著者
佐藤 博司 川島 洋一郎 久保 和雄 鈴木 利昭 佐中 孜 太田 和夫 杉野 信博
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
人工透析研究会会誌 (ISSN:02887045)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.97-102, 1984-04-30 (Released:2010-03-16)
参考文献数
10

1971年4月から1983年4月までに当センターおよび関連施設において経験された慢性血液透析患者の不明熱28症例の臨床的検討を行った. 原因疾患は感染症が20例 (71%), 薬剤性2 (7%), 膠原病1 (4%), 不明5 (18%) で悪性腫瘍によるものはなかった. 特に感染症の中では結核症が13例 (46%) と最も頻度が高く, このうち肺外性結核が11例とそのほとんどを占めていた. その他, 尿路感染症は3例にみられ, 移植血管感染例も1例に認められた.発熱の特徴としては, 最高体温の平均が39℃で, 熱型は弛張熱あるいは間歇熱を呈するものが多く, 透析中または透析直後に発熱しやすい傾向にあった. 診断に関しては, 非結核性のものは比較的高い確診率を得ているが, 結核症では生前確定診断ができたものは3例 (21%) にすぎなかった. 結核症のうち3例でCTスキャン, 超音波検査で, 腹部リンパ節腫大を認め, また治療により消失し, 診断の一助となった. 感染症例のうち, Gaシンチで陽性所見を示したのは1例もなかった. 予後および転帰であるが, 死亡は6例 (21%) でこのうち5例 (83%) は結核症である. これらはその大部分が未治療または治療開始時期の遅れがみられ, 発症より2ヵ月以内に死亡した例である.以上より透析患者の不明熱に対しては常に結核症の可能性を考え, 早期治療を行う必要がある.
著者
今久保 伸二 中土 保 大橋 弘嗣
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.249-249, 2003

【はじめに】股関節外転筋力は歩容に大きく影響する。この度、人工股関節全置換術(THA)の前後において筋力が同等であるが、術後早期に歩容改善を認めた症例を経験した。そこで力学的な側面から検討を加え、歩容の安定化に影響した要因を調査した。【対象】57歳女性、身長148cm、体重50kgで左右とも進行期変形性股関節症であった。【経過】平成2年から左股関節の疼痛を自覚し、他院受診し変股症の診断を受け保存療法を継続していた。疼痛増悪にて平成13年2月当院整形外科を受診、当部において荷重下での運動療法を開始する。経過良好であったが、平成14年7月ごろより再度疼痛増悪し、平成14年10月に左THA施行にいたる。【方法】三次元動作解析装置(バイコン512)を使用し、術前と術後14日目の静止立位・片脚立位および歩行時における股関節内転角、モーメントおよび反対側骨盤挙上角度を求め、術前後の値を比較した。歩行速度は自由歩行とした。なおキンコム500Hを用い術前後に股外転筋力測定を行い、側臥位にて股関節中間位より最大等尺性収縮を5秒間記録し、その中の3秒間の値を平均し実測値とした。【結果】(1)実測値は術前67Nm、術後60Nm。(2)片脚立位時の最大内転角は、基準となる立位と比較して術前3.5度外転位、術後2.7度内転位で、その際反対側骨盤挙上は3.6度と1.1度であった。(3)片脚立位時の最大内転モーメントは術前15.3Nm、術後13.9Nmで、それぞれ最大内転後0.2秒後と0.17秒後であった。(4)歩行立脚期における股関節最大内転角は、術前13.5度、術後8.4度で、それぞれ踵接地から0.16秒後と0.19秒後であった。また同時期の反対側骨盤の下制は6.2度と2.8度であった。(5)歩行立脚期の股関節最大内転モーメントは術前23.8Nm、術後33.1Nmで、それぞれ最大内転後0.08秒後と0.07秒後であった。【考察】術前後ともに実測の股関節外転トルク値は、歩行および片脚立位時内転モーメントを大きく上回り、筋力的には十分と考えられる。その中で術前は股関節外転位・骨盤挙上にて片脚立位を安定化させる代償性の姿勢を取り、歩行立脚期には過度の骨盤下制を認めた。しかし術後は14日目という早期でありながら、股関節内転位で片脚立位が可能となり、より正常に近い姿勢が保てるようになった。その際モーメントの立ち上がり時間に遅延を認めたが、これは予測しにくい片足立ちという動作の特性が影響したと考える。また一般に変股症患者の歩行では、筋収縮タイミングの遅延が認められる。本症例においては術前において歩行中アライメントの崩れを認めたものの、モーメントの立ち上がりに関する遅延は認めなかった。荷重時のモーメントの立ち上がりが術前で失われなかったことが、早期の歩容改善をもたらした要因ではないかと考える。
著者
久居 宣夫 矢野 亮 久保田 繁男
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.169-183, 2000
被引用文献数
3
著者
影向 範昭 山本 加代子 高橋 美枝子 岡田 道子 遠藤 泰 千葉 智子 遠藤 初恵 鬼頭 健二 鈴木 恵美子 森塚 光子 吉田 紀昭 遠山 邦子 大久保 幸子 大橋 恵 上中 清隆
出版者
一般社団法人 日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.36-44, 2008-04-01 (Released:2010-06-08)
参考文献数
10
被引用文献数
2

The present study surveyed the application of antimicrobials in dental practice in 17 private dental college or university hospitals in Japan, in order to investigate the actual conditions of using antimicrobials.According to the medicinal virtues, a drug list with percentage was prepared depending upon the number of actual use of internal medicine, injections provided in the prescription or instructions for the 10-day period from September 4 to 15, 2006. Furthermore, a survey of the kind of antimicrobials with consumption for each hospital was also done for the six-month period from April 1, 2006 to September 30, 2006.Classified by medicinal virtues by internal use medicines, the proportion of antibacterial and anti-inflammatory analgesic drugs accounted for 32% each, and gargle and gastrointestinal medicine for 12% and 10% respectively. Among the internal use antimicrobials, usage of the cephem system was 54% whereas penicillin and macrolide system were 23% and 21%, respectively. The largest consumption was cefcapene pivoxil hydrochloride for antibacterial medicines. This drug was widely used in 10 out of 17 hospitals. Erythromycin ethylsuccinate was in second position, followed by cefdinir, rifampicin and ampicillin.The method of marking order of each hospital and order of the total consumption were analyzed and some differences in consumption of different drugs were observed. Many hospitals suggested the use of clarithromycin, cefaclor and amoxicillin although consumption was low.According to the medicinal virtues of injectable medicines, the frequency of use of antimicrobials was the highest (34%) . Among the injectable antimicrobials, the cephem based system (60%) and penicillin system (33%) accounted for more than 90% of the total use. Cefazolin was the most consumed drug, followed by asoxicillin, flomoxef sodium and ceftriaxone.
著者
小黒 芳男 大久保 堯夫
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.141-146, 1986
被引用文献数
1

人力による片手持ち型運搬作業における取り扱う運搬物の至適重量, 作業後の回復時間などの作業条件を検討するための基礎的資料を得る目的で, 青年男子10人を被験者として, 取り扱う運搬物の重量の違う7通りの片手持ち型運搬作業を行わせ, 作業時の心拍数, 体温, 血圧, 疲労感調査などを測定し, 取り扱う運搬物の重量の違いと作業負担との関係を明らかにした.その結果, 心拍数, 最高血圧値およびおよび疲労感調査は取り扱う運搬物の重量とは密な相関関係があり, それぞれ回帰方程式が得られた.また, これらの指標を基にして, 総合的な判断を行うと, 取り扱う運搬物の重量については, 被験者の体重に対する30〜35%程度以下までは許容できるものと考えられる.そして, 作業後の回復時間については, 重量の5%増ごとに作業の実働時間に対して23%程度増の休憩時間が必要であることがわかった.

1 0 0 0 OA 漢文叢書

著者
久保天随 校
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.第4冊, 1913
著者
久保田 広志
出版者
秋田大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

ポリグルタミン病は、特定のタンパク質中のポリグルタミン鎖が遺伝的変異により伸長し、構造異常により凝集を起こすのにともなって、神経細胞死を引き起こす疾患である。ポリグルタミン病には原因タンパク質により異なる症状を示すが、その具体例として、ハンチントン病、脊髄小脳失調症、球脊髄性筋萎縮症などが知られている。しかしながら、なぜポリグルタミンタンパク質の凝集過程で神経細胞を障害するのか、なぜ原因タンパク質の違いによって異なる種類の神経細胞が障害を受けるのかなど、その本質は今もなお不明なままである。本研究では、ポリグルタミンのコンフォメーション異常と神経細胞毒性との関係を明らかにすることにより、ポリグルタミン病の発症メカニズムの本質解明をめざした。このため、ポリグルタミンタンパク質の細胞内における凝集過程を、蛍光ライブイメージング技術を中心として解析し、タンパク質凝集をともなう別の神経変成疾患である筋萎縮性側索硬化症の原因タンパク質、変異SOD1の凝集過程と比較した。その結果、昨年度までに、ポリグルタミンリーピートをもったハンチントン病原因蛋白質ハンチンチンの凝集状態は、ポリグルタミンのみの凝集状態と大きく異なることが示唆された。具体的には、ポリグルタミンの凝集は不可逆なのに対し、変異SOD1のそれは可逆性であった。そこで、その原因を調べるため、免疫沈降法による可溶性画分の結合タンパク質の解析を行ったところ、ポリグルタミンに結合しているタンパク質は、変異SOD1に結合しているタンパク質に比べて、種類が少ないか、あるいは、量的に少ないものと考えられた。この結合タンパク質の違いが、細胞内における凝集の可逆性に違いをもたらすのかもしれない。
著者
大久保 喬樹
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.73-88, 1983-09-25

"Un Bras" est une nouvelle dont le sujet est tres proche de celui des "Belles endormies": le desir et la tentative d'un vieil homme solitaire de posseder la virginite des jeunes filles a l'etat le plus pur. Neanmoins il y a une difference fondamentale entre ces deux oeuvres. Le deroulement des "Belles endormies" - le heros passe des nuits avec des filles nues, endormies dans une chambre close - est tout a fait inhabituel mais possible dans ce monde reel. Au contraire, celui d'"Un Bras"- le heros passe une nuit avec un bras emprunte a une jeune fille - est impossible dans notre monde reel. D'ailleurs, ce qui est caracteristique dans la structure du monde romanesque des "Belles endormies", c'est l'opposition ou le contraste entre "l'interieur" et "l'exterieur": la chambre close ou se deroule le contact anormal du heros avec les filles est entouree par un monde exterieur normal. Ce contraste ou opposition, dont le heros est toujours conscient, correspond a l'opposition entre la conscience de l'homme et la realite exterieure. D'un autre cote, dans "Un Bras" il manque ce contraste ou cette opposition entre l'interieur et l'exterieur, car toute cette oeuvre est dominee par l'irreel. Le reel n'y intervient jamais. Dans ce sens, il n'y a qu'un seul niveau dans cette oeuvre-le niveau de l'irreel. Cela represente l'assimilation complete de la realite dans le monde interieur de la conscience humaine. Ainsi, "Les Belles endormies" et "Un Bras" sont deux types de nouvelles qui representent divers aspects des processus ou des effets de la transformation de la realite exterieure par la conscience humaine.
著者
毛利 裕昭 久保 幹雄 森 雅夫 矢島 安敏
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
Journal of the Operations Research Society of Japan (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.372-388, 1996-09
被引用文献数
6

配送路問題(Vehicle Routing Problem -VRP-)は、「デポ(配送拠点)から配送先のノードに商品等を配送する最小コストのルートを求める」という問題である。この問題は古くから研究がさかんに行なわれており、標準的VRPの基本的な条件としては、以下のものが挙げられる。第1に1つのルートでの積載量が車両の容量を超えないこと、第2に車両数(ルートの数)が上限を超えないこと、第3に配達先のノードは1台の車両で1度だけ配送が行なわれること等である。本論文ではVRPの基本条件である第3の条件を緩和した「分割配送路問題」と呼ばれる複数の車両によるノードの配送を許す問題を考える。このような条件を考えることにより車両の積載効率が上り、必要な車両の数(固定費用)を減少させる可能性が高まる。この分割配送路問題に関する研究は少なく、本論文では新たな定式化を行ない、Fisher and Jaikumarのアイディアにしたがって問題を、車両が配送を行なうノードおよびその配送量を決定する問題と担当ノードが決定した段階で各車両の配送経路を決定する問題に分解することにより数理計画べースの新たな解法を与えている。
著者
木之内 誠 平石 淑子 大久保 明男 橋本 雄一
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近代百年を通じてロシア、中国、日本の諸勢力がせめぎあい、多元重層的な文化の場を形成した植民都市大連の過去、現在を景観のうちに透視し、ここに生きた人々の場所をめぐる集合的な記憶を都市文化の未来への展望につなぐ歴史地図を制作した。各種の旧地図などの歴史的な文献資料と、現地調査結果を総合して描かれた立体鳥瞰図的な多色表示による、五千分の一縮尺を基本とした二十枚ほどの区分図によって、この地図は構成される。建物の建造年代別の色分けや道路の起伏の表示など、現地を歩く利用者にとって使いやすい、直感的な了解をたすける可視化の手法を追及した。
著者
須甲惇 大久保雅史 山口泰弘 山下翼
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.83-84, 2012-03-06

近年、ゲームソフトの多様化が進むにつれて、ユーザのゲームソフトに対する嗜好も多様化してきている。また、ユーザの中でもゲームに慣れ親しんでいるヘビーユーザと、時折ゲームに触れるに留まるライトユーザの二分化がより明らかに進んできている。その中で、ユーザのゲームに対する熟練度という点において、全てのユーザが楽しめるゲームデザインを行うことは困難になりつつある。そこで本研究では、ミハイチクセントミハイの提唱するフローのモデルを基に、ユーザのスキルレベルとゲームに対する没入度を定量的に評価した上で、ユーザのスキルに適したゲームの難易度を提供するシステムを提案する。
著者
久保田 敏夫 内田 圭一 植田 俊夫 奥谷 忠雄
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.381-383, 1988-07-05
被引用文献数
3

Simple and rapid determination of phosphorus in sediment was studied by graphite furnace (GF) AAS using a phosphorus hollow cathode lamp (P-HCL). A Zr-treated graphite tube was used for GF. For each analytical procedure a 20 mm^3 of 1% Zr solution was injected into the graphite tube and then a 10 mm^3 of sample solution containing P was injected. Digestion procedure was as follows : The sediment sample of 0.2 g was decomposed with HNO_3-HClO_4-HF, then the digest was evaporated to dryness. The residue was dissolved with 3 cm^3 6 M HCl, and diluted to 50 cm^3, and P was determined by GF-AAS. All the values obtained by the proposed method agree well with the reference value (Pond sediment, NIES No. 2) and those by Molybdenum Blue spectrometry (River sediment and Submarine sediment).
著者
志村 圭太 久保 晃
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.21-27, 2016-03-31

目的:ボリビア人の血圧,酸素飽和度(以下SpO2),および体格の年齢による特徴を明らかにすること. 対象と方法:対象は,ボリビアのコチャバンバ県プナタ市(標高2,600 m)で,JICAボランティア医療分科会による健康啓発活動に参加した17歳から88歳,年齢37.7±18.0歳(平均±SD)の157名とした.年代と性を要因として,血圧,SpO2,身長,体重,Body Mass Index(以下,BMI)を二元配置分散分析で検討し,血圧,SpO2に関して性と年齢で調整したBMIとの偏相関係数を算出した. 結果:年齢では全ての項目で有意な主効果を,性では血圧,身長,体重に有意な主効果を認めた.年齢と性で調整したBMIとの偏相関係数は,収縮期血圧r=0.199(p<0.02),拡張期血圧r=0.345(p<0.001),SpO2 r=-0.207(p<0.01)といずれも有意であった. 結論:ボリビア人の血圧,SpO2,体格には,加齢や性の影響に加え,BMIの影響が存在し,疾病予防には運動,活動,食事などの生活習慣に目を向け,肥満対策に関わる必要性があると考えられた.
著者
工藤 二郎 自見 庄三郎 大久保 英雄 柳瀬 敏幸 迫 良治
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.740-745, 1981-05-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
20

症例はIgA欠損症にSLEを発症したもので, SLE発症から9年間の長期にわたり,臨床経過を観察したものである. IgA欠損症に関しては, in vitroの実験系においてリンパ球の免疫グロブリン産生能を測定し,本症例にみられるIgA欠損は抑制性T細胞の機能亢進によるものであると推定した.症例は29才の女性. 20才の時,長時間日光に被曝した後,発熱,関節痛が生じ,検査所見ではRA(+),血沈亢進がみとめられたが,同時にlgA欠損も証明された.慢性関節リウマチの診断の下にステロイドの小量投与療法が行なわれたが,ステロイドの減量に伴つて,発熱,発疹,髄膜炎様の症状が出現した.これらの多彩な症状はステロイドの増量によつて消失した.その後9年間,年1回の検査を行なつて観察をつづけたが, RA (+), IgA欠損以外に異常を認めず,臨床的にも全く無症状に経過した. 29才の夏,日光に被曝後,急性増悪を来して再入院した.再入院時にはANF陽性, LE細胞の出現からSLEと診断され, 9年前の初回入院時の多彩な臨床症状も, SLEによるものであつたと推定された.寛解期にあつた時にリンパ球のlgA産生能をin vitroの系で測定したが, IgA産生障害が証明され,しかも患者のT細胞は正常人のB細胞のIgA産生を抑制するとの成績が得られた.この抑制T細胞の機能亢進はSLE発症の前から存在していたものと推定される.
著者
小久保 秀之 高木 治 小山 悟史 山本 幹男
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.236-249, 2010-09-01

白いぼキュウリ(Cucumis sativus'white spin type')を生体センサとして使うガス測定法にて、ヒーリング中のヒーラーの周囲に広がるヒーリングパワーのポテンシャルの空間分布(X-Y平面)の測定を試みた。ヒーラーは特異能力者として知られるW003(女,41歳)。ヒーラーは座位にて、高さ67cmの机上に設置されたキュウリ切片(実験試料2皿)に対し、30分間、キュウリの香が強くなるよう非接触で手かざしヒーリングした。さらにヒーラーの周囲のポテンシャル分布を測定するために、ヒーラーの前後左右に50cm間隔で4点ずつ、斜め方向約2.5mの4か所にキュウリ切片を設置した(計20点。いずれも床面から70cm)。ヒーリング試行は15分の休憩をはさんで2回実施した。ヒーリング中、対照試料となるキュウリ切片は別室に保管した(ヒーラーから対照試料までの直線距離は12m)。24時間後、各試料のガス濃度を酢酸エチル検知管141L(ガステック社)で測定し、各点のJ値(実験試料と対照試料のガス濃度の比の自然対数)を求めた。結果、ヒーリング中のヒーラーの周囲にはクーロンポテンシャルとは異なる特異な形のポテンシャルが形成されていること、ヒーラーの体の前後方向と左右方向とで異方性があることが示唆された。
著者
猪股 高志 平山 厚子 大久保 恵 三和 真人
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.195-198, 1998 (Released:2007-03-29)
参考文献数
7

理学療法臨床実習中の学生の身体面にどのような変化があるかを知るために,臨床実習直前及び直後の体重・体脂肪量・体水分量及び体力の指標としてのPWCI50を測定し,その変化及び臨床実習成績との関係について分析した。その結果,体重とPWCI50では臨床実習前後での変化は見られなかったが,体脂肪量は有意に増加し,体水分量は有意に減少した。また,これらの身体面の変化に加え,臨床実習成績と体水分量の変化に相関が認められたことから,現状の臨床実習が,特に成績によっては実習生の身体組成の変化のみならず,臨床実習中の体調にも何らかの影響を及ぼしうることが推察された。