著者
林 智子 上野 英二 伊藤 裕子 岡 尚男 尾関 尚子 板倉 裕子 山田 貞二 加賀美 忠明 梶田 厚生 藤田 次郎 小野 正男
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.356-362, 1999-10-05
参考文献数
18
被引用文献数
8

食品中のβ-カロテン及びトウガラシ色素の逆相TLC/スキャニグデンシトメトリーによる分析法を検討した. 食品から抽出後,β-カロテンはそのまま, トウガラシ色素はけん化して, C18カートリッジを用いて精製し, TLC (プレートは逆相C18, 展開溶媒はアセトニトリル-アセトン-<i>n</i>-ヘキサン=11:7:2) を実施した. 両色素ともに良好な分離と安定した<i>Rf</i>値が得られた. TLC上のスポットにスキャニングデンシトメータを用いたところ, 良好な可視部吸収スペクトルが得られ, 本法はβ-カロテン及びトウガラシ色素の分析に有効であることが明らかとなった.
著者
板倉 憲政
出版者
日本学校メンタルヘルス学会
雑誌
学校メンタルヘルス (ISSN:13445944)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.197-203, 2017 (Released:2020-11-13)
参考文献数
22

【問題と目的】本研究の目的は,親子間での担任教師に関するコミュニケーションと高校生の教師に対する信頼感および登校回避感情との関連を検討することであった。【方法】インターネット調査会社MELLINKSに登録している対象者の中で,本調査への協力同意が得られた高校生250名(男子125名,女子125名)を対象に質問紙調査を実施した。調査内容は,親子間での担任教師に関するコミュニケーション,教師に対する信頼感,登校回避感情であった。【結果】親子間での担任教師に関する肯定的コミュニケーションと生徒の教師に対する安心感および役割遂行評価の間に正の関連が示された。また,親子間での担任教師に関する否定的コミュニケーションと生徒の教師に対する不信および登校回避感情の間に正の関連が示された。【考察】本研究の結果から,生徒の認知する保護者の教師に対する信頼感が,生徒の教師に対する信頼感の規定要因になっている可能性が示唆された。高校における不登校支援では,母親の担任教師への評価を肯定的に変化させる支援が有効であると考えられる。
著者
安部 喜也 小倉 紀雄
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.4-8, 2010 (Released:2019-12-15)
参考文献数
14

The idea of sociogeochemistry, which aims to analyze the roles of human activity from the geochemical point of view, was first proposed by Takahisa Hanya, then a professor of Tokyo Metropolitan University, in around 1960. He reached to this idea through studies of geochemical material balance of chemical elements in Japan islands under the influences of similar ideas by some pioneers, like Buffon and Vernadsky, who had pointed out the importance of the effects of human activity on the history of the earth or geochemical cycles of elements. Based on the idea of sociogeochemistry, Hanya and his coworkers made lots of studies on water pollution and material flow in urban areas. Parallel to these problems, they made studies on methodology of sociogeochemistry introducing a systems-analysis method. While the concept of sociogeochemistry was not widely accepted at first, it is becoming popular more and more along with the increase of environmental problems in the present day.
著者
阿部 清一 川本 克也 倉持 秀敏 大迫 政浩
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.25, 2014

溶融技術は、1,300~1,400℃の高温炉内で処理固形物を塩化物や可燃物と共に溶かし、Csを塩化揮発等により高効率に揮散分離して溶融飛灰中に濃縮できる技術である。前報では、草木類を含む土壌を対象として、大型テストプラントを用いた溶融試験を行い、Csを高効率で分離できることを確認した。そこで、本報では、処理対象の範囲を広げ、バイオマス焼却灰、下水汚泥焼却灰及びそれらと土壌の混合物について同様の実証試験を行い、以下の結果を得た。<br>① 対象物種によらずCaCl2添加により塩化揮発が起こり、全条件において95%以上、最大99.9%のCs揮散率が得られた。<br>② 二段BFの適用により、Csは少量のNo.1 BF灰に高濃度濃縮できた。また、それは水溶解しやすい性状であった。<br>
著者
渡邉 尚孝 久保田 眞吾 倉増 泰弘
出版者
梅光学院大学子ども未来会議
雑誌
子ども未来学研究 (ISSN:18817424)
巻号頁・発行日
no.12, pp.39-51, 2018-02-28

本研究は,海外留学の効果に関する先行研究を踏まえ,1ヶ月間のフィリピン短期海外留学を経験した学生の体験レポート(149名分)の中から,異文化体験の学習過程を示す記述を中心にテキスト分析を行うものである。特に短期留学プログラムの意義や効果を把握し,今後のプログラム更新に向けた示唆を得ることを目的とする。方法としては, KHcoderによる計量テキスト分析を用いた。現地における語学研修以外の活動に関する記述内容を検討し, 1"生活環境に関することJ1"対人関係に関することJ1"文化に関することJ1"自分自身に関することJ1"ボランティアに関すること」の5つのコードに分類して解析した。その結果,90%以上の学生が現地の生活環境や対人接触の中で自国あるいは自分自身を振り返り,帰国後の生活に対する意識の変化を感じるなど,貴重な体験をしていることが確認できた。特にサブプログラムにおけるボランティア体験はそのきっかけとなっていることが認められ,生活環境の違いや子どもたちとの関わりは強いインパクトを持つと考えられた。
著者
入倉 友紀
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.73-90, 2020

<p>本論文では、1916年から1919年にかけて活動したユニバーサル社の子会社、ブルーバード・フォトプレイズに着目する。同社は設立当初、作品の質を重視し、5リールの長編劇映画を週に1本公開するという理念を打ち出した。1910年代は、映画製作の主流が短編やシリアルから長編へと変化していった時代であり、ブルーバード社の活動に着目することは、ユニバーサル社の長編劇映画への取り組みを考える上で非常に重要である。</p><p>ブルーバード社は同時代の日本映画へ与えた影響がよく知られている一方で、アメリカ映画史においては長い間忘れ去られた映画会社であった。しかし、近年のフェミニズム的な映画史再考の流れによって、同社は非常に多くの女性監督の作品を製作していたことが明らかになり、ようやく本国アメリカにおいても注目を集めつつある。しかし同社の全貌は未だ謎に包まれており、まとまった文献も存在していないのが現状である。</p><p>そこで今回は、ブルーバード社の3年の活動期間に着目してその変遷を追いつつ、同社に在籍した3人の女性監督、ロイス・ウェバー、アイダ・メイ・パーク、エルシー・ジェーン・ウィルソンの活動を論じ、その影響を明らかにすることを目指す。</p>
著者
倉阪 秀史 佐藤 峻 鷺谷 駿
出版者
千葉大学公共学会
雑誌
公共研究 = Journal on public affairs (ISSN:18814859)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.286-297, 2018-03

[はじめに] 石炭火力発電を新設する計画が全国各地で行われている。その背景には、石炭の価格が安価で経済性が見込めることがあげられるが、地域経済に経済効果は実は短期間にとどまる。本稿では、過去の石炭火力発電建設が立地自治体の財政力指数に及ぼした効果を振り返って、このことを実証するとともに、千葉市で計画されている規模の石炭火力発電をモデルとして、地域経済に及ぼす効果と税収に及ぼす効果を概算してみたものである。
著者
岩間 俊太 倉内 賢一 門田 育生
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.65, pp.85-92, 2014

<p>副産石灰肥料として肥料登録されている転炉スラグ(商品名「てんろ石灰」)を用いて土壌pH を7.5 程度に矯正することで,レタス根腐病の被害軽減が可能かを接種試験により検討した.また,土壌pH 矯正とレタス品種の耐病性を併用した場合の被害軽減効果を圃場試験により検討した.接種試験では,土壌フスマ培養により得られた汚染源を園芸培土と混合して人工汚染土を作成し,人工汚染土のpH 矯正後にセルトレイに播種し育苗した場合と育苗株をポットに移植し栽培した場合とで,発病程度の比較を前者では地上部について,後者では地上部と地下部について行った.その結果,いずれもpH6.6 程度の未矯正の場合と比較し,pH7.5 程度に矯正することで発病程度が低下した.圃場試験では,本病菌レース1 による被害が確認された現地農家圃場で2012 年と2013 年に春作試験と秋作試験を行った.同一圃場内にpH 矯正区(pH7.5 程度)とpH 未矯正区(pH6.0 程度)を設置して耐病性の程度の異なる品種を栽培し,地上部と地下部の発病程度を比較した.その結果,土壌pH 矯正と比較的耐病性の高い品種とを併用することで,それぞれの単用の場合よりも発病程度が低下する傾向にあり,被害軽減効果が向上した.</p>
著者
山崎 瑞紀 倉元 直樹 中村 俊哉 横山 剛
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.305-314, 2000-09

山崎・平・中村・横山(1997)に引き続き, 本研究においては, アジア出身学生の対日態度, 及び対異文化態度と, それらに影響する要因の関係を検討した。態度形成モデルは, エスニシティ(民族性)の観点から構成された。「対日態度」, 「対異文化態度」, 「友人関係」, 「肯定的経験」, 「否定的経験」, 「自分たちのエスニシティがホスト社会に受け入れられているという認知」といった構成概念が測定された。日本語学校に通う399名のアジア出身学生が質問紙に回答した結果, 以下の点が示唆された:(1)「日本人による受容の認知」は, 肯定的な対日態度, 対異文化態度の形成に重要な役割を果たす, (2)中国出身の学生は, 韓国出身の学生よりも, 日本人と豊かな「友人関係」を形成しており, 「肯定的な経験」が多く, 滞在社会は自分たちの民族文化に対して関心を持っている, と感じており, より親和的な「日本人イメージ」を形成している, (3)さらに, 前回, 留学生を対象に行った調査結果と比較したところ, 日本語学校生は留学生よりも, 「肯定的経験」が少なく「否定的経験」が多いこと, 「日本人との交流意図」, 「異文化との交流意図」が低いことが示唆された。
著者
上倉 庸敬 田之頭 一知 渡辺 浩司
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、ドラマ繰り広げられる場で音楽がはたす役割を観客の観点から実証的に解明しようとするものである。そのさい研究の最大の動機(モティーフ)となったのは、研究対象としての、ドラマにおける音楽および効果音楽というものが美学においても音楽学においても、従来あまり主題的にはとりあつかわれないまま充分に研究されてこなかったということである。ないよりも強調されねばならないのは、ドラマ空間や劇場における音楽ないし効果音楽なるものとは、ドラマそれ自体、劇それ自体とは異なる独自の効果を観客に与えているということである。本研究が当初その解明をめざしていた問題は多岐にわたるが、とりわけ重点をおいていたのは、1.ドラマや劇に附けられた音楽ないし効果音楽がドラマや劇とは独立した一つの芸術ジャンルたりうるか、2.音楽ないし効果音楽がドラマや劇と独立して観客の感情におよぼす影響がどれほどのものであるのか、3.ドラマや劇の構成を観客が理解するさいに音楽や効果音楽がどれほどの・どのような役割を担っているのか、といった問題である。そのうちでも2と3とに最も重点がおかれており、ドラマや劇と密接に関係があると思われている附帯音楽や効果音楽が、ドラマや劇の構成や演出に多分に左右されながらも、ドラマや劇に対する観客の理解をたすけ、観客の感情面をも支配しうるという側面が明らかにされるとともに、ドラマや劇の附属とされ二次的なものとする従来の考え方との違いということもいっそう際立ってきたと思われる。その意味では、附帯音楽や効果音楽について今日それなりにおこなわれている、音楽学的ないし映像(画)学的といった支配的な諸研究とことなる本研究の意義が多少とも示されたということができる。研究の実際において特筆すべきは、まず第一に、具体的な映像作品を取り上げ、映像に対する観客の反応と日楽に対する観客の反応、ならびに映像を理解するときにはたす音楽の役割を実証的な研究をおこなったことである。第二に、音楽と感情効果との関係を哲学的な原理からも追及し、その実例を文化史のなかに求めて歴史的に実証したことである。
著者
新倉 聡
出版者
日本育種学会
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.153-160, 2007 (Released:2011-01-21)

アブラナ科野菜における生殖形質の遺伝学的研究とその育種への展開。イネやコムギは世界的に見て、主食となる穀物であることに疑いはない。しかしヒトは主食を摂るだけでは、健康的でかつ文化的な食生活を送ることができない。現在世界中には数百種の野菜が存在し、副食として欠かせないものとなっている。その農業生産的側面としては、国内をとってみても、野菜作付け面積ではダイコン、キャベツ、ホウレンソウ等を筆頭に、多くの作付けが為されている。その中でアブラナ科は300属3000種から成る重要な作物種であり、Brassica napusに属する油糧用ナタネ、世界中で栽培されB.oleraceaに属するキャベツ、ブロッコリー、主に東アジアを中心に利用が為され多くの在来品種が発達している、B.rapaに属するハクサイ、カブ、ツケナ類ならびにRaphanus sativusに属するダイコン等約40種が特に重要品目として挙げられる。
著者
田中 肖吾 石原 寛治 倉島 夕紀子 大野 耕一 山本 隆嗣
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.99-103, 2013-01-31 (Released:2013-04-17)
参考文献数
41

患者は86歳,女性。以前から左鼠径ヘルニアを自覚していたが放置していた。また認知症があり食べ物を飲み込む習慣があった。平成23年10月発熱を主訴に来院。触診上,腹部全体に圧痛および筋性防御を伴っていた。左鼠径ヘルニアは疼痛もなく用手還納は可能であった。血液検査上著明な炎症所見の亢進を認めた。腹部CT像上,わずかな遊離ガスおよび左鼠径ヘルニアを認めたが,穿孔部位は同定できなかった。また異物の描出も認めなかった。汎発性腹膜炎の診断で緊急開腹したところ,Douglas窩膿瘍の中に爪楊枝を認め,左鼠径部に陥入していた小腸に穿孔部位を認めたために小腸部分切除を施行した。術後経過は良好で,術後6日後に鼠径ヘルニア修復術を施行した。その後家人より受診2日前に作った串揚げにつかった爪楊枝と串が数本無くなっていたとの報告をうけ,術後8日後にCTを撮影したところ,盲腸に線状の高吸収域を認めたため遺残異物と診断した。線状高吸収域は術後13日後には横行結腸に移動していた。術後15日後に大腸内視鏡を施行したところ横行結腸に串を認め,摘出した。経過良好で術後22日後に退院となった。異物誤飲に対しては詳細な病歴聴取と術後症状がなくても遺残がないかCT検査を行うことが重要と思われた。
著者
茂木 伸夫 呉橋 美紀 池上 由美子 桃井 祐子 川戸 二三江 島倉 洋造
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.302-309, 2010-09-24
参考文献数
27
被引用文献数
1 2

&nbsp;&nbsp;歯科診療は,歯牙切削,歯石除去による室内汚染,口腔処置による血液や唾液からの交差感染を起こす危険があり,様々な感染対策の報告があるが,その実態はあまり知られていない.そこで,院内感染対策の施行度を知るために東京歯科保険医協会感染予防対策プロジェクト・チームは歯科感染予防対策に対するアンケート調査を行った.対象は東京歯科保険医協会会員4539人に調査を依頼,回答のあった934人(回答率20.6%)である.質問内容は1. 個人防護具,2. 室内対策,3. 器具の滅菌・消毒,4. 感染対策の実践,5. 感染対策の知識に大別した17項目である.その結果,1. マスクは99%が,手袋は85%が装着していたが,ゴーグルやフェイスシールドは51%にとどまった.2. 手洗いは95%が行っていたが,患者ごとの手袋の交換は54%であった.空気清浄機の設置は57%,口腔外バキュームの設置は31%であった.3. オートクレーブなどの使用が98%,滅菌と消毒を必ず行っている人は71%であったが,印象材などを消毒している人は34%であった.4. 肝炎患者を自院で診療している人は89%であった.5. スタンダードプリコーションを理解している人は29%であった.結論として,個人防護としてゴーグル,フェイス・シールド,室内対策として空気清浄機や口腔外バキュームの設置の必要性が示唆された.また,歯科医療従事者がスタンダードプリコーションの意識を高める必要があると考えられた.<br>
著者
高倉,裕
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, 2000-02-20

水,本みりん,煮切りみりんおよびエタノール溶液に豚肉(ヘレ部)を浸漬した時の浸漬液の成分分析を行い,可溶性成分の溶出抑制効果の解明を行った。さらに,加熱処理後の豚肉切断図を電子顕微鏡で観察し,豚肉の筋線維崩壊抑制効果について解明を行った。(1) 豚肉に含まれる可溶性成分の溶出を抑制する調理効果に寄与する浸漬液中の成分は,エタノール及び糖であるが,エタノールまたは糖単独では可溶性成分溶出抑制効果は低く,本みりんのように両成分を含有する調味料がもっとも豚肉の可溶性成分溶出抑制効果が高かった。(2) 豚肉を加熱する前にあらかじめ浸漬調理を行なうと,浸漬液の成分によっては加熱処理した豚肉の筋線維が崩壊するのを抑制する効果があることが明らかとなった。筋線維崩壊抑制効果は豚肉内部で発現しており,エタノール成分が重要な役割を果たしているものと考えられる。(3) 豚肉の筋線維崩壊抑制に寄与する成分は,エタノール及び糖であるが,エタノールまたは糖単独では筋繊維崩壊抑制効果は低く,本みりんのように両成分を含有する調味料が最も筋繊維崩壊抑制効果が高かった。
著者
倉本 香
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 1, 人文科学 (ISSN:03893448)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.19-34, 2012-09

カントの自由は人間の自然的な傾向性から独立して自らに法則を与えるという意味での自律としての自由であり,その法則は人間にとって自然的な自愛や自己幸福を度外視して意志の格律の普遍妥当性のみを純粋に命じる道徳法則である。このような法則に従う自由な意志が道徳的な善の根拠となる。しかし自由な意志は同時にこの法則に背く悪への傾向性を持つ。では,悪への傾向性を持つ人間はいかにして善へと転換しうるのか。主としてカント宗教論の論述に即してこの問題を論じたうえで,あらためて,宗教ではなく道徳の次元で人間の自由を問う意味を考えてみる。
著者
嘉山 孝正 倉沢 正樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア (ISSN:18815707)
巻号頁・発行日
no.242, pp.42-44, 2009-12

改選時期を迎えた日本医師会の役員3人がすべて外され、新たに3人の診療側委員が登用された。中でも就任早々、過激ともいえる発言を繰り出し"台風の目"となっているのが山形大学医学部長の嘉山孝正氏だ。その嘉山氏に、発言の真意と今後目指す方向について聞いた。