著者
庄山 茂子 御領園 沙紀 加來 卯子 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.1025-1034, 2019-11-25 (Released:2019-11-25)
参考文献数
15

私服を着用して勤務する大学の女性職員24 名に制服を着用して勤務してもらい,私服着用時と制服着用時で,作業効率や仕事時の状況,職場のチームワークにどのような違いがみられるか調査 した.さらに,同大学の女子学生86 名を対象に私服着用時と制服着用時の事務職員の印象について調査し,次の結果を得た. (1)指定された3 文字を検索する検索問題では,文字検索数は制服着用時の方が私服着用時より有意に多かった. (2)仕事時の状況については,制服着用時の方が私服着用時より緊張感が有意に高く,私服着用時の方が制服着用時よりも有意に動きやすく違和感がないと評価された.チームワークに関して,私服着用時と制服着用時に有意な差はみられなかった. (3)学生による評価では,制服着用時は私服着用時より「信頼性・外見のよさ」の評価が有意に高かった.
著者
勝原 裕美子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.1-10, 2003-09-30 (Released:2012-10-29)
参考文献数
15
被引用文献数
4 2

本研究は, 看護部長の倫理的ジレンマが, どのような道徳的要求の衝突によって生じているのかを明らかにするものである. 本研究では, 倫理的ジレンマを「複数の優先順位をつけられない道徳的要求があるが, それらのすべてを達成することができない状況」と定義し, そのような状況のうち, これまで最も意思決定が困難であった事例について自由に語ってもらうという面接手法を採用した. その結果, 25名の看護部長から合計41のストーリーが得られた. それらは, 医療ミス・過誤の開示に関するものが8例, 処遇や昇格などの人事の適正に関するものが6例, 医師の業務内容や態度を問題だと感じているものが5例, 人や予算などの資源配分に関するものが5例などである. これらのストーリーからは, 合計48の倫理的ジレンマが確認でき, それらは次の17種類の道徳的要求のいずれか2つ以上がぶつかり合って生じていることが明らかになった.「個人の誇りを守る」,「市民としての義務を果たす」,「女性であることを受け入れる」,「社会的に人を助ける」,「患者の権利を守る」,「看護の質を保証する」,「看護専門職としての誇りを守る」,「患者の生命を守る」,「組織の利益を上げる」,「労働者の権利を守る」,「看護部門を代表する」,「医師と協調する」,「組織のルールに従う」,「日本的文化規範に従う」,「法を守る」,「住民の要望にこたえる」,「政策や政治的な要求を受け入れる」.
著者
藤原 裕弥 岩永 誠
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-12, 1999-09-30 (Released:2009-04-07)
参考文献数
28

Attentional bias to threatening information has been considered to be one of the cognitive features of anxiety mood. Although Bower's associative network theory (1981, 1991) has been used to explain attentional bias, Bower's theory is insufficient to explain the maintenance of anxiety mood. The present study aimed to investigate whether activation of a network was maintained by emotional words acquired through attentional bias. Thirty-four undergraduates who served as participants were induced into a positive mood (Positive Condition) or a negative mood (Negative Condition) through music induction and the Velten induction method. Results of a dot-probe task revealed that reaction time to probes following negative words was faster than to probes following neutral words in the Negative Condition, while reaction time to probes following positive words was not significantly different from reaction time to that of neutral words in the Positive Condition. Further, attentional bias was observed only in the negative condition. Subjective mood judgement results revealed that only negative mood was maintained in the Negative Condition. These results suggest that selective attention to threatening information can maintain a negative mood.
著者
和泉 ちえ 森 一郎 飯田 隆 小手川 正二郎 秋葉 剛史 河野 哲也 笠木 雅史 池田 喬 鈴木 伸国 村上 祐子 大河内 泰樹 佐藤 靜 加藤 泰史 吉原 雅子 小島 優子 菅原 裕輝
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1.男女共同参画推進および若手研究者支援に関して先駆的取り組みを展開している英国哲学会理事のJoe Morrison博士を日本に招聘し,第76回日本哲学会大会ワークショップ「どう変わる!日本哲学会」(2017年5月21日,於・一橋大学)において啓発的な講演と率直な議論を重ねる機会を企画実践した。またMorrison博士によるレクチャーは,千葉大学,東北大学,京都大学においても開催され,幅広い層の研究者たちと共に議論を深めることができた。特に男女共同参画を確実に実践するために英国哲学会が策定した「Good Practice Scheme」について哲学的視点に基づく論拠をMorrison博士を交えて再検討する機会を得たことは有意義であった。日本の哲学分野における男女共同参画および若手研究者支援に関して,今後も英国哲学会と緊密に連絡を取り合いながら積極的に推進する方針が確認された。2.哲学分野で活動する若手研究者を対象に実施した大規模アンケート結果を分析・公表すると共に,諸方策について提言をとりまとめた。3.日本学術会議総合ジェンダー分科会と協力しながら,日本哲学会大会の時機に合わせた人文・社会科学系学協会男女共同推進連絡会の正式発足会合に向けて実質的な貢献を積み重ねた。また日本学術会議公開シンポジウムにおいても哲学分野における男女共同参画推進・若手研究者支援の取り組みについて報告と提案を行った。4.国際会議「ジェンダー研究と哲学史」(於・一橋大学)を共催開催した。5.若手研究者を対象にした査読論文指導ワークショップを開催した(於・立教大学)。6.日本全国の諸大学における哲学分野の専任教員ポストに関して調査を行った。7.日本哲学会の機関誌『哲学』第69号特別企画「ハラスメントとは何か?ー哲学・倫理学からのアプローチ」を取りまとめ諸論点を提起した。
著者
高崎 裕治 永井 由美子 井上 馨 真木 誠 大中 忠勝 栃原 裕
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.99-106, 2011-11
被引用文献数
3

冬季における高年者の入浴習慣について,札幌,秋田,大阪,福岡の4地域における特徴を比較し,入浴事故死亡率の地域差に関連する要因を検討するため,質問紙による調査を実施した.高年者の半数以上は何らかの治療を受けており,特に高血圧症の治療を受けている者がいずれの地域においても最も多かった.札幌より大阪や福岡の高年者の方が冬季の浴室を寒いと感じていた.暖房器具として,脱衣場所ではストーブがよく使用され,浴室では暖房乾燥機が専用のものとして使用されていた.脱衣場所や浴室に暖房器具を設置していない者は,その必要性を感じていなかった.ロジスティック回帰分析を行うと,入浴事故死亡率が低い札幌での冬季の入浴習慣として,入浴回数が少なく,浴室への滞在時間や浴槽に浸かる時間が短く,入浴中はあまり寒さを感じていないという傾向が示された.同様な入浴習慣を形成できれば,致命的な入浴事故を防ぐために有効と思われる.
著者
平原 裕行 川橋 正昭
出版者
埼玉大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1997

本年度は,人の動きを各地で取材して,動きのパターンを区分し,最適な解析手法について検討した.取材は,大宮駅改札前,および東京都,新宿交差点付近を対象にしている.取材の結果は,個別の対象物体の動きに変化が大きく,動画像解析においては,集団運動の解析は,非常に困難で,物体個別の解析が必要であることが明らかとなった.これとは,並行して,人の流れのモデル化をより一般的に調べるため,魚の動きを捉えて,その座標位置の時間的変化から,数密度,速度の時間的変動を調べた.魚としてはメダカを取り上げ,メダカの光に対する逆光性と個々のメダカの位置取りが平面的であることを利用して,二次元の生物流の観察を行なった.実験に際しては,既存の大型水槽を改良して,中央流路が狭くなっている流路を用い,一方から,他方へ移動する群れの様子を,ビデオカメラで撮影し,これをPC上で解析した.運動解析は,各時刻のメダカの重心位置をトレースする方法を用いた.解析の結果,メダカの運動は,かなり変動が大きいものの,流路が狭まると,速度が減少し,密度が増加する傾向が見られた.これは,通常,言われているように,生物の流れが基本的には超音速流れに類似していることを示している.しかしながら,狭まり部から先の運動に関しては,必ずしも超音速流れとの類似点は見られなかった.以上より,運動力学上の重要なデータが得られた.更に,数値シミュレーションでは,単純な粒子運動モデルを作成し,粒子分子ポテンシャルと,運動ポテンシャルを与えて,シミュレーションを行ない,単一流路幅での運動で,ランダムウォークを示すシミュレーション結果が得られ,シミュレーションの基本スキームを確立した.

3 0 0 0 OA 発表要旨

著者
菅原 裕文 西間木 真 坂田 奈々絵 久米 順子 高橋 英海 岩波 敦子 山本 芳久 久木田 直江 高津 秀之
出版者
早稲田大学ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所
雑誌
エクフラシス : ヨーロッパ文化研究 (ISSN:2186005X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.149-157, 2014-03-20

後期ビザンティン聖堂 (13~15c) におけるプラティテラ型聖母子像 / 写本学 (codicologie) とリヴァイヴァル / 12世紀のサンドニ修道院における擬ディオニシオス文書の伝統 / キリスト教美術とイスラーム美術が交差するところ -中世スペインの場合- / ギリシア語からシリア語、アラビア語への翻訳 -誰が何をなぜ翻訳したのか- / 地中海からピレネーを越えて -中世ヨーロッパの自然科学 知の受容と伝播- / トマス・アクィナス 『対異教徒大全』 の意図と構造 / The Book of Ghostly Grace -ハッケボーンのメヒティルドの霊性と中世医学- / 「宗教改革百周年」 の挿絵入りビラ - 「図像から読み取る歴史」 から 「図像がつむぐ歴史」へ-
著者
花田 有紀子 笹井 久徳 鎌倉 綾 中村 恵 坂田 義治 宮原 裕
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.116, no.5, pp.606-611, 2013-05-20 (Released:2013-08-21)
参考文献数
21
被引用文献数
14

上咽頭癌はわが国では40~60歳代に好発し, 男性にやや多い悪性腫瘍である.その解剖学的特徴より, 放射線治療が治療の核をなす1). 放射線治療の後期合併症として, まれに内頸動脈仮性動脈瘤を形成することがあり, 破裂により致命的となる. われわれは上咽頭癌に対し放射線治療を行った既往のある75歳男性の内頸動脈仮性動脈瘤の症例を経験した. 鼻出血で発症し, 大量出血を認めたがAngiography下コイル塞栓術により救命し得た.この合併症はまれではあるが突然破裂することで致命的となるため, 常に念頭におき放射線治療を行うべきであると考える.
著者
吉原 裕介
出版者
東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系社会文化環境学専攻
巻号頁・発行日
2011-03-24

報告番号: ; 学位授与年月日: 2011-03-24 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(環境学) ; 学位記番号: 修創域第4035号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科環境学研究系社会文化環境学専攻
著者
原 裕昭
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.138-141, 2023-08-01 (Released:2023-10-11)
参考文献数
2

沖縄県立図書館では、2018年度からルーツ調査、移民資料の調査・収集、企画展示などの沖縄県系移民に関する事業を実施している。主な事業の対象は、北米や南米にある海外沖縄県人会及び県系人である。デジタルアーカイブを活用した「沖縄県系移民渡航記録データベース」「移民資料収集」の取り組みを紹介し、地理や言語の壁を越えそして過去と現在を繋ぎ、沖縄と世界のウチナーネットワークの再構築を目指す当館の取り組みを紹介する。
著者
矢尾 幸三 曽根原 裕介 永濵 文子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.158, no.5, pp.408-418, 2023-09-01 (Released:2023-09-05)
参考文献数
40

ダルビアス®点滴静注用135 ‍mgの有効成分であるダリナパルシンは,グルタチオン抱合体構造を有する有機ヒ素化合物である.腫瘍細胞内でミトコンドリアの機能障害(膜電位の低下等)や細胞内活性酸素種の産生促進等を引き起こすことにより,アポトーシス及び細胞周期停止を誘導し,腫瘍増殖抑制作用を示す.ダリナパルシンの一部は,細胞膜表面に発現するγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GT)を介してジメチルアルシン酸-システインに変換され,シスチントランスポーターによって細胞内に取り込まれる.多くの腫瘍細胞は,酸化ストレスを回避するためグルタチオンの細胞内レベルを高く維持しており,そのためγ-GTとシスチントランスポーターが高発現している.ダリナパルシンは,腫瘍細胞のこの特性を利用し,腫瘍細胞に効率的に取り込ませることで増殖抑制作用を示すよう設計された新規の抗悪性腫瘍薬である.再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫を対象とした国際共同第Ⅱ相試験(ピボタル試験)において,主要評価項目である効果安全性評価委員会の中央判定による奏効率は19.3%(11/57例,90%信頼区間:11.2~29.9%)であり,ダリナパルシンが投与された患者65例のうち発現頻度が5%以上のGrade 3以上の副作用は,好中球減少(9.2%,6例),貧血(6.2%,4例)及び血小板減少(6.2%,4例)であった.国際共同第Ⅱ相試験で再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫に対する一定の有効性及び許容可能な安全性が示されたことを受け,「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」を効能・効果として2022年6月にソレイジア・ファーマ株式会社が承認を取得し,同年8月に日本化薬株式会社から発売された.当該疾患の新たな治療選択肢の一つとして臨床現場に寄与し得ることが期待される.
著者
原 裕太
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.70-86, 2021 (Released:2021-03-03)
参考文献数
50
被引用文献数
4 3

中国では,環境汚染,内陸水産養殖業の急速な発展にともなう水田環境の喪失,農村部の貧困問題を改善するため,新たな農業のかたちが模索されている.中でも近代的な稲作と水産養殖の統合は,地域経済を発展させつつ水田環境と生態系を保全するための有効な方法の一つとして注目を集めている.一方,多くの地域では,依然として水田養殖の普及率は低い.その要因として,野生種の生息域内外ではその動物の養殖業の競争力に地域差があること,養殖動物の消費需要の地域的偏りと生育に必要な気候環境が制約条件になっていること,都市部の消費者の間で,水田養殖に関する生態学的なメリットやブランドの認知が広がっておらず,付加価値の創出に課題を抱えていること等が挙げられる.加えて,今後の課題として,養殖に導入された種による陸水域生態系への影響と,食の嗜好変化によって伝統的な方法を維持する中国西南地域へ近代的な水田養殖が無秩序に拡大すること等も懸念される.
著者
齋藤 彰 石川 陽子 宮村 友輔 十河 健司 中島 匡貴 赤井 恵 桑原 裕司 平井 義彦
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.28, no.8, pp.414-420, 2007-08-10 (Released:2007-08-18)
参考文献数
32
被引用文献数
2 1

The brilliant blue luster of Morpho butterflies is produced by their scale that does not contain a blue pigment. The origin of the coloration can be attributed to an optical effect on a specific nano-structure, which can explain both of the high reflectivity and the mystery that the blue appears from wide angle despite an interference effect. We have successfully reproduced the Morpho-blue by fabricating nano-structure by extracting the principles of the coloration. The reproduced Morpho-type materials are expected to serve to various industrial applications. However, the process to fabricate the nano-structure spends too much time and cost using conventional lithography. To solve this problem, nano-imprint lithography was applied to fabricate the nano-structure. As a result, Morpho-color was replicated successfully in low cost and short time. Its optical properties were estimated by optical measurements, and found to show the basic characteristics of the original Morpho-blue.
著者
小澤 一仁 永原 裕子
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.136-155, 2013 (Released:2013-07-02)
参考文献数
145
被引用文献数
1 3

Approaches to elucidate thermal history of the earth based on information of earth materials are reviewed. Limitations of these approaches are examined, and ways for the improvement and additional approaches to better constrain the thermal history of the earth are proposed. A short note of the current thermal status of the earth is followed by examination of earth's thermal history based on geophysical modeling of mantle convection, combination of which with material information is essential to deepen our understanding. There are several proxies of earth materials for secular changes of the thermal state of the earth's interior. Those often used so far are: (1) chemical composition of magmas, from which ‘potential temperatures’ of the ambient mantle are estimated, (2) pressure and temperature conditions of crustal materials (metamorphic rocks), from which ‘metamorphic geothermal gradients’ are estimated, (3) thickness of the crust and lithosphere, from which thermal gradients of the crust and lithosphere are estimated along with the temperature estimation of the bottoms, and (4) pressure and temperature of mantle materials, from which ‘mantle geothermal gradients’ of the lithosphere are estimated. Each method has problems to be resolved for quantitative estimation of the secular variation of the earth's thermal state. The following approaches are proposed: (1) coupling thickness of oceanic crust and depletion zone of residual mantle and major element composition of volcanic rocks, (2) high-resolution analysis of thermal history of crust and mantle materials to better constrain steady-state geotherms, and (3) simultaneous estimation of ambient pressure and temperature as well as mantle potential temperature from analysis of magma intrusions in the crust. Finally, the importance of extraterrestrial materials and earth-like exoplanets to reveal thermal history of the early earth, for which direct information is not available, is remarked.
著者
藤原 裕美 青木 正則 川口 和幸 工田 昌也 平川 勝洋 原田 康夫
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.1267-1272, 1991-09-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
22

A galvanic current may be caused in the oral cavity when two or more dissimilar metallic repair materials are present, and it is well known among dentists that severe pain, called “galvanic pain”, may result. We report two cases of glossitis thought to have been caused by oral galvanism. We measured the galvanic current in patients with glossitis and found significantly larger electric currents in the patients than in controls. We suspect that oral galvanism is the cause of glossitis when the conditions are as follows: 1) Anemia, medications, mechanical stimulation by dental repair, zinc deficiency, etc. have been ruled out; 2) Currents greater than five micro-amperes are demonstrated.
著者
藤原 裕弥 岩永 誠
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.101-112, 2008-05-31 (Released:2019-04-06)

本研究は、不安における注意バイアスが自動的処理であるかどうか確認するために2つの実験を行った。研究1では、注意バイアスの無意識性について検討した。単語を閾下呈示する条件と、閾上呈示する条件を設定し、高対人不安者(n=13)と低対人不安者(n=13)を被験者としてdot-probe探査課題を行った。その結果、閾下呈示条件では、特性不安、状態不安にかかわらず注意バイアスは認められなかった。研究2では、注意バイアスが処理資源を必要とするかどうかを検討した。高特性不安者(n=8)と低特性不安者(n=8)を被験者とし、dot-probe探査課題中に二重課題を課した状況で注意バイアスを測定した。その結果、二重課題によって処理資源を奪われた条件では、注意バイアスが認められなかった。以上の2つの研究から、注意バイアスは無意識的処理でなく、また処理資源を必要とする処理であることが示された。このことは注意バイアスが自動的処理でない可能性を示している。
著者
石原 裕之 穴水 幸子 種村 留美 斎藤 文恵 阿部 晶子
出版者
認知リハビリテーション研究会
雑誌
認知リハビリテーション (ISSN:24364223)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.17-25, 2015 (Released:2022-05-26)
参考文献数
8

我々は左側頭葉と後頭葉の境界部と頭頂葉,右後頭葉外側部の主に皮質下白質の梗塞により,健忘失語,仮名に強い失読,漢字の失書など様々な神経心理学的症状が認められる症例を経験し,その症例に対して複数の認知リハビリテーション介入を行った。その中でも今回は,読み書きの障害や前向性健忘に対する補助手段およびquality of life(QOL)の向上を目的に導入された,タブレット型端末用アプリケーションである高次脳機能障害者の日常生活支援ツール『あらた』の効果を中心に考察した。本例はこのツールを習得して使いこなしたが,これは残存していた能力をうまく利用したためと考えられた。使用開始後は行動範囲が広がる等のQOLの向上や,このツールの読み書きの訓練的意義等が示唆された。認知リハビリテーションには,個々の症状をターゲットにするだけでなく,様々な面からの統合的なアプローチが有効であると考えられた。