著者
千明 政好 片貝 智恵 原田 竜三 濱元 淳子 山勢 博彰
出版者
一般社団法人 日本救急看護学会
雑誌
日本救急看護学会雑誌 (ISSN:13480928)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.23-30, 2013 (Released:2017-04-05)
参考文献数
17
被引用文献数
2

本研究は、救急看護の基礎教育や現場教育および専門教育に生かすことを目的に、多くの看護技術や能力の質問紙調査から重要な項目を抽出することで、「ここ1~2年救急看護の現場で重要性が高まっていると思われる技術・能力」および、「救急看護に携わる救急看護師に現在不足している(今後強化したい)技術・能力」を具体的に明らかにすることである。 全国の500床以上の救急科標榜病院200施設の救急看護経験が3年目以上の看護師400名に、独自作成した質問紙調査をした。その結果、ここ1~2年救急看護の現場で重要性が高まっていると思われる技術・能力は、「JNTECの実践」 、「災害時のトリアージ能力」 、 「災害や外傷者のストレスマネージメント能力」の順に重要と認識しており上位は「救急関連技術」であった。救急看護に携わる看護師に現在不足している(今後強化したい)技術・能力では、 「災害や外傷者のストレスマネージメント能力」 、 「災害時のトリアージ能力」、「インフォームドコンセントを確実に実施する脳死患者・家族」、「災害訓練時のリーダーシップ」、「フィジカルアセスメント能力がある」であった。災害看護関連や救急看護関連の技術や能力ばかりではなく、フィジカルアセスメント、家族ケアなどの技術・能力が不足していると認識していた。
著者
原田 大介
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.37-51, 2021-09-30 (Released:2021-11-16)
参考文献数
44

本稿の目的は,「共生」の観点から国語科教育の問題を考察することにより,その教科の可能性と課題を模索することにある.本稿ではまず,(1)文部科学省が考える「共生」の概念について,文部科学省が作成した報告資料等を検討する.次に,(2)学習指導要領における国語科教育の位置づけについて,特に小学校段階における「国語科の目標」に焦点を当てて確認する.その上で,(3)「共生」の観点から見た国語科教育の可能性として,包摂と再包摂をめぐる国語科授業の方向性と,「我が国の言語文化に関する事項」の「伝統的な言語文化」に関する国語科授業の方向性を提案する.最後に,(4)国語科に残された課題として,「社会や文化を批判的に読む力」を育成する観点を小学校国語科カリキュラムに導入する必要性を述べる.
著者
柳橋 健 前田 隆文 江村 徳男 筏 達也 原田 豊司
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.114, no.7-8, pp.800-806, 1994-07-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
5

The power capacitor and the AC filter are used for the reliable supply of electric power. For the protection of the power capacitor system, the over-load relay must be very accurate, because the operating voltage in power system is nearly the limited level of the power capacitor. For the protection of the AC filter system, the effective value must be detected from the filtercurrent which is mixed of fundamental and harmonics. So, we developed and produced the relay systems using new algorithms, high rate sampling, digital filter, R.M. S. calculation. On this paper, we report the characteristic of the protections and the algorithms.
著者
鈴木 美穂 渡邊 隆夫 香田 将英 本田 和也 原田 奈穂子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では、日本において高度実践看護師のひとつであるナースプラクティショナー(NP)を欧米のように活用した医療提供モデルを構築するために、日本におけるNP養成課程修了者の実践の実態を明らかにし、NPの実践による費用対効果等のアウトカムを評価する。医療技術の進歩と医療ニーズの複雑化により医療者がますます不足かつ偏在する中で、欧米諸国では医療の質とアクセスを一定に保つために、NPを活用してきているが、日本ではNPは公式には認められておらず、協議会ベースでの認定であり、公的導入に至るには科学的にも政策的にも支持するエビデンスがほとんどなく、日本での医療保険制度でのエビデンスの生成を目指す。
著者
窪田 悠一 原田 勝孝 伊藤 岳
出版者
日本大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

本研究は、歴史事象の現代社会における影響を考察の対象とし、超長期的因果関係の分析 に基づく新たな実証的社会科学研究を提唱することを目的とする。特にここでは、戊辰戦 争における戦闘や暴力の遺産が現代日本政治経済に与える影響について実証データを収集 しながら考察する。この目的のために本研究では、a) 戊辰戦争における戦闘・暴力の発生 メカニズムの解明、b) そうした政治暴力と現代市民の政治意識・行動、また経済活動の関 係性の分析を行う。
著者
金子 健二 金広 文男 森澤 光晴 三浦 郁奈子 中岡 慎一郎 原田 研介 梶田 秀司
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.853-864, 2010 (Released:2012-01-25)
参考文献数
42
被引用文献数
7 6

The development of cybernetic human HRP-4C is presented in this paper. The word “Cybernetic Human” is a coinage for us to explain a humanoid robot with a realistic head and a realistic figure of a human being. HRP-4C stands for Humanoid Robotics Platform-4 (Cybernetic human). Standing 158[cm] tall and weighing 43[kg] (including batteries), with the joints and dimensions set to average values for young Japanese females, HRP-4C looks very human-like. This paper introduces the project overview, the design process, mechanical features, and electrical features with specifications of HRP-4C.
著者
大林 沙泳子 八幡 昌紀 仲條 誉志幸 藤井 明子 向井 啓雄 原田 久 高木 敏彦
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.407-412, 2009 (Released:2009-10-25)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

ニホンスモモ‘貴陽’の結実不良の原因を解明するために,いくつかの基礎的な調査を行った.‘貴陽’は‘太陽’より早期落果が激しく,満開56日後の落果率は‘太陽’が80.4%であるのに対し,‘貴陽’では95.5%であった.不完全花の発生頻度と花柱内での‘ハリウッド’花粉の花粉管伸長には両品種に差がなかった.一方,‘貴陽’の花粉は‘太陽’よりも大きさにばらつきがみられた.花粉稔性は,‘太陽’の染色率と発芽率がそれぞれ91.6%と47.6%であったのに対し,‘貴陽’のそれらは70.4%と3.2%であり,‘太陽’と比較して著しく低かった.さらに,‘貴陽’では種子の大きさにもばらつきが認められ,完全種子の出現率(71.3%)は‘太陽’(93.0%)より低かった.最後に,‘貴陽’の倍数性を解析した結果,染色体数24本を有する三倍体であった.
著者
原田 紹臣 永井 雅章 櫻井 崇光 吉田 恭平 石原 孝雄 家戸 敬太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.233-244, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
47

藍子の皿ねぶりとして知られている藻食魚類のアイゴは,美味として珍重されている未利用魚の一種である.一方,モクライ(藻食らい)としても知られており,磯枯れの原因の一つとして考えられている.本稿では,徳島県美波町における地域活性化及び沿岸域の磯焼け対策の一つとしてのアイゴを用いた地場商品の開発と,その際にChatGPTを実践的に活用して考察されたChatGPTの適用性等について報告している.なお,アイゴ料理の試食を通じた官能検査の結果,燻製,リゾット等が高評価であった.一方,被験者の属性によって,料理の嗜好が異なる傾向であることが分かった.また,一般的に課題であったアンケート調査における自由記述文(意見)の分析に対してChatGPTを活用したところ,妥当性のある分析結果を簡易に得られる可能性が示唆された.
著者
鵜澤 成一 鈴木 美保 中久木 康一 道 泰之 山城 正司 原田 清
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.151-159, 2013-12-15 (Released:2014-01-30)
参考文献数
12
被引用文献数
5 1

前腕皮弁は薄くしなやかな皮弁であり,長い血管柄を有するため頭頸部再建に多用されている皮弁の1つである。当科では,1987年から頭頸部領域の欠損に対し,遊離皮弁を用いた再建手術を行っている。2012年9月までにおいて395例に対し,401皮弁の移植手術を行ってきた。皮弁の内訳は,前腕皮弁193例,腹直筋皮弁155例,肩甲骨複合皮弁42例,腓骨皮弁8例,前外側大腿皮弁2例,広背筋皮弁1例であり,前腕皮弁が最も多く用いられていた。前腕皮弁を用いた再建手術の適応としては,おおむね半側までの舌口底欠損,頰粘膜,中咽頭欠損などであり,さまざまな頭頸部領域の欠損に用いることが可能であった。前腕皮弁移植における生着率は99%(191例/193例)であったが,口腔内の創部哆開などの合併症は39例(20.1%)に生じており,また,皮弁採取部の合併症は27例(13.9%)に生じていた。今回の概説では,当科における前腕皮弁の採取法,適応,再建時の工夫などについて概説し,さらに,今後の課題について述べてゆく。
著者
高久 祐治 赤羽 明 入船 寅二 宇治 輝幸 桜井 清子 原田 康雄 竹中 榮一 勝浦 一雄 林 昌樹
出版者
一般社団法人 日本医学物理学会
雑誌
日本医学放射線学会物理部会誌 (ISSN:02885506)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.5-16, 1991-04-30 (Released:2012-09-24)
参考文献数
11
被引用文献数
3

Medical physics education for radiological technology students, medical students and dental students were discussed with the bases of reports by 6 speakers at the symposium entitled “Medical Physics EducationPresent State and for Future Development”, held on 29th of June,1990, as a part of “The 7th Meeting of Japanese Association of Medical Physics”.Physics has been less welcomed by high school students. This fact and inn ovations introduced to medicine demand our efforts to prepare more attractive teaching material of medical physics for medical students.The guidelines of national examinations for the license of dental practice, and also for radiological technologists, specified in detail, tend to make radiological physics teaching stiff and fo rmal. Considerations of not making the lecture be just for the national examinations are important.The Department of Medical Physics has not been juxtaposed in any Japanese university hospitals. Medical Physicist is not an identified profession in Japan. Few post graduate educational programs of Medical Physics have been developed in Japan. These situations must be improved.
著者
原田 豊
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.71-74, 2023 (Released:2023-09-01)
著者
原田 一
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.286-291, 1970-08-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
30
被引用文献数
1
著者
鈴木 亮一 島田 昌和 森本 匡洋 神野 信夫 鈴木 周二 余戸 拓也 原田 恭治 道下 正貴 原 康
出版者
Japanese Society of Veterinary Anesthesia and Surgery
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.45-52, 2023 (Released:2023-10-17)
参考文献数
30

3歳4ヶ月齢の避妊雌のドーベルマン・ピンシャーが、右後肢の跛行が進行していたため紹介来院した。整形外科的検査では股関節の可動域が減少し、右大臀筋および大腿部骨格筋の萎縮が明らかに認められた。コンピュータ断層撮影では右坐骨腹側から右大腿骨転子窩尾側に伸びる骨塊が認められた。Von Willebrand病1型遺伝子のDNA検査では遺伝子変異は認められなかった。骨塊は外科的手術により切除され、組織学的に化骨性筋炎と診断された。運動機能は顕著に改善し、術後363日目においても再発は認められなかった。
著者
野村 恭也 原田 勇彦 林田 哲郎
出版者
日本耳科学会
雑誌
臨床耳科 (ISSN:18845800)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.228-229, 1983 (Released:2011-08-10)
参考文献数
6
著者
原田 直之 山本 佳乃子 小暮 敏明
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.241-245, 2020 (Released:2021-09-28)
参考文献数
12

腰痛とそれに伴う下肢痛,しびれ感はしばしば難治性で日常生活動作の低下につながるため漢方治療の良い適応となっている。今回我々は,精神神経症状の有無にかかわらず柴胡加竜骨牡蠣湯が奏功した症例を複数経験したので報告する。症例は腰痛を主訴とし,下肢の痺れあるいは疼痛を伴う5例である。そのうち4例には精神神経症状はみられなかった。柴胡加竜骨牡蠣湯の投与によっていずれも2ないし4週間で疼痛の軽減と歩行距離の改善がみられ,鎮痛薬が不要となった。一般に,柴胡加竜骨牡蠣湯は精神神経症状を伴うものが適応とされるが,自覚的な症状がなくとも著効する場合があり,慢性疼痛による潜在性うつ状態を精神神経症状ととらえることで,腰痛緩和の鑑別処方になり得ると考える。
著者
川原田 洋 平間 一行 荻原 大輔
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.144-150, 2008-03-10 (Released:2008-03-23)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

The discovery process and the mechanism of p-type surface layer accumulation of hydrogen terminated diamond surfaces have been reviewed from the point of surface characterization and carrier formation near the subsurface. Since diamond is an insulating material, the surface density is as high as the order of 1013 cm−2 that is enough for high performance field effect transistors to be realized. The surface dipole formed by hydrogen-carbon bonds has a crucial role for the surface band structure of diamond. Also important is several types of negatively charged adsorbates necessary for charge neutrality condition and hole accumulation. New models for carrier emergence such as a transfer doping model have been discussed.
著者
本田 敦夫 手塚 孔一郎 岡村 智仁 河本 薫 清水 翔司 原田 耕平 田辺 隆人 白川 達也 高橋 智洋
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.138, no.11, pp.862-873, 2018-11-01 (Released:2018-11-01)
参考文献数
23
被引用文献数
1

Osaka Gas Co., Ltd., jointly with NTT DATA Mathematical Systems Inc., has developed unit-commitment model for optimizing dispatch of power generation units. Main purpose of this development is to simulate the future world of electric power system in accordance with national energy policy aiming to introduce large amount of renewable energy as well as vitalized cross-border power exchange via PX market to enhance economically-efficient power system operation. The model incorporates not only constraints of supply-demand balance but also constraints of operating reserves, regulation reserves, maximum CO2-emissions, etc.