著者
秋月 さおり 佐々木 君枝 北島 祐子 梅木 雄二 鳥越 律子 林 真紗美 篠崎 広嗣 鈴木 稔 上野 隆登 神村 彩子 田中 芳明
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.55-65, 2018 (Released:2018-08-23)
参考文献数
18

L-オルニチンおよびL-グルタミン含有食品摂取による周術期栄養改善およびQOL への影響を検討するための介入試験を行った.消化器癌開腹手術を実施する90 歳以下の男女18 名を試験食品摂取群または非摂取群の2 群に無作為に分け,術前・術後の7 日間ずつにわたり試験食品を摂取させ,栄養関連指標,体組成,QOL について評価した.その結果,両群において手術の侵襲による栄養関連指標,体組成量の低下が観察されたが,試験食品摂取による影響はみられなかった.一方で,QOL アンケートより,身体機能,役割機能,倦怠感,疼痛について,非摂取群でみられたスコアの低下が試験食品摂取群では認められなかった.これらのことから,周術期に一定期間L-オルニチンおよびL-グルタミンを摂取することにより,患者のQOL を良好に保つことができる可能性が示唆された.
著者
宮内 貴之 佐々木 祥太郎 佐々木 洋子 最上谷 拓磨 白濱 勲二
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.335-344, 2021-09-30 (Released:2022-07-04)
参考文献数
21

脳卒中後は, 高い頻度で注意障害が生じる。注意障害は Activities of Daily Living (ADL) に影響を与えるが, 机上検査を用いた検討が多く, 行動観察評価である Moss Attention Rating Scale 日本語版 (MARS-J) を用いた検討はされていない。本研究の目的は急性期脳卒中患者における行動観察評価と ADL の関連を明らかにすることとした。対象は急性期脳卒中患者 64 名とし, 行動観察評価と机上検査および ADL を退院前 1 週間以内に評価した。評価指標は, 行動観察評価は MARS-J, 机上検査は Clinical Assessment for Attention (CAT) , ADL は Functional Independence Measure (FIM) を用い, 各指標の関連を検討した。Spearman の順位相関係数の結果, FIM と MARS-J は高い相関関係があった。また, FIM と CAT の Visual Cancellation Task (VCT) の所要時間, Symbol Digit Modalities Test (SDMT) の達成率も相関があった。一方, FIM と VCT の正答率と的中率は低い相関を示した。これらのことから, 急性期脳卒中患者では注意機能の行動観察評価と ADL は関連があり, ADL 上の注意障害を捉える上で MARS-J が有用である可能性が考えられた。
著者
佐々木 三和
出版者
日本赤十字秋田看護大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

パーソナリティ障害は精神障害の主要なひとつの様式であり、自傷行為や自殺企図、暴力やひきこもり、嗜癖行動など多彩な問題行動と深く関連がある。入院医療から地域生活中心へと精神障害者の地域移行支援が進むなか、特にかかわりが難しいとされる境界性パーソナリティ障害(Borderline Personality Disorder:以下、BPD)者への訪問看護に関する困難な状況が予測される。そこで、地域でBPD者を支えるための訪問看護師への支援プログラムを開発することを試みることとした。
著者
宮内 貴之 佐々木 祥太郎 佐々木 洋子 最上谷 拓磨 榊原 陽太郎
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.487-493, 2022-08-15 (Released:2022-08-15)
参考文献数
21

本研究の目的は,Bálint症候群を呈した患者1名を対象に日常生活活動(ADL)で用いられる代償手段を明らかにすることとした.事例は左後頭葉出血で急性期病院に入院中の80歳代女性とした.急性期病院入院中に事例のBálint症候群の重症度に変化はなかったが,ADLは向上し,セルフケアが発症から4週間で自立した.向上したADLでは非利き手を用いた視覚的な手がかりと体性感覚による代償手段を用いていた.このことから,Bálint症候群を呈した患者のADLの再獲得には非利き手を用いた視覚的な手がかりと体性感覚を活用した代償手段の練習が有効であると示唆された.
著者
廣澤 春任 名取 通弘 紀伊 恒男 高野 忠 橋本 樹明 大西 晃 井上 浩三郎 村田 泰宏 三好 一雄 井上 登志夫 野田 隆彦 栗林 豊 田嶋 隆範 近藤 久美子 佐々木 崇志 箭内 英雄 萩野 慎二 小倉 直人 岡本 章 杉山 祥太郎 HIROSAWA Haruto NATORI Michihiro KII Tsuneo TAKANO Tadashi HASHIMOTO Tatsuaki OHNISHI Akira INOUE Kouzaburo MURATA Yasuhiro MIYOSHI Kazuo INOUE Toshio NODA Takahiko KURIBAYASHI Yutaka TAJIMA Takanori KONDOH Kumiko SASAKI Takashi YANAI Hideo HAGINO Shinji OGURA Naoto OKAMOTO Akira SUGIYAMA Shohtaro 中川 栄治 NAKAGAWA Eiji
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.1-27, 1998-06

科学衛星「はるか」は, スポース VLBI に必要な工学諸技術の実験ならびにスペース VLBI による電波天文観測を行うことを目的として, 1997年2月12日, 宇宙科学研究所の新型ロケット M-V の初号機により打ち上げられた。「はるか」では数々の工学的課題への取り組みがなされたが, それらの中で, ケーブルとメッシュからなる, 有効開口径8cmのパラボラアンテナの軌道上での展開が, 最大の工学的課題であった。打ち上げ約2週間後の2月24日から28日にかけてアンテナ展開実験を行い, 展開に成功した。本稿は「はるか」のアンテナ展開実験を, 衛星システム全体としてのオペレーションの観点から詳述するものである。
著者
森田 尚樹 佐藤 幸男 櫻井 裕之 横堀 將司 石川 秀樹 梶原 一 海田 賢彦 松村 一 福田 令雄 濱邉 祐一 磯野 伸雄 田上 俊輔 藤原 修 副島 一孝 新井 悟 佐々木 淳一
出版者
一般社団法人 日本熱傷学会
雑誌
熱傷 (ISSN:0285113X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.76-89, 2022-09-15 (Released:2022-09-15)
参考文献数
17

東京都熱傷救急連絡会は熱傷救急ネットワークとして参画施設よりデータを収集, 分析し熱傷に関する啓発活動等を行っている. 今回1991年から2020年の30年間分9,698症例のデータを5年ごとに分け分析し, 熱傷症例の傾向を検討した.  総症例数に大きな変化は認めず, おもな受傷原因はflame burn, scald burn, inhalation injuryの順に多かった. 平均熱傷面積は有意に減少を認め, 平均年齢は有意に上昇し, 死亡率は有意に低下を認めた. 死亡症例の平均年齢は有意に上昇し, 平均熱傷面積は減少した. 死亡症例のBIは有意に減少したが, PBIは変化を認めず, 100をこえると死亡率は60%以上となった. 原因別症例数推移は, scald burnは増加傾向を, inhalation injuryは有意に増加した. これに対し, flame burnは有意に減少を認めた. Flame burnでは火災, コンロ等, 自傷行為, scald burnではポット・鍋の湯・油, 熱い食べ物, 風呂・シャワーがおもな受傷原因であった.  年齢別症例数は, 年少年齢 (0~14歳) ではポットの湯や油によるscald burn症例が増加傾向にあり, 対して火災によるflame burn症例は減少傾向を示した. 生産年齢 (15~64歳) では火災や自傷行為によるflame burn症例は減少傾向を認めた. 老年年齢 (65歳以上) では火災, コンロによるflame burn, 熱い食べ物, ポットの湯によるscald burnで症例数の増加を認めた. 出火原因はタバコの火の不始末 (不適当な場所への放置), 焚火, コンロが多く, 今後高齢者人口の増加に伴い, タバコの火の不適切な場所への放置, 焚火への注意喚起や, コンロ等のIH化や難燃性の衣類の推奨, ポットや鍋等の熱い食べ物による熱傷に対する啓発活動が重要であると考える.
著者
佐々木 正人
出版者
日本生態心理学会
雑誌
生態心理学研究 (ISSN:13490443)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.113-141, 2022-05-01 (Released:2022-06-27)
参考文献数
41

こんにちは,佐々木です.日本生態心理学会20 周年おめでとうございます.この機会を記念して何か話すようにご依頼いただきました.パワポを用意しました.はじめに本会創設の頃を短く振り返ります.次にエコロジカル・アプローチについて,自分のフィールドでの経験も紹介しながら,身体,場所,モノの3 つをテーマに話します.
著者
佐々木 雅弘
出版者
旭川医科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

これまでの指紋に関する研究は形態からの個人識別を中心に行われ、その他の目的で検査される事は無かった。もし,形態からの個人識別を行った後の指紋よりさらに別の種類の個人識別に有用な情報が引き出せるとすれば、鑑識実務上非常に有用である。一個の指紋から形態的検査のみならず、血液型,DNA多型が判定出来るとすれば,犯罪捜査上非常に大きな技術進歩と言える。今年度は部分指紋からPolymerase chain reaction法(PCR法)によりABO式血液型転移酵素遺伝子領域、D1S80領域、各種マイクロサテライト領域、性染色体特異配列などを増幅することによって性別判定と同時に血液型判定、個人識別を試み、有用であるとの結論を得た。現在、検索領域を性染色体上のいくつかのマイクロサテライトに広げ、そのアリル分析と、遺伝安定性、法医学的には性別判定と同時の個人識別、あるいは判別判定の確からしさの数値化にかんして検討を加えている。
著者
野村 恭子 松島 みどり 佐々木 那津 川上 憲人 前田 正治 伊藤 弘人 大平 哲也 堤 明純
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.647-654, 2022-09-15 (Released:2022-09-10)
参考文献数
26

本稿では第80回日本公衆衛生学会総会において,「ウィズコロナ社会のメンタルヘルスの課題と対策」をテーマとしたシンポジウムに登壇した,大学生,妊産婦,一般労働者,医療従事者を対象にコロナ禍のメンタルヘルス対策の実践および研究を行っている公衆衛生専門家により,それぞれの分野における知見・課題・対策を報告する。コロナ禍におけるメンタルヘルスへの影響を各世代,各フィールドへの広がりを概観するとともに,ウィズコロナ時代でどのような対策が求められているのか,問題点を抽出,整理し,公衆衛生学的な対策につなげていくための基礎資料としたい。
著者
西 康行 平川 治男 佐々木 淳
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.37-41, 2013-01-20 (Released:2014-02-07)
参考文献数
11

うつ病の既往を持ち、精神症状の増悪を主症状に当院精神科入院となり、副甲状腺腺腫摘出術後、精神症状が改善した副甲状腺腺腫の 1 例を経験した。基礎疾患に精神疾患を有する場合、副甲状腺機能亢進による高 Ca 血症に伴う精神症状が、基礎疾患の増悪ととらえられ、診断、治療が遅れることがあり、精神症状を主症状とする副甲状腺機能亢進症があることを認識すべきと考えられた。また今回の症例において、副甲状腺腺腫摘出術により精神症状が改善しており、精神症状の改善に関して、副甲状腺腺腫摘出術が有効であると考えられた。
著者
髙橋 司 榊 真智子 管 利大 佐々木 佑佳 小野 愛季 西山 徹 小林 武
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.AdPF1007, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 バランスは「質量中心を安定性限界(Limit of Stability: LOS)内に保持する能力」と定義される。また、筋力はバランスの構成要素の一つであるため、筋力低下が生じることでバランス能力が低下する。 バランスに関する先行研究は、立位バランスと姿勢調節筋について述べられているものが多い。主要姿勢筋は、主に安静立位姿勢を保持する役割を担っているが、足圧中心(Center of Pressure: COP)が絶え間なく移動している安静立位では、主要姿勢筋の活動のみでなく、当然足関節背屈筋なども関与している。しかし、足関節背屈筋と立位バランスの関係についての研究報告は主要姿勢筋に比べ数件しかなく、LOSとの関連は報告されていない。 しかしながら、臨床場面では脳卒中や腰椎椎間板ヘルニア、腓骨神経麻痺などによって前脛骨筋(Tibialis Anterior:TA)の筋力発揮が障害される疾患に多く遭遇する。TAの機能不全が立位LOSに与える影響を明確にすることは、臨床場面に有益な情報をもたらすと考える。これらの理由から、本研究はTAの筋力低下が立位LOSに与える影響を明確にすることを目的とした。【方法】 対象は健常男性21名(年齢21.1±1.0歳、身長170.5±5.9cm、体重61.4±6.4kg、BMI 21.1±1.3kg/m2)、対象筋は両側TAとした。測定項目は、徒手筋力計での足関節最大背屈筋力と重心動揺計を用いたクロステストでの足圧中心位置とし、各々TAの筋疲労前後で測定した。筋疲労はクロステスト実施中の筋力回復を考慮し、体重10%の重錘を足背部に負荷して30%以下になるまで背屈運動を行った。クロステストは、閉脚立位にて15秒間の静止立位後、前後左右ランダムにCOPを可能な限り移動させ、その位置を各々10秒間保持させた。疲労前後の平均COP位置を対応のあるt検定を用いて比較・検討した(p<0.05)。【説明と同意】 全被験者に対して実験実施前に本研究の目的・方法について、文書と口頭にて説明し実験参加の同意を得た。【結果】 疲労運動による足関節最大背屈筋力は、疲労前249.2±39.6N、疲労後63.1±27.0Nであり、疲労直後の筋力は疲労前の23.1±5.9%となった。足長と足幅のそれぞれ半分の位置を原点として、x座標は正で右方、負で左方に、そしてy座標は正で前方、負で後方に位置していることを示す。疲労前の静止立位位置は(-1.6±6.0,-12.3±8.3)%。LOSは、前方(-3.9±9.1,43.7±23.3)%、後方(-4.3±7.9,-48.3±23.9)%、右方(38.3±9.3,-10.9±7.2)%、左方(-49.1±9.3,-6.0±10.5)%であった。疲労後の静止立位位置は(-2.7±6.1,-17.2±11.8)%。LOSは、前方(-3.2±6.6,37.3±21.9)%、後方(-5.9±10.5,-38.2±23.9)%、右方(32.5±8.5,-17.9±10.7)%、左方(-38.2±10.6,-16.6±12.2)%であった。疲労前に比べ、疲労後のLOSは、足長・足幅に対して前方:6.9%、後方:10.1%、左方:10.6%、右方:5.8%それぞれ有意に減少した(p<0.05)。 また、疲労後の静止立位時と左右方向での姿勢保持時におけるCOP位置(y座標)は静止立位:4.9%、左方:10.6%、右方:7.0%それぞれ有意に後方へ変位した(p<0.05)。【考察】 TAの筋疲労前後での立位LOSは、疲労前に比べて疲労後は全方向で有意に減少した。また、静止立位時や左右方向での姿勢保持時におけるCOP位置は静止立位、左方、右方、それぞれ有意に後方へ変位した。 COPが前方移動すると母趾側荷重となり、足関節回内位となる。足関節の回内運動は内側縦アーチの降下を引き起こすことになる。後方移動では下腿は後方傾斜し、左右移動では外方傾斜する。 TAは内側縦アーチの保持を担い、閉鎖性運動連鎖では下腿の後方、外方傾斜の制動に関与する。そのため、TAの筋力低下により下腿の後方、外方傾斜の制動作用と内側縦アーチの保持作用の減弱が生じ、LOSが減少したと考える。また、静止立位位置と左右方向のCOP後方変位(y座標)については、足関節戦略での姿勢調節が関係していると考える。静止立位では、ヒラメ筋とTAの持続的な等張性活動によって姿勢を制御している。TAが疲労するとヒラメ筋とTAの筋活動比率が崩れ、TA劣位の姿勢制御となる。そのため、COPの後方変位が生じたと考えられる。【理学療法学研究としての意義】 臨床場面では脳卒中や腰椎椎間板ヘルニア、腓骨神経麻痺などによってTAの筋力発揮が障害される疾患に多く遭遇する。TAの機能不全が立位LOSに与える影響を明確にすることは、臨床場面に有益な情報をもたらすと考える。
著者
朝井 政治 俵 祐一 佐々木 綾子 岡田 芳郎 夏井 一生 中野 豊 神津 玲
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.D0484, 2006 (Released:2006-04-29)

【はじめに】 間質性肺炎における治療はステロイド薬を中心とした薬物療法が主体で、理学療法の適応は少ないとされてきた。しかし近年、病態の安定した本疾患患者において、運動療法により運動能、QOLが改善するという報告がみられている。今回、間質性肺炎の増悪でステロイド薬投与開始となった症例の運動機能を6分間歩行距離テスト(6MD)にて評価し、理学療法の効果を検討したので報告する。【対象】 当院呼吸器センター内科にて入院治療を行った間質性肺炎患者7名(男性4例、女性3例、平均年齢69.0歳)を対象とした。全例とも間質性肺炎の増悪にて入院となった。全例でステロイド薬が投与され、うち5名で短期間大量投与による治療(パルス療法)が行われた。【方法】 入院中に実施した6MDによる歩行距離、酸素飽和度(SpO2)の変化、呼吸困難感の変化(Borg Scale)を指標とし、ステロイド薬投与前(1回目)とパルス療法後または投与開始から2週もしくは4週間後(2回目)で比較(薬物療法効果)するとともに、2回目の結果とステロイド薬減量中に並行して一定期間運動療法を実施した後を比較(理学療法効果)し、その効果の相違を検討した。理学療法は上下肢の筋力増強、歩行・自転車エルゴメータによる運動耐容能向上を目的とした運動療法を中心に実施した。運動の負荷量は、SpO2やHRをモニタリングしながら、Borg Scaleにて3-4を目安とした。運動時間は30-40分とし、1日1回、週6日の頻度で実施した。【結果】1)薬物療法効果:1例で入院直後にパルス療法が行なわれたため、6例で検討した。1回目と2回目の比較では、2回目の6MDは全例で増加を認め、平均91.7m(25-260m)増加した。SpO2は、平均で1回目7%の低下、2回目5.6%の低下、呼吸困難感は1回目0.5-6、2回目0-3であった。2)理学療法効果:理学療法の実施期間は平均50.0日(平均実施回数30回)で、実施期間中に原疾患の悪化あるいは感染等で再増悪した症例はなかった。3回目の歩行距離は、2回目の結果からさらに平均34.3mの増加を認めた。SpO2は平均7.2%低下したが、最低値は87-92%と著明な低酸素血症は認めなかった。呼吸困難感は0-4であった。【考察】 2回目の歩行距離の著しい増加は、薬物療法による呼吸機能の改善が運動能力の向上につながったと考えられた。3回目では、さらに平均で34.3mの増加を認め,理学療法を行うことにより、薬物療法による改善に加え、さらなる運動機能の向上を期待できると思われた。 今回の結果はあくまで理学療法と薬物療法との相乗効果であるが、ステロイド長期投与の副作用による運動機能の低下予防の点からも早期からの理学療法導入により、運動機能を維持・向上していくことが重要であると思われた。
著者
佐々木秀司鳩山一郎著
出版者
警察学会
巻号頁・発行日
1908
著者
橋爪 和夫 勝木 豊成 佐々木 弘
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.23-32, 1989-07-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
18
被引用文献数
1

To discuss the “Ki-Ken-Tai-no-Ichi” which is a traditional conception in the movements of Kendo, the relationship of “HASSEI” and the respiratory phase with the attack movement of Kendo was studied in Kendo Shomen Dageki.The results were as follows:1) “KAKEGOE” is shouted for 1.71+0.578 sec and “DATOTSU BUI KOSHO” is shouted for 1.85+0.302 sec in 19 male students.2) While a moment from disappearance of “KAKEGOE” to “DATOTSU”, the right arm is flexed (0.123 ± 0.035sec) and extended (0.125 + 0.039sec) in 19 male students.3) The time from the right foot is separated from a floor to “DATOTSU” is statistically different between college students (n=10) and senior high school students (n=10) at the 5% level.4) The movement pattern that “DATOTSU BUI KOSHO” appears before SINAI is touched the opponent's MEN and the right foot is touched a floor after “DATOTSU” is the same for the elemental school children and the senior high school students and the college students.5) In “ZANSHIN” after “DATOTSU” the physical tension is maintained until the large volume of air is expired.
著者
備前 由紀子 佐々木 久長 BIZEN Yukiko SASAKI Hisanaga
出版者
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻
雑誌
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 (ISSN:18840167)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.53-65, 2016-03-31

本研究は, 高齢者の希死念慮とレジリエンスの関連を明らかにし, 高齢者の自殺予防のあり方を検討することを目的とした.秋田県A市の60歳以上の住民954人を対象とし, 健康推進員に調査対象への調査票配布を依頼した. 回収は対象者から直接郵送法とした. 調査内容は二次元レジリエンス要因尺度, 過去(最近1ヶ月間を除く) と最近1ヶ月間のそれぞれの希死念慮の有無, 抑うつ度(K6), 情緒的サポートである.その結果, 希死念慮の有無による二次元レジリエンス要因尺度得点の比較では, 過去あり群と最近あり群のそれぞれにおいて, 「資質的レジリエンス要因」の4つの下位因子全てとその合計点, 「獲得的レジリエンス要因」の下位因子「問題解決思考」「自己理解」とその合計点で過去なし群と最近なし群が有意に高かった. 過去と最近の希死念慮の有無をクロス集計したところ, 過去あり群の60.7%が最近あり群であり, 過去なし群の99.4%が最近なし群であった. 過去に希死念慮を抱いた人は再び抱きやすく, 過去に希死念慮を抱いたことのない人は, その後も抱くことがほとんどない傾向にあった.これらの結果から, 高齢者に対してレジリエンスに注目した自殺予防対策の可能性があること, 過去に希死念慮があった人を対象に自殺予防対策を行うことが効果的であることが示唆された.
著者
佐々木 一郎
出版者
日本香粧品学会
雑誌
日本香粧品学会誌 (ISSN:18802532)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.85-92, 2018-06-30 (Released:2019-06-30)
参考文献数
21

Although many previous studies have focused on the association between beauty and happiness, there have been few studies on the association between variation in the evaluation of beauty and happiness. The purpose of this study was to examine the association between variation in the evaluation of beauty and happiness in Japan, England and China. We used data from a cross-sectional survey of 1,500 women of between 20 and 69 years of age, which was collected online in Japan, England and China. We performed logistic regression to calculate the odds ratios and 95% confidence intervals for happiness. We found that after controlling for the socio-economic status, the odds ratios (95% confidence intervals) for happiness in individuals with a physically beautiful appearance (in comparison to non-beautiful individuals) at both the present time and 15 years previously were 4.70 (1.72–12.82), 4.38 (2.23–8.60), 10.60 (4.67–24.06) in Japan, England and China, respectively. The results indicated that higher subjective beauty was intertemporally associated with higher happiness in Japan, England and China. Further studies should be performed to investigate the association between the intertemporal evaluation of beauty and happiness.
著者
佐々木 脩 谷 重和
出版者
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.303-309, 1997-12-15 (Released:2016-08-20)
参考文献数
11
被引用文献数
3 4

秋田県において急激に増加したヤマビルによる吸血被害を防止する目的でヤマビルの化学的・微生物学的防除を試みた。侵淫地である井川町での5%デイートを含有するマイクロカプセル化粉剤の6,7月の2回の散布によりヤマビルの発生はほぼ抑制された。昆虫毒性を有するBeauveria bassianaとFusarium solaniの殺ビル効果が室内および野外で確認された。