著者
村岡 ひとみ 佐藤 陽治
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.207-216, 2014-07-20 (Released:2014-10-21)
参考文献数
2

平成25年、わが国の再生医療・細胞治療の実用化を目的とした3つの重要な法律が成立した。これらの法律では、再生医療・細胞治療の臨床試験や関連する産業に対する規制について、新たな整備が行われている。特に重要な変更点としては、薬事法改正により「再生医療等製品」が「医薬品」や「医療機器」から独立した新しいカテゴリーとして分類され、一部の再生医療等製品については条件及び期限つき承認制度が導入されたことと、再生医療等安全性確保法により、医師が患者から採取した細胞を医療のために加工する作業を外部事業者に委託することが認められたことが挙げられる。本稿では、これらの新たな再生医療等に関する規制について概説するとともに、再生医療の早期実用化に必要なレギュラトリーサイエンス上の課題について解説する。
著者
佐藤 広英 太幡 直也
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集
巻号頁・発行日
vol.5, pp.29-40, 2018-03-15

本研究の目的は,高齢者がインターネット利用に対してどのようなリスク,ベネフィットを認知しているのか,その具体的な内容を若年者との比較を通して検討することであった。高齢者および若年者を対象とする半構造化面接の結果,高齢者は若年者よりも詐欺被害に遭うリスクやウイルスに感染するリスクを認知していること,ネット自体に対する不安・恐怖を認知していること,インターネット上でのコミュニケーションに関するリスクをあまり認知していないことが示された。ベネフィット認知については,高齢者,若年者を問わず,情報収集の容易さや速さに対してベネフィットを認知していることが示された。その他,高齢者,若年者それぞれのインターネットの利用目的に対応したリスクやベネフィットが多く認知されることが明らかになった。
著者
大東 延久 清地 正人 綱脇 恵章 藤田 雅之 今崎 一夫 中井 貞雄 三間 圀興 車 信一郎 後藤 道夫 小久保 正之 中尾 直也 山中 千代衛 加瀬 貞二 青山 誠 赤羽 温 中野 文彦 松岡 伸一 山川 考一 大前 吾一 八木 隆志 伊藤 紳二 文 雅司 和泉田 真司 小野 晋吾 劉 振林 大竹 秀幸 猿倉 信彦 耿 紀宏 和田 智之 浦田 佳治 田代 英夫 南畑 亮 児玉 英範 田上 潤一 河仲 準二 窪寺 昌一 佐々木 亘 黒澤 宏 寺嶋 克知 田中 宏和 久保 博一 鈴木 徹 太田 毅 榎波 龍姫 若林 理 溝口 計 大部 彩子 渡邊 隆之 中野 真生 堀 司 西坂 敏博 伊藤 貴志 小島 哲夫 今野 進 藤川 周一 安井 公治 吉澤 憲治 森 勇介 佐々木 孝友 田中 光弘 岡田 幸勝 島村 清史 Namujilatu 福田 承生 松原 健祐 田中 歌子 今城 秀司 早坂 和弘 大向 隆三 占部 伸二 渡邊 昌良 大場 正規 加藤 政明 丸山 庸一郎 小矢田 康晴 山本 修平 平野 嘉仁 Pavel Nicolaie 佐藤 聡長 伊藤 篤史 大島 広明 吉田 弘樹 阪上 幸男 挾間 寿文 西岡 一 鬼澤 敦子 上原 昇 植田 憲一 西村 昭彦 宅間 宏 常包 正樹 田口 昇 稲場 文男 関田 仁志 RUTHERFORD Todd TULLOCHI Bill 笠松 直史 BYER Robert 松井 宏記 江口 武芳 川田 安男 金辺 忠 山中 正宣 中塚 正大 井澤 靖和 神崎 武司 宮島 博文 宮本 昌浩 川嶋 利幸 岡田 康光 菅 博文 秋山 靖裕 高瀬 智裕 高田 淳 湯浅 広士 小野 明 吉田 史朗 中山 通雄 佐藤 雅夫 内藤 真哉 町田 久忠 家久 信明 軽部 規夫 西畑 実 鈴木 伸孝 太田 忠喜 藤原 弘康 市位 友一 木村 信二 木村 美紀雄 庄司 康浩 今城 正雄 柳澤 隆行 内野 修 永井 智広 長澤 親生 住吉 哲実 荒井 恒憲 佐藤 俊一 石原 美弥 菊地 眞 バサ ニレシ 岡田 龍雄 前田 三男 水波 徹 松岡 直哉 岡崎 豊 菊池 健 山口 滋 南里 憲三 藤岡 知夫 森 啓 鈴木 薫 中田 順治 嘉成 和孝 小平 裕司 内藤 靖博 永野 宏 蓮池 透 谷脇 学 清水 幸喜 熊谷 幹郎 高島 洋一 遠藤 雅守 川上 政孝 武田 修三郎
出版者
The Laser Society of Japan
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.23-24,27, 1999
著者
坂井 正宏 永井 伸治 河野 明廣 後藤 俊夫 古橋 秀夫 内田 悦行 佐々木 亘 米谷 保幸 河仲 準二 窪寺 昌一 加来 昌典 田中 鋭斗 島田 秀寛 和仁 郁雄 遠藤 雅守 武田 修三郎 南里 憲三 藤岡 知夫 河野 貴則 杉本 大地 川上 政孝 長友 昭二 梅原 圭一 砂子 克彦 登倉 香子 中澤 幹裕 福田 祥吾 草場 光博 綱脇 恵章 大東 延久 藤田 雅之 今崎 一夫 三間 囹興 大久保 宏一 古河 祐之 中井 貞雄 山中 千代衛 奥田 喜彦 太田 篤宏 直川 和宏 清地 正人 田中 秀宏 Roy Prabir Kumar 文 雅可 佐野 栄作 中尾 直也 沓掛 太郎 衣笠 雅則 山口 滋 森 啓 鈴木 薫 中田 順治 上東 直也 山中 正宣 和田 一津 内藤 靖博 永野 宏 蓮池 透 谷脇 学 清水 幸喜 佐藤 俊一 高島 洋一 中山 通雄 湯浅 広士 津野 克彦 滝沢 実 小西 泰司 畠山 重雄 沈 徳元 劉 安平 植田 憲一 桐山 博光 西田 幹司 日浦 規光 市位 友一 松井 宏記 田中 広樹 井澤 靖和 山中 龍彦 久保 宇市 神崎 武司 宮島 博文 宮本 昌浩 菅 博文 沖野 一則 今井 浩文 米田 仁紀 上田 暁俊 門馬 進 斎藤 徳人 赤川 和幸 浦田 佳治 和田 智之 田代 英夫 Droz Corinne 古宇 田光 桑野 泰彦 松原 健祐 田中 歌子 今城 秀司 早坂 和弘 大向 隆三 渡辺 昌良 占部 伸二 小林 準司 西岡 一 武井 信達
出版者
The Laser Society of Japan
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.27-55,60, 1998
著者
梅津 直貴 井ノ上 寛人 堀内 恒 佐藤 美恵 小黒 久史 春日 正男
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 35.39 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.41-44, 2011-10-06 (Released:2017-09-21)
参考文献数
5

近年,博物館や舞台,旅行ツアーなどの分野では,観賞対象に合わせて音声やBGMを提供する音声案内システムが検討されている.これらのシステムでは音響情報を実空間に整合させて提示することができ,この方法は実空間に情報を付加提示する拡張現実(AR)として知られている.しかし,ARに関する多くの研究は,主に視覚情報の提示方法について注目したものであり,聴覚情報と組み合わせた提示方法の研究は未だ十分とはいえない.本稿では,観賞者の注意に応じて空間の音響制御を加えることにより,音声の位置や方向がより分かり易くなるAR空間を創出する音声案内システムを検討する.
著者
柴岡 晶 石黒 輝 大館 佳奈 佐藤 健二 渡部 哲平
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

Ⅰ.はじめに<br>&nbsp;近年、高齢者や身体に障害を持つ人々が障壁を感じることなく生活できるような、バリアフリーなまちづくり整備がいっそう求められている。 こうした社会的背景の中で、バリアフリー設備の実用性や効果を評価し、その課題を見出す研究が行われている。また、情報通信技術の発達により、調査で得られたデータをある一定の基準をもとに数値化し、比較分析を行ったり、得られたデータを地図上に表現したりすることで、より視覚的にわかりやすく分析し提示することも可能となっている。本研究ではこのような定量的かつ地理学的な分析手法を用いて、①バリアのデータベース化及びそれに基づく現状分析、②それらのバリアの情報を活用し、GoogleMapsによるバリアの可視化及びGoogleEarthでの立体的表示を用いて、あらゆる対象者にとって有用性の高いマップを作成すること、の2点を目的とする。<br>Ⅱ.対象地域と研究手法<br> JR飯田橋駅を中心に、近隣に位置するJR水道橋駅、地下鉄神楽坂駅、牛込神楽坂駅、九段下駅に及ぶ範囲である半径800m圏内を調査区域と設定し、その中の道路及びその歩道を調査対象としている。 調査にあたっては、まず対象となる道路を、交差点を目安に分割し、調査ブロックを設定した。次に、計測と目視による実測調査と白杖や車いすを使用した体験調査を主体としたフィールドワークを行い、調査ブロックごとにバリアやバリアフリー整備状況を調査してバリアの可視化の基礎となる調査データを蓄積させていった。 これらのフィールドワークによって得られたデータは、定量評価基準によってブロックやバリアの項目ごとに点数化するとともに、バリアの属性によって細分化した。これらのデータから、実測調査、白杖調査、車いす調査の3つの調査に基づくバリアマップをそれぞれ作成し、バリアの分布を地図化して分析を行った。 これらの調査や分析によって、調査区域の道路及びその歩道が、車いす利用者や視覚障がいを持つ人にも通行しやすいものであるかを評価し、加えて自治体ごとに交通バリアフリーへの取り組みの差異について、詳細や存在する原因について考察した。<br>Ⅲ.データベース化とバリアの可視化<br> 本研究においては、各ブロックにおける項目ごとの評価点数のほかに、実際の測定値、沿線の特徴や駅からの距離などのファクター、点字ブロックや自転車専用レーンなどの整備状況、そして実測調査、白杖体験調査、車いす体験調査それぞれのバリアの地点数という、計56項目のデータを、全87ブロックにおいて収集した。これをもとに、「何が」「どこで」「誰に対して」バリアなのかを明確にしつつ、多角的な分析を行った。<br>Ⅳ.バリアマップの作製とその有用性<br> 収集したバリアの情報は、GoogleMapsやGoogleEarthを用いてマップ化した。インターネットに接続しているPCやスマートフォンから利用できるバリアマップで、ただバリアをマッピングするだけでなく、現地のバリアの具体的な状況や写真をプロットしたバリアそれぞれに紐づけることで、そのバリアの特徴をわかりやすく表現した。
著者
佐藤 海二 前田 ギレルメ 橋詰 等 進士 忠彦
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.698-698, 2005

本論文は,コンパクトナノ加工機用に開発した超精密XY位置決めテーブルシステムの制御性能向上を目的に行ったコントローラの改良とその有効性について述べている.使用するアクチュエータは4個,目標値は位置,姿勢のみとし,外乱抑制特性の向上,行過ぎ量の抑制のためにXYθ3方向のコントローラを改良している.設計した制御系を用いて半径100nm,周期500Hz以下で円運動させたところ,軌跡誤差は11nm以下と良好な実験結果を示している.
著者
佐藤 慶明
出版者
THE CARBON SOCIETY OF JAPAN
雑誌
炭素 (ISSN:03715345)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.261, pp.29-31, 2014

<i>sp</i><sup>2</sup>炭素の2次元ハニカムネットワーク構造をもつグラフェンは,その特異的な π 電子物性が注目されるとともに,現在のナノ物性科学の重要な一端を担っている。特に,原子1層の厚さしかないグラフェンでは,表面に吸着した分子がグラフェンの π 電子状態を大きく変調させるゲスト種として働き,電子輸送特性など様々な電子物性の変化が顕れる。したがって,表面分子・グラフェン間に働くホスト–ゲスト相互作用のメカニズムを理解し制御することが重要となる。本学位論文では,ゲスト種として弱い電子アクセプターとしての性質と,三重項(<i>S</i>=1)磁性を併せ持つ酸素分子に着目した。グラフェンFET (Field-Effect Transistor)デバイスにおける電子輸送特性の測定実験を通して酸素吸着効果を系統的に検証し,圧力・温度条件による酸素吸着構造の変化に応じた,様々な電子的・磁気的変調効果がグラフェン電子物性に顕れることを明らかにした。また,吸着現象もグラフェンの電子状態の影響を強く受けており,外部電場等によりグラフェンの電子密度を変調させることで,酸素吸着の挙動を制御可能であることを示した。<br>本学位論文は全6章から構成されている。第1章で本研究の背景,目的,意義を述べた後,第2章で電子輸送ならびに電荷移動反応過程の考察に必要な理論的枠組みを提供した。第3章ではグラフェン電子輸送特性に対する室温下酸素吸着効果を電子散乱・電荷移動の2点に着目して議論した。電荷移動活性のフェルミ準位依存性を反映した酸素吸着挙動変化が観測されたことを踏まえ,電気化学反応機構の知見をベースとしたグラフェン上吸着キネティクスの理論的モデル構築を行い,グラフェン等の低次元物質に対する吸着の特殊性について指摘した。第4章では第3章の結果を発展させ,グラフェンをデバイス化したときに問題となる電荷分布の空間的不均一性が室温化学吸着に与える影響について実験・理論両側面から議論し,吸着分子の空間分布制御の可能性を示唆した。第5章では,液体窒素温度以下での低温における酸素吸着(物理吸着)効果について述べ,観測された異常な磁気抵抗振動と,グラフェン伝導電子–吸着固体酸素2次元スピン格子構造間の磁気的相互作用の関連について記述した。第6章では本研究における成果をまとめ,今後の展望について述べた。本稿では,学位論文の主要部である第3章から第5章にかけて説明する。
著者
佐藤雅彦著
出版者
中央公論新社
巻号頁・発行日
2017
著者
荒川 慎太郎 佐藤 貴保 小野 裕子
出版者
東京外国語大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

荒川(主に仏典担当)・佐藤(主に官文書担当)・小野(主に法律文書担当)は、ロシア科学アカデミー東洋文献研究所所蔵、西夏文字草書体各種資料に関する実見調査と研究を行った。また荒川は敦煌石窟に書かれた草書体西夏文題記なども調査した。各メンバーは各種草書体文献の歴史学的・言語学的研究を発表した。西夏文字草書体字典の雛型を含むいくつかの論文を、研究成果報告書「ロシア所蔵資料の実見調査に基づく西夏文字草書体の体系的研究」にまとめ、これを2016年3月に刊行した。将来的には本研究の成果を活かし、西夏研究に資する字典・資料集の公刊に努めたい。
著者
川口 安郎 中村 芳正 佐藤 俊幸 武田 節夫 丸中 照義 藤井 節郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.525-536, 1978-04-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
14
被引用文献数
5 8

After oral administration of 5-fluoro-1, 3-bis (tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (FD-1), the level of 5-fluoro-2, 4-pyrimidinedione (5-FU) was 5 to 7 times higher in the plasma and normal tissues and 8 to 12 times in tumor tissue than after administration of 5-fluoro-1-(tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (FT). Moreover, these levels were maintained longer than after administration of FT. In tumor tissue, the concentration of 5-FU was still as high as 1.42 μg/g 12 hr after administration of FD-1. FD-1 was degraded to 5-fluoro-3-(tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (3-FT) by liver microsomal drug-metabolizing enzymes in vitro and to FT spontaneously. Subsequently, FT was converted enzymically to the active substance, 5-FU, and 3-FT changed to 5-FU spontaneously. Conversion of FD-1 to 5-FU via 3-FT was greater than via FT. It is concluded that a large amount of 5-FU formed after administration of FD-1 is formed via 3-FT. γ-Hydroxybutyric acid was found to be formed in vivo and in vitro from the tetrahydrofuranyl group of FD-1.
著者
佐藤 創
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.279-282, 1998-11-16
参考文献数
13
被引用文献数
1

通常ではハリギリ種子は結実翌々年の春に発芽する。ハリギリ種子の発芽を1年早めることを目的に, 11の湿層処理を行った。精選種子に対して25℃の高温湿層処理を1,2,3,4カ月間加えた後, 5℃の低温湿層処理を3カ月間加える4処理, 5℃の低温湿層処理を4,5,6,7カ月間加える4処理, 40℃または55℃の超高温湿層処理を1カ月間加えた後, 低温湿層処理を3カ月間加える2処理, さらにコントロールとして野外に放置する処理を行った。発芽率は高温湿層1,2,3,4カ月間処理で, 順に0.26%, 1.78%, 11.73%, 44.9%で, それ以外の処理では発芽が見られなかった。上記の処理は果実を1カ月5℃で保存した後で行った。したがって, 果実を同様に保存した後, 高温湿層4カ月+低温湿層3カ月の処理を加えれば, 実用的に十分な数の種子を通常より1年早く発芽させることが可能であると結論づけられる。
著者
佐藤 勲 井上 正四郎 安藤 忠治 稲沢 昭
出版者
The Japanese Society of Swine Science
雑誌
日本養豚研究会誌 (ISSN:03888460)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.45-49, 1965

1 50頭1群による甘藷畑放牧の結果, 発育および飼料の利用性において, 前報よりはややよくなかった。また, ヨークシャーとF<sub>1</sub>の発育差は, 所要日数で約25日, 1日平均増体重で約160gで, F<sub>1</sub>の有利性を示した。<br>2 放牧中の事故豚は, へい死1頭, 病豚6頭で隔離治療の必要があった。<br>3 50頭1群の放牧に要した所要労力は, 遊休労働時間を除いて, 1頭1日当り1.9分で, 1頭当りの労働費は337円となった。<br>これは, 生産費のうちの2.2%であった。<br>4 飼料費は, 1頭当りを, 甘藷生産費でみると8,371円, 原料用甘藷価格でみると, 9,416円であった。これは, 生産費のうちの54.2%にあたる。<br>5 素畜費は, 最近, 子豚価格の高騰により5,540円を要し, 生産費のうち35.9%をしめている。<br>6 販売費用は, 1頭当り1,661円で, 総売上げの8.3%, 収益の39%をしめた。<br>7 甘藷畑41.74aに, 50頭放牧した場合の経済価値は, 自給飼料利用価172,960円となり, これから甘藷生産費を除くと, 127,482円であった。すなわち, 甘藷1kg当りの利用価は, 20.35円で原料用甘藷価格の約2.5倍になった。<br>8 この場合の139日間における1日平均収益は926円であった。<br>9 枝肉価格と採算の限界では, 枝肉kg当り290円が限界で, 1日1000円の収益を得るためには, 枝肉価格は330円を下まわってはだめで, その場合の飼料費は, 8,363円, 素畜費は, 5,532円が最高の限界となる。