著者
鎌田 基司 村上 克介 松本 隆仁 村瀬 治比古 諸見里 聰 増田 篤稔 洞口 公俊 向阪 信一
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.35, pp.159, 2002

モズクは健康食品として消費が伸びてきている。モズク養殖生産の効率化と安定化を図る上で、光環境の作用&middot;効果の解明が必要である。そこで光環境の基礎的知見を得るため、モズク盤状体の光合成特性について実験検討を行った。培養には40W3波長形蛍光ランプを用いた。光合成特性は光合成有効光子照度(PPFD)を0&sim;1000&mu;mol m<SUP>-2</SUP>s<SUP>-1</SUP>として測定した。実験検討の結果、日数の経過とともに盤状体の濃度は高まり、光の透過率が低くなった。高濃度のモズクは低濃度のモズクより低いPPFDで酸素発生速度が速くなる結果が得られた。モズク盤状体の光合成における最適な光飽和点は150&sim;300&mu;mol m<SUP>-2</SUP>s<SUP>-1</SUP>であった。今後、モズクの光合成特性の測定&middot;把握と併せて、補光設備を配設した実験用人工採苗水槽試作機での実験を重ねていきたい。
著者
竹多 政裕 瀧嶋 悠 倉本 健介 古市 昌一
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.641-642, 2015-03-17

従来, 歴史研究家は資料等を収集し, 机上でのシミュレーションにより諸説の立案・検証してきた. このシミュレーション部分を, コンピュータを利用することでより多くの仮説を検証することが可能であるが, 既存の戦闘シミュレータは現代の戦闘の再現を目的としているため歴史上の人物の再現が困難であるとともにプログラミング知識が必要であった. そこで我々は, 戦国時代の武将の戦いを再現することを目的としてシミュレーションシステム戦国FUSEを試作したが, 既存の戦国FUSEでは桶狭間の戦い等の気象の動的な変化が戦況に影響をおよぼす戦いの再現ができなかった. そこで本研究では戦国FUSEに動的環境モデルを導入する方法を提案し, 実装を行った.
著者
相馬 裕樹 細田 智弘 伊藤 守 永江 真也 古橋 和謙 坂本 光男 野﨑 博之 清水 英明 岡部 信彦
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.94, no.4, pp.500-506, 2020

<p>新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって,入院病床の確保が逼迫する問題となっている. 指定感染症であるCOVID-19 は,一定の基準に則って入退院の決定がなされており,入院期間は長期にわたる.大型クルーズ船によるCOVID-19 集団感染事例において,当院では軽症者を含む11 例のCOVID-19 感染症症例を経験したため,臨床経過から重症化因子と入院期間の延長に関わる因子を考察した.重症度は中国CDC の分類を用いて決定した.11 例の年齢中央値は62 歳,男性4 例・女性7 例で,軽症(mild)が 7 例,中等症(severe)が4 例,重症(critical)が0 例であった.発症から軽快の基準を満たすまでの日数の中央値は,中等症例13 日・軽症例7 日であった.発症からPCR の陰性化が確認できるまでの日数の中央値は,中等症例16 日・軽症例14 日であった.発症から退院までの日数は,中等症例22.5 日・軽症例16 日であった.COVID-19 症例は軽快した後も一部の症例でPCR 検査の陽性が継続し,入院期間の長期化の一因と考えられた.また,中等症例と軽症例を比較すると,中等症例は軽症例に比して入院時の血清フェリチンや血清アミロイドA 蛋白が高い傾向があった.COVID-19 症例の増加による病床数の確保が必要な状況においては,軽症例や入院後に軽快した症例の自宅・宿泊療養が検討される.また経過中に重症化する症例を適切に判別する方法を確立し,治療や二次感染防止のための入院・退院基準に反映することが必要であると考える.</p>
著者
日本考古学協会編
出版者
東京堂
巻号頁・発行日
1962
著者
古久保 乾門
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学人間環境論集 (ISSN:13472135)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.13-31, 2005-06-30

The music of Naomi Shemer (1930-2004), one of the Israel's most prolific songwriters, has a deep relationship with the history of modern Israel: her songs have been called 'the diary of Israel'. She started her career as a composer and a songwriter in the period when Israel was granted independence. Through her music she played the role of a "spokesman" for Israeli people in every moment of the history of modern Israel, expressing the joy of the founding of the new nation, the pain of wars with neighboring countries, and prayers for peace. She wrote of the beauty of her homeland, 'the land of Israel', and her songs themselves became a home for the hearts of many Israeli people. Besides traditional songs, children growing up in the new Jewish society did not have any of their own songs, but Shemer satisfied this lack. This work briefly shows the life of Naomi Shemer and the character of her literature and music. It offers a commentary on phrases from Jewish traditional literature quoted in her masterpiece, Jerusalem of Gold, and searches for the reason why the piece acquired the title "the second national hymn of Israel".
著者
古沢 直人
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.p198-237, 1990-03

鎌倉末期における幕府訴訟制度の実態については、職権主義・即決主義が台頭し、和与が盛行するという指摘が行われているが、末期訴訟制度を最も特色付けるものは、むしろ欠席裁判の激増という問題である。この事態は、訴訟当事者の裁判への召喚命令無視という行為の増大を背景とし、幕府がそれに対して、成立後約半世紀にわたって実際の発動を行わなかった御成敗式目三五条の規定を機械的に適用したためであるが、結果的に裁判の半数近くが「欠席裁判」となったのが末期幕府訴訟制度の実態であった。この欠席裁判の問題は、これが最も激しく見られた九州、屈折した形をとった畿内・西国、辺縁部を中心にして鎌倉周辺では少なかった東国等、それぞれ地域的な個性をもって展開し、各地域の社会矛盾や権力関係などがそこに反映されていた。しかし同時に、共通の本質に支配されており、この点の解明が全国一斉に鎌倉幕府打倒に結集した原因を探る鍵である。
著者
庄司 樹古
出版者
広島修道大学
雑誌
修道商学 (ISSN:03875083)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.127-146, 2000-03-10
著者
榊原 弘之 倉本 和正 菊池 英明 中山 弘隆 鉄賀 博己 古川 浩平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.658, pp.221-229, 2000

本論文では, がけ崩れに寄与する重要要因の抽出を目的として, ラフ集合を用いたデータマイニングを山口県のがけ崩れ発生・非発生データに対して実施する. まず, 地形要因データにおける重要要因を抽出し, 比較的少数の要因によって, 大部分のがけ崩れ発生・非発生を矛盾なく説明できることを示す. さらに, 地形要因と降雨要因を組み合わせたデータへも同様の手法を適用し, 降雨時に警戒対象とすべきがけの選別手法を示した. 本論文により, ラフ集合によるデータマイニングを土砂災害の発生・非発生データの分析に用いることができることが明らかとなった.
著者
古川 智恵 森 京子
出版者
ヒューマンケア研究学会
雑誌
ヒューマンケア研究学会誌 (ISSN:21872813)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.83-87, 2018

本研究の目的は,看護大学生の学びのレポートから清潔間欠自己導尿指導のシミュレーション演習の評価を行うことである.研究への同意が得られた81 名の学生の演習終了後のレポートを分析対象とした.その結果,【正しい手順を理解するために患者の状況を見ながら根拠を踏まえたわかりやすい指導を行う必要性】,【看護師の温かく見守る態度やよき相談者として信頼関係を築く関わり】など6 カテゴリーが形成された.演習を通して学生は,患者または看護師の立場に立って排尿障害のため清潔間欠自己導尿を行いながら生活する患者の指導方法や苦痛について学んでおり,清潔間欠自己導尿指導のシミュレーション演習は,看護大学生にとって患者理解を学ぶ効果的な演習方法の一つであると言える.
著者
古木 省吾 佐野 肇 栗岡 隆臣 井上 理絵 梅原 幸恵 原 由紀 鈴木 恵子 山下 拓
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.256-262, 2020-08-30 (Released:2020-09-09)
参考文献数
15

要旨: 補聴器増幅特性の決定は補聴器フィッティングの中で最も重要なプロセスである。 NAL-NL 法や DSL 法などの処方式を選択しソフトウェア上で算出した設定値は平均的な外耳道, 鼓膜の特性を基に計算されたものであり各耳の個体差は考慮されていない。そこで我々は, 純音聴力検査の結果をフィッティングソフトに入力し選択した処方式から算出された設定値と, 実耳測定を用いてターゲット値に近似するように調整した後の設定値との差を比較し, フィッティングソフトにより算出される設定値の妥当性を評価した。結果, 全周波数の修正が±4dB以内に止まった割合は NAL-NL2では10% (2/20耳), DSLv5では5% (1/20耳) とかなり低値であった。適切なフィッティングには実耳測定が重要であることが再認識された。しかしながら, 実耳測定を行っている施設はおそらく限定的である。どのような方法で実耳測定の代用方法を構築できるかは今後の課題である。
著者
藤田 郁代 物井 寿子 奥平 奈保子 植田 恵 小野 久里子 下垣 由美子 藤原 由子 古谷 二三代 笹沼 澄子
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.179-202, 2000-04-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
35
被引用文献数
5 13

本委員会は, 1993年から「失語症語彙検査」の開発に着手し, 現在までに中核部分の諸検査: 語彙判断検査, 名詞・動詞検査, 類義語判断検査, 意味カテゴリー別名詞検査を作成した.本検査の目的は, 脳損傷患者の単語の表出・理解機能を多面的に評価し, 言語病理学的診断, 治療方針の決定, 治療効果の測定等に役立てることにある.今回は, 本検査を健常者に実施し, データを分析した.健常者の成績は, すべての検査において満点に近く, 本検査の課題は健常者にとって容易であることが明らかとなった.年齢および性による成績の差は大部分の検査において有意ではなかった.語の頻度効果を語彙判断検査, 名詞表出検査, 名詞理解検査において, 心像性効果を語彙判断検査, 名詞理解検査, 類義語判断検査において認めた.以上および先行研究の結果から, 本検査は脳損傷患者の単語の理解, 表出機能を評価する上での手段になりうると考えられた.
著者
古屋 英治 森山 朝正 片山 憲史 宮本 俊和 室伏 由佳
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.141-154, 2014 (Released:2014-12-24)
参考文献数
15
被引用文献数
1

「スポーツ鍼灸」 は鍼灸治療によって選手が訴える身体の不調を緩和し、スポーツの質の向上に寄与するものである。鍼灸治療の疼痛緩和作用はスポーツ障害に対してよく用いられてきたが、最近では障害の予防、コンディション調整もしくは体調管理にも応用されている。しかしスポーツ鍼灸の定義は明確ではなく、スポーツ選手を対象とした鍼灸治療のガイドラインも整備されていない。 2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に今日までのスポーツ鍼灸の研究成果を総括することにした。その内容はスポーツ分野における鍼灸の位置づけ、筋痛・筋疲労・筋萎縮及びスポーツ障害と鍼灸に関する研究である。さらに選手が競技生活において鍼灸との関わりを選手自身の言葉として添えていただいた。これらの成果は次なる目標である選手の求めに応じたスポーツ鍼灸を作り出すことに繋がるものである。
著者
古賀 聖人
出版者
三田哲學會
雑誌
哲学 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.134, pp.101-132, 2015-03

特集 : 西脇与作君・樽井正義君退職記念寄稿論文
著者
佐伯 明比古
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.191-198, 1990-03-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
9
被引用文献数
2 11

固定化酢酸菌の食酢製造の工程に利用し,製造期間の短縮および生産効率の向上を図ることを目的として,アルギン酸カルシウムによる酢酸菌の固定化条件および流動層型カラムリアクターを用いた連続酢酸発酵条件について検討し,次のような結果を得た. (1) アルギン酸カルシウムによる酢酸菌の最適固定化条件は,最終アルギン酸ナトリウム濃度1.0~1.5%,塩化カルシウム濃度2~3%,ゲル直径1.1~1.5mmであった, (2) 固定化酢酸菌による連続発酵では,希釈率0.32h-1の時,酢酸生産速度は最大となり7.2g/(l・h)であり,従来法と比較すると生成酸度と生産速度はともに2倍となった. (3) 固定化酢酸菌による連続発酵では,リアクターを二槽式とすることにより,単槽式よりも効率的に食酢を生産することができた.