著者
髙附 亜矢子 石田 豊 垣渕 和正 櫻井 直樹 村田 芳行 中野 龍平 久保 康隆
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.197-206, 2016 (Released:2016-06-30)
参考文献数
38
被引用文献数
2

収穫後の短時間近赤外光照射(中心波長850 nm,100 μmol・m−2・s−1,5分間)が3種の葉菜の重量減少と気孔開度および外観品質に及ぼす影響を調査した.リーフレタス,ホウレンソウ,コマツナに貯蔵前1回または毎日,近赤外光を5分間照射し,ポリ袋密封包装または有孔ポリ袋包装を行い,10°C暗所に保存した.いずれの葉菜でもポリ袋密封包装と有孔ポリ袋包装にかかわらず,貯蔵3日後の近赤外光照射区の重量減少率と気孔開度は無照射区と比較して小さくなり,照射区では外観品質も優れた.その効果は近赤外光1回照射区より毎日照射区の方が大きくなる傾向を示した.有孔ポリ袋に包んだ葉菜類を10°C下で暗所および明所に保存し,近赤外光照射の効果を経時的に調べたところ,いずれの条件でも近赤外光照射による蒸散抑制,外観品質保持効果が確認された.その効果は1回照射よりも毎日照射区で優れ,特に,ホウレンソウでその効果が大きかった.本研究の結果は収穫後の短期間近赤外光照射は流通中の葉菜類の付加的な品質保持技術として応用できる可能性を示すものである.
著者
佐伯 一夢 深尾 隆則 浦久保 孝光 河野 敬
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.79, no.798, pp.236-251, 2013 (Released:2013-02-25)
参考文献数
25
被引用文献数
1

A surveillance system has been required to gather information after large-scale disasters on stricken areas safely and quickly. To collect the information, it is useful to use a blimp, because of its low-sky availability, safety and long flight. A blimp flying at low altitude can capture high quality images offering 3D imagery in disasters. This paper proposes a new path following control method for outdoor blimp robots under windy conditions to collect detailed disaster information. The method consists of path following control in the wind coordinate on the horizontal plane and altitude control on the longitudinal plane. And this method minimizes the lateral errors arising from the wind disturbances considering path regeneration. Some simulations and experiments for a 12m class blimp are performed to confirm the usefulness of the proposed method.
著者
朝日 健太郎 大久保 一郎
出版者
厚生統計協会
雑誌
厚生の指標 (ISSN:04526104)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.17-24, 2008-09
著者
中島 敏明 杉本 恒明 川久保 清 戸田 為久 三輪 篤子 村川 祐二 野崎 彰 倉智 嘉久 天野 恵子 坂本 二哉 真島 三郎 伊原 正 田中 博 古川 俊之
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.237-246, 1986

肥大型心筋症 (HCM) の再分極異常の成因を知る目的で, QRST isointegral mapを作成し, 安静時および運動負荷後の分布を検討した.対象は, 正常群10例, HCM群35例 (閉塞型HOCM10例, 非閉塞型HNCM15例, 心尖部型APH10例) である.安静時QRST isointegral mapは, 正常群では左前胸部に極大を, 右胸部上方に極小をもつ分布を示したが, HCMでは , HOCM40%, HNCM60%, APH90%に, 左前胸部に極小をもつ異常分布がみられた.極小点は, APHではV<SUB>4, 5</SUB>周辺に, HNCMではV<SUB>5</SUB>に, HOCMではばらつく傾向があり, 各病型による多少の差異をみとめたが, 重複する例も多くみられた.安静時QRST isointegral mapの異常例に対し, 運動負荷後の分布の変化につき検討した.APHでは9例中8例において, 左前胸部の極小は, 右胸部上方に偏位し, ほぼ正常な分布を示した.HNCMでは9例中8例は, 負荷後も安静時と同様の異常分布を示した.HOCM4例では負荷後左前胸部下方に極小が偏位する傾向がみられた.以上より, HCMの再分極異常は主として1次性変化と考える.また, 運動時変化がHCMの病型で異なったことは, 心筋の肥厚形態の他に, 心筋自体の性質の差による可能性があり, HCMにおける再分極異常の成因は単一のものではないことが示唆される.
著者
牛久保 明邦
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.216-227, 2003-07-31 (Released:2010-05-31)
参考文献数
8
被引用文献数
4 6

食品から排出される廃棄物は, 生産・流通の段階のみならず消費段階における家庭から発生する廃棄物が, 食品廃棄物総排出量の半分以上を占めている。このような状況のなか, 食品リサイクル法が施行され食品廃棄物の発生を抑制し, 資源として有効に活用する循環型社会の形成が求められている。そこで, 食品製造業から発生する食品産業廃棄物と家庭から発生する家庭系食品廃棄物の実態を明らかとするために調査を実施した。食品産業廃棄物中の汚泥排出量は, わが国の汚泥排出総量の3.1%を占め, 動植物性残さは動植物性排出総量の78.2%に達していることが明らかとなった。また, 家庭系食品廃棄物の内, 調理くずと食べずに捨てられるものが廃棄物の発生重量の70%を占めていた。家庭系食品廃棄物の家庭内でのリサイクルには困難さが多く, 発生抑制や分別の徹底が資源として活用する上で重要である。
著者
大久保 直美
出版者
農業技術研究機構花き研究所
雑誌
花き研究所研究報告 (ISSN:13472917)
巻号頁・発行日
no.10, pp.55-63, 2010-12

11種のニオイゼラニウムの葉の発散香気成分をGC-MSで分析した.香気成分はほぼテルペノイドで構成され,主要香気成分は以下のとおりであった.ローズ(Pelargonium 'Rose'),スノーフレーク(P.'Snowflake'),β-グアイエン,β-シトロネロール;レディプリマス(P.'Lady Plymouth' ,ギ酸シトロネリル,β-シトロネロール;ドクターリビングストン(P.'Dr.Livingston') ,β-シトロネロール,イソメントン:スケルトンズユニーク(P.'Skeleton's Unique'),β-グアイエン,β-カリオフィレン;ペパーミント(P.'Peppermint').チョコレートペパーミント(P.'Chocolate Peppermint'), イソメントン,メントン;レモン(P'Lemon'),ゲラニアール(α-シトラール),ネラール(β-シトラール);クロリンダ(P.'Clorinda' ),β-グアイエン,アロマデンドレン,ミセスキングスリー(P.'Mrs. Kingsley),β-グアイエン,ゲルマクレンD,スイートミモザ(P'Sweet Mimosa') .イソメントン,ゲルマクレンD.
著者
真田 靖幸 真田 直子 久保 正法
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.1063-1065, 1999-09-25
被引用文献数
6 10

重篤な羽毛形成不全および脱羽を示すタイハクオウム(Cacatua alba)をオウム類嘴一羽毛病(PBFD)と診断した. 光顕で観察された核内および細胞質内封入体は, 電顕的に結晶状,渦巻き状,半円形状または同心円状配列を示すウイルス粒子で構成されていた. 超微形態学的解析により, 皮膚および羽包部から回収されたウイルスは,正二十面体で直径15〜20nmのウイルス粒子と確認された.
著者
久保 喜平 松山 聡 片山 久美子 堤 千津 米澤 久美子 嶋田 照雅 小谷 猛夫 佐久間 貞重 大橋 文人 高森 康彦
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1335-1340, s・iii, 1998-12
被引用文献数
1

乳腺腫瘍は雌イヌにおいて高頻度に発生する腫瘍のひとつである.本研究では, 腫瘍マーカーとしての有用性を検討するためにイヌ乳腺腫瘍材料におけるc-kit遺伝子の発現を調べた.4種の哺乳動物のc-kit cDNAの塩基配列を参考にRT-PCR法のためのプライマーセットを合成し, イヌc-kit遺伝子を増幅した.正常イヌ脾臓の全RNAからのRT-PCR法により増幅したイヌc-kit遺伝子の大きさは756bpであり, 哺乳動物のcDNAの該当部分と高い相同性を示した.11例のイヌ乳腺腫瘍(腺癌, 良性混合腫および悪性混合腫)すべてにおいてc-kit mRNAの発現が検出された.イヌ乳腺腫瘍のうち, 腺癌におけるc-kit遺伝子の発現は, 悪性混合腫瘍に比べて有意に高かった.さらに, 15例の乳腺腫瘍以外の各種イヌ腫瘍組織標本におけるc-kitの発現も同様に検討した.肥満細胞腫の全例において, 高いmRNAの発現が認められたが, 残りの12例の腫瘍では, 5例で低レベルのRT-PCR産物が検出されたのをのぞいて, c-kit遺伝子の明らかな発現は見られなかった.以上の結果より, イヌ乳腺腫瘍では, c-kit遺伝子mRNAの発現が有意に高く, その診断上有用であると思われる.
著者
久保田 慶一 Keiichi Kubota
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.26, pp.65-71, 1988-12-31

Eine der in der Kompositionsgeschichte seit 1600 gewichtigsten Kompositionsverfahren, d. h. "thematisch-motivische Arbeit" ist als Mittel geschichtlich begrenzt, aber als musikasthetisches Kriterium aufs heutige Musikdenken in der Gegenwart beeinfluβbar. Im vorliegenden Aufsatz wird diese Kompositionsweise, erstens rein musikalisch, besonders im Zusammenhang mit H. Chr. Kochs Beschreibungen uber sie (1802) erklart. Daraus liegt nahe, daβ diese Verfahren fur ein modernes Kunstwerk-Idee gultig ist, das sich in "Autonomie des Kunstwerks" erscheinen lassen soll. Zweitens, die "thematisch-motivische Arbeit" als Kriterium wird als asthetische Voraussetzungen einer Analyse erkl art, deren Ziel in Entdeckung eines musikalischen "Zusammenhangs" liegt. Damit zieht sich diese Mittel der musikalischen Analyse auch auf das genannte Idee des modernen Kunstwerks. Schlieβlich, diese "asthetisch -kompositionstechnische" Verfahren wird durch Analyse von J. Haydns Quartett (Op.33-3, I. Satz) noch ausfuhrlicher dargestellt.
著者
小久保 みどり
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.183-195, 1992

本研究では, 環境不確実性と意思決定過程への参加が職務満足感に及ぼす効果を検討した。分析のためのパラダイムとして, 期待理論の一つである組織論的期待理論 (坂下, 1985) と, Schulerモデル (1980) を選択した。さらに, それらをもとに環境不確実性と意思決定過程への参加が職務満足感に及ぼす効果を表す新しい期待モデルを構築し, その妥当性の検証も行った。<BR>環境不確実性と意思決定過程への参加が職務満足感に及ぼす効果について, 仮説4をたてた。仮説4を導くために役割知覚を使って前提というべき仮説1, 2, 3をたてた。以下に示すこれらの仮説を検証するために, 調査を行った。<BR>仮説1環境不確実性が高くなるほど, 役割知覚は減少するであろう。<BR>仮説2環境不確実性は, 役割知覚を媒介して職務満足感を減少させるであろう。<BR>仮説3意思決定過程への参加は役割知覚を増大させるであろう。<BR>仮説4環境不確実性と意思決定過程への参加が職務満足感に及ぼす効果は次のようなものであろう。<BR>(1) 環境不確実性の大きい場合も小さい場合も, 意思決定過程へ参加することは職務満足感を増大させるであろう。<BR>(意思決定過程への参加は職務満足感に対して正の主効果を持つであろう。)<BR>(2) 環境不確実性が大きい場合に意思決定過程へ参加するよりも, 環境不確実性が小さい場合に意思決定過程へ参加するほうが, 職務満足感は大きいであろう。<BR>(環境不確実性は職務満足感に対して負の主効果を持つであろう。) (3) 環境不確実性が大きくなるほど, 意思決定過程への参加が職務満足感を高める効果はより大きくなるであろう。<BR>(意思決定過程への参加と環境不確実性は職務満足感に対して正の交互作用効果を持つであろう。)<BR>調査の結果, 四つの仮説はほぼ支持された。<BR>新モデルについては, 環境不確実性が役割知覚, (E→P) 期待, (P→0) 期待を媒介して職務満足感を増すという新しいルートについて証明された。
著者
武田 紀久子 大久保 みたみ 高崎 禎子 唐沢 恵子 石川 尚子 大関 政康 大竹 美登利 川端 博子 斉藤 浩子 林 隆子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.3-13, 1992

東京多摩西部地区 (青梅市) の高齢者の総合生活調査の一環として食生活調査を行い, 次の結果を得た.<BR>(1) 大部分の人が1日3回の食事と, 1~2回の間食をとっていた.主食としては米飯が最も多かったが, 30%の人は夕食に麺類を摂取していた.また, 1日の平均汁物摂取は, 1.9杯であった.<BR>(2) 緑黄色野菜, 淡色野菜, 果物, 大豆製品, 卵は毎日, 魚, いもなどは週3~4回以上摂取している人が多く, 食品のバランスとしてはほぼ良好であった.酒・牛乳以外のほとんどの食品類において, 女性の摂取頻度は男性よりも高率であった.また, 男女とも自分が食事作りをする人はしない人に比べ, 毎日の摂取頻度が高い食品類が多かった。摂取頻度の高い調理法は, 魚では, 焼き魚, 煮魚, 野菜では煮物, 妙め物であった.<BR>(3) 主食となる料理では, うどん, 寿司, 赤飯が好まれた.主菜は, 男性には刺身, すき焼き等の馳走が, 女性には焼き魚, 卵焼き等の惣菜料理が好まれた.また, 女性は主菜よりも野菜中心の副菜を好む率が高かった.<BR>(4) 自分で調理を担当するのは, 女性は約50%, 男性は約10%であった.<BR>(5) 外食の頻度は月1回以上が46%を占めた.市販のおかずの利用頻度は週1回以上が約60%であり, 利用理由として男性は食品の多様性, 女性は簡便性を挙げていた.<BR>(6) 食事の満足度は97%と高率であった.<BR>(7) 子供と同隣居の高齢者は, 別居の場合よりも, 間食回数, 汁物の摂取量が多く, また, 米飯の摂取頻度や市販のおかず・外食の利用頻度も高かった.<BR>(8) 子供と別居している女性は, 98%が食事作りを担当しているが, 食品の摂取頻度は高く, 市販のおかずや外食の利用頻度は低いなど, 日頃から自分の食生活に留意しているようすがみられた.