著者
小松原 明哲 中島 徳夫 横溝 克已
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.25-33, 1987-02-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
11
被引用文献数
2

日本語ワードプロセッサの非専門オペレータにとって使いやすい日本語ワードプロセッサの条件をさぐることを目的として, 実験を行った. 能力的に均一な女子大学生12名を被験者として, ローマ字入力方式, かな入力方式, HC88方式, PWP100方式の4方式のワードプロセッサを使用した場合の学習過程を調べた. 学習曲線の因子分析の結果, 初心者は“キーの位置をおぼえる”,“入力ルールをおぼえる”,“ワープロを使いこなす”の順に操作を学習していくことが明らかとなった. 入力に際して特別のルールを要求するワープロでは, ミス率, 精神負担は高いレベルにあった. また, 入力ルールが日本語の発音に則している場合は, 則していない場合に比べて, ミス率, 精神負担は低いか, あるいは早い時期に低くなることが示された. したがって, 入力ルールは発音に則すべきであるとの示唆が得られた.
著者
石原 明子 奥本 京子 松井 ケティ 浅川 和也 アーノルド ミンデル エイミー ミンデル カール スタファー ダリル メーサー 高橋 隆雄 広水 乃生 桐山 岳大 梁 ビキ 石田 聖 田辺 寿一郎 李 ジェヨン
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

第一に、紛争解決の理論・手法同士の関係性について「紛争を構成する要素」「要素に対応した解決理論」「解決を実践するための手法」という観点から整理し、多様な紛争事例に対応できる「戦略的紛争解決」という枠組みを創出した。第二に、欧米で発展した紛争解決の手法をアジアや日本で活用する場合の適用可能性に関して日中韓等の方に質問紙調査を行い、知見を得た。第三に、原発災害被災者の家族や地域内での人間関係の葛藤のケアと変容支援のためアクション・リサーチを行った。「福島の若手らの水俣訪問ツアー」等を実施し、環境災害からの人生と地域再生に向けた日本型の修復的正義プロジェクトの一つのモデルが形成された。
著者
平野 修 河西 学 平川 南 大隅 清陽 武廣 亮平 原 正人 柴田 博子 高橋 千晶 杉本 良 君島 武史 田尾 誠敏 田中 広明 渡邊 理伊知 郷堀 英司 栗田 則久 佐々木 義則 早川 麗司 津野 仁 菅原 祥夫 保坂 康夫 原 明芳
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-10-21

奈良・平安時代において律令国家から、俘囚・夷俘と呼ばれたエミシたちの移配(強制移住)の研究は、これまで文献史学からのみ行われてきた。しかし近年の発掘調査成果により考古学から彼らの足跡をたどることが可能となり、本研究は考古学から古代の移配政策の実態を探るものである。今回検討を行った関東諸国では、馬匹生産や窯業生産などといった各国の手工業生産を担うエリアに強くその痕跡が認められたり、また国分僧尼寺などの官寺や官社の周辺といったある特定のエリアに送り込まれている状況が確認でき、エミシとの戦争により疲弊した各国の地域経済の建て直しや、地域開発の新たな労働力を確保するといった側面が強いことが判明した。
著者
新原 寿志 古瀬 暢達 上原 明仁 菅原 正秋 山﨑 寿也 山下 仁
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.64-78, 2015 (Released:2015-08-19)
参考文献数
83

我々、 公益社団法人 全日本鍼灸学会 研究部安全性委員会は、 同学会が主催する第 63 回 学術大会 (愛媛大会) において、 鍼灸の安全性の向上、 なかでも鍼による有害事象の防止を目的に臓器損傷および神経損傷を対象としたワークショップを開催した。 ワークショップでは 「安全性向上のための局所解剖 Q&A」 と題し、 1) 開業鍼灸師および整形外科医師を対象とした鍼の有害事象に関するアンケート調査と、 2) 国内の鍼臨床に関連した気胸や神経損傷等に関する文献を紹介すると共に、 3) 経穴の解剖学的研究を基礎とした刺鍼部の局所解剖 (上半身) について Q&A 形式による特別講義を行った。 気胸を中心とした臓器損傷や神経損傷など鍼による重篤な有害事象の発生頻度は、 国内の鍼臨床全体からみれば極めて低いと推定されるがほぼ毎年報告されていること、 また、 実際には論文等で報告されているよりも多く発生していることが示唆された。 これら有害事象の発生を防ぐためには、 人体の構造、 特に刺鍼部の解剖学的知識が極めて重要であり、 加えて安全な刺鍼技術の修得が必須である。 本ワークショップを契機に施術者自身の知識と技術を再確認し、 安全で安心な鍼治療を実践していただければ幸いである。
著者
渡辺 雄貴 瀬戸崎 典夫 森田 裕介 加藤 浩 西原 明法
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.Suppl., pp.109-112, 2014-12-25 (Released:2016-08-11)

モバイルデバイスの画面は小さく,提示する情報である教授メディアは適宜選択しなくてはならないことから,その開発はeラーニングコンテンツの開発方法とは異なる可能性がある.本稿では,講義スライドとインストラクタおよび指示棒の合成,講義スライドとポインタの合成という指示メディアの異なる2通りのコンテンツを開発し,学習者に与える影響を測定するために実験を行った.その結果,パフォーマンステストでは,両コンテンツで学習効果には差がないものの,主観評価では多くの項目でポインタを合成したコンテンツが高い値を得た.
著者
竹原 明理
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

採用最終年度は、昨年度から継続している菊人形と人形芸術運動における生人形の調査が中心となった。研究実績として、論文二本(2012年4月以降刊行予定の一本を含む)、口頭発表二本、学会新聞への寄稿一本を行った。2011年は生人形師出身で後に人間国宝となった平田郷陽の没後三十年という節目の年であり、佐倉市立美術館と佐野美術館において展覧会・シンポジウムが開催された。また、日本人形玩具学会では平田郷陽と人形芸術運動が特集され、報告者も同学会第23回総会(於深川江戸資料館)で菊人形やマネキン人形などを製作した生人形師としての平田郷陽の姿について発表した。菊人形展については、二本松市、南陽市、笠間市、野田市、巣鴨、湯島のほか、吉野川市、枚方市、名古屋市、高浜市などを見学した。東日本大震災の影響が懸念されたが中止となった個所はなく、東京・愛知・大阪・大分の人形師からの聞き取り調査も行うことができた。また、枚方市の「ひらかた市民菊人形の会」への参加・調査も継続し、彼らの活動についての考察を日本民俗学会第63回年会(於滋賀県立大学)や研究会などで発表した。加えて、生人形の系譜を考察する上で重要な山車人形の見学を川越祭において行ったほか、2011年11月の見世物学会総会(於東京芸術大学)でも生人形が取り上げられたため、学会新聞へ短文を寄稿した。当初、本研究は明治・大正・昭和における博物館と百貨店の展示装置として用いられた生人形について調査を進めていたが、生人形師の系譜にある現役の人形師からの聞き取り調査を行う中で、菊人形や山車人形は重要な存在であること、昭和初期に展開された人形芸術運動における議論は人形の転換期として非常に興味深いものであったことなどが浮き彫りとなった。展示装置としての生人形製作に関わった人形師たちは、先行研究で記されてきた以上に幅広い分野で活動していたことが明らかとなり、今後もさらに多角的な視点から生人形研究を発展させていく上で、本研究は重要な意味を持っていたといえるだろう。
著者
江口 里加 加藤 正久 金子 絵里奈 草場 健司 吉川 学 山野 徹 瀬尾 隆 萩原 明人
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.135, no.3, pp.501-506, 2015 (Released:2015-03-01)
参考文献数
26
被引用文献数
1

Much of the damage to health caused by drugs could be prevented by appropriate care. A well-defined duty of care and further information are required for healthcare professionals. Although there are many litigation cases to use as references, neither the extent of the duty of care nor the obligation to explain medication according to the type of drug prescribed has yet been fully established. Thus, we systematically collected decided cases of adverse drug events, and assessed the degree of the duties of care and information. Specifically, we collected decided cases in which physicians, dentists, pharmacists, nurses, or hospitals had been sued. Data were derived from Bessatsu Jurist Iryo-kago Hanrei Hyakusen, Hanrei Jihou, and Hanrei Times from 1989 to November 2013, and information on precedents in the records of the Supreme Court of Japan from 2001 to November 2013. We analyzed the cases, and assessed the following according to the type of drug: (1) standards and explanations when dealing with drugs that were critical issues in litigation, and (2) the degree of the physician's or pharmacist's duties of care and information. In total, 126 cases were collected. The number of drug categories classified was 27, and 9 were considered of practical importance. After this systematic review, we found a trend in the degree of the required level of care and information on several drugs. With respect to duties of care and information, the gap between the required level and actual practice suggests that healthcare professionals must improve their care and explanations.
著者
小松原 明哲
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.50, no.Supplement, pp.S108-S109, 2014-06-05 (Released:2014-09-05)
被引用文献数
1
著者
福原 明雄
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-124, 2015-09-30

首都大学東京, 2015-09-30, 博士(法学), 甲第551号
著者
小松原 明哲
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.352-358, 1999-12-15 (Released:2017-03-31)
被引用文献数
1

ベテラン作業者は,ベテランであるがゆえの認知行動特質がある.したがって,ベテラン作業者にあっても,その認知行動特質をふまえたシステム設計を行うことが,認知エラーを防止する上で有益であると考えられる.本稿では,ベテランの起こす典型的なヒューマンエラーを整理した.つぎに,行動形成要因について,フラストレーション解消行動がベテランに特有の要因であることを指摘した.これらをふまえ,認知エラーを防止するためのシステム設計の方策にっいて検討した.
著者
渡辺 雄貴 加藤 浩 西原 明法
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.19-27, 2014-05-20 (Released:2016-08-11)

通勤・通学時に電車のような環境で学習する際には,学習以外に様々な情報を処理する必要がある.そこで本研究では,そのような環境下における情報の介入を想定し,動画コンテンツによる学習を行った際,どのような影響があるかをパフォーマンステストおよび質問紙調査により定量的,定性的に調査を行った.その結果,パフォーマンステストでは,内容理解を必要とする問題において,介入の有無により効果の差異があることが明らかになった.また,質問紙調査により,多くの被験者は視覚に対する介入と比較して,聴覚に対する介入を煩わしく思う傾向があることが明らかになった.
著者
藤原 帰一 久保 文明 加藤 淳子 苅部 直 飯田 敬輔 平野 聡 川人 貞史 川出 良枝 田邊 國昭 金井 利之 城山 英明 谷口 将紀 塩川 伸明 高原 明生 大串 和雄 中山 洋平
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

危機管理の政策決定と、それが政治社会にもたらす効果について、多角的な実地調査とデータ収集を行うとともに、三つの理論的視点、すなわちセキュリタイゼーション研究、危機管理研究、そして平和構築から分析を進めた。本作業の国際的パートナーがオレ・ウィーバー、イークワン・ヘン、そして、ジョンアイケンベリーであり、この三名を含む内外の研究者と共に2015年1月30日に大規模な国際研究集会を東京にて開催し研究成果の報告を行った。本会議においては理論研究とより具体的国際動向の分析を行う研究者との間の連絡に注意し、実務家との意見交換にも留意した。
著者
篠原 明男 山田 文雄 樫村 敦 阿部 愼太郎 坂本 信介 森田 哲夫 越本 知大
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.335-344, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
38
被引用文献数
2

アマミトゲネズミ(Tokudaia osimensis)は奄美大島に生息し,性染色体がXO/XO型(2n=25)という特異的な生物学的特性を持っているが,絶滅に瀕している.そこで本研究ではアマミトゲネズミの保全および将来的な実験動物化を目的として,その長期飼育を試みた.鹿児島県奄美大島で捕獲されたアマミトゲネズミ7個体(雌6個体,雄1個体)を,一般的な実験動物と同様の飼育環境(環境温度23±2°C,湿度50±10%,光周期L:D=12h:12h)に導入し,実験動物用の飼育ケージ,給水瓶,床敷きを用いて飼育した.飼料はスダジイ(Castanopsis sieboldii)の堅果,リンゴおよび実験動物用飼料を給与した.導入した7個体のうち6個体は937~2,234日間生存し,平均して4年以上(1,495.8±434.3日)の長期飼育に成功した.体重変動,飼料摂取量,摂水量および見かけの消化率の結果から,本研究に用いた実験動物用飼料はアマミトゲネズミの長期飼育に適していると考えられた.また,中性温域は26°C以上である可能性が示唆された.さらに,本種は飼育下においても完全な夜行性を示すことが明らかとなった.本研究によりアマミトゲネズミの終生飼育には成功したものの,飼育室下における繁殖の兆候は一切観察されなかった.今後,アマミトゲネズミの保全および実験動物化を目的とした飼育下繁殖には,飼育温度条件の見直しが必要であると考えられる.
著者
荏原 明則
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
1980

筑波大学法学博士学位論文・昭和55年3月25日授与(甲第51号)