著者
石川 智治 小林 幸夫 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.259, pp.75-82, 1999-08-26
被引用文献数
8

過去に,音質評価語の収集及びグループ化を行い, それらを多次元空間にマツピングし, 解析することにより, 高度感性情報に関連する評価語群(16語)を明らかにした. しかしながら, 多次元空間内の心理距離による評価語のクラスタ化で, 少数の重要な評価語がクラスタ化されない事, 多次元空間内における解析で求められる評価語の重要度と衆目評価法による重要度の順序が一致しない事などの問題があり, これ以上の解析はできなかった. そこで, 聴取者の音楽再生における音の聴き方の違いから, 評価語のグループ化を行い, 各グループ毎に評価語の解析を行うという新しい考え方に基づき, 多次元尺度構成法(MDS)やDematel法を行った結果, 上記問題点が解決された. そして, 得られた各グループと高度感性情報との位置付けを議論すると共にキー評価語の抽出を試みた.
著者
中里 祐介 神原 誠之 横矢 直和
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.295-304, 2005
被引用文献数
31

To realize an augmented reality (AR) system using a wearable computer, the exact position and orientation of a user are required. We propose a localization method which is based on using an IR camera and invisible visual markers consisting of translucent retro-reflectors. In the method, to stably extract the regions of markers from the captured images, the camera captures the reflection of IR LEDs that are flashed on and off continuously. In experiments, we first describe the quantitative evaluation in computer simulation to decide the alignment of markers in real environments. We then carry out the localization experiments in real environments in which markers are installed based on the marker alignment decided by simulations. Finally, we develop a wearable augmented reality system using the proposed localization system.
著者
宮原 誠 石川 智治 小林 幸夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.235, pp.9-15, 2001-07-20
被引用文献数
1

高度感性情報再現を目的としたスピーカの新設計理論を示す.高度感性情報とは人に感動を呼び起こすもの(深々さ, 凄み, 実在感など)である.コーン型のスピーカによる電気音響信号の再生(主として低温の再生)は, 制御理論の臨界制動(ζ┤0.7)の考え方を基本とする設計とは全く異なり, むしろ軽く, サスペンションの柔らかい振動板が, 複雑な電気信号に高度高く駆動されるように設計することが重要である.具体的には, 目標をQ_0<0.2, 高周波数帯域はボイスコイル近傍のみを振動板のピストン運動領域とする, などである.又, スピーカが空振りせずに空気をしっかりとらえて, 自由空間に精密な波面を放射させるようなメインアンプも含んだ新しいスピーカ駆動理論を示す.
著者
渡邉 修 山口 武兼 橋本 圭司 猪口 雄二 菅原 誠
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.118-125, 2009-02-18
被引用文献数
1 11

厚生労働省は,2001年から2005年まで高次脳機能障害支次援モデル事業を実施した.そのなかで,都道府県の実態調査をもとに全国の高次脳機能障害者数をおよそ30万人と推定した.しかし,以後,高次脳機能障害者数を推計する報告は極めて少ない.そこで,東京都は,高次脳機能障害者支援施策を展開するうえで対象となる高次脳機能障害総数を把握する必要から,脳損傷者の発生数に関する調査および通院患者に関する調査を行った.方法:(1)年間の高次脳機能障害者発生数の推定:都内全病院(651病院)に対し調査票を配布し,調査期間(2008年1月7日〜20日)中に退院した都内在住の脳損傷者を調査し,性別年齢別に年間の高次脳機能障害者の発生数を推計した.(2)高次脳機能障害者総数推計:高次脳機能障害有病者数は,性別年齢別に平均余命に当該年齢の発生数を乗じ,これの合計を求めて都内の総数を算出した.結果:回収病院数は419で回収率は64.4%であった.東京都内の1年間の高次脳機能障害者の推計発生数は3,010人,都内の推定高次脳機能障害者総数は49,508人(男性33,936人,女性15,572人)であった.高次脳機能障害を引き起こす主な原因疾患は脳血管障害および頭部外傷であった.これらの疾患による高次脳機能障害の発生頻度を文献的に考察すると,本調査の結果は妥当な数値と考えられた.
著者
石川 智治 冬木 真吾 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.11, pp.1805-1811, 1997-11-25
被引用文献数
29 7

音質評価語の調査・収集を行い, それらをKJ法によりグループ化し, 30語の代表評価語を得て既に発表した. その後, 評価実験の結果を踏まえて, 再整理と追加による改善を行い代表評価語を35語に集約した. 本論文は以下のことについて示す. 1.その改善の内容, 2.得られた代表評価語(35語)の心理的距離のMDS法による解析と四つのクラスタへの分類, 3.クラスタ化とは独立に行った, 衆目評価法による代表評価語のランクづけ, 4.分類した各クラスタと衆目評価法で得られた結果をつき合わせて総合音質に重要な代表評価語の選出を行った.
著者
木原 誠 朱雀 成子 早瀬 博範 吉岡 剛彦 相澤 照明 相野 毅 田村 栄子
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

三年間に亘る本研究の目的は、「国際文化学」の理念構築、及びその建築された理念を速やかに教育現場で実践していくための教育図書を備えた研究の出版にあった。この目的は、一昨年の『ヨーロッパ文化と日本』、昨年度の『歴史と虚構のなかの<ヨーロッパ>-国際文化学のドラマツルギー』(共に昭和堂)の出版において一つの結実をみた(さらに、今年度は『国際文化学と<旅・移動>』という表題で出版を予定)。研究に関してはすでに二冊の教育研究図書刊行により、すでに十分、企図を達成していたことから、最終年度にあたる平成19年度は、やや不十分であった実践的側面に重点をあてることを最大の課題に掲げた。その具体的成果は、佐賀大学文化教育学部に一昨年より新しく開講された「国際文化学概論」での教育の実践、具体的には、本研究により出版された二冊の図書を教科書に用いて、本研究の研究者全員がオムニバス形式で授業を行ない、その後、改善の検討会議を行なうことにより遂行された。また、本年度は、これまでの本研究成果を踏まえて、国際文化学会の研究会を「B面の国際文化学」という表題のもとで、佐賀大学で開催したことも特記しておきたい(尚、本研究の成果のあらましは、国際文化学誌、平成20年度『インターカルチュラル』で、「佐賀大学における国際文化学の歩み」という表題で掲載予定)。
著者
高原 誠 鈴木 健二 田上 敦士 阿野 茂浩
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.18, pp.1-6, 2010-02-25

近年,プッシュ型サービスを用いた災害情報などの小さな情報の配信が増加している.これらの情報は,通知に時間がかかると,本来の意味を失う可能性がある.例えば災害情報速報においては,災害を検知してから通知完了まで長時間経過すると,その対策が間に合わなくなる.このため,これらの情報通知では配信開始から全ての端末への情報通知完了時間を最小にすることが望まれる.本稿では,シミュレーションを用いて,異なる方法で形成される配信木モデルについて,全ユーザに情報を配信するために要する総情報配信時間を比較検討した.さらに,その配信木モデルの中の偏りのある配信木に着目し,分散などのシミュレーションにパラメタを変更し,それがどのように総情報配信時間に影響を与えるかを解析した.Recently, plenty of the short messages such as disaster information are distributed over Internet with correspond to the increasing use of Web services. These messages are time sensitive and need to be distributed within certain period. A sign and a warning of natural hazard should be distributed as fast as possible and quick distribution of stock information is very important to the enterprise management. Therefore, realization of the efficient push service over the Internet is expected. We have already reported that P2P communication is promising for the short message distribution to the city size of area with comparing to the server and client distribution. This paper analyzed the total information distribution time to all recipients with different network topologies, balanced and skewed tree, by simulation. Moreover, we have analyzed the contributions of skewed tree in details with several analytical parameters.
著者
小原 誠
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.490, pp.103-110, 1996
被引用文献数
1 1

The changeability of building in the life cycle for the remodeling, the renovation, or the extension become important matter for the building management. This paper proposes 4 kinds of classification and difinition of building changeability. Type O : changeability for the usual alternation without any construction work. Type I : previously instituted changeability of interior finishes and equipments. Type II : changeability for unexpected remodeling without any skeletal work. Type III : changeability of buillding skeleton or building shape itself. Any type of building requires characteristic changeability suitable for the type of building use and the required service level.
著者
吉沢 茂弘 本多 宏子 漆原 誠 中村 仲
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.243-255, 1990-08-01
被引用文献数
1 1

5〜6歳の男児12名をE群とし、3〜4mmol・l^<-1>に相当するHRが少なくとも連続的に3〜4分間維持される約915mの持久走を1日1回(日曜日を除く)6ヶ月間実施したところ、水平に固定されたトレッドミル走行の漸増負荷の測定において次のような変化が見られた。200beats・min^<-1>を上回る最大努力時のV^^・o_2 max/TBWはトレーニング期間前の47.5ml・kg^<-1>・min^<-1>からトレーニング期間後の50.4ml・kg^<-1>・min^<-1>へ、またpeakLA5.41mmol・l^<-1>から6.39mmol・l^<-1>へとともに有意に(p &glt; 0.05)増加した。またVmaxも走行動作の改善も加わり190.0m・minl^<-1>から205.0m・min・l^<-1>へと有意に(p &glt; 0.001)増大した。しかし最大下の4mmol・l^<-1>及び3mmol・l^<-1>に相当するこれらの変量には全く有意差が認められなかった。他方、7名の同年齢男児のC群においては、最大努力時及び最大下負荷時のすべての変量においてトレーニング期間前後の間に有意差は認められなかった。このように、E群の最大努力時にみられた効果は、幼児においても呼吸循環系にTrainabilityが存在することを示唆している。また持久走トレーニングが走行動作の効率の改善に大きく関与していることがわかった。
著者
宮原 誠 吉田 育弘
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.1129-1136, 1989-10-20
被引用文献数
46 7

カラー画像処理や符号化の研究は, (1)信号を人間の色知覚の3属性(Hue, Value, Chroma)にもとづく均等知覚空間上で, (2)処理誤差を実際に知覚される色差と関係づけて扱うことが有効である.この目的で用いる均等色空間として, 色差が定義されている(H, V, C)マンセル色空間を用いることとした.しかし, CIE(1976)L^*a^*b^*色空間にもとづく(R, G, B)&harr;(H, V, C)データ相互変換は精度が低く, また変換表を用いる方法も, 表を内挿する必要があるなど, 実用上の支障が多い.そこで本論文では, MTMと名付けた数学的(R, G, B)→(H, V, C)データ変換方法を提案する.MTMは, ある仮定した変換関数の未定係数を, カラーテレビの色再現範囲から均等にサンプルした250の代表色にもとづく重回帰分析によって決定したものである.また, ニュートン法を応用した逆変換の方法を示した.最後に, MTMとこの逆変換法を組み合せれば, 充分精度良く, かつ, 簡単に(R, G, B)&harr;(H, V, C)データ相互変換が行えることを確認した.
著者
田原 誠 野波 健蔵
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.78, no.787, pp.872-882, 2012
被引用文献数
3

Recently, Quad-rotor type helicopters which are representative of Multi-rotor type helicopters have been extensively developed over the world. The Multi-rotors are expected to replace Single-rotor type helicopters as an industrial helicopter because of their simplicity of the structure and good maintainability. In this paper, we focused on the operation problems of previous industrial helicopters and applied the Multi-rotors by a generalized design method. The generalization of the design method is performed considering variation of requirements of airframe specifications. In addition, we considered using commercial components rather than customized components in each process, so we achieved cost reduction compared with previous study. At first, we introduce the required specifications of a small pesticide application in this study and present the airframe design method. And then, we tuned parameters with presented simulation model and implement a multi-rotor type helicopter following the design method. Finally, we show the flight result and present the effectiveness of the design method.
著者
木原 誠
出版者
佐賀大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究の成果は、今日の免疫学の視点を導入し、文化の主体のありかを、コミュニティ内部から排除され、周縁に置かれた「インミュニティ(免疫)=アジール」にあると措定し、マクロ・中央集権・リアリズムの世界観を、ミクロ・周縁・虚構=無視・排除されたものの方から逆説・異化し、文化学創成のための新しい一モデルを提示したことに求められる。対象東西地域は、比較文化学の視点から重要と考えられる1 :我国最古の駆込寺の伝統をもつ東慶寺・鎌倉2 :ヨーロッパの極西・アイルランドの周縁に位置し、ヨーロッパ煉獄伝説発祥の地、オクシデントの表象、ドニゴールに絞り、調査、分析、検証を行った。
著者
中里 祐介 神原 誠之 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.193, pp.25-28, 2004-07-08
参考文献数
7
被引用文献数
2

近年,ユーザが装着可能なウェアラブルコンピュータを用いてユーザの道案内などを行うヒューマンナビゲーションに関する研究が注目を集めている.ヒューマンナビゲーションを行うには一般に,ユーザの位置と姿勢を正確に同定する必要がある.従来,実環境に多数のマーカを配置し,それらをユーザの装着したカメラで撮影することで,ユーザの位置・姿勢を求める手法が提案されているが,多くのマーカを設置する必要があるため,実環境の景観を損ねるという問題があった.そこで本研究では実環境に配置した半透明の再帰性反射材からなるマーカに赤外光を照射し,その反射を赤外線カメラで撮影・認識することで,ユーザの位置を認識する方法を提案する.その際,赤外線LEDを連続的に点滅させ,それと同期してマーカを撮影することでマーカからの反射光以外の赤外光の影響を取り除く.これによりインフラに電源を必要とせず,かつ景観を損なうことなくユーザの位置を検出することが可能である.
著者
鈴木 豪 志賀 剛 木原 貴代子 大熊 あとよ 西山 寿子 小林 清香 鈴木 伸一 西村 勝治 石郷岡 純 萩原 誠久
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.381-381, 2011-10-25

第6回東京女子医科大学メンタルヘルス研究会 平成23年6月23日 東京女子医科大学総合外来センター5F 大会議室
著者
山王丸 靖子 松原 誠史 武藤 慶子
出版者
県立長崎シーボルト大学
雑誌
県立長崎シーボルト大学看護栄養学部紀要 (ISSN:13466380)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.11-21, 2004-02
被引用文献数
1

男子学生の自覚症状の実態を把握し、生活習慣および食生活との関連を明らかにすることを目的とした。平成14年6月下旬にN大学の男子学生とS大学の男子学生139名(平均年齢18.9±1.4歳)を調査対象として、疲労自覚症状調査、生活・食生活状況調査、食事調査を行った。調査結果は以下のとおりである。1)本調査の有効回答率は97.9%であった。平均BMIは21.7であり、肥満傾向はみられなかった。2)身体自覚症状は「ねむけ」を訴える者が全体の72%を占めた。「ねむけ」得点は、他の因子と比較して有意に高値を示し、次に「集中思考困難」得点が高かった。3)全体の82%がアパートで暮らす単身者であった。日常生活状況では、「自覚的健康状態」が悪い者、「ストレス」を感じている者は疲労度が高い傾向があり、「適正体重の把握」が出来ている者、「運動習慣」がある者は疲労度が低い傾向であった。4)食生活状況では、「健康に関する情報収集」・「栄養成分表示の利用」をしている者、「適切な食事の知識」を持っている者の疲労度が低い傾向であり、「間食・夜食の頻度」が多い者の疲労度が高い傾向であった。5)栄養素摂取は、疲労度が高い対象者の「鉄」と「ビタミンB_1」摂取量が有意に低値を示した。6)疲労度が低い群は、多種類の食品を摂取している傾向がみられた。これらの結果から、健康生活上好ましいと考えられる行動を取っているものは、疲労度が低く、健康に関する情報の有無が疲労度に影響を及ぼしていることが明らかになった。今後は、大学においても健康維持・増進のために、健康に対する意識向上および知識供給を図ることが必要であると考える。
著者
原 誠
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.1971, no.58, pp.20-38, 1971-01-25 (Released:2010-11-26)
参考文献数
1

本稿で「スペイン語」という表現を用いる場合は原則として標準語とされているカスティーヤ方言のことであることをはじめにお断りしておく。さてさっそく本論に入らねばならないが, 筆者としてはスペイン語通時音韻論に存在すると筆者が考える一傾向を指摘するためにまずスペイン語通時音韻論に関する五つの現象を紹介したいと思う。
著者
松田 尚樹 工藤 崇 中山 守雄 井原 誠 岡市 協生 吉田 正博
出版者
長崎大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

放射性ヨウ素による内部被ばくの影響を検出する新しい評価系の開発をin vitro、in vivoの両面から試み、その結果を住民とのリスクコミュニケーションを通して不安緩和に随時応用した。In vitroではI-131を取り込んだラット甲状腺培養細胞の生存率、DNA損傷、シグナル系が急性照射とは異なる応答を示す結果を得た。In vivoでは、I-131を用いるSPECTの実現可能性は確認されたものの、内部被ばく検出とその健康リスク評価については、さらに複数の核種、プローブを駆使して開発を進める必要が残された。このような実験結果は、リスクコミュニケーションを進める上での重要な素材となった。
著者
山田 敦 青石 義人 内藤 禎章 吉原 誠 後藤 泰弘 小野寺 隆
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
昇降機・遊戯施設等の最近の技術と進歩技術講演会講演論文集 : Elevator, Escalator and Amusement Rides Conference
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.25-28, 2002-01-23

According to multistory building increase, the number of elevators tends to increase. In this case, also the space needed for hoistway or machine room increases, and as a result the effective floor space of the building decreases. In a common elevator (single deck elevator), there is one machine for one cab, but in a double deck elevator there is only one machine for two cabs, therefor the space needed for transportation can be reduced. However, in recent building design, there are a lot of cases that the height between floor and floor is not equal. In actual double deck elevator, the upper car and the lower car are fixed to car frame and it cannot cope with the difference between each floor. We have developed a Super Double Deck Elevator, in which upper cab and lower cab can move coping with the difference between each floor.
著者
宮原 誠
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 = Food irradiation, Japan (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.29-47, 2002-09-30
被引用文献数
5 1

2001年の本誌に同年3月にフランスのアビニオンで開かれた第12回国際放射線プロセスシンポジュウム(12IMRP)等の討議の報告を行い、また他誌にも総説を書いた。ここでは今までの検知法開発の歴史を振り返りつつ、1994年のADMIT(Analytical Detection Methods for Irradiation Treatment of Foods)以降、現在の検知について述べる。今回は検知法入門を兼ねて、そもそもなぜ検知法が必要なのかと言う議論を最初に行う。ある専門紙に"照射で有害な物質ができるとする科学者もいるので、照射食品の正しい表示が求められている"という意見が掲載されていた。現在このような考え方は一般的ではない。検知法の必要性は照射食品の安全性と大きな関わり合いを持つもので極めて重要である。検知法開発の歴史は古く、1960年代にはその端緒がはじまり、一時下火になったものの、1990年前半には、IAEA主導のもと盛んに研究が行われ、現在のような形の検知法が成立した。