著者
張 丘平 前川 廣太郎 延原 肇
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

現在,P2P電子貨幣ビットコインは,経済,金融などの方面から議論がなされており,インターネット上で注目を集めている.本研究は,投資家にとって有益な情報として,ビットコイン為替相場の長期的傾向を反映できる指標作成を目的とする.そのため,ビットコインシステムの公開型トランザクション履歴に対する統計的解析を行い,ビットコインシステムの実際の使用状況を直観的に把握できる可視化を実現する.
著者
橋本 樹明 大槻 真嗣 前田 孝雄 眞下 泰輝 前田 孝雄 大谷 智宏 佐野 俊太
出版者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

探査機が月や火星などの天体に着陸する際に、残留水平速度がある場合や斜面・岩などの存在する不整地へ着陸する場合においても転倒しない着陸システムについて研究を行った。探査機の着陸脚と天体表面の動的モデルを構築し、数値シミュレーションにより探査機の動的挙動を解析した。その結果から、着陸脚をセミアクティブに制御する方法を提案した。すなわち、伸縮式着陸脚の減衰係数を可変にすることができるデバイスを追加し、探査機の角速度と着陸脚の伸縮方向の符号の積に応じて当該脚の減衰係数を増減させるという方式である。本方式により耐転倒防止能力が大幅に上がることを数値シミュレーションおよび着地実験により検証した。
著者
武井 秀史 西井 鉄平 前原 孝光 角田 幸雄
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.183-187, 2004-06-20
参考文献数
14

背景.小細胞肺癌や肺カルチノイドが異所性ACTH産生によりGushing症候群を引き起こすことはよく知られている.しかしながらGushing症候群を呈した胸腺カルチノイドは報告が少なくまれである.症例.58歳女性.満月様顔貌,下腿浮腫,低K血栓の精査のため入院.血中ACTH, cortisolの高値を認めGushing症候群と診断された.画像上前縦隔に2cm大の腫瘍を認めた.異所性ACTH産生縦隔腫瘍の疑いで胸腔鏡下腫瘍切除術を行った.病理検索で胸腺spindle cell carcinoidと診断した.免疫染色でACTH陽性であった.術後速やかに血中ACTH値は低下し臨床症状も改善した.結論.非常にまれなCushing症候群に関連した胸腺spindle cell carcinoidを報告した.
著者
袴田 光康 金 任仲 堂野前 彰子 木村 淳也 金 孝珍
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、日本・韓国・琉球の漢文テキストを通して、東アジアにおける神仏習合の分析を行った。具体的には『扶桑略記』(日本)・『三国遺事』(韓国)・『遺老説伝』(琉球)という三つのテキストを対象とした。研究の結果として、東アジアの固有神が仏教によって護国神へと変容するという共通点を持つこと等を明らかにした。その成果は、2013年度韓国日本言語文化学会(ソウル)の口頭発表や『「三国遺事」の新たな地平』(勉誠出版、2013年11月)の論文などによって広く発表されている。
著者
前川 厚子 安藤 詳子 神里 みどり 楠神 和男 新藤 勝久 田澤 賢次 門田 直美
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

「ストーマ保有者の生きる意欲とスキンケア行動にストーマ看護サービスが及ぼす影響」について当該3年間にわたり研究した。ストーマケアとそのリハビリテーションは医師からがんや炎症性腸疾患などの病名を告げられ、手術の説明を受けた時が始発であり、回復期、退院後の生活維持期、終末期までのライフスパンを含む。ストーマ保有者への聞き取り、患者会への参加観察と質問紙調査を通して課題を掘り下げ、以下を明らかにした。【成果の概要】1)ストーマ保有者の加齢に伴う課題:65歳以上の比率が60%を超え、生活課題は介護問題から緩和ケアまで拡大していた。虚弱・要介護状態にある高齢ストーマ保有者へのQOL保持、看看連携、訪問看護師と介護職の機能分担、ならびに終末期ケアの在宅基盤整備が重要であった。2)炎症性腸疾患によるストーマ保有者の課題:平成15年全国患者会調査で2,175名中285名(13.1%)、平均年齢39.8±12.9歳で性比1.6:1であった。手術創、ストーマ周囲と肛門周囲皮膚ケアのニーズは81%であった。人生の「生きがいなし」と答えたものが30%を占め、継続ケア提供時にはメンタルサポートが不可欠と考えられた。3)ストーマ保有者のライフサイクルと課題:多様な価値観と人生経験や生活背景について配慮をしながら個別的なケアを提供する必要がある。4)QOL課題:ストーマ造設に関連した治療の成績は向上し、5年無再発生存率は高くなってきたが、主観的な健康状態とストーマの局所状況はQOLと密接な関連を持つので、ケア困難時のマネジメントについては事例の集積と人的資源の整備が必要である。
著者
前田 一平
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

米国ワシントン州シアトルの旧・日本街を現地調査し、第二次世界大戦後の歴史に埋もれたシアトル日本街の歴史と地理の復元にあたった。それによって、この街を舞台とする日系アメリカ文学の歴史的地理的背景を具体化することができた。また、作家ヘミングウェイの故郷イリノイ州オークパークを現地調査し、この町のほとんど未詳の歴史についてリサーチをした。それによって、ヘミングウェイの誤解された出自および故郷との確執を明らかにした。
著者
前野 誉 金田 茂 鎌倉 昭浩 高井 峰生
雑誌
マルチメディア通信と分散処理ワークショップ2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.111-112, 2011-09-28

システム性能をユーザレベルのサービス品質として評価するためには,ユーザの効用を定量化することが重要である.また,ユーザの通信行動や移動,心理といったユーザの行動自体を適切にモデル化することが求められる.本稿では,統合シミュレーションフレームワーク Scenargie 上に新規開発したユーザ行動モデルについて述べる.開発したモデルは,Scenargie のマルチエージェントシミュレーション機能を用いて実現した.本デモンストレーションでは,周囲のユーザの密度など周辺環境に応じてユーザの行動が変化する様子をシミュレーションする.
著者
前田 隆志
出版者
日経BP社
雑誌
日経Windowsプロ (ISSN:13468308)
巻号頁・発行日
no.78, pp.140-145, 2003-09

最近,次世代のSQL Serverである"Yukon(開発コード名)"でさらに強化されるビジネス・インテリジェンス機能に引かれ,探求のあまり終電を逃すことも度々。週末は仕事を忘れ6歳になる甥にコマやビー玉といった昔ながらの遊びを教えることに時間を忘れる。
著者
前村 浩二 林 同文 永井 良三
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は末梢組織体内時計の下流アウトプット遺伝子を同定し、中枢と末梢の体内時計が、各組織ごとの概日リズムの形成にどのように寄与しているかを明らかにすることを目的とする。ClockとBmalを発現するアデノウイルスを培養細胞にinfectionし、cDNA Microarrayにより発現が増加する遺伝子を網羅的に解析した結果、転写因子、分泌タンパク、膜受容体などが体内時計の標的遺伝子の候補として同定された。その中の転写因子、Dec1の機能について解析した。心臓や腎臓、大動脈などの臓器でDec1mRNAの発現は日内変動を呈した。Dec1はClockとBmalによりmRNAレベルで誘導され、またDec1はClockとBmalによるPer1プロモーターの活性を抑制した。さらにDec1は低酸素でその発現が誘導された。これらのことより、Dec1が低酸素などの環境因子を関知して体内時計のコアフィードバックループを調整する因子として働いている可能性が示された。今後はDNA Microarrayにより同定された体内時計に関連する他の遺伝子群についてさらにその発現パターン、循環機能調節における役割をさらに解析する。次に、中枢の体内時計は正常に保たれ、血管内皮末梢体内時計のみが異常なトランスジェニックマウスを作成した。このマウスを用いて今後さまざまな循環機能の日内変動を解析することにより末梢体内時計の役割を中枢と末梢に分けて解析できる。本研究により、心筋梗塞の早朝発症機序を初めとする循環器系疾患の日内変動のメカニズムが分子レベルで詳細に解明されることが期待される。組織固有の日内リズム発生のメカニズムを理解することは今後時間に即した治療法の開発にむすびつけるられることが期待される。
著者
前村 浩二 渡辺 昌文 永井 良三
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

循環器疾患の発症には概日リズムが認められる。本研究は循環器疾患発症の概日リズムを体内時計の観点で明らかにし、時間を考慮した視点からの循環器疾患の予防法、治療法の開発をめざして遂行した。まず末梢の体内時計によりコントロールされている遺伝子群の候補として転写因子、分泌タンパク、膜受容体など28個の遺伝子が同定され、体内時計がこれらの遺伝子発現を通じて循環器疾患発症に関与していることが示唆された。
著者
永井 良三 森田 啓行 前村 浩二
出版者
東京大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
2001

血圧や心拍数など心血管系機能、あるいは心筋梗塞や冠動脈スパスムなどの疾患の発症時間には、明らかな日内変動が見られるが、その分子メカニズムは未だ解明されていない。最近、体内時計の分子メカニズムが急速に明らかにされ、CLOCK, BMAL1, PERIODなどの転写因子相互のpositive及びnegativeのfeedbackループから形成されていることが明らかになった。本研究は循環器疾患の日内変動が、心臓や血管に内在する体内時計により制御されているという全く新しい着想により遂行した。マウスをlight-darkサイクルで飼育した後、経時的に心臓や血管などの臓器を採取し、体内時計構成因子群の発現が日内変動をもっていることをNorthernブロット法にて確認した。さらに、血管内皮細胞、平滑筋細胞、心筋細胞の培養を行い、個々の培養細胞レベルで体内時計関連遺伝子の発現が概日リズムを呈することが示され、.心血管系を形成する細胞レベルで体内時計の存在が示された。心筋梗塞、不安定狭心症などの急性冠症侯群は早朝に多く発症し、その一因として線溶系抑制因子であるPAI-1の活性が日内変動を呈し、早朝に最高値になることが挙げられている。我々はさらに血管内皮細胞において、我々のクローニングしたCLIFとCLOCKがPAI-1遺伝子発現の日内変動を局所で調節していることを示した。以上の結果より末梢組織にも体内時計が存在し、局所に抽いてPAI-1遺伝子の発現を調節することにより、心筋梗塞発症の日内変動に寄与していることが示唆された。組織固有の日内リズム発生のメカニズムを理解することは、心筋梗塞や冠動脈スパスムなどの病態の理解を深めることにつながる。さらにそれは時間に即した治療法の開発にむすびつけることが期待される。
著者
前川 喜久雄 山崎 誠 松本 裕治 傳 康晴 田野村 忠温 砂川 有里子 田中 牧郎 荻野 綱男 奥村 学 斎藤 博昭 柴崎 秀子 新納 浩幸 仁科 喜久子 宇津呂 武仁 関 洋平 小原 京子 木戸 冬子
出版者
大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

当初の予定どおりに、5000万語規模の現代日本語書籍均衡コーパスを構築して2011年に公開した。同時に構築途上のコーパスを利用しながら、コーパス日本語学の確立にむけた研究を多方面で推進し、若手研究所の育成にも努めた。現在、約200名規模の研究コミュニティーが成立しており、本領域終了後も定期的にワークショップを開催するなど活発に活動を続けている。
著者
山本 誠子 前田 由美子 小宮山 冨美江
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.275-280, 1996-11-20

官能検査(評点法)、破断特性(レオナーによる)測定、組織観察を行い、梨もどき調製法について検討し、次の結果を得た。(1)梨もどきを調製するためには生っぽい味がなくなり、しゃきしゃき感の得られる加熱範囲の設定が必要と思われる。水煮ではデンプンが充分に膨潤し、生っぽさがなくなると軟らかくなりしゃきしゃき感が得られなくなったため梨もどきを調製できなかった。(2)30%食酢液で加熱すると細胞壁の変化が少なく、かたく、破断応力が生いもに近かったことより軟化が抑えられた。以下の条件で調製したときしゃきしゃき感が得られた。(3)基準の大きさ(2.5×1.0×0.5cm^3)で7分〜10分、細いもの(2.5×0.3×0.3cm^3)で5分〜10分、太いもの(2.5×1.0×1.0cm^3)で13分加熱したとき、良好なテクスチャーが得られ、細めに切った方が加熱範囲が広いと認められた。
著者
竹元 仁美 山本 八千代 泉澤 真紀 笹尾 あゆみ 前田 尚美
出版者
東京純心大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

平成26年度から平成29年度に実施した3つの調査研究から、我々は日本型と言える特徴を備えた性暴力被害者への看護ケアの重要項目を明らかにした。それに加え、文献検討で整理したWHO暴力対応ガイドラインやなど北米のSexual Assault Nurse Examinerプログラムを基にして、性暴力被害者看護ケアの基本プロトコルを創り、看護職に対する教育プログラムの組み立てを行った。これによって、病院拠点型ワンストップ支援センターに展開されるべき性暴力被害者看護ケアを、機関を問わず提供することに資する。今後の展開として、看護基礎教育に組み込み、効果の検証をしていくことを目指す。
著者
味村 俊樹 山名 哲郎 高尾 良彦 積 美保子 遠藤 智美 勝野 秀稔 松岡 弘芳 大毛 宏喜 角田 明良 吉岡 和彦 貞廣 荘太郎 前田 耕太郎
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.109-117, 2012 (Released:2012-03-27)
参考文献数
30
被引用文献数
2 2

目的:多施設共同による本邦における便失禁診療実態調査に伴って,仙骨神経刺激療法(sacral nerve stimulation,以下SNS)の適応に関して検討した.方法:2009年の1年間に便失禁を主訴に9施設を初診した患者を対象に, SNSの適応に関して調査した.結果:対象症例は293例で,女性214例,初診時平均年齢65歳であった.266例(91%)に何らかの治療が行われ,症状改善率44~93%と,ある程度良好な成績をおさめていた.しかしそれでもSNSの適応に関して,「良い適応」8例,「適応になるかも知れない」73例と合計81例(28%)に,更なる治療としてSNSの適応ありとされていた.適応ありとした理由は,「現在の治療法では症状の改善が不十分だから」が47%,「SNSの効果に期待するから」が38%であった.結語:多くの症例に検査や治療が行われていたが,症状改善が不十分でSNSの効果に期待する症例が28%いた.今後,本邦へのSNSの導入・普及によって便失禁治療の選択肢が拡がることを期待する.