著者
久保田 佳基 秦野 正治 菖蒲 敬久 森 茂生
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.273-278, 2016-12-31 (Released:2017-01-06)
参考文献数
15

In-situ synchrotron diffraction experiments were conducted in order to clarify the formation process of α'-martensite from the γ-phase induced by external strain, combined with Lorentz transmission electron microscopy (TEM) and high-resolution TEM observations. Lorentz TEM observation revealed that α'-martensite exist near the defect structures such as dislocations and stacking faults in the parent γ-phase. In addition, it is clearly demonstrated that ε-martensite with hexagonal symmetry appears as an intermediate phase during the plastic deformation of SUS304 stainless steel. Our experimental results suggested that the interfaces between twin structures of the γ-phase presumably play a crucial role in the formation of ε-martensite.
著者
小林 貴 久保 典史 坂倉 建一 高田 宗典 平原 大志 荒尾 憲司郎 宇賀田 祐介 森 将之 船山 大 菅原 養厚 阿古 潤哉 百村 伸一
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.1438-1443, 2010

たこつぼ心筋症(transient left ventricular apical ballooning, takotsubo cardiomyopathy; TTC) では診断時, 冠動脈の有意狭窄を除外基準とすることが多い. しかしながら, 高齢者に多い病気であり, 最近, 冠動脈に有意狭窄のあるたこつぼ心筋症の存在もいわれるようになってきた. 症例は83歳, 女性. 普段から行っているわけではない, 緊張を伴った神社参拝, 豆まきという行事直後の食事, 飲酒をした際に著明な冷汗と意識が遠のく感覚を自覚したため, 救急要請となり当センターに救急搬送された. 急性冠症候群(acute coronary syndrome; ACS)が疑われ, 緊急心臓カテーテル施行. 左冠動脈前下行枝(left anterior descending artery; LAD)#7に90%狭窄を認めたため, 緊急経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention; PCI)を行った. 直後の左室造影(left ventriculography; LVG)では, LADの支配領域に合致しない左心室基部の過収縮と心尖部の無収縮を認め, 高度冠動脈狭窄を合併したTTCと診断された. TTCとLAD病変の関与したACSは最も重要な鑑別点である. ACSとして判断されていた症例の中にも実際には詳細に検討すると, たこつぼ心筋症が潜んでいる可能性があることを示唆している. また, 診断方法の感度を考慮すると, 疾患概念による形体描写に基づかない命名の必要性が指摘されている. 病態解明の進歩が, 今後一層期待される.

1 0 0 0 OA 韓非子新釈

著者
久保天随 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.巻1, 1910
著者
久保田 寛之 興 雄司 渡邉 博文 大海 聡一郎 楊 雨
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成22年度電気関係学会九州支部連合大会(第63回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.663-664, 2010 (Released:2012-02-24)

我々が開発した固体色素レーザー描画法は、描画的手法で簡易に曲面上にでもDFB色素レーザー導波路が構築可能である。今回、その特徴を利用し、マルチモードのプラスチック光ファイバーのコア表面上に複数本のレーザーを実装した。屈折率をコアよりもわずかに大きく設計すると同時に、レーザー出射部を切り落とし型の端面ではなくテーパー化することで、発振光をコア部に再度結合することが可能となる。本研究では、ファイバーの曲率によりレーザーの波長が変化することを利用して、多元曲げセンサーの観点から開発をおこなった。光ファイバーを曲げたときに内側と外側では波長の変化が異なるため、曲率や曲げた方向も判別可能となる。
著者
熊谷 孝幸 伊東 良太 竹家 啓 久保 等 吉田 浩之 藤井 彰彦 能勢 敏明 尾崎 雅則 斗内 政吉
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 2009年 日本液晶学会討論会 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
pp.189, 2009 (Released:2011-04-01)

本研究では、テラヘルツ帯にストップバンドを持つような一次元フォトニック結晶にネマティック液晶を導入することでテラヘルツ波スイッチング素子の実現を試みた。無水合成石英と空気からなる一次元フォトニック結晶中に液晶欠陥層を導入した構造を作製し、テラヘルツ帯において液晶欠陥に起因する欠陥モードピークの発現を確認した。更に液晶の配向を制御することで、屈折率異方性を用いて欠陥モードピークが発現する周波数の制御を試みた。
著者
鈴木 克美 西 源二郎 田中 彰 久保田 正
出版者
東海大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

駿河湾産の深海性軟骨魚類のうち、生物学的に最も貴重とされるカゲラザメ目のラブカの生態に関する知見を得ることを研究の主目的とした。1984年1月〜1988年12月に、湾内で操業されているサクラエビ中層曳網等の深海漁業を利用し、沼津から焼津にかけての沿岸水深60〜450mから、242個体(雌116個体、雄126個体)を得た。全体の90%の標本が水深200m以浅で得られた。雌の全長125.6〜181.0cm、体重3670〜17370g;雄の全長117.8〜155.9cm、体重2780〜6360gであった。成体70個体の水槽飼育において最長飼育日数は7日間であった。長期間飼育のためには、網にかかってから輸送終了までの体の損傷防止が必須と考えらた。一方、低比重の肝臓の浮力が水槽内での遊泳を著しく妨害げている様子が見られたので、タロウザメで再加圧試験を行ったところ、常圧から45気圧に加圧して17分後に、水面直下に浮く状態から中層付近への移動が見られた。食性調査に用いた139個体(雌77個体、雄62個体)の胃内容物は、イカ類23例、魚類4例、同定不能な飼料残査の見出された1例であった。一方、空胃率が73.4%と高く、他の大型中深層性魚類と同じく、ラブカが慢性的飢餓状態にあるもおとみなされた。生物学的最小形は雄全長約110cm以下、雌全長約140〜150cmで、特定の繁殖期は認めにくい。卵巣卵は径80〜90mm、卵重230〜250gで排卵され、卵殻腺内で受精し、卵殻に包まれ子宮内で発生する。胎仔は全長約80mmで卵殻から出て子宮内で育ち、全長約550mmで出生する。雌2個体から取り出した受精卵を、自然海水を満たした小水槽内でしいくし、水温8.3〜15.5°Cにおける最長生存期間は134日で、胚体は最初の全長約29mmから全長69.4mmに成長した。
著者
久保 和華
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.91-97, 2005-03-22

現在日本の年金制度は賦課方式に近い財源方式を採用している.したがって少子高齢化の進展にともなって年金保険料,年金給付額が変化しその比率も変化するのは明らかである.しかし,公的年金制度の保険料負担と年金給付のバランスが世代によって大きく異なるとみなされている点により,現在の公的年金制度は世代間の不公平をもたらしていると指摘される.年金政策の中でも有効な選択肢であると考えられている支給開始年齢の引上げ政策が世代間格差へ与える影響を久保(2004)の一般化を通して考察する.
著者
戸田 善治 竹内 裕一 大久保 紗容 中村 友亮 松永 智貴 高橋 和雄 天野 孝太郎
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.203-213, 2012-03

本稿は,2010年度に社会科教育教室が開講した大学院授業「授業研究」における,大学教員と大学院生の共同研究の報告である。そこでは,中学生を対象とする授業《ベトナムと日本のODA》を開発した。日本政府は,政府開発援助の方針を決めてきたODA大綱を新たに発表した。この旧から新へのODA大綱の変化とその背景となった要因を捉えるため,ベトナム高速鉄道計画という一つの例について考えつつ,日本の政策決定の一過程について検討させる授業の開発を行った。
著者
戸田 善治 竹内 裕一 大久保 紗容 中村 友亮 松永 智貴 高橋 和雄 天野 孝太郎
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.203-213, 2012-03

本稿は,2010年度に社会科教育教室が開講した大学院授業「授業研究」における,大学教員と大学院生の共同研究の報告である。そこでは,中学生を対象とする授業《ベトナムと日本のODA》を開発した。日本政府は,政府開発援助の方針を決めてきたODA大綱を新たに発表した。この旧から新へのODA大綱の変化とその背景となった要因を捉えるため,ベトナム高速鉄道計画という一つの例について考えつつ,日本の政策決定の一過程について検討させる授業の開発を行った。
著者
田中 一広 玉城 一 大久保 宏貴 赤嶺 良幸 大城 義竹 屋良 哲也 外間 浩 仲宗根 朝洋 金谷 文則
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.562-565, 2007-09-25
被引用文献数
1 1

比較的まれな特発性一過性大腿骨頭萎縮症の3例を経験したので報告する.【症例1】44歳男性.2週間前ジョギング後より左股関節痛出現,MRIより特発性一過性大腿骨頭萎縮症(以下TOH)と診断された.免荷とし外来にて経過観察していったところ6週後から疼痛は消失,3カ月後のMRIでは異常信号は認められなかった.【症例2】35歳女性.妊娠30週ころより右股関節痛出現,出産後当科外来受診した.MRIにてTOHの診断に至り現在免荷にて外来通院中である.【症例3】32歳男性.1カ月前より右股関節に荷重時疼痛認められ,近医にて加療を受けていたが,症状改善せず当科紹介受診した.可動時痛は認められなかった.MRIによりTOHの診断に至り,外来にて経過観察中である.
著者
鐘 俊生 木下 泉 久保 美佳 杉山 さやか
出版者
水産海洋学会
雑誌
水産海洋研究 (ISSN:03889149)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.65-77, 2003-05-31
被引用文献数
1

浦ノ内湾は土佐湾のほぼ中央部に位置し、東西に細長く伸びたリアス式の奥行き約12kmの内湾である。湾内には顕著な流入河川がなく、淡水は主として降雨によってもたらされる。潮位差は平均1mで、約400mの湾口幅で平均流速は1ktに達することから、毎秒500tの海水が潮汐によって湾口で流出入する。本湾では集魚灯と汀線付近の採集により、135種以上の仔稚魚が確認され、サッパSardinella zunasi、クロサギGerres equulusなど広塩性魚類だけではなく、カタクチイワシEngraulis japonicus、マイワシSardinops melanostictusおよびイソギンポ科Blenniidaeなどの狭塩性魚類も湾内に一定期間生息していることが確認された。そこで、これら湾内に多く生息していた仔稚魚が、どのような機構で進入するかを明らかにするために本湾口部で浮游期仔稚魚の調査を行った。今回、その一部である夏季調査について明らかになったことを報告する。
著者
堀田 和彦 渡辺 昭二 久保松 照夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1982, no.3, pp.352-355, 1982
被引用文献数
1

モノテルペン系不飽和アルデヒドであるジトラール((E)-および(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール混合物)およびシトロネラール,3,7-ジメチル-6オクテナールの水素化反応を塩化バエルナールトで修飾したRaneyコバルト触媒により,種々の溶媒中,30~65℃,常圧下で行なった。反応の主生成物は,シトラールでは,(E)-および(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジェシン-1-オールであり,0.2~olの水素を吸収したときにおけるこれらアルコールの収率は,0.92以上であり,1-プロ0パ.3ノm ール中でもっとも高かった。シトロネラールは相当する不飽和アルコールである3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オールに選択的に水素化された。これら不飽和アルデヒドの水素化反応速度はヘプタン中にくらべて,アルコール中で顕著に増加し,その順序はつぎのようであった。メタノール>エタノール>1-プロパノール
著者
久保田 彩 佐藤 眞一
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.485-494, 2016
被引用文献数
2

<p>Based on Bandura's social learning theory, this study conceptualized the end-of-life care efficacy (EoLCE) of elderly care facility staff. In Analysis 1, an EoLCE scale was developed. Factor analysis identified two factors ―instrumental care efficacy and emotional care efficacy— with psychometric adequacy. In Analysis 2, a path analysis was used to examine the relationships between EoLCE and the number of care experiences provided (Care Experiences) as well as the four theory-based sources of self-efficacy: the frequency of feeling a sense of achievement (Achievement), number of opportunities to observe role models, number of opportunities to receive linguistic persuasions (Linguistic Persuasions), and negative emotional responses to end-of-life care. After controlling for these sources, we found that Care Experiences negatively influenced emotional care efficacy. Achievement had the strongest significant relationship with EoLCE. The three other sources showed significant relationships with EoLCE, but there was no relationship between instrumental care efficacy and Linguistic Persuasions. To increase EoLCE, the subjective number of social learning experiences relevant to end-of-life care was important, rather than the number of care experiences provided.</p>
著者
中村 弘樹 木下 博明 広橋 一裕 久保 正二 田中 宏 塚本 忠司 藤尾 長久
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.22-28, 1994-02-25 (Released:2012-11-13)
参考文献数
17

最近3年間の肝胆道手術症例213例の肝門部胆管合流形式を検討したところ, 総肝管より肝内に向かって第1次および第2次分枝の合流形式は, 2枝合流型149例(70%), 3枝合流型30例(14%), 後枝独立合流型11例(5%) および左肝管に後枝が合流する型23例(11%)であった. 2枝合流型のうち, 右肝管に第3 次分枝の右前枝と右後枝が別個に合流する破格が2例(1%), 第4次分枝以降の肝管枝が肝門部に合流する破格が2例(1%) みられた. これらの肝管枝は, 後枝独立合流型の右後枝や左肝管に後枝が合流する型の右前枝とともに, 副肝管とされることがある. しかし, 帰納的に類推すると, 諸家が従来副肝管と呼称した胆管枝が実は, 肝管の第 2, 3, ……n次分枝 (ある肝領域の唯一の胆汁排出枝) の破格と考えられた. 「副」は付随的な意味ゆえ, 機能的に同等な肝管枝が形態上「副肝管」とされるのは不適当で, この場合「異所性肝管」と呼称すべきである.