著者
高橋 知音 荻澤 歩 茂原 明里 辻井 正次 手塚 千佳 戸田 まり 仲島 光比古 橋本 しぐね 藤岡 徹 藤田 知加子 森光 晃子 山本 奈都実 吉橋 由香
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では感情認知能力、社会的文脈と感情や意図を読み取る能力、社会的適切さや暗黙のルールの理解を多面的に評価する「社会的情報処理能力検査バッテリー」を開発した。それぞれの課題について信頼性、妥当性についてある程度の根拠が得られた。これは、自閉症スペクトラム障害のある人の社会性を評価することができる我が国初めての検査バッテリーと言える。報告書として音声刺激CDを含む実施マニュアルも作成した。
著者
清河 信敬 恩田 恵子 高野 邦彦 藤本 純一郎 真部 淳 康 勝好 小原 明 林 泰秀 花田 良二 土田 昌宏
出版者
日本サイトメトリー学会
雑誌
Cytometry research : 日本サイトメトリー学会機関誌 (ISSN:09166920)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.27-33, 2010-09-25
参考文献数
6
被引用文献数
1

<p>Aim. We are in charge of the central diagnosis and cell preservation as a part of childhood acute lymphoblastic leukemia treatment study in Tokyo children's cancer study group. It is necessary to diagnose with a minimal quantity of specimen, to preserve leukemic cells effectively as possible. On the other hand, recent progress in multi-color flow cytometry enable to analyze cell marker of leukemia in more detail. We therefore we intended to perform a immuno-phenotypic diagnosis of childhood acute lymphoblastic leukemia by nine-color analysis with digital flow cytometer.</p><p>Methods. We examined cell markers of childhood acute lymphoblastic leukemia cells by nine-color analysis using digital flow cytometers. We decided the combination of the monoclonal antibodies for nine color analysis based on the recommendation of Japan Pediatric Leukemia/Lymphoma Study Group using commercially available fluorescence-laveled antibodies.</p><p>Results. Nine colors that we used in this study were fluorescein isothyocyanate, phycoerythrin (PE), phycoerythrin-Texas Red, Peridinin Chlorophyll Protein - cyanin (Cy) 5.5, PE-Cy7, allophycocyanin (APC), APC-Cy7, Pacific Blue, and Cascade Yellow. Using list mode compensation, nine color marker analysis of childhood leukemia was easy to perform.</p><p>Discussion. Although several problems need to be solved are present, nine-color analysis using digital flow cytometer is useful to obtain precise information of antigen expression as well as save precious specimen of childhood acute lymphoblastic leukemia.</p>
著者
橋本 歩 平崎 憲範 辻本 洋行 萩原 明郎
出版者
同志社大学理工学研究所
雑誌
同志社大学理工学研究報告 (ISSN:00368172)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.82-87, 2009-07

今日、一般的に手術中の出血部位に局所投与される止血材は、動物由来のコラーゲン製材やヒト血液成分製材である。これらのコラーゲンや血液成分は体組織を構成する基本的たんぱく質であり、生体適合性に優れる。しかし、上記の製材がヒト感染性のあるウイルスやプリオンなどの感染性因子を含む可能性があることは、臨床的には重大な問題点である。この感染性因子の危険性を軽減するために、われわれは「キトサン・スポンジ」というキトサン由来の新規の止血材を開発した。キトサンは動物やヒトではなく甲殻類由来であるので、ヒト感染性因子を含む危険性は非常に低い。キトサンスポンジは、凍結乾燥法によって作成され、止血材としての基本的な二つの性質について、臨床的に最も一般的な止血材の一つであるフィブリン糊との比較において評価された。その第一番目の性質の組織接着力はせん断応力で評価し、第2番目の性質の止血力は腎臓からの出血モデルで比較した。これらの二つの性質は両者間で殆ど同じであった。これらの結果から、キトサン・スポンジは、フィブリン糊に匹敵する止血効果を持ち、「感染性因子を含まない」新規の止血材となる可能性があると考えられる。
著者
原 明子 川北 敬美 四谷 淳子 道重 文子
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.133-138, 2019

&emsp;本研究の目的は, 被採血時に失敗された経験の有無に分け, 血管の深さと血管断面積との関係, 目視可否について明らかにすることである. 20歳以上の女子学生10名20肢を対象に, 被採血時の失敗経験無し群と被採血時の失敗経験有り群に分け両上肢の駆血前後の皮膚表面から血管までの距離, 血管径, 血管断面積, 目視による血管確認を行った.その結果, 皮膚表面から血管までの距離が2.1mm未満, 血管断面積が10.2mm&sup2;以上の血管をもつ上肢では, 被採血時の失敗経験無し群は20肢中12肢,被採血時の失敗経験有り群は20肢中1肢であった. これに対し, 皮膚表面から血管までの距離が2.1mm以上, 血管断面積が10.2mm&sup2;未満の血管をもつ上肢では, 被採血時の失敗経験無し群は20肢中1肢, 被採血時の失敗経験有り群は20肢中12肢であった. 被採血時の失敗経験有り群は, 皮膚表面から血管の深さは深く, 血管断面積も小さい割合が多いこと, また, 目視による可視化ができない割合も高いことから, 血管の選定が難しいと考えられ, 採血が失敗される要因であることが示唆された.
著者
小松原 明哲 横溝 克巳
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.277-286, 1989-10-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
16
被引用文献数
2 3

ユーザインターフェイス設計の基礎研究として, 人間の短期記憶保持による負担をパーソナルコンピュータを用いた実験により検討した. まず短期記憶の保持方略と負担との関係について検討した. 計算偶奇判定作業を被験者に行わせた結果, 課題内容を積極的に解釈しつつ保持する場合のほうが, 課題を単にリハーサルしている場合より, 心理的負担が少なく, パフォーマンスも良好であった. 次に短期記憶の保持量と負担との関係について, 数列の短期記憶保持実験を行った結果, 完全な短期記憶再生を期待できるのは5チャンクまでであり, 5チャンクを超えると完全な再生が期待できないばかりでなく, 心理的・精神的負担が高まることが明らかとなった. 5チャンク以下でも負担は均一ではなく, チャンク数の増加とともに負担が高まることも明らかとなった.
著者
筒井 昭仁 瀧口 徹 斎藤 慎一 田村 卓也 八木 稔 安藤 雄一 岸 洋志 小林 秀人 矢野 正敏 葭原 明弘 渡辺 雄三 小林 清吾 佐久間 汐子 野上 成樹 小泉 信雄 中村 宗達 渡辺 猛 堀井 欣一 境 脩
出版者
Japanese Society for Oral Health
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.329-341, 1994-07-30 (Released:2010-10-27)
参考文献数
35
被引用文献数
4

著者らは, 日本における飲料水中フッ素濃度とエナメル斑の発現状況の関係を明らかにすることを目的に, 1978年以来, 東北, 関東, 甲信越地方で飲料水中フッ素濃度の測定を継続的に行ってきた。その結果, フッ素濃度の変動が少なかった7つの天然フッ素地域を確認した。水道給水系は26あり, フッ素濃度は0から1.4ppmの範囲に分布していた。フッ素濃度を確認してきた地域に生まれ, 当該の水道水を利用して育った小学5, 6年生1,081名を対象に, 1987年歯牙フッ素症検診を行った。歯牙フッ素症の分類にはDeanの基準を使用した。また, 非フッ素性白斑についてもDean基準の白濁部面積算定基準を準用して分類した。確認された歯牙フッ素症はいずれもmild以下の軽度のものであり, very mild以上のフッ素症歯所有者率と飲料水中フッ素濃度との間に有意な正の相関関係 (r=0.485, p<0.05) が認められた。また, 非フッ素性白斑歯所有者率と飲料水中フッ素濃度との間には有意な負の相関関係 (r=-0.429, p<0.05) が認められた。全エナメル斑発現状況と飲料水中フッ素濃度の間には特別な傾向は認められなかった (r=-0.129, ns)。CFIは0.04から0.30であり公衆衛生上問題のない地域と判定された。この度の研究結果は, わが国の歯牙フッ素症に関する疫学研究において不足しているとされていたデータ部分を補うものであり, わが国の至適フッ素濃度研究に寄与するものであると考察した。
著者
上原 明 直井 岳人 飯島 祥二 伊良皆 啓
出版者
日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.5-18, 2021

本研究は観光目的地の認知される店舗の評価と観光者の購買行動との関係性に関するモデルを検証することを目的する。調査では沖縄県那覇市国際通り周辺に訪れている観光者を対象に調査票を同封した返信用封筒を配布した(配布:2000 部、回収:445 部、有効回答数:334 部)。その結果、店舗の全体評価である「活気のある沖縄的地元感」と普段の観光旅行で買物を楽しむ特性である「SET」が、土産物購買に関わるポジティブな感情である「PA」を媒介変数とし、土産物購買に関する促された感情である「URGE」と「再購入意向」へ影響を与えている可能性が示され、その中でも、「活気のある沖縄的地元感」の影響が強いことが示された。
著者
橘 ゆり 入江 亘 菅原 明子 名古屋 祐子 林原 健治 塩飽 仁
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.9-16, 2021 (Released:2021-03-31)
参考文献数
15

医療的ケアが必要な重症心身障害児を亡くした親が、子どもと在宅生活をともに過ごしてきた時から子どもが亡くなった後の日常生活をどのようにとらえて過ごしてきたのか、家族一人ひとりの語りから体験を明らかにし、支援のあり方を検討することを目的とした。東日本の小児専門病院をかかりつけとし1年以上在宅で医療的ケアを受けながら過ごした重症心身障害児を20歳未満で亡くした親を対象に半構造化面接を行った。子どもとの死別時の状況、死別後から現在までの生活、子どもと在宅で過ごした時の生活やそれに伴う心境などを中心にインタビューを行い、Giorgiの現象学的アプローチを参考に分析を行った。親は複雑性悲嘆に陥りやすい要因がありながら子どもを亡くした悲しみと能動的に向き合い子どもとの新たな絆を結び直す体験をしていた。そこには、在宅生活で培われた親の高いレジリエンスが存在し、在宅生活からつながりが続いていたことが考えられた。
著者
佐藤 雄大 江藤 毅 篠原 明男
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.29-37, 2021

<p>エチゴモグラ<i>Mogera etigo</i>は,新潟県の越後平野にのみ生息する日本固有種である.本種は,生息域が局所的であり,人為的な生息地改変や,競合種であるアズマモグラ<i>M. imaizumii</i>との種間競争の影響により,分布域の縮小が懸念されている.過去の研究において,エチゴモグラの主要分布域の一部であり,その分布変化の最前線と考えられてきた新潟市江南区および五泉市の2地域で,エチゴモグラの分布後退が懸念されているが,最近の分布状況は明らかではない.本研究では,モグラのトンネルサイズを計測することで,これら2地域におけるエチゴモグラとアズマモグラの分布状況の調査を行った.その結果,新潟市江南区では,アズマモグラのトンネルが新たに確認され,エチゴモグラと同所的に生息していることも明らかとなった.過去の分布状況と比較すると,同地区におけるエチゴモグラの分布域は縮小している可能性が示唆された.一方で五泉市ではアズマモグラが優占し,局地的に単独でエチゴモグラのトンネルがみられる区域と,2種が同所的に生息する区域が確認された.五泉市における2種の分布状況は,過去のものと比較して大きな変化はみられなかったが,今後の土地利用の変化によっては,局在化したエチゴモグラの生息地は消失することも懸念される.</p>
著者
八木 千尋 北山 みずほ 坂本 信介 篠原 明男 枝重 圭祐 越本 知大
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.106, pp.P-39-P-39, 2013

<b>【目的】</b>宮崎大学フロンティア科学実験総合センターではマウス(<i>Mus</i>属)やラット(<i>Rattus</i>属)とは異なる分類群である<i>Apodemus</i>属の1種,ヨーロッパモリネズミ(<i>Apodemus sylvaticus</i>)を飼育維持している。本種は高脂血症を自然発症し,さらには高コレステロール飼料給与によりアテローム性動脈硬化が誘導される個体や,Ⅱ型糖尿病様の病態を呈する個体が存在することから新たな病態モデル動物候補として特性評価研究を進めている。本研究では自然交配により維持している本種のコロニーを効率的に管理するために必要な,卵子および胚の凍結保存法開発に向けた知見の集積を目的として,卵子および2細胞期胚の水と耐凍剤の膜透過性を評価することによって凍結保存の可能性を検討した。<b>【材料・方法】</b>排卵誘起処理後M-II期卵子と,雄との自然交配を経て得た2細胞期胚を回収し,15℃および25℃でスクロースおよび5種類の耐凍剤(グリセロール,DMSO,エチレングリコール,プロピレングリコール,アセトアミド)添加PB1液に曝露し,経時的な相対体積変化から水透過性(μm/min/atm:Lp)および耐凍剤透過性(×10<sup>–3</sup>cm/min:Ps)を算出した。<b>【結果・考察】</b>25℃での卵子および2細胞期胚のLpは,15℃の値よりも2倍以上高かった。 また卵子および2細胞期胚のPsは,グリセロールで0.01~0.05と非常に低く,その他の耐凍剤で0.23~2.26を示し,また15℃よりも25℃で高い値を示した。このことから水と耐凍剤は温度依存的に膜を透過していると考えられた。これらの結果は,マウスで報告されている値と非常に近似しているため,本種における卵子および2細胞期胚の凍結保存法はマウスと同様の手法が適用できる可能性がある。今後はさらに発生の進んだ胚のLpおよびPsを測定するとともに,これらの凍結保存を試みたい。
著者
堀 良子 高野 尚子 葭原 明弘 宮崎 秀夫
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.85-90, 2010-03-25
参考文献数
21
被引用文献数
4 2

&nbsp;&nbsp;歯科関係者の専門的な口腔ケアが要介護高齢者の誤嚥性肺炎を防ぐことに関する研究報告は多いが,リスクのある入院患者の看護者による日常的な口腔ケアを評価した報告は殆どない.そこで,われわれは一般病棟入院患者に実施されている口腔清掃と院内発症肺炎の起炎菌と同じ菌株の口腔からの検出および発熱との関連について検討した.<br> &nbsp;&nbsp;新潟県内4病院の口腔清掃に介助を必要とする40歳以上の入院患者69名を対象とし,清掃の回数および実施内容を記録した.また,黄色ブドウ球菌,MRSA,緑膿菌を対象として口腔内細菌の検出と菌数測定を行い,過去7日間の37.5&deg;C以上の発熱の有無を調査した.これらを経口摂取群と非経口摂取群に分けFisherの直接確率法で評価した.その結果,経口摂取群において口腔清掃が3回/日以上の者で,発熱ありの割合と黄色ブドウ球菌の検出された割合が有意に低かった.一方非経口摂取群においては,歯ブラシを使用している者の方が発熱ありの割合が有意に低かった.以上より,経口摂取者においては頻回の口腔清掃が発熱と口腔内の日和見菌の定着を防止することが示唆され,非経口摂取者においては歯ブラシを用いた機械的な口腔清掃を行うことによって発熱が防止できることが示唆された.<br>
著者
小原 明
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1-24, 1998-06-25 (Released:2009-11-06)

The purpose of this paper is to clarify the characteristics of the developmental process of in-house training in Japan. The factors which contributed to the realization of the high economic growth have been discussed from the various viewpoints. We want to consider the significance of an in-house training system which largely supported the formation of diligent employees in this paper, forcusing on the case of Matsushita Electric Industrial Co. Ltd., one of the largest enterprises in Japan.First, in-house training, the training of foreman, in postwar Matsushita were initiated by Kounosuke Matsushita, the president of the company, who was eager to learn management techniques from the US during the rehabilitation period. Then the techniques of Training Within Industry (TWI) and Management Training Program (MTP) were introduced in 1950, and refined to meet the company's context later on.The “Personnel Principles” established in 1957. They demonstrated basic concepts and directions of in-house training, and they paralleled rapid growth of the company in size and its production. The department of in-house training, which eagerly promoted enlargement of in-house training into all workshops and all levels in organizations, was set up in the head office in 1960.At Atami Conference of 1964 all the management problems of the economic slump and mature markets were severely discussed. However, all activities relating to in-house training were stopped for a time, and “The Principles on Long Term Human Development” were set up 1965 after an intensive discussion. Thereafter based on the principles, the department of in-house training in the head office proceeded with the training of middle management and with the promotion of various kinds of job education, at the same time the head of each workshop had responsibilities to train his workers in his own workplace.

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著者
荻原 明男
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.53-54, 1984-03-30 (Released:2009-07-23)