著者
國岡 崇生 田村 友紀 山崎 文枝 堀内 美穂 坂内 悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.662-669, 2012-12-01 (Released:2012-12-01)
参考文献数
3
被引用文献数
3

科学技術振興機構(JST)は,科学技術文献データベースにおける統制語索引に用いる「JST科学技術用語シソーラス」,同義語,異表記語を収録した「大規模辞書」など複数の用語辞書を所有している。これらの辞書が持つ,各用語の上位下位関係や同義関係など用語間のさまざまな関係性をもとに統合的に可視化を行うJSTシソーラスmapを開発した。JSTシソーラスmapの持つ機能,開発の目的などを紹介する。
著者
國岡 崇生 宮村 和実 植松 利晃 堀内 美穂 坂内 悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.582-590, 2012-11-01 (Released:2012-11-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1

科学技術振興機構(JST)は2009年よりβ版として公開したJ-GLOBALのリニューアルを行い,2012年9月に正式版をリリースした。正式版のサービス設計にあたっては,検索行動モデルとJ-GLOBALのサービスの特徴・登載データを比較し検証を行った上で,サービス設計を実施した。また,正式版のJ-GLOBALは,検索エンジン機能と画面インターフェース側を切り分けて,システム拡張の柔軟性を持つシステム構成となっている。J-GLOBAL正式版の機能や特徴について,サービス設計と合わせて紹介する。
著者
札野 順 飯野 弘之 山本 凉市 堀 幸夫 松原 洋 LUEGENBIEHL Heinz 西村 秀雄 HEINZ Luegenbiehl CLARK Scott
出版者
金沢工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1.高等教育や企業などの違いを越えて、倫理教育・研修を行う上で、Plan-do-check-actといういわゆるPDCAサイクルを持った「価値共有プログラム」という概念が有効であることを提案した。2.「Ethics across the Curriculum(以下EAC)」、すなわち、カリキュラムを通して行う科学技術倫理教育の可能性に関して総合的な検討を行ない、1)金沢工業大学が平成16年度から実践するカリキュラムの具体的内容、2)EACの歴史、理論、応用、評価、3)倫理教育を専門科目と統合する方法とその問題点、4)技術者教育と人文科学を再統合する試み、6)大学全体での倫理に関する測定と評価を行う方法、8)倫理的ジレンマ解決能力の測定と評価の方法、などに関する具体的な成果を挙げた。3.原子力産業に関連する企業、研究組織などを中心に、技術者や研究者が持つ「価値」群を明確化するためのアンケート調査を実施した結果、学協会が示す価値群と優先順位などについて差があることがわかった。4.実効性のある企業倫理プログラムに不可欠な要素(倫理綱領、トップのコミットメント、教育・研修、ヘルプラインなど)を抽出した。5.技術倫理教育のための教材を開発し、教科書および視聴覚教材を作成した。(平成16年度開講の放送大学科目「技術者倫理」)6.科学技術倫理プログラムを構築する上で、今後、最大の課題となるのは、プログラムの実効性を測定する手法であることを確認し、具体的なツールとして、学習者のベスト・ワーク登録するe-portfolioや倫理的価値判断能力を測定するための手法ethics rubricなどの有効性について検討した。7.今後、科学技術倫理を国際的・学際的に研究するための組織、Ethics Crossroads Centerの基本構想を練り上げた。
著者
梶浦 美咲 堀 智彰 西野 祐子 栗山 真季
巻号頁・発行日
2011-11

第13回図書館総合展/学術情報オープンサミット2011ポスターセッションで使用されたポスター(平成23年11月9-11日 パシフィコ横浜)
著者
小堀 紀子 岩切 宗利 松井 甲子雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.595-604, 2001-03-15
被引用文献数
7

電子出版の普及にともない,書籍をパソコンや携帯端末上で読む時代となってきた.これにともない,著作権保護の問題が発生するが,漫画の特長を生かした電子透かし技術は見当たらない.そこで,この論文では,インターネットを介して電子的に取り引きされるデジタル漫画に注目し,漫画を2値画像としてとらえ,そこに電子透かしを埋め込む一方式を提案する.本方式は,漫画の特徴である線画を利用し,線分や絵を構成する黒画素の領域を従来法とはまったく異なる面積としてとらえて透かし情報を埋め込む方法である.この方法によれば,画像の黒画素領域のエッジ部分を一様に拡大または縮小しながら利用するため,視覚的にも画像への影響が少なく,各種の攻撃にも耐えられることを示す.Recent developments of electronic publication enable us toread books on a personal terminal and bring a serious problemof copyright protection on World Wide Web or Internet at the same time.This paper pays attention to a digital comic book in such a style.More robust techniques for comic pictures are not presented toembed the copyright data,yet.We propose a simple scheme of comic watermarking,which expands or shrinks the area of black pixels uniformly so as torepresent a digit of copyright data with pixel distribution.The watermarked comic resists unintentional attacks of JBIG/JPEGprocessing and is robust for intentional attacks such as StirMark,also.
著者
堀井 有希 椎名 貴彦 志水 泰武
出版者
低温科学第81巻編集委員会
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.131-139, 2023-03-20

一部の哺乳動物は,冬季に環境温度付近にまで体温を低下させる冬眠を行う.また,数時間の低体温を呈する日内休眠を行う動物種もある.冬眠や日内休眠のメカニズムを解明する手立てとして,実験室内でそれらを再現することは重要である.シリアンハムスターでは低温で暗期の長い環境において冬眠が誘発され,与える栄養素により冬眠誘発までの期間が変化する.また,マウスでは絶食,スンクスでは寒冷環境が日内休眠を誘発する引き金となる.さらに,冬眠しない哺乳動物であるラットは,薬理学的な方法によって冬眠様の低体温へ誘導することが可能である.本稿では,実験室における哺乳動物の冬眠・休眠の誘導についてまとめ,冬眠研究の展望を論じる.
著者
田尻 慎太郎 杉森 公一 堀川 靖子 伊勢 康平
出版者
日本インスティテューショナル・リサーチ協会
雑誌
大学情報・機関調査研究集会 論文集 (ISSN:24363065)
巻号頁・発行日
pp.160-161, 2023-11-19 (Released:2023-11-24)

北陸大学では教学IRデータを一元的に管理しているが、学生の授業内学習行動データ(LAデータ)の収集は未実施だった。そこでSaaS型LMS「manaba」の学修行動ログを利用し、LMSの利用度が高い科目であある「統計学Ⅰ:の成績予測を機械学習で試みた。XGBoostモデルを用い、教学IRデータの入学時アンケートの回答データを説明変数に加えたところR2値はわずかに向上した。単位修得の予測ではほぼ100%の精度を達成した。
著者
堀田 崇
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
pp.69.1.7, (Released:2019-06-24)
参考文献数
61
被引用文献数
1

The field of comparative cognitive science has focused especially on mammals and some birds because of their phylogenetic closeness with humans and their larger brain compared to "lower vertebrates" such as fish. However, recent comparative analyses and conceptual models in the field of animal psychology and/or animal behavior propose that cognitive abilities have evolved in response to ecological and/or social factors. In addition, it has been shown that brain organization are largely conserved throughout the vertebrates, suggesting that lower vertebrates may have more sophisticated cognitive abilities than previously thought. Therefore, to reveal the phylogenetic distribution of cognitive abilities we should also examine lower vertebrates. In fact, ethologists have demonstrated diversity of social and ecological complexities in fish, which are good candidate for helping to reveal how cognitive abilities evolved. Therefore, I focus on fish cognition in this review. Recent studies have shown that some fish behave depending on the types of information they receive. As examples, I introduce studies about flexible decision-making and social cognitive abilities in cichlid fish in Lake Tanganyika, and cleaner wrasse. Finally, I discuss the evolution of cognitive abilities in different ecological contexts.
著者
堀川 宗一郎
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.34-18, 2015-10-01 (Released:2017-07-28)

これまで、芸術的要素を含む写本資料においては、多くの表記研究が為されてきた。その一方で、消息・文書といった実用的な資料を対象とした表記研究は、あまり蓄積されてこなかったように思われる。そこで、鎌倉遺文所収の仮名文書を採り上げ、「とん」の表記に着目し、実用的な書記実態の一端を明らかにする。鎌倉遺文における「ん」は、撥音・促音の表記の他、モの異体字としても使用される。「ん」がモの異体字として使用されるのは、「とん」という文字連続に限定され、必ず連綿で表記されることで、「ん」がモの異体字だと判読できる。また、連綿で表記された「とん」という文字連続は、必ずしも語や文節など意味とは対応しない。これを「固定的連綿」と呼ぶ。「固定的連綿」は「とん」以外の文字連続にも認められ、書記者の居住地域や性別・身分に左右されない、鎌倉時代における書記法の一つと捉えられる。
著者
高畑 雅一 冨永 佳也 神崎 亮平 青木 清 宗岡 洋二郎 水波 誠 山口 恒夫 堀田 凱樹 横張 文男 鈴木 良次 桑澤 清明 勝木 元也
出版者
北海道大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
1998

平成10〜13年度に実施した特定領域研究(A)「微小脳システムの適応的設計」の研究成果を、2つの研究項目についてそれぞれの班長および領域代表が中心となって詳細に吟味し、領域としての到達点と今後の展望を取りまとめて、研究成果報告書を作成し関係者に配付した。到達点として特に着目される業績としては、感覚連合中枢であるキノコ体のモジュール構造の発見やキノコ体のシグナル伝達機構の解明、また、湿度温度受容を含む機械感覚統合に関する多くの新しい知見などがあげられる。研究報告書には、計画および公募研究課題で公表された主要論文の別刷を添付し、最終的は400頁を越える分量となった。また、平成14年10月に文部科学省にて実施された最終ヒアリングにおいて、領域代表と研究項目代表者が出席して、領域研究の成果が、<わが国における節足動物微小脳による行動制御機構の研究を、従来の個々のモダリティーの感覚情報処理、個々の種特異的行動のパターン形成機構、具体的行動から単離され一般化された神経回路網の学習・記憶機構などの研究から、個体レベルの行動の多様性および複雑性と密接に関連づける研究という方向に向けて、大きく舵を切ったものと意義づけられる>という結論を報告し、審査員と質疑応答を行った結果、<期待どおり研究が進展した>との評価Aを受けた。また、審査報告に述べられた<今後もさらに個体レベルの行動の多様性や複雑性の解明へと取り組んでいただきたい>とのコメントを受け、次年度からの新しい微小脳プロジェクト申請のための打合せ会議を開催し、「微小脳システムの適応的設計」での成果をさらに発展させる目的で平成15年度特定領域研究「コミュニケーションのニューロン機構」(領域代表横張文男福岡大学教授)を申請した。
著者
岩田 義弘 長島 圭士郎 服部 忠夫 寺嶋 万成 清水 雅子 木原 彩子 三村 英也 堀部 晴司 岡田 達佳 加藤 久幸 櫻井 一生 内藤 健晴 大山 俊廣 戸田 均
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6Supplement2, pp.S128-S135, 2007-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
9

誤嚥はみられないが、嚥下時に咽頭-喉頭に異常感を訴える4名の高齢者に、症状の改善を目的に、訓練を行った。咽頭食道透視にて訓練を行った前後の比較を行った。訓練は対象者に下顎を胸の方向に強く持続牽引してもらい、施術者が頤部に手を固定し用手的に、下顎を短時間伸展するように牽引した。この操作により、2名において造影剤の通過時間の短縮がみられた。またこの訓練により、4例とも安静時の甲状軟骨の位置が高くなった。また軟口蓋の咽頭閉鎖も改善がみられた。簡易な訓練ではあるが、低くなった喉頭の位置の改善とそれによる誤嚥抑制の効果が期待された。
著者
中村 純作 堀田 秀吾 朝尾 幸次郎 梅咲 敦子 松田 憲 津熊 良政 野澤 和典 東 照二 山添 孝夫 佐藤 佳奈 宮浦 陽子 山本 香里 濱中 千裕 霜村 憲司
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

我が国中等教育の英語教科書のモニターコーパスを更新、補充、新たにアジア諸国の英語教科書を追加したコーパスを構築し、教科書研究のための環境づくりを行った上、教科書の内容(語彙、構文、文法項目、トピック、社会文化的要素等)を中心に質的・量的比較を行い日本の英語教育に欠けている点を指摘した。また、我が国を含めたアジア諸国の英語教育の実態と課題を検討し、我が国英語教育の問題点、今後の方向性などを考えるための国際シンポジウム、英語教育での新しい試みに関する知見を共有するための英語教育公開講演会、ワークショップなども開催、これらをまとめた報告書を出版した。
著者
井畑 真太朗 山口 智 光藤 尚 小内 愛 堀部 豪 久保 亜抄子 山元 敏正
出版者
一般社団法人 日本頭痛学会
雑誌
日本頭痛学会誌 (ISSN:13456547)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.600-603, 2023 (Released:2023-04-20)
参考文献数
15

症例 : 47歳,女性.主訴 : 頭痛.現病歴 : X-1年1月当院脳神経内科を受診,同年5月よりエレヌマブの臨床試験に参加.X年5月臨床試験終了後より片頭痛の日数が増加したため,X年12月鍼外来紹介受診.片頭痛予防と頸肩部の筋緊張緩和を目的に頸肩部に位置する経穴に週1回鍼治療を実施.評価は頭痛ダイアリーを用いた.鍼治療前には1ヵ月の片頭痛日数14日,エレトリプタン服薬数14錠であったが,鍼治療3ヵ月後の片頭痛日数4日,エレトリプタン5錠に減少.鍼治療はcalcitonin gene-related peptide (CGRP) 関連製剤使用後に増加した片頭痛日数とトリプタン服薬数を減少させる可能性がある.
著者
小山 友介 堀内 和哉
出版者
社会・経済システム学会
雑誌
社会・経済システム (ISSN:09135472)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.107-114, 2015-10-25 (Released:2020-10-08)
参考文献数
5

Anime pilgrimages (anime seichi-junrei) is one of the today’s hot issues for impoverished local areas. We inquired the actual conditions of anime pilgrims and their influences to the actual locale. Anime pilgrims at first visit the locale for seeing the same place imaged in anime, however, some pil- grims change their reason to visit into the communication with inhabitants or other pilgrims. Although it seems to benefits the locale, it has the risk that active repeaters behave exclusively for others. As all anime products have their life to keep popular interests, every locale has to prepare how and when anime pilgrim campaign to stop. Recent trend is to extend its local festival to anime pilgrims.
著者
堀本 ゆかり 山田 洋一 山下 淳一 丸山 仁司
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.303-310, 2022 (Released:2022-06-20)
参考文献数
16

〔目的〕本研究では,管理業務に携わる理学療法士のコンピテンシー要素を明らかにし,理学療法士のための臨床管理能力尺度の信頼性と妥当性を検証することを目的とした.〔対象と方法〕対象は,臨床業務に従事し,管理業務に携わる理学療法士200名とした.方法は自由参加によるWebアンケートで,基本属性および「看護管理能力を発揮するために必要なスキルと行動特性」68項目を用いた.〔結果〕管理業務に携わる理学療法士のコンピテンシー要素は,「組織開発力」,「管理者としての人柄」,「批判的視点」,「部門管理力」,「専門職観」,「状況対応力」が抽出され,信頼性と妥当性が確認できた.〔結語〕本研究では,理学療法士の管理業務に必要なコンピテンシー要素を臨床管理能力尺度として示し,信頼性と妥当性を検証した.
著者
堀越 和夫 鈴木 創 佐々木 哲朗 川上 和人
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.3-18, 2020-04-23 (Released:2020-05-16)
参考文献数
58

小笠原諸島の絶滅危惧種アカガシラカラスバトColumba janthina nitensの個体数は非常に少なく,その個体群の存続には侵略的外来種であるネコの捕食圧が大きく影響していると考えられていた.このため,諸島内の最大の有人島である父島では,2010年から島内全域でネコの捕獲が行われ,2013年頃にはその個体数が当初の10分の1以下になったと考えられている.また,集落域では飼いネコの登録や不妊去勢の推進が行われ,ノラネコの個体数も減少した.そこで,ネコ対策の効果を明らかにするため,一般からの目撃情報に基づき2009年から2017年におけるアカガシラカラスバトの個体数と分布の推移を明らかにした.その結果,個体数は夏期/冬期,山域/集落域を問わず,2012年から2013年に大幅な増加が見られた.また分布域は2009年には山域や集落の一部に限られていたが,2017年には集落域の8割および山域の6割まで拡大し,繁殖域は当初の分布面積の2倍に拡大した.これら個体数の増加,分布域と繁殖域の拡大時期は,山域でのネコ個体数が最少となり,また集落域の野外の個体数も減少した時期であった.一方,2014年以後はハト個体数の増加傾向が見られなくなっているが,この時期は山域のネコの個体数が回復傾向にある時期と重なっていた.以上のことから,アカガシラカラスバトの集団の回復にはネコ対策が効果的であると言え,今後トラップシャイ個体の効率的な捕獲手法を開発する必要がある.また,この鳥は頻繁に島間移動するため,他島での対策も進める必要がある.
著者
白岩 加代子 村田 伸 安彦 鉄平 堀江 淳
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.121-126, 2017-10-06 (Released:2017-10-05)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

本研究は,地域在住の女性高齢者を対象に運動頻度と実施時間について検証した。日常生活における運動頻度と実施時間を基に,「運動なし」,「毎日30分未満」,「ときどき30分以上」,「毎日30分以上」の群に分け,身体機能と身体組成に差異がみられるか比較した。その結果,身体機能に関しては,毎日30分以上の運動を行っている高齢者では,他の群より,下肢筋力,バランス能力の評価が有意に良好な値を示した。また,毎日運動は実施していても実施時間が30分未満の場合には,日頃運動を行っていない高齢者と身体機能に有意差は認められなかった。運動を行っていない高齢者では,体脂肪率とBody Mass Index が運動を行っている高齢者よりも有意に高値を示した。これらのことから,高齢者の身体機能の維持・向上のためには,毎日30分以上の運動を取り入れた生活を送ることが望ましいと考える。