著者
加藤 孝久 堀 幸夫
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.53, no.495, pp.2380-2386, 1987-11-25
被引用文献数
1

This paper presents a new method for solving the Reynolds equation with a matrix form, in which the Reynolds equation is reduced analytically without approximation to infinite dimensional linear equations with unknowns related to eigen values of operator R=▽・[(h^3/6η)▽]. The paper also presents applications of the method to journal bearing problems under two boundary conditions : one is the half Sommerfeld condition and the other is the quasi Reynolds condition which assures 'continuity of the bulk flow' across the boundary. It will be shown that the present method requires much less computational time than FDM for obtaining accurate predictions.
著者
藤谷 哲 赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.143-152, 2000-09-20
被引用文献数
4

本論文は,メーリングリストの発言を対象とした重要文の抽出手法の効果を分析した結果について述べている.筆者らは,メーリングリストの発言から,その議論の展開に沿った手法で自動的に重要文を抽出して,内容の要約を提示するシステムの開発を行った.本研究では,自動抽出したそれらの重要文の提示が,新たな情報提示手法として読解過程に果たす機能に注目して,分析を行った.大学生を対象にして,メーリングリストの発言内容の重要文提示の効果と,電子メール文書を読む際の方略に関するアンケート分析,プロトコル分析を実施した.その結果,重要文の提示は,目次利用や,全体構造の把握という読解方略の支援に有効であることがわかった.
著者
馬場口 登 堀江 政彦 上田 俊弘 淡 誠一郎 北橋 忠宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.791-800, 1997-03-25
被引用文献数
41

本論文では, ユーザが現在地から目的地までの経路を理解するための支援システムとして, 略地図とその案内文を生成するシステムSKETISTを提案する. SKETISTは, データベース部, インタフェース部, および処理モジュール部からなる. データベース部には, 原地図画像を表すベクトル地図画像ベースと構造化データである道路ネットワークの二つがある. 処理モジュール部は, 道路ネットワーク抽出, 経路探索, 略地図生成, 案内文生成から構成される. 経路理解に主たる役割を果たす略地図とその案内文は, ベクトル地図画像ペースから自動的に生成される道路ネットワークを基礎データとして作成される. SKETISTの特徴は, 種々の処理段階でユーザの要求を反映できる設計となっていること, および相対する情報伝達特性を有する画像・図形メディアと言語メディアの統合システムとなっていることである. 提案システムを実装して動作検証を行った結果, ユーザの要求を反映した経路を探索し, 図形情報, 記号情報の双方を操作することにより任意の複雑さの略地図と案内文が良好に生成されることを確認した.
著者
大高 崇 西田 昌史 堀内 靖雄 市川 熹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.747, pp.7-12, 2004-03-19

現状の手話CGアニメーションでは,手動作が不自然に見えてしまうという問題が指摘されている.その要因の一つに,手話を表現する時間長が文の構造や強調表現などによって変化するという点を考慮していないことが挙げられる.この問題の解決には手話の時間構造に関する詳細な検討が必要不可欠であるが,これを厳密に分析した研究はあまり行われていない.そこで本研究では,手話の時間構造に関する初期検討として,時間構造の基準となる単位(時間構造単位)について分析を行った.分析の結果,手話の時間構造は動作転換点を中心に構成され,時間構造の単位は単語以下の単位であるという点が示唆された.
著者
山崎 志織 堀内 靖雄 西田 昌史 黒岩 眞吾 市川 熹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.435, pp.31-36, 2008-01-18

人間の手話動作と同程度の速度でも十分に読み取り可能な手話文CG合成システムを実現するために,モーションキャプチャにより収録した単語データを用い,わたりを自動補間する手話文CG合成システムの構築を行った.わたりに対しては時間長を移動距離から算出する手法を用い,速度を力学的モデルである躍度最小モデルによって算出した.構築したシステムによるアニメーションに関して,市販されている手話文CG合成ソフトとの比較評価を行った結果を報告する.
著者
堀口 毅
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.226-232, 1989-06-05

1) トウモロコシの品種の中からアントシアニンを集積しやすいイエローデント(YD)とアントシアニンを集積しにくいゴールデンクロスバンタム(GC)を選び,窒素,リンおよびマンガンを欠除させた培養液を用いて,これらの養分が全フェノール,アントシアニンおよびその他のフェノール性化合物の含有率に及ぼす影響について検討した。全フェノールおよびフラバノール含有率は,YD,GCともにリン欠除もしくは窒素欠除によって増加し,窒素欠除による増加はリン欠除による増加よりも著しかった。アントシアニンについては,とくにYDのリン欠除区において著しく増加したが,GCでは処理により変化はわずかであった。ロイコアントシアニンについては,YD,GCともにリン欠除区で含有率が高かった。イエローデントをマンガン欠除処理すると,アントシアニン生成が抑えられ,リン欠除の場合にもアントシアニンがほとんど集積しなかった。 2)赤レタスと赤キャベツを用いてフェノール代謝に及ぼすマンガンの影響を検討した。植物はマンガン欠除培養液で水耕培養したのち,葉身のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)活性,全フェノール,アントシアニンあよびクロロフィル含有率を測定した。対照区の赤レタス,赤キャベツは赤色に着色したがマンガン欠除区のものは緑色であった。赤レタス,赤キャベツともにマンガン欠除によって,PAL活性,全フェノールおよびアントシアニン含有率が低下し,とくにアントシアニン生成は,マンガン欠除によって著しく抑制された。マンガン欠除区の赤キャベツ上位葉のクロロフィル含有率は対照区とほとんど変わらなかったにもかかわらず,アントシアニン含有率は著しく低下した。マンガンのフェノール代謝とアニン生成への影響は,光合成への影響とは異なる直接的なものであることが示唆される。
著者
安達 栄輔 堀口 進
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.1501-1511, 2005-06-15

本論文では,時系列画像の多重解像度解析によるオプティカルフロー推定法について議論する.多重解像度解析は,勾配法において発生する時間的エイリアシングの影響を除去するために用いられる.まず,各解像度画像におけるオプティカルフロー推定において,オプティカルフローの拘束式をフィッティングさせる局所領域の大きさをどのように設定すべきかの指針を与える.次に,各解像度間のオプティカルフロー統合法についても議論する.オプティカルフロー統合法は,画像歪曲型と解像度選択型に分類される.画像歪曲型と解像度選択型を比較したところ,画像歪曲型が速度の大きい場所特に動きの境界において解像度選択型よりも有利であることが分かった.また,解像度選択型において,多重解像度処理を各解像度ごとの処理に並列化し,その有効性を示した.This paper discusses optical flow estimation method using multiresolution analysis of image sequence. The multiresolution analysis is used to eliminate the time aliasing in gradient based method. This paper presents a guideline how to ajust a size of local region that constraint equation of optical flow is fit in optical flow estimation of each resolution image. We also discuss two optical flow unification methods; Image Warping type and Resolution Selection type. It is found that Image Warping type is more accurate than Resolution Selection type where speed is large particularly on motion boundary. In Resolution selection type, multiresolution processes are parallelized to different resolution processes to reduce computation times. It is shown that the parallelization can effectively reduce the computation times.
著者
氏平 祐輔 大藪 又茂 村上 徹朗 堀江 強
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.27, no.10, pp.631-636, 1978-10-05
被引用文献数
6

尿素の分解を利用した均質沈殿法によって鉄化合物を生成し,その化学状態をpH変化の追跡,メスバウアースペクトル及びX線回折パターンの解析から分析した.均質沈殿を行っている溶液のpH変化の様子,あるいは沈殿した鉄(III)化合物がpH 1.7〜1.8の鉄(III)塩溶液を加熱し,鉄(III)イオンを加水分解したときに生成する化合物と酷似していたことから,均質沈殿の過程は水酸化物イオンの均質的な供給下における鉄(III)イオンの加水分解の過程と同じであることが分かった.0.1M硝酸鉄(III)溶液からの均質沈殿ではゲータイト(α-FeOOH)及びヘマタイト(α-Fe_O_3)が生成し,0.1M塩化鉄(III)溶液からの均質沈殿ではアカガネイト(β-FeOOH)が生成し,0.1M硫酸鉄溶液の均質沈殿からは塩基性硫酸鉄〔NH_4Fe_3(OH)_6(SO_4)_2〕及びゲータイト(α-FeOOH)が生成した.沈殿時に共存する陰イオンの種類及び尿素の分解速度によって異なった化学状態の鉄(III)化合物が沈殿することも分かった.
著者
相澤 真一 堀 兼大朗
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.115-136, 2022-07-30 (Released:2024-04-01)
参考文献数
26

本稿では,ブルデューの『ディスタンクシオン』およびイギリスにおけるその実証的展開である『文化・階級・卓越化』から示唆を得て,日本社会において同様の問いを検討し,いかなる文化資本を見いだすことが可能なのかを計量的に検討する。ただし,本来,このような問いを明らかにすることのできる調査データは存在しないため,現在,広く入手可能なデータでどこまでこのような問いに接近可能なのかについて検討する。 本稿では,文化的変数あるいは生活様式にかかわる変数を投入した対応分析を行う。『文化・階級・卓越化』に則り,対応分析には,文化的活動あるいはライフスタイルにかかわる変数をアクティブ変数として投入する。具体的な分析手順としては,第1に,文化的活動あるいはライフスタイルにかかわる変数のいずれかのみを投入する。第2に,その両者を投入する。このそれぞれの分析結果に追加変数として,社会階層の分析でよく用いられる変数をプロットし,両者の関係を検討する。分析には,2015年「社会階層と社会移動全国調査」(以下,SSM2015)と東大社研パネル調査(以下,JLPS)の一部のWaveを用いる。 結果として,文化的活動への関与の有無と資本の総量は相関していることが示唆される。特にクラシック音楽や美術への関与と社会階層変数との重なりが大きい一方で,第二軸の分散は主に年齢と関連していることが明らかになった。
著者
大西 徹 堀尾 洋人
出版者
一般社団法人 PMI日本支部
雑誌
プロジェクトマネジメント研究報告 (ISSN:24362115)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.40-44, 2024-03-31 (Released:2024-03-31)
参考文献数
7

自律社会は個人から集団へ,物から心への重心移動を特徴とし,価値観が急速に変化する時代である.この時代において効果的なコミュニティ運営には新しいアプローチが求められる.本研究では,「ソース」と呼ばれるコミュニティ活動の創造源となる個人の役割とアジャイル・プラクティスの適用を通じてコミュニティ運営を効果的に行う方法を探求する.ソースはコミュニティのビジョンやイニシアチブを提供し,コミュニティ・コーチはそのビジョンを具現化するサポートを提供する.アジャイルな計画法を応用し,持続可能な運営を促進する.本研究は,自律社会におけるコミュニティ運営方法を提案し,その実践的な適用について洞察を提供する.
著者
堀江 広行
出版者
ロシア史研究会
雑誌
ロシア史研究 (ISSN:03869229)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.3-19, 2005-12-28 (Released:2017-07-25)

Статья посвящена анализу понятия <<личности>> в <<Философии имени>> С.Н. Булгаова. Основные задания, предъявленные философом в данной работе-представление идеи отражения фундаментальной бытийной структуры человека на языке и посредством этого оправдание учения о Имени Божии имяславцев. Любое человеческое слово рассматривается Булгаковым как результат скрытого первородного суждения, т.е. именования, в котором обязательно присутствует три составляющих элемента : подлежащее как предмет именования, предикат как идея и связка как <<онтологическая агглютинация>>, соединяющая подлежащее, представленное как трансцендентное и предикат как имманентное. Однако, по мнению автора, в результате принятия Булгаковым православного учения Божественной Энергии, которая представляет собой исконнно личностное действие Бога, в струкутру именования вводится идея <<личность>> и здесь остро стоит вопрос о том, кто есть субъект скрытого действия именования, т.е. Энергии. В научном сообществе распространено мнение о том, что субъектом именования является отдельный человек. Автор настоящей статьи, признавая определенные доводы распространенных мнений, пытается доказать, что субъект именования-человечество, понимаемое Булгаковым как обладающее некой собирательной личностью. Автор считает, что, несмотря на формальное отсутствие упоминания Софии Премурости Божьей в <<Философии имени>>, Булгаков по-прежнему фактически придерживается теории собирательной личности человечества, т.е. Софии, предложенной им в предыдущих работах. В статье также анализируется основное различие двух булгаковских пониманий первородного суждения, которое рассматривается в <<Философии имени>> и <<Трагедии философии>>.
著者
西園 昌久 高橋 流里子 対馬 節子 松永 智子 福屋 靖子 土屋 滋 大貫 稔 高橋 美智 浅野 ふみぢ 小松崎 房枝 鈴木 小津江 平山 清武 中田 福市 鈴木 信 壁島 あや子 名嘉 幸一 鵜飼 照喜 福永 康継 浪川 昭子 高田 みつ子 岩渕 勉 森脇 浩一 加藤 謙二 早川 邦弘 森岡 信行 津田 司 平野 寛 渡辺 洋一郎 伴 信太郎 木戸 友幸 木下 清二 山田 寛保 福原 俊一 北井 暁子 小泉 俊三 今中 孝信 柏原 貞夫 渡辺 晃 俣野 一郎 村上 穆 柴崎 信吾 加畑 治 西崎 統 大宮 彬男 岩崎 徹也 奥宮 暁子 鈴木 妙 貝森 則子 大橋 ミツ 川井 浩 石川 友衛 加世田 正和 宮澤 多恵子 古賀 知行 西川 眞八 桜井 勇 三宅 史郎 北野 周作 竹洞 勝 北郷 朝衛 橋本 信也 斉藤 宣彦 石田 清 畑尾 正彦 平川 顕名 山本 浩司 庄村 東洋 島田 恒治 前川 喜平 久保 浩一 鈴木 勝 今中 雄一 木内 貴弘 朝倉 由加利 荻原 典和 若松 弘之 石崎 達郎 後藤 敏 田中 智之 小林 泰一郎 宮下 政子 飯田 年保 奥山 尚 中川 米造 永田 勝太郎 池見 酉次郎 村山 良介 河野 友信 G. S. Wagner 伊藤 幸郎 中村 多恵子 内田 玲子 永留 てる子 石原 敏子 河原 照子 石原 満子 平山 正実 中野 康平 鴨下 重彦 大道 久 中村 晃 倉光 秀麿 織畑 秀夫 鈴木 忠 馬渕 原吾 木村 恒人 大地 哲郎 宮崎 保 松嶋 喬 桜田 恵右 西尾 利一 森 忠三 宮森 正 奥野 正孝 江尻 崇 前沢 政次 大川 藤夫 関口 忠司 吉新 通康 岡田 正資 池田 博 釜野 安昭 高畠 由隆 高山 千史 吉村 望 小田 利通 川崎 孝一 堀 原一 山根 至二 小森 亮 小林 建一 田中 直樹 国府田 守雄 高橋 宣胖 島田 甚五郎 丸地 信弘 松田 正己 永井 友二郎 向平 淳 中嶌 義麿 鎮西 忠信 岡田 究 赤澤 淳平 大西 勝也 後藤 淳郎 下浦 範輔 上田 武 川西 正広 山室 隆夫 岡部 保 鳥居 有人 日向野 晃一 田宮 幸一 菅野 二郎 黒川 一郎 恩村 雄太 青木 高志 宮田 亮 高野 純一 藤井 正三 武内 恵輔 南須原 浩一 佐々木 亨 浜向 賢司 本田 麺康 中川 昌一 小松 作蔵 東 匡伸 小野寺 壮吉 土谷 茂樹 岡 国臣 那須 郁夫 有田 清三郎 斎藤 泰一 清水 強 真島 英信 村岡 亮 梅田 典嗣 下条 ゑみ 松枝 啓 林 茂樹 森 一博 星野 恵津夫 正田 良介 黒沢 進 大和 滋 丸山 稔之 織田 敏次 千先 康二 田中 勧 瓜生田 曜造 尾形 利郎 細田 四郎 上田 智 尾島 昭次 大鐘 稔彦 小倉 脩 林 博史 島 澄夫 小池 晃 笹岡 俊邦 磯村 孝二 岩崎 栄 鈴木 荘一 吉崎 正義 平田 耕造
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.145-173, 1984-06-25 (Released:2011-08-11)

1 0 0 0 OA 7.補体

著者
堀内 孝彦 塚本 浩
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.2427-2433, 1998-12-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5

補体の分野における最新の知見は,補体活性化経路として古典経路,第二経路のほかに新たにレクチン経路の存在が見いだされたことである.さらにこの経路の機能不全と慢性関節リウマチ,全身性エリテマトーデスとの関連の可能性が示唆されている.従来の補体検査は,膠原病の診断,活動性の判定に大きく寄与してきたが,これらの新しい知見を発展させることにより,さらに詳細な病態把握が可能となることが期待される.
著者
渡辺 洋一 松尾 圭祐 玉置 明彦 平木 俊吉 森山 重治 堀内 武志
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.510-515, 2001-09-25 (Released:2016-10-15)
参考文献数
18
被引用文献数
28

我々は固形シリコンを用いた気管支充填術Bronchial Embolization using Silicone(以下BEUS)を考案し, 従来の充填材を用いた充填術に比べ, その確実性において優れていることを報告してきた。シリコン性充填材として開発したEndobronchial Watanabe Spigot(以下EWS)を手術困難な難治性気胸, 気管支瘻等に使用し良好な治療成績を得ることができたので報告する。対象症例は難治性気胸24例, 有瘻性膿胸7例、肺瘻4例、気管支瘻1例, 気管支胆管瘻1例の合計37例(35施設)であった。バルーンカテーテルを用いた試験等で30/37(81.1%)において責任気管支の同定が可能であり, EWSを用いた気管支充填術により12/32(37.5%)の症例においてエアーリークの消失が, 14/32(43.7%)の症例においてエアーリークの明らかな減少が認められた。これらの効果により肺の拡張を得ることができた19/31(61.3%)の症例において胸腔ドレナージチューブを抜去することができた。本療法に伴う合併症としては肺炎, 呼吸困難, 無気肺を各々2/32(6.3%)の症例に認めた。EWSを用いた気管支充填術は, 従来の気管支充填術に比してより確実で長時間の充填効果を得ることができ, 難治性気胸, 有瘻性膿胸, 肺瘻, 気管支瘻等の疾患に対する有用性が示唆された。
著者
竹下 真弥 北口 拓也 佐藤 のぞみ 平林 伸治 堀部 秀二
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C0522, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】膝前十字靭帯(以下ACL)損傷は男性に比べ女性の受傷率が4~6倍高く、受傷機転の70~80%が損傷者単独で行う非接触型損傷という特徴がある。女性の非接触型受傷率が高い要因の一つとして、膝周囲筋の筋バランス指標であるハムストリングス筋トルク/大腿四頭筋筋トルク比(以下H/Q比)が男性に比べ低値であることが関与するとの報告があるが、これはH/Q比に男女差があることを述べたもので、実際にH/Q比が非接触型ACL損傷の発生に関わるかを報告したものは少ない。そこで今回我々は、H/Q比が非接触型ACL損傷の危険因子となるのかを検討することを目的に、ACL損傷者の術前健側下肢が受傷時の患側の筋力や筋バランスを反映しているものと仮定し、接触型損傷者と非接触型損傷者の術前健側H/Q比を比較、検討し若干の知見を得たので報告する。【方法】2005年1月から2007年3月の期間に当院にてACL再建術を施行した症例の内、受傷時Tegner Activity Scaleが 6以上である女性68名を対象とし、受傷機転により接触群、非接触群に分類した。各群の内訳は接触群9名(平均年齢22.3±7.1歳)、非接触群59名(平均年齢22.4±9.8歳)で、両群に年齢、Tegner Activity Scaleの差はなかった。等速性筋力(角速度60deg/sec)をcybex6000にて測定し、術前健側の膝屈曲、伸展ピークトルクの体重比(%)とH/Q比(屈曲ピークトルク/伸展ピークトルク×100%)について、接触群と非接触群で比較した。統計学的処理はMann-WhitneyのU検定にて行い、危険率5%未満を有意水準とした。【結果】体重比は屈曲筋力が接触群112.5±24.8%、非接触群102.6±20.2%、伸展筋力は接触群211.0±27.5%、非接触群218.9±32.3%で両群間に有意差が見られなかったのに対し、H/Q比は接触群51.9±10.0%、非接触群46.9±7.7%で非接触群が有意に低下していた(p<.05)。【考察】今回の結果より、体重比には屈曲筋力、伸展筋力ともに差がなかったのに対し、女性の非接触型ACL損傷群のH/Q比は接触型より低値であることが明らかとなり、女性の非接触型ACL損傷は膝周囲の筋力ではなく、筋バランスが関与していることが示唆された。今後H/Q比の改善を目的としたリハプログラムの考案及び効果判定について検討する必要があると考えられた。また、今回の対照群は受傷機転が異なるもののACL損傷者であり、今後は健常者を対照群とした比較を行うことで、危険因子としてのH/Q比のカットオフ値を算出する必要があると考えられた。
著者
市川 清人 三田 雄志 堀 修 小林 隆夫
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.419-427, 2008-07-25 (Released:2011-08-25)
参考文献数
15

顔全体および顔パーツを個別に識別することで, 隠れを含んだ顔でも識別できる頑健な顔検出手法を提案する. 従来法の多くは顔全体の情報による手法であるため 隠れを含む顔の検出が難しかった. 提案手法は, AdaBoostに基づいて学習した 各識別器の出力を線形判別分析および決定木を利用して 統合し顔か非顔かを判定する. 決定木を利用することで識別器の利用を制御し, 隠れのある顔でも検出できる手法である. 隠れを含む顔および隠れを含まない顔の識別実験において, 過剰検出率が0.1%のときの正検出率は, 顔全体だけの識別器を用いた場合の31%, 決定木を用いないですべての識別器を統合した場合の48%に対して, 提案手法は88%という結果となり, 隠れを含む顔を検出するために, 効果的な手法であることを実証した.
著者
山本 悠太 平栗 学 前田 知香 水上 佳樹 堀米 直人 金子 源吾
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.70-73, 2016 (Released:2016-07-29)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

症例は60歳の男性.6年10カ月前に辺縁性歯周炎に対して全抜歯を施行され,総義歯であった.1月初旬,起床時からの腹痛・嘔吐を主訴に救急外来を受診した.CT検査で回腸末端に30×22×6mmの高吸収を呈する直方体の異物を認め,同部位より口側の回腸の拡張を認めた.前日に義歯を装着せずに汁粉の餅を丸飲みしていたことから,餅による食餌性イレウスと診断した.腹膜刺激症状や発熱を認めず,腸管の拡張が軽度で虚血を疑う所見も認めなかったことから,絶飲食,補液に加え,でんぷん・蛋白質などの消化酵素複合剤の内服による保存的治療の方針とした.入院3日目に腹痛の消失,排便が認められた.腹部CTで回腸末端の餅および口側の拡張は消失し,結腸内に餅片と思われる高吸収構造を認めた.餅による食餌性イレウスは比較的稀な疾患であり,総合消化酵素剤を用いた保存的加療が有用である.
著者
内堀 大輔 渡邊 一旭 櫻田 洋介 荒武 淳
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.23-00129, 2023 (Released:2023-12-20)
参考文献数
22

地下構造物の長期的な保全のために,通信用マンホールの点検作業を効率的かつ安全に行うことができる自律飛行 UAV(Unmanned Aerial Vehicle)を開発した.地下空間でUAVを自律飛行させるために,レーザと超音波による距離計測センサおよびカメラを用いたUAVの自己位置の推定方法と,推定した自己位置情報を用いた飛行方法を構築した.また,マンホールのような狭小空間の飛行に適したUAVのガード構造を検討した.実寸大マンホールにおけるUAVの飛行検証の結果,地上からマンホールの内部への入孔,マンホール躯体部での移動と画像撮影,マンホールからの出孔,着陸までの一連の飛行動作を完全自動で実現し,点検用の画像が撮影できることを確認した.これにより,点検員はマンホールに入ることなくUAVの撮影画像を用いて点検を行うことができる.