著者
北原 徹
出版者
立教大学
雑誌
立教経済学研究 (ISSN:00355356)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.99-141, 2012-01-20
著者
青木 一治 木村 新吾 友田 淳雄 上原 徹 鈴木 信治
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.197-197, 2003

【はじめに】腰椎椎間板ヘルニア(以下,HNP)患者の下肢の筋力低下は日常よく経験する。しかし,術後それらの筋力の回復過程に関する報告は少なく,そもそも筋力低下が回復するかどうか,どの程度の筋力低下なら実用段階まで回復の望みがあるのかなど,患者への説明に苦慮するのが現状であろう。今回,HNP患者の術後筋力回復経過を調査し,若干の知見を得たので報告する。【対象】手術目的で入院し,下肢筋力が徒手筋力テスト(以下,MMT)で4レベル以下であったHNP患者で,術後経過を観察できた35名(男30名,女5名)37肢,平均年齢40.7歳を対象とした。障害HNP高位はL4/5:25名,L5/S1:10名であった。HNPのタイプは,subligamentous extrusion(以下,SLE)10名,transligamentous extrusion(以下,TLE)17名,sequestered(以下,SEQ)8名であった。手術は全て顕微鏡下椎間板摘出術を行った。【方法】筋力測定は全てMMTで,各被験者につき同一検者が行い,前脛骨筋(以下,TA),長母指伸筋(以下,EHL),腓腹筋(以下,GC)および長母指屈筋(以下,FHL)の何れかに低下があるもので,術後筋力の推移をみた。追跡期間は最長6年で,平均11.1ヵ月であった。【結果】それぞれの筋で経過をみると,TAでは,3,4レベルのものは1ヵ月から6ヵ月の間に多くが回復していた。1,2レベルでは6ヵ月頃までには3,4レベルまで回復するが,その後5まで回復するものは少なかった。また,0の症例では1年経っても1レベルであったが,その後回復を始め,6年後には3レベルまで回復していた。EHLでも同様の傾向があり,1,2レベルのものは1年ほど経過を見ても3,4レベルの回復であった。GCでは,2レベルが境になっているようで,5まで回復するものと,大きな回復を見ないものがいた。FHLもGC同様の傾向であった。このように筋力の回復は,3,4レベルでは術後3ヵ月以内に回復するものが多いが,1,2レベルのものでは6ヵ月から1年の経過を要し,ある程度実用段階まで回復するが,長期間を要する。筋力の回復をHNPのタイプで比較すると,TA,EHLではSEQのもので著明な筋力低下を来しているものが多く,TLEでは0,1のものは予後が悪かった。一方GC,FHLはSEQでも術後の回復は良い傾向にあったが,GCの1,2レベルのものは筋力の回復をみないものもあった。【結語】術前の筋力と比較すると,何らかの回復をみたものが多かった。筋力の回復経過では,術前3レベル以上のものは数ヵ月で回復が期待できることが分かった。1,2レベルのものは,中には4,5レベルに回復するものもいるが,多くは4レベル未満の傾向が強く,完全な実用段階の回復ではなかった。
著者
宮崎 哲哉 松井 知之 東 善一 平本 真知子 瀬尾 和弥 森原 徹 堀井 基行 久保 俊一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1365, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに】体幹深層筋である腹横筋は,脊柱の安定性向上,腰痛予防や立位バランス向上などにおいて重要である。Richardson(2002)は,腹横筋による胸腰筋膜の緊張と腹腔内圧の増加が脊柱の安定性に寄与すると報告している。また,太田(2012)は慢性腰痛者に対する体幹深層筋トレーニングで疼痛が有意に軽減したとし,種本(2011)は体幹深層筋への運動介入で重心動揺が安定したと報告している。しかし,腹横筋のみを意識的に収縮させる選択的収縮の獲得は時間を要し,指導も困難である(村上2010)。今回,われわれはテーピングを腹横筋の走行に沿って貼付することで無意識的に腹横筋の収縮を誘導する方法を考案し,テーピングが腹筋群に及ぼす影響について検討した。【方法】対象は,健常男性20名(平均年齢:17.9±2.2歳,平均身長:175.49±6.48cm,平均体重:72.15±10.06kg)とした。超音波画像診断装置(日立メディコ:MyLab Five 10MHz)を使用し,外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋の筋厚をテーピングなし,プラセボテーピング,腹部賦活テーピング(abdominal musculature activation taping:AMAT)の3条件において0.1mm単位で測定した。測定中は通常呼吸を行わせ,呼気終末の筋厚を測定した。テーピングはキネシオオロジーテープ50mm(ニチバン株式会社)を使用し,1.4倍の長さまで伸張し貼付した。測定部位は,過去の報告に従い左側前腋窩線上の第11肋骨と腸骨稜との中央部より下部で,筋厚が最も明瞭に描写できる位置とした(犬飼2013)。プラセボテーピングは,臍部から3横指遠位を開始位置とし,腹直筋の走行に沿って剣状突起レベルの高さまで左右1枚ずつ貼付した。AMATは,臍部から3横指遠位を開始位置とし,第11肋骨下端を通り背側上方に押し上げるよう左右2枚ずつ半円状に貼付した。測定肢位は安静立位とし,貼付したテーピングに抵抗しないように指示した。なお,筋厚測定およびテーピング貼付は検者間誤差をなくすため,すべて同一検者で行った。統計は,各測定値の被験者内比較には繰り返しのある一元配置分散分析を行い,主効果が有意である場合にはTurkey-Kramer法の多重比較検定を行った。【結果】外腹斜筋の筋厚は,テーピングなし10.64±2.51mm,プラセボテーピング10.73±2.44mm,AMAT 12.36±2.36mmであり,3条件で一元配置分散分析を行った結果,有意な主効果を認めなかった。内腹斜筋の筋厚は,テーピングなし18.00±3.82mm,プラセボテーピング18.00±3.16mm,AMAT 17.70±4.07mmであり,有意な主効果を認めなかった。腹横筋の筋厚は,テーピングなし6.21±1.21mm,プラセボテーピング5.93±0.86mm,AMAT 8.02±1.53mmであり,有意な主効果を認め,テーピングなし,プラセボテーピングに比べAMATが有意に高値を示した(p<0.05)。【考察】有意な主効果を認めたのは腹横筋のみで,テーピングなし,プラセボテーピングと比較してAMATで筋厚が増加した。Urquhart(2005)は体幹深層筋トレーニングのドローインによる外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋の筋厚変化を検討し,腹横筋の筋厚のみ有意に増加すると報告した。腹横筋の収縮を得るためには,表層の腹筋群が活動しないことが重要であると考えた。今回,AMATでは貼付したテーピングに抵抗しないように指示したことで,無意識的にドローイン状態を維持し,腹横筋の選択的収縮を促すことが可能であると考える。体幹トレーニングを行う上で,初期段階は,腹横筋の選択的収縮(小泉2009,村上2010)を行わせ,最終段階では,無意識下での腹横筋収縮活動の獲得が重要である。AMATは腹横筋の選択的収縮が可能,かつ無意識下で収縮を獲得できる方法であり,体幹トレーニングにおいて有効な方法と考えた。【理学療法学研究としての意義】腹横筋は,脊柱の安定性向上,腰痛予防や立位バランス改善などにおいて重要である。体幹深層筋トレーニングとして代表的なドローインでは,意識的に腹横筋を収縮させるのに時間を要す。しかし,AMATは対象者にテーピングを貼付することで,無意識的な腹横筋の収縮が可能である。評価においては,理学療法士が短時間,かつ,意図的に腹横筋を収縮させることができるため,貼付前後の疼痛,動作機能の変化をとらえ,問題点の抽出に有用であると考える。治療においては,AMATを貼付した状態で日常生活が可能なため,腰痛や動作機能を改善できる可能性がある。また,持続的に腹横筋を収縮させることが可能であり,学習効果を得られると考える。
著者
藤原 徹 蔵 琢也 宮田 周平 阿部 麟太郎 神農 雅彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.479, pp.139-142, 2009-03-04
参考文献数
16
被引用文献数
6

樹木画(バウム)試験は、性格・心理状態を推測する心理検査として心療内科等で実施されている.この試験は投影法であるために、被験者の偏見や恣意に影響されにくいという利点がある反面、試験結果から直接に抑うつ状態等を知ることはできなかった.今回、描画された樹木画を画像解析し、その特徴量を計算して、被験者の抑うつ性尺度と比較したところ、樹木画の濃度値・描画量と抑うつ性尺度の間には一定の相関があることを見出した.この方法を用いることで樹木画試験から被験者の抑うつ性尺度を推定できるようになった.
著者
上村 拓矢 長崎 進 三浦 雄一郎 福島 秀晃 森原 徹
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.127-134, 2015 (Released:2016-01-06)
参考文献数
11

The serratus anterior muscle is an important muscle for scapular joint function. It is innervated by the long thoracic nerve, and its function is to stabilize the medial border and inferior angle of the scapula. Generally, exercises that emphasize the protraction and upward rotation of the scapula (wall push-up plus, dynamic hag, push-up plus) have been recommended for strengthening the serratus anterior. However, because greater activation of the pectoral muscles is likely to occur during these exercises, there is a possibility that efficient serratus anterior muscle activity will not be obtained. In this study, a patient was subjected to physical therapy after right long thoracic nerve paralysis resulted in fatigue during shoulder flexion at 120° or higher. General strengthening exercises for the serratus anterior muscle were incorporated, but sufficient effects were not achieved. Therefore, our training focused on improving serratus anterior contraction patterns through facilitation, while reducing the activation of the pectoralis major. These exercises improved shoulder joint motor function and reduced fatigue during flexion better than general strengthening exercises. We consider that it is necessary to focus on facilitation and contraction patterns to improve serratus anterior activation after long thoracic nerve injury.
著者
菅沼 克昭 長尾 至成 菅原 徹 酒 金テイ Lin Shih-kang
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

低温・低圧・無加圧下のAg焼結接合技術の革新を進め、その基本メカニズムを高分解能TEM観察とシミュレーションから明らかにした。Ag粒界へ酸素の吸収、粒界液相形成、粒界液相が噴火し表面堆積する。この一連の反応で粒子間低温焼結や接合界面形成が実現しており、これを”Nano Volcanic Eruption”と名付けた。新技術により、250℃を超える耐熱性が達成されている。また、雰囲気との反応をCu粒子へ展開し、その可能性を見出している。以上のように、極限環境に対応する新接合技術の開発、そのメカニズム解明、さらに、Cuへの展開など、学術的に新たな現象解明から実用レベルの技術開発まで繋げている。
著者
山下 透 檀原 徹 岩野 英樹 星 博幸 川上 裕 角井 朝昭 新正 裕尚 和田 穣隆
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.113, no.7, pp.340-352, 2007 (Released:2008-03-29)
参考文献数
50
被引用文献数
1 8

紀伊半島北部に分布する室生火砕流堆積物とその周辺の凝灰岩(石仏凝灰岩,古寺凝灰岩,玉手山凝灰岩)および外帯中新世珪長質岩類について,屈折率を用いた軽鉱物組合せモード分析を行った.その結果,紀伊半島北部の中期中新世珪長質火砕流堆積物の斜長石系列は,すべてオリゴクレース~ラブラドライトで特徴付けられることから,これら4者は対比された.加えて室生火砕流堆積物は外帯に分布する熊野酸性岩類の流紋岩質凝灰岩の一部と対比できた.これらのことから,室生火砕流堆積物と石仏凝灰岩,古寺凝灰岩,玉手山凝灰岩は15 Maの熊野地域のカルデラを給源とする同一の大規模火砕流堆積物であると推定される.また熊野酸性岩類の中のアルバイトで特徴付けられる流紋岩質凝灰岩は,同じ軽鉱物組合せをもつ中奥弧状岩脈を給源とする可能性がある.
著者
中林 一樹 高見沢 邦郎 藤原 徹
出版者
東京都立大学都市研究センター
雑誌
総合都市研究 (ISSN:03863506)
巻号頁・発行日
no.48, pp.p69-107, 1993-03
被引用文献数
1

建物の用途や形態の制限に関する用途地域・容積率規定・高度地区等いわゆる地域地区制度は、大正8年以来、わが国の市街地土地利用計画制度の根幹をなしている制度である。この地域地区は、これまでに制度的改定に加えてその具体的運用である地域での指定の見直し改定が繰り返されてきた。本研究は、1968年に現都市計画法が新訂され、1973年の全面指定替え以降1981年に続く3回目の全面見直しであった1989年指定替えの実態を、実際的改定作業を担当した東京都の各区市の担当部局へのアンケート調査から分析したものである。基本地域が4種から8種になった1973年改定の実態と比較しつつ以下の点を分析・考察した。第ーに、土地利用計画の大枠を規定する東京都の指定の方針を比較分析すると、今回の方針が「整備の促進」を前提としつつも環境保全的基調から開発・再開発促進的基調に変換していること。第二に、実態的に改定内容を分析すると、結果的には大幅な改定となっている。その内容は規制の緩和の方向への見直しが基調で、用途規制の緩和のみならず、とくに指定容積率においては平均的に区部で9.5%、市部(19市)で6.9%の増加を見ていること。第三に、改定手続きとしては、審議会の運営は1973年以降定着しているが、地元説明会の開催やそれへの市民の参加状況、陳情等住民要望の状況を見ると、形式的には実施されているといえるものの実質的な住民参加は低調であったといえよう。Japan's first land use zoning regulation system was established in 1919,when the first modern town Planning Act and Building Standard Act were promulgated. With the revision of the Town Planning Act in 1968,the number of basic types of zones in the land zoning system increased from four to eight. In 1973,all the old land use control zones were canceled and newly designated. Since then,two major revisions of zone designation have taken place,in 1981 and 1989. It is of interest how the new land use regulation zones were designated,because the zoning regulation system is the most basic method for land use management and promotion of planned land use. Also,a new zoning regulation system is being prepared,with designation of new zones to be completed in several years. In the new system,the three existing residential zones are replaced with seven new ones. The quality of Tokyo's residential environment will be determined by how these new residential zones are designated,basically by whether deregulation or regularization,such as down-zoning,is implemented. This study investigates the course and circumstances of the 1989 zoning revision in comparison with the re-designation between 1973 and 1989. It contributes to the discussion on the management policy for the new zoning regulation system and the format of re-designation. We distributed questionnaires to all local government planning departments (on the level of ku-municipal borough and shi-city). Twenty-three ku-authorities(100%) and 19 shi-authorities (70%) returned the questionnaire that dealt with zoning regulation planning,zone proportion change,zoning draft plan,new designation plan,designation procedure (such as public hearings), public opinion surveys,composition and management of committees,etc. In contrast to the 1973 regularization,the 1989 land use control policy is based on deregulation of individual building construction and redevelopment. The basic assumption is that improvement of infrastructure must be promoted through cooperation between government and the private sector,but individual construction and develpment are deregulated. The existing land use regulation was largely revised in direction of deregulation of both land use control and building bulk ratios. Expecially,the new maximum bulk ratio permits an average ratio increase of 9.5% in inner Tokyo (ku-area) and 6.9% in outer Tokyo (shi-area). Finally,not only the number of public opinions collected but also the number of participants in the public hearings is lower than in 1973. One of reasons may be that many houses in inner Tokyo need to be rebuilt or renewed,because they were built about 30 years ago and thus are superannuated today. However,it is not easy to build a desirable house because of the small size of each site. Therefore,many owners hope for a relaxation of the building and bulk ratio regulations.
著者
鎌田 佳宏 三善 英知 竹原 徹郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.111, no.1, pp.25-34, 2014 (Released:2014-01-05)
参考文献数
42

NAFLDからNASHを鑑別診断するには肝生検が必要であるが,わが国に約1000万人いるNAFLD患者すべてに行うことは困難である.最近,非侵襲的なNASH診断法としてさまざまな血液マーカーを用いたスコアリングシステム,最新の画像診断法であるエラストグラフィーやControlled Attenuation Parameter(CAP)が用いられるようになってきた.また単一の血液マーカーとしてサイトケラチン18断片の有用性が報告されている.われわれは最近糖鎖マーカーを用いた新規NASH診断の血液バイオマーカーを発見した.これら非侵襲的診断法は肝生検に取って代わる新しいNASH診断法となることが期待される.
著者
金丸 拓央 澤田 佳宏 山本 聡 藤原 道郎 大藪 崇司 梅原 徹
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.437-445, 2015 (Released:2016-04-19)
参考文献数
19
被引用文献数
1

オオフサモは主に関東以西の各地で水路の閉塞や在来種の圧迫などの問題を引き起こしており,特定外来生物に指定されている。近年,各地でオオフサモの駆除が行われているが,どの事例でも駆除後にオオフサモが再繁茂し,根絶できていない。本研究では,オオフサモの根絶手法を検討するため,オオフサモの生育状況調査,室内での遮光実験,野外での駆除試験をおこなった。生育状況調査の結果,オオフサモはため池全面を高被度で覆っていたが,定着しているのは水深の浅い水際部だけで,水深が 30 cmを超える場所には生えていなかった。室内での遮光実験の結果,長さ約 20 cmのオオフサモの苗は,遮光期間が長くなるにつれて主茎の上部から枯れ下がり,短くなっていった。遮光 158日目にはまだ生残個体があったが,遮光 197日目には生残個体は確認されなかった。野外での駆除試験の結果,底泥剥ぎ取りと遮光を併用した場合に限り,駆除後にオオフサモが再生しなかった。これは,大部分の根茎断片が底泥剥ぎ取りによって除去され,残された少数の断片が遮光によって枯死したためと考えられる。底泥剥ぎ取りと遮光を併用すれば,オオフサモを局所的には根絶させられる可能性がある。
著者
篠原 徹 飯田 浩之 井上 透 金山 喜昭 杉長 敬治 濱田 浄人 佐久間 大輔 戸田 孝 桝永 一宏 松田 征也 佐々木 秀彦 五月女 賢司 半田 昌之 守井 典子 田中 善明 石川 貴敏 水澤 喜代志 佐々木 亨 柏女 弘道 大川 真 高田 みちよ 神田 正彦 岩井 裕一 土居 聡朋
出版者
滋賀県立琵琶湖博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

博物館を対象に全国規模で定期的に実施されている2つの調査の1つである「博物館総合調査」を継承する調査を、全国の4,045館を対象に平成25年12月1日を調査基準日として実施した。そして、その結果を分析すると共に、博物館の経営・運営と博物館政策の立案上の緊急を要する課題(現代的課題)の解決に貢献できる、「博物館の使命と市民参画」「指定管理者制度」「少子高齢化時代の博物館に求められる新しい手法の開発」「博物館の危機管理」の4つのテーマ研究を行った。これらの成果は報告書としてまとめ、Webサイトに掲載して広く公開している。
著者
田中 洋次 澤田 佳宏 山本 聡 藤原 道郎 大藪 崇司 梅原 徹
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.255-260, 2011-11-15
参考文献数
18
被引用文献数
4

淡路島北部を事例として,中山間地におけるため池の放棄(利用停止)の実態と放棄理由等を把握することと,放棄ため池における水生生物保全上の課題を抽出することを目的として,ため池の管理者への聞き取り調査,および放棄ため池の水深と植物相についての現地調査を実施した。
著者
宮田 伸弘 松田 巌 守川 春雲 平原 徹 ダンジェロ マリー 長谷川 修司
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学講演大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.21-21, 2005

Si表面上のAgは、理想的な界面構造として基礎物理特性の研究が数多く進められてきた。しかしその中で、Si(111)表面に1/3原子層ほど吸着させたSi(111)-3x1/6x1-Ag表面はまだ十分な研究がされているとは言い難い。最近になって、この表面は100K以下の温度でc(12x2)相に相転移することが報告された。今発表では、このc(12x2)相の初めてのSTM観察の報告を行い、その実験結果から、3x1-6x1-c(12x2)相転移の機構に関する考察を行う。
著者
後藤 芳彦 松塚 悟 亀山 聖二 檀原 徹
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.17-33, 2015-03-31

我々は,北海道洞爺カルデラ中島火山の火山地質を明らかにするため,ヘリコプター搭載型の高分解能レーザースキャナを用いたレーザーマッピングと,地表地質調査を行った.レーザーマッピングは中島の全域を含む3×3kmで行い,計測データから3次元のデジタル地形図を作成した.地表地質調査は3次元デジタル地形図を用いて中島の全域で行い,詳細な産状記載と岩石記載を行った.デジタル地形図と地表地質調査から,中島の詳細な火山地質と形成史が明らかになった.中島は,デイサイトおよび安山岩質マグマが噴出して形成した8個の溶岩ドーム(東山ドーム,西山ドーム,北西ドーム,北山ドーム,南西ドーム,観音島ドーム,弁天島ドーム,饅頭島ドーム),デイサイトマグマが湖底堆積物を押し上げて形成した潜在ドーム(北東岬ドーム),およびデイサイト質のマグマ水蒸気噴火により形成したタフコーン(東山火砕丘)からなる.中島の北東部と南西部には,泥岩と砂岩からなる湖底堆積物が分布しており,中島の火山活動がカルデラ底の隆起を伴ったことを示す.中島は,洞爺カルデラ中央部のリサージェントドームの形成と,それに伴うデイサイト〜安山岩質マグマの噴出により形成されたと考えられる.高分解能レーザースキャナによる地形計測と3次元デジタル地形図を用いた地質調査は,火山地質の解明に極めて有効である.
著者
赤崎 勇 原 徹
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電氣學會雜誌 (ISSN:00202878)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.231-236, 1970-02-20 (Released:2008-04-17)
参考文献数
31