では腫瘍との鑑別に苦慮した症例の報告が散見されるが,肝全域にわたってPeliosis hepatisが発生,進展し,致命的な転帰となった症例は,過去にわずか1例が報告されているのみである.今回我々は,特徴ある組織学的所見を呈し,経過観察中に突然病態が悪化し急速に致命的な経過をたどった,肝全域にわたる特発性Peliosis hepatisの極めてまれな1例を経験したので報告する.
著者
奥泉 和也 久保田 信
出版者
日本生物地理学会
雑誌
日本生物地理学会会報 (ISSN:00678716)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.39-41, 2003-12-12
参考文献数
3

山形県沿岸から2002年と2003年に計24個体のハナクラゲモドキを観察・採取した. その内の雌1個体の外部形態, 刺胞相, 卵の直径を記載する. 本種の成熟個体の記載は日本からは初めてとなる. この雌個体は, これまで北日本 (2地点) から報告されているどの7個体よりも大きく, 傘径と傘高はともに15.1mmあり, また最大数の触手を備えていた (よく発達した少なくとも80本の触手に加えてほぼ同数の小型の触手). 触手や口唇に装填される刺胞 (無棘型等根体と短床型有鞭体の2種類) と体部位ごとのそれぞれの刺胞の大きさを記載した. また, 放卵された未成熟卵の直径は, 通常104μmであった.
著者
影木 准子 久保田 文
出版者
日経BP社
雑誌
日経バイオビジネス (ISSN:13464426)
巻号頁・発行日
no.39, pp.76-83, 2004-08

BIO2004*1は、DNAシーケンシング技術の開発者であるリーロイ・フッド氏の"大胆な"予測で開幕した。「10年後には、針で指を一刺しするだけで1万種類のデータを瞬時に計測し、健康状態を毎日チェックできるような携帯型端末ができる」。
著者
木下(小室) 友香理 門倉 利守 数岡 孝幸 穂坂 賢 中田 久保 KOMURO Yukari KINOSHITA KADOKURA Toshimori KAZUOKA Takayuki HOSAKA Masaru NAKATA Hisayasu 東京農業大学短期大学部醸造学科 東京農業大学応用生物科学部醸造科学科 東京農業大学短期大学部醸造学科 東京農業大学短期大学部醸造学科 東京農業大学短期大学部醸造学科 Department of Brewing and Fermentation Junior College of Tokyo University of Agriculture Department of Fermentation Science Faculty of Applied Bio-Science Tokyo University of Agriculture Department of Brewing and Fermentation Junior College of Tokyo University of Agriculture Department of Brewing and Fermentation Junior College of Tokyo University of Agriculture Department of Brewing and Fermentation Junior College of Tokyo University of Agriculture
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.100-106,

花から分離した酵母(以下,花酵母)の分類学的性質を調べる目的で,生理学的試験と染色体DNA電気泳動を行った。また,各花酵母の醸造特性を知るため,清酒小仕込み試験を行ない,製成酒の一般成分と香気成分分析を行った。その結果,花酵母13株は,清酒酵母K-9株と同様に,メレジトースおよび硝酸塩を資化せず,クエン酸塩無添加のビタミン欠培地で増殖し,イーストサイジンに対する抵抗性を有した。TTC染色は赤色,アルシアンブルー染色は白色~淡青色であった。染色体DNA電気泳動パターンは,第VI染色体が長く,第III染色体と接近した清酒酵母K-9株と同じ泳動パターンを示した。また,高泡形成試験では全株が高泡を形成しなかったことより,花酵母13株は高泡を形成しない清酒酵母タイプであった。清酒小仕込み試験の結果,花酵母はカプロン酸エチル生成タイプ(ND-4株,AB-2株),酢酸イソアミル生成タイプ(BK-1株,MR-4株,SN-3株,GE-1株,KAF-2株,KS-3株,ST-4株,SUNF-5株),双方をバランスよく生成するタイプ(HNG-5株,NI-2株,CAR-1株)に大別できた。また,有機酸組成分析の結果,前報4)のAB-2株,KS-3株,MR-4株に加え,CAR-1株,GE-1株,KAF-2株,ST-4株,SUNF-5株による製成酒はリンゴ酸含有量が高いことが明らかとなった。花酵母による製成酒は吟醸香成分であるカプロン酸エチルおよび酢酸イソアミル生成量が多く,リンゴ酸の割合が高い有機酸組成を持つことから,多様化する消費者嗜好に対応する清酒開発を可能にすると思われる。
著者
多田 稔 高木 馨 川久保 和道 白田 龍之介 石垣 和祥 武田 剛志 藤原 弘明 梅舟 仰胤 齋藤 圭 斎藤 友隆 渡邉 健雄 秋山 大 内野 里枝 岸川 孝弘 高原 楠昊 高橋 良太 山本 恵介 濱田 毅 水野 卓 宮林 弘至 毛利 大 松原 三郎 木暮 宏史 中井 陽介 山本 夏代 佐々木 隆 笹平 直樹 平野 賢二 伊地知 秀明 立石 敬介 伊佐山 浩通 小池 和彦
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.8, pp.1474-1478, 2015-08-05 (Released:2015-08-05)
参考文献数
15

IPMN,膵嚢胞は,膵癌高危険群の中で最も効率のよい指標である.IPMNは進行が緩徐で比較的予後のよいIPMN由来浸潤癌がよく知られているが,予後不良の通常型膵癌の発生もともなう.最適な経過観察方法は定まっていないが,EUSがいずれの発癌形態にも最も感度のよい検査方法である.ただし,スクリーニングのための最適な検査方法については検討事項である.
著者
久保田 健彦 戸村 淳嗣 田井 秀明 村田 雅史 百瀬 学 吉江 弘正
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.30-40, 2015-03-28 (Released:2015-05-13)
参考文献数
40
被引用文献数
1

テトラサイクリン・エピジヒドロコレステリン含有歯科用軟膏は抗菌薬に抗炎症薬が配合された歯周炎局所治療剤であり,今回,歯周炎罹患歯肉への塗布塗擦による治療の有効性を検討した。新潟大学医歯学総合病院または研究協力3歯科医院を受診し,本研究の文書同意が得られた慢性歯周炎患者32名を対象とした。Supportive Periodontal Therapy(SPT)期で同意取得時にProbing Pocket Depth(PPD):6~8 mm, Bleeding on Probing(BOP)を有する患者を実薬群またはプラセボ群に無作為に割り付け,二重盲検法で比較評価した。薬剤投与は8日間,1日3回毎食後,患者自身が塗布塗擦を行い,臨床検査,細菌学的,生化学的検査による評価を術前,塗布8日目,塗布後21日に行った。臨床および細菌学的指標は両群とも経時的改善を示し,塗布後21日のplaque indexで,実薬群はプラセボ群に比し有意な改善を示した。中等度の炎症のある患者(gingival index:GI=2)を対象とした層別解析では,塗布8日目のBOPで実薬群はプラセボ群に比し有意な改善を示した。以上より,本剤の8日間の塗布塗擦はSPT期におけるGI=2の中等度の歯肉炎症のある歯周炎患者において,歯周ポケットからの出血を減少させる効果が期待できることが示された。
著者
久保田悠斗 下郡啓夫 大場みち子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.755-757, 2012-03-06

プログラミングに関して数学が重要であると言われている.しかし,数学学習によるプログラミング能力向上の効果を検証した研究はなく,今だ,曖昧である.本研究では,プログラミング能力と数学の力が関係しているのかを検証する.また,プログラミングと数学との間に何らかの関係が示された時,どのような問題,問題形式がプログラミング能力を伸ばしていくものとしてあり得るかを検討する.さらに,それらの問題の効果的な数学学習方式を提案する.
著者
久保田 清 張 戈 羽倉 義雄
出版者
広島大学生物生産学部
雑誌
生物生産学研究 (ISSN:1341691X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.135-143, 1993-12

各種食品のクッキング、殺菌など食品を各種変換、処理する装置を設計し、制御化を行っていくためには、食品のクッキングなど変換、処理する非等温実験を行って、得られる実験データからアレニウス式における速度パラメータを設定していくことが必要になることがある。これまでにジャガイモのクッキング速度式の設定を例として、非線形最小二乗法を用いる方法(久保田ほか, 1981, 1988)と、簡便な手法を用いる方法(岡崎ほか, 1991, 1992, 張ほか, 1993-B)とを用いる研究を行ってきた。本研究では、これまでに示してきた簡便な手法について比較検討を行った。本研究で提案した改良したクッキング値を用いる方法は、簡便な事法の一方法としてクッキング値を用いるこれまでに利用されてきている方法よりも有用であった。岡崎により提案された修正クッキング時間を用いる方法(岡崎ほか, 1992)も有用な方法であった。In order to design and to control various food transforming apparatuses such as for the chemical reactions, cooking, sterilization and so on of food materials, it is necessary to determine the Arrhenius' rate parameters from the non-isothermal experimental data of cooking and so on of food. In previous papers, we have studied the cooking rate equations of potato by various methods such as non-linear least square method (KUBOTA et al., 1981, 1988) and simple methods (OKAZAKI et al., 1991, 1992, ZHANG et al., 1993-B). In this paper, we investigated the determination of the rate parameters in non-isothermal processes by using simple methods proposed in previous papers. The modifyed cook value method in this paper was useful for finding the rate parameters in cooking rate equations. The corrected cooking time method (OKAZAKI et al., 1992) was useful too as simple method.
著者
山口 浩 大久保 美也子 北沢 敦 辻井 重男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.43, pp.19-24, 2002-05-23
被引用文献数
4

投票者のプライバシを守りつつ不正投票を防止する方式としてこれまでにブラインド署名、ミックスネット匿名チャンネル、準同型暗号系を利用した方式が提案されている。これら方式の特長を研究の流れに沿って列挙、比較検討を行う。また近い将来、これら提案された方式を適用した電子投票システムの実用化が近いことを考慮し、計算機器、通信機器がこれら提案された方式において必要とされる計算量、通信量、信頼性にどの程度対応可能であるかを考察する。併せて運用性の問題も考察する。Many papers have been written on the electronic voting schemes discussing the required properties of elections, among which are privacy, universal verifiability and various forms of robustness, Recent advancements have also been concerned with performance aspect. We will compare different features of three schemes using blind signatures, mix-net anonymous channel, and partially compatible homomorphisms. We also discuss the new properties particularly concerned with the computation and communication capabilities, reliability of computer and communication systems and operationability.
著者
星合 隆成 久保田 稔
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.121, no.3, pp.178-184, 2001-03-01 (Released:2008-04-17)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2
著者
久保 俊介
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.366, pp.36-45, 2015-03

市場の成熟やインターネット通信販売の台頭などにより競争が激化する家電量販店。そんな中、ノルマなし、残業なしでも堅調な業績を維持しているのが、売り上げ規模で業界4位(連結ベース)のケーズホールディングスだ。 強さの秘密は、加藤修一会長兼CEO(…